俺と刀藤さんは穴に落ちたが、そこはバラストエリアだったので一応助かった。
言っておくが一応だ、体は全く怪我はしていない。
何が問題かというと、俺に抱きついている刀藤さんが問題だ。
「ごめんなさいです。私、泳げなくて。」
「俺の方こそごめんな。刀藤さんを巻き込んでしまったしな。」
刀藤さんは謝らなくていいからね!
むしろ俺はこの状況に感謝……駄目だ!変なこと考えると、これからどう接すればいいか分からなくなる!
よし!今は別の事を考えよう。
そうなると、ここからどうやって脱出するかだよな。
「それにしても、大きいな。」
「はぅぅぅ!」
「え?どうしたんだ?」
刀藤さんの方を見ようとすると、水で透けてしまっていた、胸の方に目が行ってしまった。
「ごめんなさいです!ごめんなさいです!」
すると、刀藤さんが謝ってきた。
え?
何か勘違いしてないか?
俺の発言を思い返してみると、大きいなと言ったら刀藤さんが恥ずかしがった。
そして、俺は刀藤さんを見ようとして、胸の方に目線がいってしまった。
刀藤さんは絶対に勘違いをしている!
「刀藤さん!俺はバラストエリアが大きいと言っただけで…ん?何かいるぞ!」
すると、水の中から竜がでてきた。
「あの竜、上にいた子達と同じ気がします。」
「マジか。めんどくさいな。」
剣を構えると、竜が俺達に突進してきた。
突進を受け止めたが、水の中なので勢いを殺すことができず、飛ばされてしまい柱にぶつかった。
そして竜は次の攻撃に備えて、水の中に潜ってしまった。
「大丈夫ですか?」
「ん?大丈夫だぞ。まぁこの状況はちょっと厄介だな。」
「あ、あの!私が足手まといになるようでしたら、離してください!」
は?
何をいってるんだ?
「川上先輩がお怪我をされたら…わたし、わたし、」
こんなに俺の事心配してくれるなんてな。
「もういやなんです。私なんかのために誰かが犠牲になるのは!」
刀藤さんは目に涙を溜めながら俺にそう言ってきた。
俺は思わず頭を撫でていた。
「大丈夫だ。これくらい何て事ない。ちょっと厄介ってだけだ。それに、後輩に格好いい所を見せるのが先輩だからな。あと、また自分を卑下していたぞ。刀藤さんは強いし、女の子としても可愛いし文句無しなんだからな。」
ふぅー。
これで少しは落ち着いたかな?
てか、俺は今なんて言ったんだ!
安心させようとしただけなのに、最後口説いたよね?
「はい!」
しかも、笑顔で頷いてくれたよ!
もしかして脈あり?
いや、今は戦いに集中しよう。
『散れ 千本桜』
俺は後ろの柱を斬って足場を作った。
足場に上がると、竜がこっちに向かってきた。
俺は千本桜で竜の頭を切り刻んだ。
その間に見聞色の覇気で、コアの位置を探り、大体の場所に検討をつけた。
そして竜の頭が再生し、火の玉で攻撃してきた。
俺はコアに照準をあわせた。
『破道の七十三 双蓮蒼火墜』
俺の攻撃は相手の火の玉を相殺し、そのままコアを破壊した。
「すごい。」
刀藤さんが呟いたのを俺は聞き逃さなかった。
これで有言実行はできたかな?
そして、俺と刀藤さんは助けが中々こないので、濡れた服を着ていても風邪をひくので、脱いで干すことにした。
ヤバいヤバい!
俺の後ろには下着姿の刀藤さんがいる。
いや、刀藤さんは俺の癒しなんだ!
そんなエロい目ではみない!
「川上先輩は、どうしてこの学園に来たんですか?」
危なかったな。
もう少しで理性が崩壊するところだった。
話をして紛らわそう。
「俺は修行した成果を試すために来たんだ。フェニクスはそのためには、ちょうどよかったからな。」
「え!じゃあフェニクスのパートナーは決まったのですか?」
うっ。
今思ったらパートナー早く探さないと駄目だ。
「俺ってあんまり親しい人いないからな。」
言ってて悲しくなってきたよ。
「じゃあ私にも…」
「え?今なんか言った?」
刀藤さんの声が小さくて聞き取れなかったな。
「いえ!なにも!それにしても救助の人こないですね。」
「そうだな。なら次は、俺から質問してもいいか?」
「はい!」
「刀藤さんはどうしてここで戦っているんだ?」
「わ、私は、罪人として収監されている父を助けたいのです。五年前私と父がいたお店に強盗が入ったのです。人質に捕られた私を助けようとして、父はその人を…。本当なら正当防衛が認められる状況だったのですが、父はジェネステラだったのです。」
「そうか。より重い罪に問われたって事か。」
「はい。ただ、今にして思えば8歳の私でも相手を倒せたのです。でも、弱虫な私は体か竦んでしまって、このままでは父はあと数十年出てこれません。そんなとき、一つだけ助ける方法があると叔父様が…私はもう叔父様に縋るしかないのです。言うとおりにしておけば私は何も…」
「それは違う!それは刀藤さんが自分で選んだ道じゃない。その場合どこかで行き詰まってしまう。」
「でも、無理です。私ひとりでは、とてもそんな…」
そうだよな。
今まであのジジイなんかが唯一の頼りだったからな。
まぁ俺を慕ってくれる可愛い後輩だ。
俺が出来るだけ面倒みよう。
俺は迷っている刀藤さんの頭を撫でた。
「大丈夫だ。刀藤さんは1人じゃない。刀藤さんが自分で選んだ道なら、俺も助けるよ。」
「私が、自分で…」
そう言って刀藤さんは体をこっちに向け見つめてきた。
おいおい!
これは本当に中等部か?
「は!はぅぅぅ!」
「ごめん!」
俺と刀藤さんはまた背を向けあった。
ヤバい!
嫌われた?
などと考えていると刀藤さんが話しかけてきた。
「川上先輩はよく私の頭を撫でてくれますよね?」
え?
まさか嫌だった?
俺の癒しの大部分を占めているのに!
「まさか迷惑だった?」
「いいえ、父も良くああやって頭を撫でてくれたんです。」
良かったー。
まてよ?
これって撫でて下さいって、言っているような事だよね!
やったー!
「誰かいるかー!」
そして話している内に救助が来たので、俺達はここから出ることが出来た。