仮面ライダーフォーゼ~IS学園キターッ!~   作:龍騎鯖威武

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第14話「蠍・座・決・戦」

ヴァルゴの前に現れたスコーピオンは、ジェミニスイッチを手渡す。

「ジェミニのスイッチを回収しました」

受け取ったヴァルゴは、満足そうな雰囲気を醸し出す。

「ご苦労。それで、アリエスは…?」

「次の襲撃で奪取するつもりです。さらに朗報がございます」

自信に満ちた言葉を紡ぎながら、スコーピオンは続ける。

 

「魚座の使徒の覚醒が近いです」

 

「ほう、ピスケスが…?」

それはヴァルゴにとって吉報である。興味を示したように聞きなおした。

「えぇ。フォーゼ達も私に気をとられており、意識を向けていない様子です。次の成果をお待ち下さい…」

スコーピオンは深々と頭を下げ、姿を消そうとするが…。

「待ちたまえ、スコーピオン」

「はい…?」

ヴァルゴが呼び止める。振り向いたスコーピオンは疑問を持った様子で聞く。

「篠ノ之箒に…手を出したようだね?」

その質問に、そんなことかというような雰囲気でスコーピオンは答える。

「問題ありません。生かしておきます」

その答えに対して、ヴァルゴは違う言葉で返した。

「…分かっているだろうが君が今、こうしていられるのは私あってこそだ。それを忘れないようにね、スコーピオン…いや、理雄君」

ヴァルゴが人名で呼んだ場合は、スイッチをオフにして姿を見せる決まりとなっている。

スコーピオンは理雄の姿に戻った。

「もちろんです。貴女のおかげで、オレは生きる素晴らしさを実感しています」

いつも苛立っていたり、下劣な笑みのある表情をしている彼だが、今だけは穏やかな表情で、ヴァルゴに対して輝いている瞳を向けている。

彼の生きる理由はヴァルゴのみにある…。

 

緊急事態である。

「くっ…うぁ…」

宇月はガタガタと震えながら意識を失ったまま、ベッドで寝込んでいる。

隣のベッドには箒もいる。彼女は身体中の痛みのために意識があり、地獄の苦しみを味わっているのだ。

「どっちも…スコーピオンの仕業だ」

「あんのサソリ怪人…!」

鈴音は静かに怒りを燃やしている。大切な友達を窮地に追いやったのだから。

「2人は、どうなってますの…?」

セシリアの質問に、パソコンで分析を進めていた礼が焦った様子で答える。

「宇月の体は、肉体を腐食させる負のコズミックエナジーに蝕まれている。篠ノ之に関しては、脳神経が異常伝達を送っているだけで、肉体自体に問題はないが…痛みのショックに対する危険性も無いわけではない。宇月のほうが危険だが、どちらも放っておくわけにはいかない」

