学戦都市アスタリスク〖死神の戦い〗   作:KUSAN

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第12話

 

 

俺と刀藤さんは穴に落ちたが、そこはバラストエリアだったので一応助かった。

 

言っておくが一応だ、体は全く怪我はしていない。

 

何が問題かというと、俺に抱きついている刀藤さんが問題だ。

 

 

「ごめんなさいです。私、泳げなくて。」

 

 

「俺の方こそごめんな。刀藤さんを巻き込んでしまったしな。」

 

 

刀藤さんは謝らなくていいからね!

むしろ俺はこの状況に感謝……駄目だ!変なこと考えると、これからどう接すればいいか分からなくなる!

よし!今は別の事を考えよう。

そうなると、ここからどうやって脱出するかだよな。

 

 

「それにしても、大きいな。」

 

 

「はぅぅぅ!」

 

 

「え?どうしたんだ?」

 

 

刀藤さんの方を見ようとすると、水で透けてしまっていた、胸の方に目が行ってしまった。

 

 

「ごめんなさいです!ごめんなさいです!」

 

 

すると、刀藤さんが謝ってきた。

 

え?

何か勘違いしてないか?

俺の発言を思い返してみると、大きいなと言ったら刀藤さんが恥ずかしがった。

そして、俺は刀藤さんを見ようとして、胸の方に目線がいってしまった。

刀藤さんは絶対に勘違いをしている!

 

 

「刀藤さん!俺はバラストエリアが大きいと言っただけで…ん?何かいるぞ!」

 

 

すると、水の中から竜がでてきた。

 

 

「あの竜、上にいた子達と同じ気がします。」

 

 

「マジか。めんどくさいな。」

 

 

剣を構えると、竜が俺達に突進してきた。

突進を受け止めたが、水の中なので勢いを殺すことができず、飛ばされてしまい柱にぶつかった。

そして竜は次の攻撃に備えて、水の中に潜ってしまった。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「ん?大丈夫だぞ。まぁこの状況はちょっと厄介だな。」

 

 

「あ、あの!私が足手まといになるようでしたら、離してください!」

 

 

は?

何をいってるんだ?

 

 

「川上先輩がお怪我をされたら…わたし、わたし、」

 

 

こんなに俺の事心配してくれるなんてな。

 

 

「もういやなんです。私なんかのために誰かが犠牲になるのは!」

 

 

刀藤さんは目に涙を溜めながら俺にそう言ってきた。

俺は思わず頭を撫でていた。

 

 

「大丈夫だ。これくらい何て事ない。ちょっと厄介ってだけだ。それに、後輩に格好いい所を見せるのが先輩だからな。あと、また自分を卑下していたぞ。刀藤さんは強いし、女の子としても可愛いし文句無しなんだからな。」

 

 

ふぅー。

これで少しは落ち着いたかな?

てか、俺は今なんて言ったんだ!

安心させようとしただけなのに、最後口説いたよね?

 

 

「はい!」

 

 

しかも、笑顔で頷いてくれたよ!

もしかして脈あり?

 

いや、今は戦いに集中しよう。

 

 

『散れ 千本桜』

 

 

俺は後ろの柱を斬って足場を作った。

足場に上がると、竜がこっちに向かってきた。

俺は千本桜で竜の頭を切り刻んだ。

その間に見聞色の覇気で、コアの位置を探り、大体の場所に検討をつけた。

そして竜の頭が再生し、火の玉で攻撃してきた。

俺はコアに照準をあわせた。

 

 

『破道の七十三 双蓮蒼火墜』

 

 

俺の攻撃は相手の火の玉を相殺し、そのままコアを破壊した。

 

 

「すごい。」

 

 

刀藤さんが呟いたのを俺は聞き逃さなかった。

これで有言実行はできたかな?

 

 

そして、俺と刀藤さんは助けが中々こないので、濡れた服を着ていても風邪をひくので、脱いで干すことにした。

 

 

ヤバいヤバい!

俺の後ろには下着姿の刀藤さんがいる。

いや、刀藤さんは俺の癒しなんだ!

そんなエロい目ではみない!

 

 

「川上先輩は、どうしてこの学園に来たんですか?」

 

 

危なかったな。

もう少しで理性が崩壊するところだった。

話をして紛らわそう。

 

 

「俺は修行した成果を試すために来たんだ。フェニクスはそのためには、ちょうどよかったからな。」

 

 

「え!じゃあフェニクスのパートナーは決まったのですか?」

 

 

うっ。

今思ったらパートナー早く探さないと駄目だ。

 

 

「俺ってあんまり親しい人いないからな。」

 

 

言ってて悲しくなってきたよ。

 

 

「じゃあ私にも…」

 

 

「え?今なんか言った?」

 

 

刀藤さんの声が小さくて聞き取れなかったな。

 

 

「いえ!なにも!それにしても救助の人こないですね。」

 

 

「そうだな。なら次は、俺から質問してもいいか?」

 

 

「はい!」

 

 

「刀藤さんはどうしてここで戦っているんだ?」

 

 

「わ、私は、罪人として収監されている父を助けたいのです。五年前私と父がいたお店に強盗が入ったのです。人質に捕られた私を助けようとして、父はその人を…。本当なら正当防衛が認められる状況だったのですが、父はジェネステラだったのです。」

 

 

「そうか。より重い罪に問われたって事か。」

 

 

「はい。ただ、今にして思えば8歳の私でも相手を倒せたのです。でも、弱虫な私は体か竦んでしまって、このままでは父はあと数十年出てこれません。そんなとき、一つだけ助ける方法があると叔父様が…私はもう叔父様に縋るしかないのです。言うとおりにしておけば私は何も…」

 

 

「それは違う!それは刀藤さんが自分で選んだ道じゃない。その場合どこかで行き詰まってしまう。」

 

 

「でも、無理です。私ひとりでは、とてもそんな…」

 

 

そうだよな。

今まであのジジイなんかが唯一の頼りだったからな。

まぁ俺を慕ってくれる可愛い後輩だ。

俺が出来るだけ面倒みよう。

 

俺は迷っている刀藤さんの頭を撫でた。

 

 

「大丈夫だ。刀藤さんは1人じゃない。刀藤さんが自分で選んだ道なら、俺も助けるよ。」

 

 

「私が、自分で…」

 

 

そう言って刀藤さんは体をこっちに向け見つめてきた。

 

 

おいおい!

これは本当に中等部か?

 

 

「は!はぅぅぅ!」

 

 

「ごめん!」

 

 

俺と刀藤さんはまた背を向けあった。

ヤバい!

嫌われた?

などと考えていると刀藤さんが話しかけてきた。

 

 

「川上先輩はよく私の頭を撫でてくれますよね?」

 

 

え?

まさか嫌だった?

俺の癒しの大部分を占めているのに!

 

 

「まさか迷惑だった?」

 

 

「いいえ、父も良くああやって頭を撫でてくれたんです。」

 

 

良かったー。

まてよ?

これって撫でて下さいって、言っているような事だよね!

やったー!

 

 

「誰かいるかー!」

 

 

そして話している内に救助が来たので、俺達はここから出ることが出来た。

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