仮面ライダーフォーゼ~IS学園キターッ!~   作:龍騎鯖威武

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親子の悲哀…
第30話「牡・牛・暗・躍」


 

福音の事件から数週間後。

あれ以降、ゾディアーツの事件は一度も起きていない。

「平和だねぇ~」

昼休み、和やかな声を漏らすのは本音。夏場なのだが、今でも手を隠すほどの長袖の制服を着て、春の日向ぼっこのように、日当たりのよい席で体を丸めている。

一方の宇月…。

「ぬおおおおおおおおおおぉ!提出期限が迫るうううううぅ!」

必死に反省文に取り組んでいた。時間は今日の放課後まで。

一応、彼以外は全員、反省文の提出は終わっている。

「大変だねぇ、うっち~」

「なら、手伝えええええええええぇ!おまえは、罰なしだっただろ!?」

「だって、命令違反してないもんね」

「こんのやろおおおおおおおおおおぉ!」

本音の言葉は、悔しいが事実である。怒りの矛先を反省文に向け、次々と行を埋めていく。

 

その頃…。

IS学園に一人の男が堂々と入ってきた。

外部のものであるが、なんの許可も取ろうとせずにさっさと進んでいく。

ふと、近くを通った山田が男に気付いた。

「あの…貴方は…」

山田はその男に見覚えがあった。

紫苑の父、白石勇士である。

「白石君に会いに来たんですか?」

「そうだ」

「それじゃあ…窓口でお名前の記入を…」

「必要ない」

きっぱりと断り、動きを止めずに歩いていった。

「あ、あの…!」

引きとめようとすると…。

「ヌゥゥゥゥ…!」

3体のダスタードが現れた。

まるで、山田の行く手を阻むように。

「ダスタード…!やっぱり貴方は、ホロスコープス!?」

「確かにそうだ」

そう言って、歩いていきながら見せたのは…。

 

ホロスコープススイッチだった。

 

「まちなさい!」

山田が追いかけようとするも、ダスタードがそれを防ぐ。

「山田先生!」

ふと、スイッチカバンを抱えた箒が現れた。足元にはソフトーニャとナゲジャロイカもいる。

ナゲジャロイカの内の一つ、ナゲロパは勇士を追跡していた。

「ここはわたしが!」

紅椿はゾディアーツ戦を想定しており、ダスタードなど難なく倒せるのだ。

 

そのことを知らない一夏、礼の二人。懲罰訓練の後だ。

アリーナで一夏は倒れている。

「懲罰訓練、随分堪えたな…」

「その程度では、雪羅もまだ使いこなせないんじゃないのか?」

一夏がくたびれた様子で言うのを見て、嘲笑しながら礼はサラリと答えた。

そこへ…。

「漸く顔を合わせられたな、仮面ライダー部の諸君」

勇士がやってきた。何故か、彼は仮面ライダー部を知っている。

「なんだ、あんた?教師じゃないな…」

「白石紫苑の父だ。紫苑を出してもらおうか」

「何の用件です?」

一夏が尋ねると、勇士は眉間にしわを寄せて呟く。

「私は…あいつを許すわけにはいかない」

そう言って、彼はホロスコープススイッチを取り出してオンにする。

「な…なに!?」

その姿は…。

 

 

 

彼等を幾度か窮地に追い込んだ強敵「レオ・ゾディアーツ」に変化していた。

 

 

 

「あの人が…レオのスイッチャー!?」

「ウオオオオオオオオオオォッ!!!!!」

レオは雄叫びを上げ、一夏と礼に突進してきた。

「うお!?」

突如のことだったが、二人はなんとか避けることに成功した。

「さぁ…紫苑を出せ」

「断る!紫苑はおれ達の仲間だ!」

礼はそれを拒否し、メテオドライバーを装着する。

<METEOR-READY?>

「変身っ!」

礼はメテオへ変身し、一夏は白式を装備した。

「仲間か…。アイツは人殺しだ。オマエ達はその人殺しを守るのか?」

「人殺しだと…?」

その言葉に二人は動揺した。あの大人しい紫苑が人を殺すなど、想像もつかない。

2人の様子を見て、レオは嘲笑するように鼻で笑う。

「フン。仲間と言えど、真実は知らないようだな。教えてやろう…奴は…」

 

「やめなさい」

 