心配そうな面持ちで、山田が問う。

「治るんでしょうか…?」

「…」

彼女の質問に礼は、答えない。

さすがにその態度はいけないと思った一夏は、礼に文句を言う。

「礼、山田先生の話も聞いてやれよ」

「いや…聞くつもりだ。まず、謝らなければいけない」

礼は椅子から立ち上がって、山田に頭を下げた。

「あなたを疑っていました。本当にすみません」

「辻永君…。じゃあ、疑いは…?」

「はい。スコーピオンのスイッチャーはおそらく、あなたと白石以外で別にいます」

「紫苑の疑いも晴れたんだね!」

まだ余地はあるのかもしれない。礼は疑っていた事を悔い改めることができる。アリエスの頃ではありえなかったことなのだ。

「へ~。ちゃんと謝れるのね、礼」

「言ったはずだ、おれは常に素直だと。どこぞのチビと違ってな」

「なんですってええぇ!?」

礼の言葉に突っかかってきた鈴音を適当にあしらいながら、説明を始める。

「先生、宇月達の件ですが…元日本代表候補のIS使いだったあなたに頼みたい事があります」

「は、はい。それは…?」

山田が尋ねると、礼はゆりこが遺した橙色のスイッチとなでしこドライバーを取り出した。

「なでしこは例外中の例外を除けば、日本人女性にしか扱えません。篠ノ之は起動できなかったようですが、あなたなら大丈夫だと思います」

「でも…」

「戦えなんて言いません。ただ…こいつを使ってほしいんです」

さらに礼は、メディカルスイッチを取り出した。

「これはコズミックエナジーで肉体を浄化するスイッチ。ただ、メテオはこのスイッチに対応したソケットが無く、フォーゼがこの状態ならば、なでしこしかいないんです!」

有無を言わさず、山田の腰に取り付ける礼。

「え…あの…」

「急いでください!宇月と篠ノ之が死ぬ前に!」

焦りの表情が見える礼の剣幕に押され、赤いスイッチを宇月に習って起動させる。

そして、右手を構えて…。

「変身!」

空に翳したところ、ゆりこのような形ではなかったが、左手のみなでしこのスーツを纏った。

「少しだけですね…」

「十分です!このスイッチを早く!」

山田がメディカルスイッチをセットした事を確認すると、ドライバーのコードを伸ばして彼女の左手につなげる。

「肉体を介さず直接、コズミックエナジーを左手から宇月に送れば…」

<MEDICAL-ON>

 

その頃…。

スコーピオンは、ある女子生徒と一緒にいた。

ただし…その女子生徒はラストワンに到達したスイッチをもっている。

「アタシなら…できる!」

そう叫んでスイッチを押すと彼女の体は黒い霧に包まれ、背びれのあるイルカのような姿から、身体中に鱗のあるゾディアーツへと変化した。

「おめでとう尾坂夏樹君、これで君は立派な十二使徒、ピスケス・ゾディアーツだ」

拍手を送り、夏樹であったゾディアーツの肩に手を置く。

 

それは魚座の使徒「ピスケス・ゾディアーツ」だった。

 

「出来たでしょ、スコーピオン様!アタシなら当然!」

「ふむ、自信家なのは良い事だ。さぁ、十二使徒の偉大なる女王、ヴァルゴ様にお目通り願うのだ」

スコーピオンは満足そうな笑みを含めた言葉を残し、ピスケスがヴァルゴの元にいく姿を見送った。

姿が見えなくなった後…。

スイッチをオフにして理雄の姿に戻った。

「ヴァルゴ様…。オレは貴女の為ならば、命さえ差し出せます」

スコーピオンスイッチを見つめて呟いていた。

「スコーピオン」

不意に呼び止められた。後ろを振り返ると、レオが立ち尽くしていた。

「れ、レオ…!?何か用かよ…?」

自身の力とレオの力は圧倒的であり、レオに勝てる手立てはない。やはり恐怖を見せてしまう。

「オマエを評価している。なにせ、2人もの十二使徒を覚醒させたのだからな。だが同時に、ヴァルゴ様は篠ノ之箒を襲ったことに対して憤慨している」

「な、何が言いてェんだ…?」

理雄が恐る恐る聞くと、レオはいつもの威圧感ある口調ではなく、落ち着き払った声で言った。

「ヴァルゴ様は、もしスコーピオンが敗れた場合の後始末をオレに頼んだ。オマエの生い立ちは知っている。出来れば、オレはオマエを失いたくない。篠ノ之箒を襲った件を挽回するならば、フォーゼとメテオを潰すしかない。上手くやれ」

そう言い残してレオは去った。

理雄の脳裏に、過去の記憶が蘇る。

 

 

 

1年前。

「どうしてだよ…なんで、オレが…!」

ベッドの上で悲しみにくれていた。

理雄はこの日の半年前、交通事故にあって頚椎損傷による首以外の全身が不随になってしまい、彼は動くことが出来ずに寝たきりになってしまった。

彼の家は才能溢れる人物が集まっており、中にはISの研究者もいた。

そんな中、彼もまた将来を家族や親類に期待されていた。

その期待に応えるために、沢山の努力を惜しまなかった。

だが相手の一方的な事故のせいで、彼は将来を奪われた。それだけならば、まだ良かったのかもしれない。

動けなくなった自分を見て、両親は医師に言った。

 

「この子は、私達の息子ではありません」

 

