仮面ライダーフォーゼ~IS学園キターッ!~   作:龍騎鯖威武

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黄道十二星座!
第16話「山・羊・入・魂」


 

 

クラスのホームルームで千冬が説明をしている。

「近頃、この学園の近くで迷惑行為をしている者がいるらしい。なんでもストリートミュージシャンを名乗り、騒音を起こしているそうだ。見つけ次第、教師にまで連絡するように。必要以上に関わろうとはするな」

それを聞いていた宇月は、ふと思い出した。

「騒音か…」

実はピスケスと戦った次の日、その男と会っていたのだ。

 

その日は自分の情けなさに失望し、IS学園を抜け出して、トボトボと徘徊していた。

フォーゼとして戦う事もまともに出来ない。かなり落ち込んでいたのだ。

「よぉ坊主!なぁにショボくれた顔してんだよ!?」

「あ…はぁ…」

そこに話しかけたのが、その男だった。20代後半だろうか。

「おいおい!そういう時は「いや元気です」って、嘘でも言うもんだろ?」

「ま、まぁ…そうっすね」

それでも気丈に振舞う事すら出来なかった。

「なんだよ、面白くねェな!なら、元気の出る情熱的な一曲、送るぜ?」

持っていたアコースティックギターをかき鳴らして、歌い始めるが…。

 

…酷かった。

 

一通り歌い終わった男は、ドヤ顔で宇月を見る。

「どうよ?これで…オレは世界を目指す!」

「ぷっ…」

自然と笑いがこみ上げてきた。

「なんだよ…?」

「い、いや…冗談でしょ?ぶっ…はは…!」

あまりにもヘタクソな演奏であるのに此処まで自信家だと、面白いにも程がある。

「コンニャロ!人が元気付けようと思ってたのによ!?」

「うあっ、いてて!」

頭を抱え込まれ、強く締め付けられた。

容赦ない痛さだったが、久しぶりに自然と笑えた。

「オレの名は八木鳴介!いずれ世界に、情熱的な音楽を届ける男だ!」

「城茂宇月。IS学園の生徒っす」

お互い自己紹介をして、別れた。

 

「まぁ、騒音って言えば、そうだよな…」

あのときのことを思い出しながら、軽く笑う。

「宇月、なんか元気良くなった?」

「お、そうか?」

鈴音が尋ねると、キョトンとした顔で答える宇月。

あんなに落ち込んでいたはずなのに、自然と落ち着いてきた。まだ、完全に吹っ切れてはいないが。

「そうだね。なんか、楽しい事があったみたい…元気になれたなら、僕も嬉しいよ」

その様子に紫苑も便乗して言う。

セシリアが辺りを見回して、ふと思い出す。

「そういえば今日、礼さんはお休みなのですわね」

そう、礼がいない。今まで休みや遅刻は一度もなかったのに…。

「つっち~がいないよ~!」

本音が悲しんでいたのは、言うまでもなかった。

 

その頃、礼はラビットハッチで寝ずに調整をしていた。

だが、一向に完成しない。

「制御できる物体か…」

自分の携帯を見つめる。そして、何かが閃いた。

「…この携帯は、ラビットハッチで発見されたものだったはず…」

何かの構想が浮かんだ礼は、再び調整を始めた。

 

昼休みの時間。

夏樹はリブラと顔を合わせていた。

「リブラ様、どうしてフォーゼを見逃すなんて…」

上手くいけばフォーゼを倒し、スコーピオンである理雄の無念を晴らせたかもしれないのに…。

「あのとき、フォーゼは君へ攻撃する事に戸惑っていた」

確かに、彼女の目にもそれは読み取れた。なにか罪悪感や後悔のために割り切れないように感じ取れた。

「フォーゼの心には、スコーピオンがいるのだろう。彼の未来を奪ったのはフォーゼだからね」

「それって、どういう…」

「確かめてみると良い」

そう言って、リブラはディケを振るい、病院の在る場所を映し出した。

 

銀色のオーロラで…。

 