ふと、その言葉とともにヴァルゴが現れた。

「ヴァルゴ様!何故、邪魔を!?」

「レオ、今は白石紫苑君に関わる必要はない」

彼女に止められ、レオは悔しそうにしながらもスイッチを押して勇士の姿に戻った。

「メテオ、一夏。今回の我々の目的は…IS学園への襲撃だ。近いうちにまた会うことになる」

「覚えておくが良い。次に我々が来たとき、この学園は終わりだ…!」

ヴァルゴは勇士と共に、姿を消した。

「一体何が…ん?」

メテオは変身を解こうとしたとき、ふと視線の先に「あるもの」を見た。

それはすぐに去っていたが…。

「あれは…何故?」

 

そして箒の前にいるダスタードも…。

「はあああああああぁっ!」

シュウウゥ…

「なに…?」

何もせずとも、姿を消していった。

 

ヴァルゴは勇士を別の場所まで送った。

「勇士君。君は親なのだろう?なぜ、子を憎む?」

「理由は一つです。妻を奪った張本人だからだ!」

勇士がホロスコープスになった理由は一つ。息子である紫苑を殺すためなのだ。

彼が事故にあったことで、母…つまり勇士の妻は息子に体を提供し、命を落とした。

それ以前の勇士は、紫苑も妻も同じように愛していた。

だが、その日から紫苑への愛情は怒りと憎しみへ変化し、その感情でホロスコープスまで上り詰めたのだ。

勇士の様子を見ながら、ヴァルゴは俯きがちに答えた。

「私も子がいる。君の感情を全て理解できるわけではないが、親はどんな事があっても、子を愛するものだ。それこそが子にとって居場所であり、帰る場所なのだから」

「…何を言われようと、私は紫苑を殺します。それだけは変わりません!」

踵を返し、勇士は歩き去った。

「…紫苑君」

ヴァルゴは紫苑の名を呼び、空を見つめた。

 

ラビットハッチ内。

一同が集められ、紫苑に先ほどのことが伝えられた。

「お父さんが…そんな…」

絶望に顔が歪んでいた。シャルロットは彼の手を握り、必死に励ます。

「きっと、何かの間違いだよ!紫苑はお父さんに恨まれるようなことは何もやってないでしょ?」

その一言で紫苑は更に俯く。

「…多分、僕の身体なんだ」

「え…?」

シャルロット以外は、紫苑のことを知らない。彼は意を決して、宇月や一夏達に自分の体のことを伝える事にした。

上半身の制服を脱ぎ、縫い跡だらけの体を曝した。

「紫苑…!」「白石君…!?」

箒と山田は彼の名を呼ぶだけで、精一杯だった。

「僕は、身体の半分がお母さんの体で補われてるんだ。ISの事故に巻き込まれて身体の半分が損傷して…。この右手と左足はお母さんのモノ。内臓もいくつかはそうなんだ」

「紫苑さんの身体が…!」「ウソでしょ…!?」

セシリアと鈴音は驚愕して手を口に当てている。

「いつも自分がクズって言ってたのは…それが原因か?」

「そう…だね。親を殺しちゃったから…しかも、生きてるって分かったとき…良かったって思っちゃったんだ…」

宇月の質問に答えた後、頭を抱えて体を丸めた。

ラウラが紫苑に歩み寄って、肩に手を置く。

「死に瀕していた後、生きてる喜びを感じるのは、当然の事だろう。わたしは親がいないから分からないが…それでも、不思議な事ではないと思う」

その言葉に少し顔を上げる紫苑…。

「本当…?僕は…何も悪い事をしてないの?」

不安げに尋ねる彼にシャルロットが手を握って答える。

「紫苑のお母さんは、自分の命を賭けられるほど、紫苑が大切だったんだよ。それだけ、君の事を愛していたと思うよ」

「お母さんが…僕を愛してる…の?」

今まで考えた事もないことだった。母親は死んでしまい、その気持ちを知る事はできない。だが、シャルロットの言う通りなのかもしれない。そうでなければ、彼女は自分を犠牲には出来ない。

一夏が続けて言う。

「あぁ。だから、紫苑の父さんを説得しよう。今はレオとして憎しみに囚われてるけど…きっと分かり合えるだろ。親子だから」

「みんな…本当に…本当にありがとう」

彼は心の底から友に恵まれた喜びに満ち、涙を流して微笑んだ。

そのとき…

ナゲジャロイカから警報が鳴る。これには、負のコズミックエナジーを感知すると警報がなる仕組みになっており、感知はナゲロパ、ナゲメデ、ナゲイオ、ナゲスト、この4つのツナゲットが担っている。