両親は息子への愛情よりも、親族の家系の優秀さを優先するあまり、動けなくなった理雄を勘当し、親族にすら見捨てられた彼は、孤独になった。

この事実が理雄の心を、深い絶望に引きずり落とした。

「オレは…何も…やってないのに…あんなに頑張ったのに…どうして!?」

「苦しいだろう…」

慈悲深い言葉とともに現れたのは、紅色の女性。その背中は翼が生えており、彼には天使に見えた。

「あなたは…?」

「君にもう一度、生きる希望を与えたい」

そう言って渡されたのがゾディアーツスイッチだった。

彼女は動かない理雄の手を優しくスイッチと共に握り、彼に押させた。

「これは…!」

その姿は黒い霧に包まれ「オリオン・ゾディアーツ」になった。

「身体を起こして見なさい」

「いや…オレの身体は…もう…」

「大丈夫、君の力を信じて」

ヴァルゴの言うとおり、身体を起こそうと力を入れてみた。

「動く…身体が動きます!」

「…やはり、見込みどおりだ。君には素質がある」

彼は再び動ける肉体を手に入れた。

「ありがとうございます!あの…貴女の名前は…」

「十二使徒の一人であり乙女座の使徒、ヴァルゴ・ゾディアーツ。人類が宇宙へ向かうための進化を促す女王になる存在だ」

そう宣言するヴァルゴの姿は高貴で美しく、理雄は憧れの瞳でみつめる。

「良いかい、理雄君。我々は進化する。君もその一人。絶望の底から這い上がってくる力を持つと信じているよ。それこそが…生きる力なのだから」

「はい、ヴァルゴ様!」

オリオンとなった理雄は、ヴァルゴの言うままに行動し、たった1日で…。

 

<LAST-ONE>

 

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!」

オリオンからホロスコープスへと進化した。

「素晴らしい…僅か1日で…!おめでとう、理雄君…!いや、そんな君を捨てた親がつけた名前など、似合わないね。これから君は、こう呼ぼう。蠍座の使徒「スコーピオン・ゾディアーツ」と…」

闇に包まれていた理雄の未来に、確かにヴァルゴは光を導いてくれたのだ。

「このオレが…ヴァルゴ様と同じ十二使徒…スコーピオン・ゾディアーツ…!」

それ以来、理雄はヴァルゴに絶対の忠誠を誓い、彼女を侮辱する者は例え味方であろうと許さない決意を持った。

 

 

 

ヴァルゴの願いを叶えるのが、理雄の生きがいであり誇りである。

そのためには、どんな犠牲をも厭わない覚悟を持っている。

「…分かってるよ、レオ」

だからこそ、どんな手段を使っても、フォーゼ達を排除しなければいけない。

 

 

 

次の日。

スコーピオンの襲撃が再び起こった。

ダスタードの集団があちこちで暴れまわっている。

「皆さん、こちらへ!」「早く逃げなさい!」「急いで!」

セシリア、鈴音、シャルロットの3人が生徒達の避難を促しながら、スコーピオンを探し続ける。

「シャルロット!みんなの避難は僕達に任せて!」「つっちー達も早く!」

そこへ紫苑と本音が現われ、避難の誘導役を引き受けた。

「ありがとう、紫苑!」「…感謝する、布仏!」

シャルロットと礼は2人に感謝して、スコーピオンの捜索を始める。

「うん!みんな、こっちに逃げて!」「やっとノロマ免除だ~!みんな~こっちこっち~!」

2人は一生懸命、自分のやれる事をやっている。

ふと、セシリア達の目の前に理雄が現れた。

「なんだよ、このバケモン達!?」

「礼を探しているんだろ?」「彼は、メテオが応援に向かいやすい状況を作っている」

その言葉と共に、ラウラと一夏が現れた。

「もう正体を明かせ、理雄。いや…」

 

「スコーピオン!」

 