「あの…辻永君。一体、学校を休んでまで何を…」

「これです」

心配になった山田は、礼の部屋まで訪れていたのだが、彼はいたって健康。休んだ理由を聞いたところ、彼が使っている携帯を見せ付けられた。

NとSの文字が描かれ、先端にそれぞれアストロスイッチが装着されている。

「これ…アストロスイッチと携帯を組み合わせたんですか?」

「そう、名前はNSマグフォン。この30・31番のスイッチから生み出されるコズミックエナジーを、マグフォン部でせき止め、必要分だけを身体中へ自由に行き渡らせるモノです。どちらもラビットハッチから見つけ出されたから、もしかしたらと思いましたが、想像通り、互換性があったんです」

礼は、一夜でこれに気付き、完成までに至らせたのだ。彼のコズミックエナジーに関する知識は凄まじいものがある。

「すごいですね…一日でこれを…」

「スコーピオンが倒れてあせりを感じたのか、ホロスコープスの覚醒が格段に早くなっています。おそらく近いうちに新たなホロスコープスも…。一刻も早く、こちらも対抗する手立てを考える必要があります」

そう言っている礼の表情にも、僅かながら焦りが見える。

彼のカバンには…山田には見えなかったが、青と黄色の風車のような形のスイッチもあった。

(…メテオも早く、ステイツチェンジが可能にならなければいけないな)

 

病院内に来た夏樹は、病院の職員に案内され、理雄の病室に来た。

「…ピスケスか」

窓をみつめたまま、理雄は小さく言う。

「理雄君…あなたがスコーピオン様だったなんて…」

「失望したか?こんな輩で」

窓から映りこんだ理雄の顔は、自虐的な笑みを浮かべていた。

「ううん…嬉しい」

そう言って、理雄の顔を自身の顔に向けさせる。

「ピスケス…?」

「夏樹って呼んで、理雄君。わたしね…あなたのことが好きだったの。それにスコーピオン様としてのあなたも…」

理雄の身体を優しく抱きしめる夏樹。

「あなたの仇のフォーゼは…わたしが倒す。もし、出来たなら…恋人に…なってほしいな…なんて…」

途中から恥ずかしくなったのか、俯きがちに言った。

「…オレがどういう状態か知らないのか?」

「なんとなく分かる。でも構わない。今だけは…ホロスコープスとヴァルゴ様を忘れて」

複雑ではあるが、これも人の愛のカタチなのかもしれない…。

 