「ナゲジャロイカの警報…ゾディアーツ!?」

戻ってきたナゲストの情報を箒がバガミールに移し、映像にする。

そこには…。

 

「牡牛座…タウラス!?」

 

IS学園を歩き回るタウラス・ゾディアーツが映っていた。礼は深刻さを感じた。

「レオ襲撃の直後に現れるとは…。どうやら、ホロスコープス側は本気でIS学園を潰しに来ているようだな」

確かに、レオと未確認のタウラスの同時襲撃は、以前のホロスコープスの襲撃よりも危機感を募らせている。

「これで未覚醒の使徒は1体だね…。どうしよう…」

本音はいつもより声を暗くして呟く。これまで覚醒を阻止できず、11体まで増えてしまった。残りはヴァルゴが追い求めている射手座の使徒「サジタリウス・ゾディアーツ」だけになってしまった。

「とりあえず行くぞ!タウラスを放っておけない!」

宇月の言葉で、全員が頷きラビットハッチを後にした。

 

学園の校庭では、タウラスが練り歩いている。

「さて…どれを利用するか…」

「タウラス!」

「ん…?」

ふと名前を呼ばれて振り向くと、宇月達が走ってきた。

「また会ったな」

「また…?」

彼と顔を合わせるのは初めてのはずだ。いや…。

「まさか…ドラゴン・ゾディアーツ!?」

「…まぁ、確かにそうだ。ドラゴンからタウラスへと進化した」

会話の中に、タウラスは違和感を感じているような答え方だ。

だが、それを気にしている暇はない。

セシリアが歩み出てタウラスに叫びかける。

「この学園には、手を出させませんわ!」

「煩い女だ。黙っていろ」

タウラスはクロークを脱ぎ、右手に握っていた杖「グアンナ」でセシリアに向けて振りかざす。

すると金色のオーラが現れ、セシリアの頭部を包み込む。

「な…!?きゃああああぁっ!」

突然の事に悲鳴を上げるが、時既に遅し。金色のオーラが消えたときセシリアの目は虚ろなものになっていた。

「おい、セシリア!どうした!?」

隣にいた礼が彼女の両肩をつかんで呼びかけるも、反応はなく…。

「やれ、セシリア・オルコット」

タウラスの言葉に頷いてISを展開し、礼に攻撃を仕掛けた。

ドガアアアァァッ!

「がはぁっ!?」

いくらメテオの装着者で体を鍛えていたとしても、生身でISの突進を受ければひとたまりもない。そのまま地面を転がる礼。

「礼!礼っ!」

「うぅ…ぐ…」

ラウラは彼に駆け寄って抱き起こす。礼はかろうじて意識を保っており、うめきながら目を開けている。

「2人とも、あぶない!」

その間にも、セシリアが再度攻撃をしかけてきた。

宇月が2人を抱えて避ける。

「くっそぉ!」「た、タウラス…きさまぁ!」

<METEOR-READY?>

宇月と礼はドライバーを取り出して装着し、起動させる。

<3><2><1>

「変身っ!」

フォーゼBSとメテオに変身し、タウラスに攻撃を仕掛ける。

「ムンッ!」

ドガアアァッ!

「うああああああぁっ!」「ぐううぅっ…!」

至近距離まで近付いた瞬間、グアンナを大きく振り、フォーゼBSとメテオを殴る。

「…仲間には攻撃できないだろう。…セシリア・オルコット!」

セシリアは再び、タウラスの声に頷き、2人に襲い掛かる。

「させるか!」

ドガアアアァッ!

とっさに一夏と箒がISを装備して、セシリアの攻撃を防いだ。

「済まない、みんな…」「大丈夫だ。それより、セシリアを元に戻すほうが先だ!」

一夏は、謝るフォーゼBSを後ろに庇い、箒はセシリアにつかみかかった。

「おい、セシリア!聞こえるか!?」

「無駄だよ。彼女の感情を抑えているわけではなく、感情と魂を分離して、このグアンナに封じている。いくら呼びかけてもそれは「抜け殻」だ!」

タウラスは説明をして、グアンナでの光弾を一夏に浴びせる。

ゴオオオオォッ!!!