一夏の言葉で、理雄以外の一同は唖然とした。

「な…理雄さんが!?」「うそ…冗談でしょ?」

一方、理雄は両手を挙げて首を振る。

「ハァ…?スコーピオンだ?」

「証拠はある」

そう言ってバガミールを取り出し、録音した音声を再生し始めた。

『そこのカエル女が何考えてるか知らねェが、その女はオレの獲物だ。手を出すな』

「…なぜ、理雄はカメレオンが「女」だと分かった?カメレオンの見た目は男性で、この時点では声も聞いていないはずだ」

確かにカメレオンは本来、男性の姿をしたゾディアーツ。女性だと理解するためには、彼女がスイッチを押すところを目撃していないといけない。

仮面ライダー部以外で目撃が可能な者は…ホロスコープス位だ。

「そして、セシリアと鈴が、おまえの腹が異様に痩せこけていたところを見たらしい」

「だから?」

理雄の質問に、一夏はこう返した。

「昨日の浴室で見たが、礼もそうなってた。ホロスコープスのスイッチを押した直後の一部の人間に起こる副作用らしいな」

礼もアリエスであり、最近スイッチを押したために、理雄と同じ現象が起きていたのだ。

「そして、おまえは半年前に四肢不随で動けない身体だったはずだ…動かせるのは…コズミックエナジーの作用以外、考えられない!」

これは礼が千冬から教えてもらったものだ。

「もう、言い逃れは出来ないぞ!」

一夏が詰め寄ると、理雄は首をだらんと下げて、ポケットに手を入れる。

「…仮面ライダー部とやらを見くびっていたな。そうだよ、オレが…いや」

そして、スコーピオンスイッチを取り出してオンにする。

 

「この私が…スコーピオン・ゾディアーツだ」

 

「あんな奴が…スコーピオンだったとは…」

流石にラウラも驚きを隠せなかった。

「どうして、スコーピオンとしてスイッチを配り、学園を破壊しているんですの!?」

「我等が偉大な女王、ヴァルゴ様の意思だからだ」

セシリアの質問に、スコーピオンは悪びれもせずに答えた。

次に憤りを覚えた鈴音が突っかかる。

「そんな不確かな理由で…。ヴァルゴだって…きっと悪党なんでしょ!?」

 

「知ったような口を利くな!!!!!!」

 

その言葉に、スコーピオンは今まで聞いたことも無いような怒声で返した。

「ヴァルゴ様は素晴らしい方だ!オレが親からも見離され、人生に絶望したとき…ヴァルゴ様だけがオレを救ってくださり、生きて進化する事の大切さを教えてくださった!」

彼も譲る事ができないのだ。この戦いの勝利を…。

「ヴァルゴ様のことを侮辱するようならば…オレの総てを賭けて、貴様らを叩き潰す!それがオレの命を削るとしても!」

そして文字通り、彼は自分の命を削る行為を行った。

 

「超・新・星!」

 

突如、スコーピオンの胸から眩い光が現れ、それが彼の体に再び浸透した瞬間、下半身が巨大なサソリのような姿に変わった。

「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!!!!」

スコーピオンの進化形態「スコーピオン・ノヴァ」だ。

ドガアアアアアアアアアアアァン!

「みんな、無事か!?」

そのとき、メテオも到着した。

「メテオ、スコーピオンをとめるのに協力してくれ!」

「分かった!オオォォォォ…アチャアアアアアアアァッ!」

鈴音はパワーダイザーを、一夏たちはISを装備して、メテオと共にスコーピオンに向かった。

 

一方、宇月の部屋では…。

「ここ…は?」「苦しくない…」

「あ…気が付きましたか!?」

ようやく、宇月と箒が意識を取り戻した。

メディカルスイッチによる肉体の解毒が終わったのだ。

「山田…先生?」

「ごめんなさい、城茂君…。君に疑わせてしまうような事をして…」

彼女は、宇月から言われた言葉をずっと引き摺っていたのだ。

「…礼や一夏たちの会話…朦朧としてたけど、ちゃんと聞いてました。すいません…。ダメですね、おれ。ゾディアーツが絡んだら、仲間でも疑ってしまう…」

バシンッ!

