家庭教師ヒットマンREBORN! 夜の守護者   作:tomato88

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これでよかったのだろうか…… と言いたくなる第4話です。


第4話

「姫、結局学校来なかったね」

「やっぱり、オレのせいで……」

「ケッ! あいつがそんなんにビビるたまかよ」

 

ツナ、獄寺、山本の3人は学校が終わり、一緒に帰っていた。 その最中の話題は今朝の事件から姿が見えなかった姫についてだ。

 

「大空だって女の子なんだぜ? 屋上から落ちて死ぬかもしれない体験をしたら誰だって怖くなるだろ?」

「いーや! お前はわかってねぇ。あいつは異常だ。 10代目もそう思いますよね?」

「ごめん、獄寺君。 オレもわからない」

「じゅ、10代目ー!」

 

でも、とツナは言葉を続ける。

 

「姫の中に黒くて冷たい炎が見える時があるんだ。それで、獄寺君は姫のどこが異常だと思ってるの?」

 

ツナの言葉がイマイチ、ピンとこなかったのか獄寺と山本は首を傾げていたが、ツナの質問に獄寺は素早く反応し、解説の体制に入った。

 

「まず、あいつはオレのダイナマイトを見ても全く驚かなかったんです。 それから考えられるのは自分に絶対に食らわない自信があるのか、それとも自分の死に無頓着なのか、です。 オレは後者の方だと思っています」

「ど、どうして……?」

 

いきなり入った獄寺の解説にツナと山本は困惑しながらも友人についての話となると真剣に聞かざるおえない。

 

「次に、10代目はオレが今日は学校にいつ来たかご存知ですか?」

「ご、ごめん知らないや……」

「そ、そうですか」

2人して落ち込んでいたが、山本が話を戻してくれた。

 

「それで、それがどう関係してるんだよ」

 

山本の言葉に獄寺は我に返る。 そして、咳払いを1つしてから再度、話し始めた。

 

「うるせぇ! 言われなくてもわかってんだよ。 それで、オレがいつ学校に来たってことですが、ちょうど大空と山本が屋上から落ちた辺りです」

「あー、あの時か。 大空には悪いことしちまったよな…… それと、ツナはサンキューな。 お前のおかげで助かったぜ」

「う、うん!」

 

その言葉に張り合おうとする獄寺だったが、今の自分の役割を思い出した。

 

「話を続けますね。 あの時、ちょうど校門のとこにいたんですよ、オレ。 それで遠目から見てたんですけど、どうにも何かしようとしてるように見えたんですよね」

「何かって……?」

「それは……わかんないですけど…… おい、山本。 てめぇはなんか心当たりねぇのか?」

 

んー、とその時のことを思い出す山本だったが必死だったのかイマイチ覚えていなかった。

 

「わ、わりぃ。 あん時は必死でよく覚えてねーんだは。 あ、そういや……」

「あん? なんかあんのか?」

「いや、大空って学校にネックレス付けてくるようなやつだったかなってさ。 なんかチラッと見た気がしたんだよな」

 

(ネックレス? 確か、うちの学校って装飾品身に付けるの禁止だったような…… でも、あの真面目な姫が付けてくるかなぁ……)

 

ツナはそう考えていた。 獄寺も心当たりがないようだ。

 

「オレの見間違いかもしれねーな。 わりぃな期待させるようなことしちまって」

「いや、お前のは見間違えじゃねぇ。 あいつは装飾品を身に付けているぞ」

「り、リボーン!?」

「まぁ、ネックレスじゃなくてリングだけどな」

 

突然のリボーンの登場に驚くツナと獄寺。 山本は誰か知らないため2人の反応に首を傾げている。

 

「なんだ小僧。 ツナと獄寺の知り合いか?」

「オレはツナの家庭教師でヒットマンだぞ」

「ハハハ! そっか! 家庭教師でヒットマンか! 格好いいなー、小僧!」

 

その山本の反応に冗談と思っているな、とツナと獄寺は考える。 そこでツナにある疑問が浮かんだ。

 

「そういえば、山本。 獄寺君の話でダイナマイトって出てきたけど、何も反応なかったね。 どうして?」

「ん? ダイナマイトって花火の事だろ? そりゃそんなの向けられたら普通はビックリするよな!」

 

この瞬間、2人は山本武がどんな人物だったかを再確認した。

 

「お前ら、そんなに姫の事が気になるなら直接聞きに行けばいいじゃねぇか。 案外、すぐ教えてくれるかもしれねぇぞ?」

リボーンが話を戻したついでに爆弾を投げてきた。 その提案にあたふたするツナ。 他の2人はその手があったか、と納得した様子だ。

 

「り、リボーン!? お前何言ってんだよ!? そんなわけないだろ!? それに、女の子の家に押しかけるって……」

「いえ、リボーンさんの言う通りです。 それに、答えなかったらオレのダイナマイトが火を吹くだけです」

「まぁ、ぐちぐち考えているより、そっちのがオレたちには合ってるよな」

「うるせぇ! 野球バカ! 10代目とオレをお前と一緒にすんじゃねぇ!」

 

(なんか2人とも乗り気だー!?)