シャルロットと紫苑は、なにげなく学園内を散歩していた。

「僕さ…時々、シャルルって呼びそうになっちゃうんだよね」

「あ…確かに、そっちの名前のほうが長いからね…」

紫苑はよく人の名前を呼ぶときに詰まってしまう。特にシャルロット相手だとそうだ。

デュノアさんからシャルル、そしてシャルロットと、呼び名が著しく変わっているからだ。

「それでね、呼びやすいように呼んでも良いかな?」

「どんな呼び方?」

「シャルルとシャルロットで同じ部分の「シャル」って呼びたいんだけど…」

彼が積極的になることは非常に稀で、基本は受動的である。そんな彼が自分からこういった行動を起こせているのがシャルロットには嬉しかった。

なにより、これは彼だけの呼び名になるのだ。

「うん、良いよ。すごく良い!」

「良かった。断られたらどうしようかって…」

「断ったりなんかしないよ~」

安堵したような笑みを浮かべる紫苑。

そこへ…。

「よぉ、お二人さん!仲が良さそうで何よりだ!」

快活な印象の男性がやってきた。服装や雰囲気から、学園の関係者ではないらしい。

その肩に下げているギターを見て、シャルロットははっと思い出した。

「もしかして…ストリートミュージシャンっぽい人って…」

「おぉ、IS学園にも名が知れ渡ってるのか!女の子にモテモテになるのも、遠い話じゃないかも知れねぇな!」

よっぽど自分の名が知られているのが嬉しいのか、豪快な笑い声を上げる男。

この男は、宇月が会った八木鳴介だ。

紫苑はオドオドしながらシャルロットに言う。

「シャル、すぐに先生に報告に行こうよ。必要以上に関わるなって…」

「ん?坊主、オレの名前は良い意味で通ってねぇのか?」

八木の言葉に、紫苑は怯えながら申し訳なさそうに言う。

「織斑先生が迷惑行為だって…」

「おいおい!オレの情熱的な一曲、迷惑だと思うなら聞いてからにしな!」

そう言って、有無を言わさずギターをかき鳴らして演奏するが…。

やはりヘタクソだ。

「どうよ?」

「えっと…どうよっていわれても…」「こ、個性的…かな…?」

2人は、困ったように反応する。その様子に、八木は目つきが変わった。

「じゃあ…こっちを聞いてみろ」

そう言って、カプリコーンスイッチを取り出した。

「え…ホロスコープススイッチ!?」

それを押して、カプリコーンに変化した。

「これが情熱的な音楽の真髄だ…!」

ウルクを構え、先ほどと同じようにかき鳴らす。

だが…それは先ほどとは違い、異常なほど上手な演奏であった。

「あれ…すごい…」

シャルロットは聞き入っている。激しい曲調なのに、なぜか心地良い。

「…!?シャル、聞いちゃダメだ!」「うわ!?」

不意に、何かに気が付いた紫苑が彼女の耳を塞ぎ、その場から走り去る。

取り残されたカプリコーンは、訝しげに呟いた。

「アイツ…なんでこの曲の効果に気付いた…?」

 

「し、紫苑…!?」「良いから、早く!」

紫苑は、急いで鈴音とセシリアの下へと急いだ。

「あら紫苑さん、どうしましたの?」

「や…山羊座が…!」

「うそ、もう増えたの!?」

最悪だ。ホロスコープスがどんどん増えている。

これで8人目。すでに半分を超え、残りは4体となった。

「辻永君に…つたえて…城茂君じゃ…戦えるか分からないから…」

息を荒げて言う紫苑に対して、2人は強く頷いた。

「え、えぇ!」「わかったわ!」

そして再び、シャルロットと2人だけになると…。

「どうして、耳を塞ぐなんか…」

「あの音…たぶん、催眠効果がある」

あのまま聞いていれば、シャルロットは操られてしまったかもしれない。

「そうだったんだ…助けてくれてありがとう。でも…どうして気付いたの?」

「え…?あ、あぁ…それは、ゾディアーツで音を使うなら、それが相場かなって…」

つまり、勘だったというわけだ。まぁ、聞かないに越した事はないが、不明瞭な理由だ。

 

セシリアと鈴音の言葉を聞いて、宇月、一夏、箒、ラウラを引き連れてカプリコーンの場所にまでやってきた。

「よぉ、宇月!」

「八木さん!?まさか、カプリコーンって…」

そこにいた八木を見て、宇月は焦る。彼の手にはカプリコーンスイッチがあったのだから。

「おう!このオレ様が音を司る十二使徒、カプリコーン・ゾディアーツだぜ」

そのまま押して、カプリコーンの姿に変わり、ウルクをかき鳴らす。

「イェエエエエエエエエエエエイ!」

「あなたから…元気をもらったのに…!」

悔やみきれない想いを胸に、フォーゼドライバーを装着する。

「大丈夫か宇月?まだ吹っ切れて…」

一夏が心配になって聞くと、彼は真剣な目つきで前を向いたまま答える。

「おれがやらないと、フォーゼは誰にも出来ない…やるしかないだろ」

聞き様によっては、仕方なしになっているようにも感じられるが、それは違う。

これは父の形見であり、両親の遺した想いが詰まっているからだ。

赤いスイッチをおして、右手を構える。

<3><2><1>

「変身っ!」

現れた煙状のエネルギーを振り払い、フォーゼBSに変身する。

「はぁっ!よし…これだ!」

<ELEKI-ON>

エレキスイッチを使ってフォーゼESへとステイツチェンジし、ビリーザロッドでカプリコーンに攻撃を仕掛ける。

「オメェ…フォーゼだったのか!?」

驚きながらも、カプリコーンは避ける。

「あんたが十二使徒として攻撃するなら…おれは止める!」

<BEET-ON>

「耳を塞げ!」

ビートモジュールを装備し、開音波を響かせた。ウルクの催眠音波を妨害し、音で攻撃させないためだ。

「くそ…こんなスイッチまであるのかよ…!?」

「どんな状況にも対応できるのが、フォーゼだ!」

上手くカプリコーンの攻撃特性を破った今、状況は良い方向に向かっている。

「いいぞ!」「このまま、リミットブレイクですわ!」

一夏とセシリアの言葉を聞いて、レバーを引こうとしたその時…。

 

「カプリコーン!手を貸すわ!」

 

ドガアアアアァ!