「どぉっ!?」

突如、今まで黙っていた箒から、竹刀で頭を殴られた。

「…いってぇぇ~…!なにするんだ、箒!?」

「山田先生は優しいから、おまえを殴る事ができないだろうと思ってな」

箒が竹刀を振るったのは、宇月と山田の関係を修復するためだった。このままではどちらともギクシャクした関係が続いていただろう。箒が山田の代わりに宇月に制裁を加える事で、すっきりさせたかったのだ。

これは…無意味な暴力ではない。そう確信が持てた。

「次は、礼とわたしの番だな。紫苑と山田先生を疑った事ことは、わたしも同じだ」

「篠ノ之さん…」

ただ、疑いを持っていたのは、自分も同じ。彼女も誰かから制裁を受ける必要がある。

だが…。

「…よっし!それはとりあえず後!おれもさっぱりしたし、スコーピオンを止めにいくぞ!山田先生。メディカルのこと、ありがとうございました!」

そう言って橙色のスイッチを持って、箒と共に飛び出した。

暫くして、千冬が現れる。

「どうだ、真耶。あのガキ連中とは…」

「はい、上手くやれそうです!」

 

一方、一夏達は…。

「ヌオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

ドガアアアアアアアアアアアアアァ!

「うわあああああああぁ!?」「きゃあああああああぁ!」

スコーピオンの爆発的なエネルギーの前に、成す術もなくなっていた。

「やはり…メテオだけでは…スコーピオンには…」

メテオ自身も限界を感じていた。

このままでは、間違いなく敗北する。

「消えてしまえェェェェェェェ!!!!!!」

トドメの一撃を放とうとスコーピオンが構えた瞬間…。

 

「おぉぉぉぉりゃああああああああああああああああぁ!」

 

マシンマッシグラーに乗った宇月と箒が現れた。

ドガァァァッ!

「ムゥ…?」

スコーピオンに体当たりするが、有効な一撃ではなかった。

「間に合ったか…?」

「まってたぞ、宇月!」「ようやくですわね…!」「遅いわよ!」

「そろそろ…限界だったよ…」「まぁ、嫁が持ちこたえてくれたがな」「違う!」

マッシグラーから降りた宇月はフォーゼドライバーを装着し、4つのスイッチを押す。

「今度こそ…決着をつけてやるぞ、スコーピオン…いや、理雄!」

「フォーゼェ…!!!!」

<3>

「フォーゼ、ダスタードは任せろ!」

<2>

「頼んだ!」

<1>

「行くぞ、変身っ!」

右手を高く掲げ、フォーゼBSに姿を変えた。

「はぁっ!」

そんなフォーゼBSの隣に、一夏が歩み出た。

「おれも戦う!」

「一夏…?」

フォーゼBSの振り向いた先には、強い決意を秘めた一夏の瞳があった。

「おれだって…守れる力があるなら、守りたい!おれの持てる力で…このIS学園を守る!」

「分かった!一緒にスコーピオンを止めるぞ!」

その途端、一夏のISが金色に光り輝いた。

「零落…白夜…?」

モニターには、そう表示されていた。

それと同時に、フォーゼBSが持っていた橙色のスイッチが光り輝く。

「ゆりこ…?」

新たな力が2人に宿った。

「この力で…学園を守って見せる!」

「ゆりこ…力を貸してくれ!」

<ROCKET-SUPER><ROCKET-ON>

雪片弐型に青白いエネルギーの刃が現れ、フォーゼBSの身体はオレンジ色の光が集まり、2つのロケットモジュールが装着された。

新たなステイツ「仮面ライダーフォーゼロケットステイツ」にステイツチェンジした。

「これが…おれとゆりこの力…ロケットステイツ!」

「ヌゥアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!!!!」

スコーピオンはその言葉を無視し、エネルギー波を辺りに振り撒く。

「着いて来い、一夏!」

ドガアアアアアアアアァ!

「ゴオォォ!?」

エネルギー波を避けつつ、ロケットの噴射でスコーピオンに体当たりしたフォーゼRSは、そのまま空に舞い上がった。一夏もそれに続く。

箒はそれを見送る。

「絶対に勝って来い!」

 

宇宙空間にまで到達した3人。

一度距離を置き、フォーゼRSがレバーを引く。

<ROCKET LIMIT-BREAKE>

「零落白夜、発動!うおおおおおおおおおおおおおおおぉ!」

「ライダァァァァ錐もみクラッシャアアアアアアアアアアアアアァァァァ!」

ドガアアアアアアアアアアアアアアァ!!!!