 

その2人の発言にツナは驚き、リボーンはニヤリと笑う。

 

「なら、思いついたらすぐ行動、だぞ。 姫の家はツナの家の先にあるぞ」

「お、そうなのか。 なら早く行こうぜ」

「てめぇが仕切るんじゃねぇ! 行きましょう! 10代目!」

「ちょっ!? 待ってよ〜!!」

 

こうして3人はリボーンの口車に乗せられ、姫の家へと向かうことになった。

 

 

 

▽▽▽

 

 

「ここだぞ」

「で、でけー!?」

「こりゃすげーな」

「城とは違う迫力を感じるぜ」

 

リボーンに案内された3人は姫の家の大きさに圧倒されていた。

昔ながらの古い門。 それなりの高さのある壁。 周りを見てみるとツナの家の4倍以上の土地がありそうだ。

 

「姫の家ってお金持ちだったのー!?」

「ここら辺では有名な家だったようだな」

その言葉に想像もつかず、呆然とするツナと山本。 獄寺はなんとなく嫌な思い出が蘇っているのか、少しお腹を押さえている。

 

「と、とりあえず、入りましょう。 10代目」

「そ、そうだね……」

 

恐る恐るツナがインターホンを押す。 しばらく待って、インターホンから聞こえてきた声は男のものだった。

 

「どちら様で」

「ぼ、僕たち姫さんのと、友達なんですが、今日学校に来なかったので、し、心配で……」

 

聞こえてきた男の声が渋くドスの効いた声だったのでツナは怖がりながら言葉を綴った。

 

「そうですか。 今、門を開けますんで。どうぞ、入ってください」

 

その言葉とともに門が開かれる。 そこにいたのは1人の男。 顔が厳つく、目も鋭い。 そして左腕がない、そんな男。 姫の父、信明だ。

 

「姫の友達かい。 俺は姫の父親の信明だ。 ここで待ってるのはなんだ、客間に案内しよう」

信明はそう言ってツナたちを客間に案内する。

「な、なんか凄いね…… 池がある家なんてオレ、初めて見たよ……」

「ほんと、屋敷だよな」

「ここまでとはな……」

 

3人は家の中の感想を口々に言っている。 それだけ姫の家は驚きだったのだ。

 

「そういえば、君たちの名前を聞いていなかったな。 なんていうんだい?」

 

信明が4人に問いかける。

「山本武っス」

「獄寺隼人だ」

「ふむふむ、山本君に獄寺君か…… 君はなんて名前だい?」

「は、はい! 沢田綱吉です! 姫さんにはいつもお世話になってます!」

 

その名前を聞いた瞬間、信明の目つきが変わった。

 

「ほうほう、君が家光の息子か」

「父さんを知ってるんですか!?」

「あぁ、昔の仕事仲間だ。 まぁ、左腕やっちまってから仕事は辞めたがな」

 

そう言って苦笑いする信明。 そして、信明の視線は最後の1人に注がれた。

 

「オレはリボーンだぞ。 ツナの家庭教師をしている」

「沢田君はいい家庭教師雇ってるじゃないか」

 

先ほどの山本と同じ反応だからかツナは信明の冗談と捉えた。 信明とリボーンの目付きが鋭いことには気づかないで。

 

「さて、ついたぞ。 今、茶を用意するからここでくつろいでいてくれ」

 

客間に通された4人。 ツナと獄寺と山本はなかなかない広い畳の部屋に緊張している。

 

「いやー、こんな部屋初めて見たぜ。 この壺とか高いんだろうなー」

「こんな場ぐらい大人しくしやがれ! 10代目もそう思いますよね?」

「ど、どうなんだろう……?」

 

3人がワイワイやっている中、リボーンは1人、考え込んでいた。

 

(あの信明とかいう男…… どっかで見たことあるぞ。 ツナのパパンの仕事仲間だとしたら元門外顧問なのか……?)