「ぐああぁっ!」

突如、槍を持ったピスケスとリブラが現れた。

「ピスケスにリブラかよ…こんなときに!」

一夏はISを展開してフォーゼESの隣に立つ。

「アンタもスコーピオン様の仇を…」

「あぁ…オレの前にいた蠍座の先輩だよな。ま、良いぜ?」

「まだまだ…こんなものじゃないよ」

リブラがディケを振るい、大勢のダスタードを呼び出す。

「わたくし達も行きますわ!」「来なさいパワーダイザー!」「ダスタード位なら蹴散らせる!」

ISはダスタードを倒す事は出来るため、専用機持ちの3人は戦いに助力した。

鈴音はパワーダイザーに登場する。

ドガアアアアアアアアアアアアァンッ!

「この状況はフェアじゃないだろう?」

そこへ、メテオも駆けつけた。ラウラは彼の元に近付く。

「嫁!」

「だから違うって!…それよりラウラ、セシリア、鈴音!ダスタード達は任せる!一夏はおれとフォーゼと共に、ホロスコープスを相手して欲しい。…頼めるか?」

「あぁ、まかせろ!」

一夏は雪片弐式を構え、カプリコーンに攻撃を仕掛ける。

フォーゼESはリブラを狙う。

「リブラぁ!」

「フフ…」

リブラがディケを地面に叩きつけた瞬間…。

「…!?」

フォーゼESの攻撃は止まった。

「やはり恨まれた相手への攻撃は、気が引けるようだな?」

リブラは、ディケを握った理雄の姿に変わっていた。

「り、理雄…!?」

「隙だらけだよ…フン!」

ドガアアアアアアァ!

「ぐああああああぁ!?」

ディケでフォーゼESを殴り、エレキスイッチを弾き飛ばした。スイッチの効果が切れ、フォーゼBSへと戻る。

「宇月さんっ!」「不良男の姿に…声まで同じ…!」

リブラの攻撃方法に、ピスケスを相手していたメテオは怒った。

「きさま…卑怯なマネを…!アチャアアアアァッ!」

「卑怯だろうと何だろうと…」

メテオの攻撃が当たる直前に、理雄は再びディケを振るう。

「ヌッ…!?」

「勝てば良いのだよ。そうだろう?」

次はラウラの姿に変わる。一瞬、攻撃の手が緩む。

「ダメだね。戦士としては失格だ!」

ドゴオオオオオオォ!

「ウアアアアアアアアァ!」

彼等の心の隙間に入り込み、精神的に追い詰めた上での攻撃だ。卑劣ではあるが、かなり高等な戦闘方法である。

「リブラめ…わたしの姿や声まで…!嫁、しっかりしろ!」

「あ、あぁ、すまない…。おれも甘いな…」

ラウラに抱き起こされながら、メテオは自身の不甲斐なさを悔やむ。

それに一夏が異議を唱える。

「違うだろメテオ!おまえ、おれ達を仲間だと思ってたから、攻撃の手を緩めたんだろ。甘いなんてことはないぞ!」

「だが…」

「その気持ちがあるから、ゾディアーツと戦えて、人を守れてるんだろ!すげぇことじゃないか!」

一夏はメテオやフォーゼに内心憧れている。仮面ライダーとして人を救うことのできる存在である彼等は、一夏の夢見ている「誰かを守る」存在なのだから。

「おいおい男IS使い、よそ見してんなァ!」

ギャィイィィィ!

「うぅっ!?」「うあぁっ…!」

隙を見たカプリコーンはウルクの音波で一夏やラウラを攻撃する。その音波は衝撃波となり、白式に損傷を与えた。

「一夏、ラウラ!…この野郎ォ!」

メテオは攻撃の的をカプリコーンに変え、メテオギャラクシーのスイッチを押す。

<JUPITER-READY?><OK-JUPITER>

「オオオオオオオオォ…アチャアアアアアアアァッ!」

ドガアアアアアアアアアアアアアアアァ!