「くううぅっ!」

それを紫苑が庇った。

「紫苑っ!」

とっさにシャルロットが駆け寄るが…。

「大丈夫…このくらい…みんなといれば!」

その瞳は今まででも見たこともないほど、強いモノだった。

「シャル!鈴音さん!ラウラさん!力を貸して!」

「うん!」「あれ…下の名前で呼ぶのね?」「あぁ、任せろ!」

紫苑は霧裂の刀を構え、相手の出方を窺う。他の3人も同じように攻撃の準備に入った。

「…フン。精々、殺しあうが良い」

タウラスはそう呟いて、姿を消した。

「紫苑!多分、セシリアは何をしても元に戻らない!タウラスを倒すまで押さえつけるだけにしよう!」

箒のアドバイスを聞いて頷いた紫苑は、セシリアの攻撃を見計らって動き出した。

ドガアアアアァッ!

「らああああああぁっ!」

紫苑はセシリアの攻撃を刀でいなしながら、ムチを使って拘束する。

だが、セシリアはそれを振り払おうとしている。

「くっ…みんな!」

彼がセシリアの動きを狭めている間に、シャルロット達がダメージをいくらか与えて、さらに動きを鈍らせるのだ。

だが…。

グアアアアァッ!

「うわああぁ!?」

セシリアが大きく紫苑を振り回し、拘束を解いた。

だが、それとほぼ同じタイミングでシャルロット達3人が、セシリアに攻撃を与えた。

「はああああああぁっ!」「セシリア、やめて!」「うおおおおおぉっ!」

ズドオオオオオオォッ!!!

3人がかりのISの攻撃にセシリアは怯む。

「宇月君!お願い!」

フォーゼBSは紫苑の言葉に頷き、コズミックスイッチを挿入し、オンにした。

<COSMIC-ON>

近くにいたフードロイドもスイッチが外れ、残りの全てのスイッチと共にフォーゼの身体を纏い、フォーゼCSへとステイツチェンジした。

<SMOKE-ON>

「これで!」

フォーゼCSになることで、それぞれのモジュールは機能が追加されている。

例を挙げると、このスモークモジュールはただの目くらましのガスではなく、様々な効果が増えたのだ。今回は催眠効果のあるガスをセシリアに吹きかけた。

すると彼女はすぐに眠り、ブルー・ティアーズも解除された。

 

ラビットハッチ。

セシリアはタウラスの命令が届く範囲から離れたのか虚ろな瞳のまま、座り込んでいる。

「セシリアは暫くラビットハッチ内に居てもらおう。ここならタウラスの命令が効かないからな」

彼女を元に戻すためにはタウラスのグアンナを破壊するくらいしか方法はないだろう。

今後の作戦で、なんとかなるかどうか…。

「紫苑、今日はカッコよかったよ!」

「そ、そうかな…みんなのおかげだよ」

シャルロットは、疲れきっていた紫苑の両肩を持って嬉しそうに言う。

「ここではね、どんな隠し事を明かしても、みんな受け入れてくれるんだよ。だって、紫苑も仲間だから!」

「仲間…」

シャルロットの言葉に対し、急に表情が暗くなる紫苑。

「…ダメだよ、僕はまだ隠し事がある。これは絶対に、みんなから受け入れてもらえない」

「そんなことないよ!」

紫苑はシャルロットが首を振っても聞かず、ラビットハッチから出て行ってしまった。

「まって!」

「よせ、シャルロット!」

礼が止め、箒がバガミールを出す。

「気は進まないが、彼が一人の時に何を考えているのかを調べてみよう。紫苑の父を説得する何かがつかめるかもしれない」

 

バガミールは紫苑の後をつけていく。モニターに映る映像を全員でじっと見つめている。

その先には…。

海が見える草原に並ぶ、幾つもの十字架。どうやら墓地のようだ。

紫苑はその一つの墓に近付き、しゃがむ。おそらく、母親の墓なのだろう。

「お母さん、今日はシャルから「カッコよかった」って言われた。言われ慣れない言葉だけど…嬉しかった」

どうやら、定期的に近況報告をしているようだ。

「僕の友達は…みんな優しくて…あったかいよ」

後姿で見えないが、おそらく笑っていると思う。

だが…。

「辛いよ…もっと早く、みんなに逢いたかった…!」

墓の前で泣きじゃくる紫苑。

「お母さん…僕、どうしたら良いの?」

そして、十字架に掴み掛かり…。

「教えてよ!ねぇ!?教えてええええええええええええええええええええぇっ!!!!!」

泣きながら叫び続けた。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああぁっ!!!!!」

 

