家庭教師ヒットマンREBORN! 夜の守護者 作:tomato88
「おはよっ! リボーンさん。 獄寺君」
「ちゃおっス」
「おう」
山本の飛び降り事件から1週間が経過した。 あの事件以来、ツナと山本はよく話すようになった。 そして、その光景に嫉妬する獄寺もよく見るようになった。 4人でいる時は何か起きないよう、姫とツナが気を配っている状況だった。
「こんなところで何してるの?」
「山本が10代目に何かしないか見張ってんだよ」
「オレは山本をどうやってファミリーに入れるか考えてるんだぞ」
「そ、そうなんだ……」
姫は引きつった笑みを浮かべる。 2人がまた問題を起こさないか心配なのだ。
「とりあえず、リボーンさん。 オレはあいつをファミリーに入れるのには反対します」
「なら仕方ねーな。 山本の入ファミリー試験をするぞ。ついでに姫のもやるか。 姫も参加だ」
「いいっすね! そうしましょう!」
「え……?」
こうして、姫と山本は入ファミリー試験を受けることになった。
▽▽▽
リボーンから姫と山本が入ファミリー試験を受けると聞かされたツナは急いで校庭にやってきた。
「よ、よかったぁ。まだ何も起きてない……」
「どうもっス! 10代目!」
「ツナ君、待ってたよっ!」
「よぉ! 今日は小僧くっ付けてどうしたんだ?」
「え?」
ツナが後ろを振り向くとツナから紐で繋がれているスケボーにリボーンが乗っていた。
「げっ!? り、リボーン!! 通りで重いと……」
「ちゃおっス。 今日は山本を勧誘に来たんだぞ」
「勧誘? なんのだ?」
「ちょっ!? 待てよ! リボーン!!」
ツナの制止を聞かず、そのままリボーンは話し続ける。
「ツナがボスをやっているマフィア、ボンゴレファミリーに入らないか? 姫と獄寺も一緒だぞ」
「ツナがボスかぁ。 そりゃまたグッドな人選だな。 それに大空と獄寺もいるのか! それは楽しそうだな!」
「待って!? 私まだ入ってないよね!? 今は入らないとも言ったよね!?」
姫も抗議をするがそれもリボーンは無視する。 姫とツナは無視されたことでげっそりとした顔をする。
「よーし、わかった。 んじゃ、オレも入れてくれよ。 そのボンゴレファミリーってのに」
「えー!? や、山本!? 何言ってんの!?」
山本は野球があるから断ってくれると思っていたツナはその発言に驚く。
「そんで、何すりゃいいんだ?」
「まずは姫とともに入ファミリー試験を受けて貰うぞ」
「へー、試験があんのか。 本格的じゃねーか」
「試験に合格しなくちゃファミリーには入れないからな。 姫もそれはわかってるな?」
「う、うん。 大丈夫だよ」
やっぱり姫もやるのー!? と叫ぶツナ。 獄寺は山本を睨みながらタバコを吸っている。
「ついでに言っておくが、不合格は死を意味するからな。 んじゃ、始めるぞ。 試験の内容はとにかく攻撃をかわすことだぞ」
試験を始めようとするリボーンだったが、山本が待ったをかける。
「小僧、それだと大空が危ないんじゃねーか?」
「そ、そうだよ! 姫が怪我を負ったらどうすんだよ!」
山本の発言に同意を示すツナ。 いくら自分に迫る危険に恐怖がないとしても女の子が傷つくかもしれないというのが嫌だった。 だが、リボーンはそれを鼻で笑い、一蹴する。
「姫なら問題ねーぞ。 こんなもん、朝飯前のはずだからな」
「私なら大丈夫だよ、ツナ君。 私よりも山本君の心配をした方がいいと思うよ」
「言ってくれるなー。 そんじゃ、どっちが試験に受かるか競争と行こうぜ!」
山本は姫とリボーンの発言から試験が安全だと判断した。
一方、ツナはと言うと
(山本ー!? これ本当に危ないやつなんだよー!? 姫もわかってんのー!?)