「ウオオオオオォ!?」

メテオの木星を模した拳をカプリコーンに放ち、相手の意識を削がせた。音波は消えて一夏達も危機を免れた。

「ほ、ほらな…十分、強いだろ…」

「目が覚めた。感謝する、一夏!」

メテオは一夏と立ち上がり、共にリブラとカプリコーンに攻撃を仕掛けていった。

一方、フォーゼBSはピスケスに標的を変えて戦っていたが…。

「弱い弱いィ!」

ズバシャアアアアアアアァ!

「どわああああああああぁっ!?」

水圧を利用した攻撃や槍の攻撃などを駆使され、完全に翻弄されている。

「エレキなら行けるけど…」

<ELEKI-ON>

フォーゼBSは、エレキスイッチを使ってしまったので、今は使えない。

おそらく炎を使うファイヤースイッチは相性が悪く、ロケットスイッチスーパー1はよっぽどの時でない限り使いたくはない。

「普通のスイッチで応戦できるか…!?」

スイッチを駆使した戦い方に切り替えることにした。

「相手が水なら…」

<BORD-ON>

ボードモジュールを装備し、液状化したピスケスの身体を波乗りの要領で凌ぐ。

「な…乗らないでよ!」

「そんなこと知るか!」

<STEALTH-ON><CROW-ON><HUMMER―ON>

さらにステルス、クロー、ハンマーのモジュールを起動し、姿を迷彩で隠す。

「き、消えた…!?」

「こっちだ!」

油断したピスケスの背後でクローとハンマーを同時にぶつける。

ガギィ!

「くっ…!」

しかし、なんとか槍でその攻撃を防ぎ、再び液状化して距離を置く。

フォーゼBSはここで一気に畳み掛けようと考えた。

新たなステイツチェンジだ。

「使わせてもらうぞ、礼…このマグフォン!」

あらかじめ、礼から受け取っていたマグフォンを取り出して、2つに割ろうとするが…

「分割っ!…あれ?」

全く割れない。外すためのボタンや割り方は礼から聞いているので、問題なく割れるはずだが…。

「お、おい!割れねぇ!?」

「なに、おもちゃで遊んでるのよ!?」

ドガアアアアァ!

「ぐああああああぁっ!?」

吹き飛ばされた拍子にマグフォンが手から離れ、遠くへ吹き飛んでしまった。

「うあぁ!マグフォンが!?」

その様子を見た鈴音はまたしても不具合のあるステイツチェンジのスイッチを渡したのかと怒り始めた。

「あんのバカ礼…また中途半端に…!」

「鈴さん、よそ見しないで下さいまし!」

セシリアはその間もダスタードの相手に必死だ。今、ラウラがメテオのために少し離れてしまい、猫の手も借りたいくらいだ。

「あぁ、ごめん。よぉし覚悟しなさい、忍者!」

ドゴオオオオォ!

「ムウウウウウゥゥゥ!?」

一夏、メテオ、ラウラはカプリコーンとリブラと交戦しているが…。

「オラアアァ!この音はシビレるだろォ!」

ギュイイイイイイイイィ!

「ぐうっ…!」

怪音波での攻撃で3人の動きは鈍らされ…。

「フンッ!」

ズガアアアァ!

「うおぉっ!?」

そこにリブラの攻撃が加えられ、殆ど手出しが出来ない状態だ。

バチィ…!

「くっ…ドライバーに限界が…。これ以上は戦えない!」

遂にメテオドライバーにも火花が飛び始め、変身を維持する事が困難となった。

「おまえら…ここから逃げろ!全員、生きてな!」

メテオはそう言い残し、青い発光体になって離れていった。

「め、メテオも戦えなくなった…」「だが…どう逃げるって…」

 

<ADVENT>

 

「ガアアアアアアアアァ!」

その音声と咆哮と共に、ドラグレッダーが現れ、こちらに向かってくる。

「な、龍!?」「何よあれ!?」

ドゴオオオオオォ!