零落白夜を発動した一夏と、凄まじい勢いで回転するフォーゼRSがスコーピオンに激突する。

「負けない…オレは負けるわけにはいかない!…ウオオオオオオオオォ!!!!!」

「うあああぁ!?」「ぐあああぁっ!」

だが、スコーピオンは満身創痍になりながらも弾き返した。

「これが超新星の力だ!くたばれ、仮面ライダアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!!!!」

赤黒い光弾を無数に放つが、それを避けつつ…。

「一夏!もう一度やれるか!?」「なんとかな!」

フォーゼRSは一夏の状態を確認して、ドリルスイッチをオンにした。

「なら、もう一発!」

<DLILL-ON>

そして僅かなエネルギーを酷使し、もう一度、零落白夜を発動する。

<ROCKET DLILL LIMIT-BREAKE>

「ライダァァァァァダブルロケットドリルキィィィィィィィック!」

「行けえええええええええええええええええええええええぇ!」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!!!!!

再び、スコーピオンに強大な2つの攻撃が放たれる。

「こんなモノでエエエエエエエエエエエエエエエエェ!!!!」

ビキィ…!!!

「なにィ!?」

遂に、スコーピオンの身体に限界が訪れた。身体に亀裂が入り始めた。

一夏が叫ぶ。

「おまえは負けられないって言ったな!でも、おれ達は…それ以上に負けることができないんだ!」

「知るかアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!!!!」

バチバチィ!

突如、スコーピオンの身体に火花が散る。

そして…。

 

「宇月!」

 

ゆりこの声が聞こえた。

「ゆりこ…なのか?」

そう、スコーピオンの中にあるSOLUのエネルギーがゆりことして、ロケットスイッチスーパー1を通して話しかけてきたのだ。

「絶対に負けないで、宇月!わたしも手伝う!だから!」

「あぁ、ゆりこ!おまえの力…おれの信じたいモノのために使わせてもらう!」

その会話の後、スコーピオンの中にあるSOLUのエナジーが、フォーゼRSに吸収されていく。

「喰らええええええええええええええええええええええええええええええぇ!!!!!」

「…女王の御加護を受けたこのオレが…!」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァン!!!

「何故だアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!??」

凄まじい絶叫を残してスコーピオンは爆発し、炎を纏いながら地球へと落下していった。

 

「受けて見なさい!はああぁっ!」「こんのおおおおおぉ!」

バシュッ!ドガアアアアアァ!

「ムゥゥゥゥ!?」

地上では、ダスタード相手に奮闘するセシリア達とメテオがいる。

「はああああああぁっ!」「ふんっ!嫁、今だ!」

「違う、いい加減にしろ!」

<MARS-READY?><OK-MARS>

「オオオォォォ…アタアアアアアアァ!」

ドゴオオオオオオオオオオオォ!

「ヌオオオオオオオオオオォ!」

凄まじい勢いでダスタードたちを倒していく。

一通り殲滅し、ふと空を見上げると…。

「あ、あれって…!」

ドガアアアアアアアアアアアアァ!!!

炎の塊が学園の近くに落下した。

<PARACHUTE-ON>

暫くしてパラシュートモジュールを使ったフォーゼBSと一夏が降りてきた。

「勝ったぞ!」「この学園を守りきった!」

彼等の言葉どおりスコーピオンを撃破したのだ。

『やったあああああああああああああああああああああああああぁ!』

遂に強敵を打ち倒したのだ。まだホロスコープスが居なくなったわけではないが、スコーピオンを倒したのは、彼等にとって大きな進歩となった。

彼等の勝利を確信して、メテオは静かに去っていった。

だが…。

 

落下地点へ急ぐ一堂。

避難を主に行なっていた礼も合流する。

「理雄…!」

クレーターの中心には、ズタボロになった理雄が仰向けに倒れていた。

「貴様等…やってくれたなァ…!」

首だけを動かしながら恨めしく呻く理雄。

彼の元に歩み寄り、手を差し出す。

「スイッチを捨ててくれ。おまえにだって可能性が…」

 