と心の中で突っ込んでいた。
「んじゃ、改めて始めるぞ。 まずはナイフだ」
リボーンがその発言とともにナイフを投擲する。 姫と山本はそれを軽々と避けるが、リボーンが2投目をする前にツナが姫と山本の前に立った。
「待てよ!? リボーン!! お前、本当に2人を殺す気かよ!?」
「試験の邪魔をすんじゃねー。 そうだな…… ツナ、ボスとして手本を見せてみろ」
「はぁ? 何言って……ちょ!?」
リボーンはツナに向けてナイフを投擲する。 それをツナはギリギリで回避し、その場から逃走する。
「ははっ! ツナも参戦か! 面白くなってきたな!」
「なんで山本は楽しそうなのさー!?」
「オレたちだって小さい頃、木刀とかで遊んだりしたろ?」
冗談だと思っている山本に驚きながらもツナは姫が近くにいないことに気づく。
「あれ? 姫は?」
「お前らがモタモタしてるうちに先に行っちまったぞ」
そう言ってリボーンが指さした方には確かに姫がいた。 だが……
「あいつ、もうあんなところにいるのか。 はえーな」
「いくらなんでも速過ぎー!?」
姫と2人の距離は50mは離れている。 ツナが逃げ出す前には近くにいたはずだった。
「こりゃ負けてらんないな。 絶対、合格してやろうぜ」
「う、うん」
「2人とも遅いよー! リボーンさん、もう次の準備してるよー!」
姫の言葉に2人が後ろを振り向くとリボーンがサブマシンガンの用意していた。 そして、同時にアレが現れた。
「リボーンの永遠のライバル、ランボさん登場!! そして、ちね、リボーン!!」
「なんか変なの来たー!!」
「え? あの子誰? それに持ってるのは……ロケットランチャー?」
「ははっ! また面白いやつが来たな!」
ランボの登場にそれぞれ反応を示した3人だったが、リボーンはランボを完全に無視する。
「ランボさんは……我慢の子……」
「ねぇ、ツナ君。 あの子、泣きそうなんだけど…… 大丈夫?」
「う、うん。 いつものことだから」
「あれ、いつもなんだ……」
追いついたツナにランボのことを聞く姫だったが、考えるだけ無駄だと判断し、試験に集中する。 その時、ランボのロケットランチャーからロケットが発射された。 そのロケットは姫たち3人のところに着弾し、1つだけリボーンに迫っていくものがあった。 リボーンはそれをレオンが変形した箸でランボに向かって進路を変えた。
「あ、あぶね〜!?」
「これは…… 真剣にやらねーと危険かもな」
「ねぇ、あの子、今まともに直撃してたよね? 流石に心配なんだけど……」
「多分、大丈夫じゃないかな? いつものことだし」
「あれもいつもなんだ……」
こうしている間にもリボーンはマガジンを変えながら獄寺をそそのかしている。 そして、ランボは10年バズーカで大人ランボへと入れ替わっていた。
「この攻撃を避けることができれば試験は合格だ」
「や、やっと終わる〜!」
ツナが安堵したのも束の間、ツナは獄寺と目があった。 それだけで、これから何が起こるのかなんとなく察することが出来た。
「いくぞ」
「果てろぉ!」
「サンダーセット!!」
3人は一斉に姫たちに攻撃してきた。
「うわー!? なんか同時にきた〜!?」
「ツナ! 大空!」
山本は2人の盾になろうと2人を覆い隠そうとした。 だが、姫はそれをひらりと避け、1人、前に出た。
「ちょっ!? 姫!? 何してんの!?」
「お、おい! あぶねーぞ!?」
「大丈夫だから」
そして、3人に着弾した。
▽▽▽
「や、やりすぎた…… じゅ、10代目ー!! リボーンさん! これ、どうするんすか!?」
「まぁ、 よく見てみろ」
リボーンの不敵な笑みと言葉に従い、未だに黒煙に包まれている方を見た。
段々と薄まっていく煙の中に立っている3人の影が見えた。 山本が2人を庇ったのかのように獄寺は見えた。
「じゅ、10代目〜!! よくご無事で!!」
「う、うん。 姫と山本が助けてくれなかったら危なかったよ」
「そ、そうですか…… おい! 山本!」
獄寺は山本に突っ掛かりツナを助けたことにお礼を言った。 だが、獄寺の右腕が発言から山本が張り合い、いつも通り喧嘩となっていた。
その近くで姫とツナが話をしていた。
「ありがとう、姫。 お陰で助かったよ」
「なんの話?」
「え? いやだって、姫がオレたちのこと守ってくれたんだろ?」
「私たちのことを守ってくれたのは山本君だよ。 たまたま少し離れたところに落ちてよかったよねっ! 直撃してたら山本君、生きてなかっただろうし……」
「そ、そうだね」
ツナはよくわからない感覚に陥っていた。 ツナは姫が自分たちを守ってくれた光景を見た気がした。 だが、実際には姫は山本に庇われていたし、姫は自分たちの離れたところに着弾したと言っていた。
(オレの気のせい? そうだよな。 姫から死ぬ気の炎が見えるわけないよな)
リボーンの顔が優れないことに誰も気がつかなかった。