「ウオオオオオオオォッ!?」「キャアアアアアアァッ!」

間一髪でリブラは避けたが、ダスタードたちも蹴散らされた。

「みんな、今のうちに!」「あ、おい!?」

そこにドラゴンサイクルに乗った龍騎が現れ、箒とフォーゼBSをドラグレッダーの背中に乗るように指示した。

残りはISやパワーダイザーなどで移動できるため、すぐさまそこから離れていった。

「龍騎…またしても邪魔を…」「今度は逃がさない…」「あの程度じゃ、すぐに仕留められるぜ!」

忌々しげにリブラ達は呟き、姿を消す。

 

そして、宇月と礼の部屋に戻ってきた。今回は竜也とあゆも一緒である。

「助かりましたわ…」「ありがと、先生!」

セシリアと鈴音は竜也に頭を下げる。

「いや、逆にごめんね。もう少し早かったら…」

「でも、間に合ってよかったよ、竜也くん」

彼等に大事がなくて安心した2人。

「ごめんなさい…何も知らなくて…」

そして、宇月達にあやまっているのはシャルロットだ。あの状況下、仮面ライダー部でいなかったのは彼女だけである。

「気付けなかったんだから、仕方ない。それよりもマグフォンがな…」

そう、宇月が気がかりなのはNSマグフォンだ。あの戦いの最中、紛失してしまったのだから。

「篠ノ之、バガミールを渡してくれ」「あ、あぁ」

礼の言うとおり、箒は手に持っていたバガミールを移し、NSマグフォンの飛んでいった方向などを確認する。

「距離と高さからして…」「待ちなさいよ」

鈴音が礼を呼び止める。

「なんだ?」

「あんたね…謝るとかないの?いつも戦いには参加しないくせに、スイッチも中途半端なものしか作らない。それでその態度って、おかしいでしょ!?」

実は礼も戦いにまともに助力していない。スイッチ開発を担当しているから文句を言うのはほどほどにしていたが、我慢の限界だった。

「鳳、おれは宇月を信頼している。だからこそ、自分のもてる最大の状態で作り上げたスイッチを渡そうとしている」

「でも、完成してないじゃない!」

「やめましょう、鈴さん。言い争っても、どうしようもないのですから…」

セシリアが止めるも、険悪な雰囲気は治まらない。

「なんだか…絆は深いのに、なにかで壁を作ってるように感じる」

ふと竜也がこぼした。

「どういう意味ですか?」

箒が聞くと、次はあゆが答える。

「みんなは、それぞれを本当に大切に思っているのに、隠し事や建前、いろんなことで、その思いを曝け出してないように、ボク達は思うの。時間は掛かるかもしれないけど、心を曝け出して。そうやって言い争うことで、壁を少しずつ取り払っていってるのかもしれないから」

竜也とあゆの言葉で、一同は少し穏やかな雰囲気に変わった。

じっとみていた山田が手を挙げる。

「は、はい!わたし、そのマグフォンを探します!」

「わたしも行きます。礼、バガちゃん達を借りても良いか?」

「あぁ。好きにしろ」

「ボクも行く」

結果、山田、箒、シャルロットの3人がNSマグフォン捜索を担うことになった。

宇月が立ち上がって言う。

「おれもまだ完全に立ち直れてないけど、みんなの協力は絶対無駄にしないぜ。だからよ、みんなも全力でサポートを頼むな!」

その言葉に全員が頷く。竜也やあゆでさえ。

「よぉし、行くぜ仮面ライダー部!」

 

『おぉっ!』

 

 

 

 

 

続く…

 

 

 

 

次回!

 

                         夢は独りじゃかなわねぇ…

 

ここ掘れワンコ!

 

                         割れなかった理由は…

 

スイッチに精神論が通ると言った…

 

                         分割・セット!

 

マグネットステイツだ!

 

 

 

 

 

 

第17話「超・電・磁・爆」

 

 

 

青春スイッチ・オン!

 







キャスト


城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ

織斑一夏

篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音

???=仮面ライダーメテオ
ラウラ・ボーデヴィッヒ

辻永礼=アリエス・ゾディアーツ
布仏本音

シャルロット・デュノア
白石紫苑

織斑千冬
山田真耶

龍崎竜也=仮面ライダー龍騎
月宮あゆ

尾坂夏樹=ピスケス・ゾディアーツ
八木鳴介=カプリコーン・ゾディアーツ
裾迫理雄
???=リブラ・ゾディアーツ



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