「ふざけるな…テメェは…オレの可能性を奪った!!!」

 

そう言った理雄の姿を見て、シャルルは気付いた。

「もしかして…また…」

「そうだ…オレの身体は、負のコズミックエナジーのおかげで動いていた…。フォーゼ共のせいで…オレは再び、動けない身体に戻った!」

彼はゾディアーツになったからこそ、自由に動ける身体になれたのだ。

だがフォーゼと一夏に倒されたことで負のコズミックエナジーが浄化され、身体は全身不随に逆戻りしたのだ。

「嘘だ…そんな…!」

「全部テメェの所為だ…絶対に許さねェ!」

そんな彼等に…。

「!?」

凄まじい殺気と威圧感を感じ、寒気が走る。

振り返ると…。

「スコーピオン…オマエは終わりだ」

新たなホロスコープスが現れた。

「れ、レオ…!?」

「まさか…あの獅子座の使徒…!?」

初見だが宇月と礼は、この獅子座の使徒「レオ・ゾディアーツ」をよく知っている。

このゾディアーツは純粋な戦闘だけで言えば、ヴァルゴを超えている。

つまり、ホロスコープス最強の座を冠しているのだ。

「ピスケスの覚醒は見事だった。だが残念だ…。オマエはフォーゼに敗れ、アリエススイッチの回収に失敗した。ヴァルゴ様の罰を執行する」

「ま…まて…やめてくれ…!」

 

「ホロスコープス追放だ」

 

「頼む…もう一度チャンスを!」

理雄の必死の願いも通じず、彼の手元に会ったスコーピオンスイッチを拾って、レオは去っていった。

去り行く前…。

「フォーゼ…そして支援者共よ。次に会ったときは…血祭りにあげてやる!」

凄まじい威圧…そして、どこか悲しみを込めて言い放った…。

取り残された宇月達。

倒れている理雄は…。

「そんなぁ…嫌だぁ…」

今までの姿からは想像もつかないほど、子供のように泣きじゃくっていた。

そして、泣き止んだかと思うと宇月と一夏を睨む。

今までのような脅迫などではなく、強い悲しみと怒り、憎悪がこもっていた表情だった。

 

「呪ってやる…死ぬまで呪ってやる…!ウオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!!!!!!!!!!!!」

 

夕焼けの空に理雄の絶叫が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

続く…。

 

 

 

 

 

次回!

 

                     おれのやっている事は…正しいよな?

 

黙っていても、ゾディアーツは現れる

 

                     あらたなホロスコープス…!

 

ピスケス、よろしく!

 

                     フォーゼは暫く療養か…

 

お願いします!龍騎として力を貸してください!

 

 

 

 

第14話「魚・座・発・見」

 

 

 

青春スイッチ・オン!

 

 

 




キャスト


城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ

織斑一夏

篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音

???=仮面ライダーメテオ
ラウラ・ボーデヴィッヒ

辻永礼=アリエス・ゾディアーツ
布仏本音

シャルロット・デュノア
白石紫苑

裾迫理雄=スコーピオン・ゾディアーツ
尾坂夏樹=ピスケス・ゾディアーツ

織斑千冬
山田真耶

???=レオ・ゾディアーツ

篠ノ之束(?)=ヴァルゴ・ゾディアーツ



遂にスコーピオンと決着がつきました!
…が、多分、後味の悪い決着になったと思います。
原作でスコーピオンはあっさり退場したのが残念すぎたので、以降も影響が残る存在にしたかったのですが…。トラウマ路線しか無かったです…(汗)
理雄は…悲しいですが、ホロスコープスになったことで、間違いなく幸せになったんです。
それを奪ったのは、仮面ライダー…。
他者から幸せを奪った葛藤が暫く続きます。

理雄自体は…これからフェードアウトするか、病院内で幾度か登場のどちらかにしたいのですが…。
よろしければ意見下さい。

地味にピスケス覚醒(笑)。断空我さん(アットノベルスでは超人機さん)の案を採用させていただき、彼女は原作のキャンサーポジションです!

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