 

「邪魔するぞ。 緑茶でよかったか? 姫はもう少ししたら来ると思うからここで待っていてくれ」

 

信明はお茶を客間に運び、どこかに行ってしまった。

 

「な、なんか姫のお父さんとは思えないんだけど……」

「確かに、あんま似てないっすね」

「きっと母親似なんだろな」

 

しばらく3人が話していると廊下から何かが近づいてくる音が聞こえた。

 

「ご、ごめん! 待たせちゃって」

 

来たのはみんなの予想通り姫だった。 だが、服装が予想外だった。

 

「な、なんで着物なの……?」

 

そう、着物だったのだ。 黒一色の柄に桜が描かれているそんな着物。 家でそういうものを着ているのが予想外だったのだ。

 

「あ、これ? 家ではいつもこれなんだー。 動きやすいし涼しいし。 今日みたいにちょっと暑い日はちょうどいいんだー」

「そ、そうなんだ……」

 

最近、元々あった姫へのイメージがどんどんと変わっていっているツナであった。

 

「うんっ! それで、今日はどうしたの?」

「えっと、今日、姫が学校から帰っちゃたからどうし「てめぇが何者か聞きに来たんだよ」ちょっ!? 獄寺君!?」

「10代目、ここはオレに任せてください。 きちんとこいつの正体暴きますんで」

 

そう言って、手をポキポキと鳴らす獄寺。 ツナと山本はそんな獄寺を宥めていたが、姫はイマイチ理解ができてないようだ。

 

「私の正体って?」

「とぼけんな! てめぇは10代目の命を狙うヒットマンなんだろ! ネタは上がってんだよ!!」

 

(なんか獄寺君の考えがどんどんエスカレートしてるー!?)

 

ツナの驚愕を他所に、突然の獄寺の発言に姫は冷静に対処する。

 

「私は普通の人だよ? なんでそう思うの?」

その言葉に獄寺は先ほど、ツナと山本に説明した自分の考えを姫に述べた。

 

「そういうことか…… えっと、まずは山本君の時のことなんだけど、あの時、私は何もしてなかったよ? ただ焦ってただけだよ」

「あん時は本当に悪かった!」

「うん。 もうあんなことはしないでね?」

「もちろんだ!」

 

その山本の言葉に姫は笑顔で頷いた。 わかってくれたことがうれしかったようだ。

 

「それに、私、ダメなんだ。 自分以外の人が傷つくの」

「そ、そんなの誰だってそうだよ!」

 

姫のなんとも言えない表情にツナはフォローを入れる。

 

「ありがとう、ツナ君。それでね? これが全部にかかわることなんだけど…… 5年前、私はお母さんを目の前で殺されたの」

「え……?」

 

姫の言葉に固まる3人。 リボーンはこのことを知っていたようだ。

「それからかな? 自分のことはどうでもよくなって、他人が傷つくのに敏感になったは。 それと、リングのことだっけ? あれはお母さんの形見だよ。 この事件を忘れないめの」

「忘れないため……? それってどういう……」

「決まってるよ。 あいつを捕まえて私が裁くためだよ」

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「姫にあんな過去があったなんて……」

「左目の下にツメのタトゥーがある男か…… オレたちも見かけたら教えてやんねーとな」

姫から話を聞いた4人はそれぞれの帰路につこうとしていた。

「リボーンは知ってたのか? あの話」

「少しだけな。 だが、流石にどんなやつがやったのかまでは知らなかったぞ」

ツナとリボーンと山本がその事件についての話をしている間、獄寺は一言も発さず、俯いていた。

 

「獄寺君、どうかしたの?」

「10代目、オレ、大空の家に忘れ物しちまったみたいっす。 ちょっと取ってきますね」

 

そう言って獄寺は来た道を戻っていった。

 

「どうしたんだろ? 獄寺君」

「さぁなぁ。 オレたちは帰るか」

「う、うん。 そうだね」

 

ツナと山本が帰る中、リボーンは獄寺が行った道を見て、ファミリーの成長を見守った。

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「ど、どうしたの? 獄寺君」

 

姫がドアを開けたらそこには息を切らした獄寺がいた。

 

「ハァハァ…… 1つ言いてぇことが……あってな……ハァ……」

「う、うん。 なに?」

「オレも母親を殺されたくちだ。 お前の気持ちはなんとなくわかんだよ。 だからよ、いつでもうちのファミリーに来いよ。 10代目の懐の深さならお前みたいなやつでも入れてくれんだろ」

 

照れながらそう言う獄寺。 その言葉を聞いた姫は嬉しそうに笑った。

 

「うんっ! ありがとう、獄寺君!」

「勘違いすんなよ! オレはまだ完全にお前のことを信用してるわけじゃねーかんな!」

「うん。 わかってるよ」

「言いたいことはそれだけだ。 じゃあまた明日な」

 

これが獄寺の精一杯の優しさ。 それは姫に伝わった。

 

「うん! また明日っ!」




姫が話した事件の概要

5年前、姫とその両親がイタリアに旅行。 その時、泊まっていたホテルで謎の襲撃。 ホテルの外に出ていた信明と何故か生き残った姫以外、全員死亡。 犯人はその場から逃走。 現在も解決していない。
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