突如、本音がその映像を切った。

「お、おい!?」

宇月はとっさに再起動させようとするが…。

「もうやめようよ!見たでしょ!?」

そういう鈴音は、ボロボロと涙をこぼしていた。

「あんなに泣いてる紫苑を…!」

確かに見ている間は全員、良心の呵責で苦しんでいた。

だが、コレを見なければレオを説得するヒントが見つからないかもしれない。

ラウラが静かに言い放つ。

「紫苑の心の奥を覗かなければ…あいつの苦しみを開放できないぞ」

「そうだけど…!」

礼が手で制し、あることを言い始めた。

「…さっきの映像で…「もっと早く、みんなに逢いたかった」と言っていた。彼にとって、何か手遅れな事態があるのかもしれない。それが分かれば…」

そういう礼の脳裏に嫌な予感が掠める。

(まさか…)

 

紫苑が去って暫くしたあと…勇士も現れた。

「茉奈…今、どんな顔をしているんだ?」

花束を供えながら、物憂げに呟く。

そこへ…。

「やはり、白石茉奈さんは…貴方の妻か」

千冬が現れた。

「…何の用だ?」

「真耶から聞いた。貴方がホロスコープス最強の一角、レオ・ゾディアーツだったと」

どうやら、知られているらしい。

「そのスイッチを手にしたのは…茉那さんのためか?」

「そういえば、君は茉那と関わりがあったな。彼女は世界で2番目のIS乗りで、君は最初。3番目の美咲という女は行方不明…」

そう、世界で2番目にISを使ったのは、紫苑の父であり勇士の妻、白石茉那なのだ。

つまり、千冬、茉那、美咲の順に、ISに搭乗したということだ。

「貴方に伝えておく事がある。事故について…」

 

「知っているかもしれないが、白石紫苑が瀕死になった事故は、茉那さんが原因だ」

 

「なんだと…!?」

「茉那さんはISの起動実験中、暴走に巻き込まれ、実験場の近くで預かっていた白石紫苑に誤射。それで彼は瀕死の重傷を負った…」

千冬が知る、紫苑と茉那の関係。それは勇士すら知らない事だった。

彼はISのことについてはあまり興味を示しておらず、紫苑の事故もIS関連だったため、さほど気にしてはいなかった。

問題なのは、妻が息子に体を提供し、それで死にいたったということだけだった。

憎しみに囚われ、そのことに気付けなかったのだ。

「茉那さんはその償いとして、白石紫苑に身体の半分を提供した。しかし、それは死を意味する。当然、私や束、美咲さんも反対したが…彼女はそれを振り切った。それだけ、息子が大切で愛しかった…」

「茉那が…紫苑を…!」

その事実を知り、動揺するが…。

「だが…紫苑のために茉那が死んだのは事実だ。それだけは変わらない!」

憎しみは消えず、ホロスコープススイッチを押し、レオに変化する。

「ウオオオオオオオオオオオォッ!!!!!」

ドガアアアアアアアァッ!!!!

「くっ…うああああああぁっ!?」

咆哮の攻撃に巻き込まれ、千冬は気絶する。どうやら大怪我に至るほどではないらしい。

ふと、レオが横を向く。

「フン…」

そこには…。

 

 

 

スイッチャーが居ないはずの「リブラ・ゾディアーツ」がいた。

 

 

 

 

 

続く…。

 

 

 

 

次回!

 

                       何…どういうこと!?

 

こんな気持ちを持っちゃいけなかったのに…

 

僕…シャルが好きになっちゃったんだ…

 

紫苑…!?

 

                       まさか…タウラスのスイッチャーが…!?

 

あたしには…どうしても信じられないのよ!

 

                        …勘違いするな

 

遂に見つけた…サジタリウス!

 

 

 

 

第31話「感・情・崩・壊」

 

 

 




青春スイッチ・オン!


キャスト

城茂宇月=仮面ライダーフォーゼ

織斑一夏

篠ノ之箒
セシリア・オルコット
鳳鈴音

辻永礼=仮面ライダーメテオ
ラウラ・ボーデヴィッヒ
布仏本音

シャルロット・デュノア
白石紫苑

織斑千冬
山田真耶

???=タウラス・ゾディアーツ
???=リブラ・ゾディアーツ
白石勇士=レオ・ゾディアーツ

???=ヴァルゴ・ゾディアーツ


如何でしたか?
今回で、レオのスイッチャーは明かされました!タウラスのスイッチャーは次回で明かします。
そして、紫苑の心を開こうとする話も中心となってますが…彼は中々、本当に心を開きません。…これは伏線です。
次回、紫苑が本当に心を開かない理由が明らかにされ、サジタリウスも登場の片鱗を見せます…。もしかしたら、ヴァルゴのスイッチャーも明かすかも…。
お楽しみに!

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