何かやっべぇ吸血鬼が来た   作:*時雨*

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コメントで「」のセリフが読みにくいという指摘を受けましたので、次回から少しずつ書き方を変えていこうと思ってます。




第3話

 

『真祖』

 

血界の眷属(ブラッド・ブリード)とは違う真の吸血鬼。血界の眷属(ブラッド・ブリード)を生み出した存在とされている。その実力は未知数、だが一説によると(ガイア)そのものを壊すことが可能らしい。目撃情報は少ない為、未だに不明な点が多い。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

あのさーフェムト、いくら何でもこんなでっかいのはいらないよ。

 

目の前には大きな館、一人暮らしするには十分過ぎる程の部屋数や広さ(しかもめっさオシャレ)、庭には様々な綺麗だが季節感を無視した花達が咲いており、フェムトによると水をやらなくても勝手に咲き続けるらしい。うわーなんて便利なんだろう……ってそんなことはどうでもいい!

 

あの堕落王人の話を聞けよ!私はこの死亡フラグがありすぎる紐育(ヘルサレムズ・ロット)には住まないって言ってるのにあれよこれよと館を買いやがったのだ。否、無理やり買い取った。

 

ここにはついさっきまで大層いかにもお金持ちですよっていうデ…………ぽっちゃり系な人が住んでいたんだ。

 

その人は突然来訪してきた私達に当然警戒した。見知らぬ人が来たら誰だって警戒するだろ。しかも来訪してきた変人(フェムト)が軽い口調で家を譲れと命令口調で言うのんだから、当然その人は怒っていた。

 

私はフェムトにもうお願いだから事を悪化させないで帰らせてくれ、というか私はここに住まないと何回も言ってるだろ!と言ったんだがその家主さんがフェムトに罵声を飛ばしていた為、私の声は聞こえていなかったようだ。

 

事態はいつのまにかどんどん悪化し、ついに家主さんが大勢の私兵を呼んできた。お金持ちで紐育(ヘルサレムズ・ロット)に住んでいるんだから私兵がいても当然か、とのんきに考えていたが私兵達が私達を囲み家主さんは殺せとか言ってきた。

 

え、何がどうしてこんな状況になった?私、何かしました?あ、でもこれだけ分かる。これってかなりヤバイ状況だ。

 

私兵達が一成に銃口を私達に向け、もう駄目だ、お終いだぁと思って目を瞑って死を覚悟した。

 

ああ、絶対にこれ死んだ。何て短い人生だったんだろう、こんな状況にしたフェムトを一生怨んでやる。あれ、でも私が答えたあのアンケートが全ての元凶じゃないのか?………あのアンケートを作った奴、幽霊になって呪い殺してやろうか、それとも脛を連続で思いっきり蹴ったくってやろうか。

 

しかし一向に痛みが来ず、目を開けるとそこには私兵達はいなくなっており、家主さんは何やら怯えで顔がえらいことになっていて尻餅をついてた。それと下からアンモニア臭がする黄色い液体が流れていた。

 

え、これどういう状況?

 

家主さんは涙と鼻水を垂らしながらこの家の権利書やら何やらの書類を渡し、命乞いをしながらこの家を飛び出していった。

 

そんなカオス状態で状況についていけない私にフェムトはおかまいなしに何かブツブツ呟いて部屋にあったものを突然、全て燃やしたはじめたのだ。そして燃えたものはどういう原理か知らないが、床などに焦げ後を残さず代わりに昔の王族が使ってそうな、ロココ調のものになっていた。

 

その後のことはあまり覚えてない。多分あまりにも状況についていけなくて意識がぶっ飛んか、放心状態だったと思う。

 

部屋はあの家主さんのお世辞では言えないちょっと悪趣味というか、成金っぽい家具は全てロココ調やらオシャレな家具、壁紙にいつのまにかなっていてそして冒頭にいたるという訳だ。

 

すまない、説明が下手で。私も現状をようやっと理解した所なんだZE☆だから説明が上手くできないんだZE☆自分でも何言ってるのか分かってないんだZE☆

 

さすがにこの枢の頭脳でも追いつけないことがあるんだな。

 

ああ、フェムトは私に権利書を渡して好きにして構わないと言って帰っていったよ。

 

 

 

うん、どうしようこれ。好きにしてくれて構わないと言ってくれたけど、そもそも私は住むつもりもないからね。

 

しかし外はいつのまにか黄昏時となっており、ここの世界の土地勘がない、しかもお金もない私がホテルなどに泊まれわけがないので今日は渋々、ここで一泊することにした。

 

 

 

 

お布団モフモフすぎるだろ………

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

僕がライブラに所属して、もうかれこれ数週間は立った。その数週間はとてつもなく濃く、この紐育(ヘルサレムズ・ロット)が異常なのが嫌でも理解するものであった。

 

そんな濃い日々が日常になりかけていたある日、あの血界の眷属(ブラッド・ブリード)のことについて調べようと思ってライブラに大量にある資料室に来ている。

 

僕はあれらにたいしてひどく無知だ。吸血鬼ということしか解らずどういった経緯で生まれたのかすら理解してない。

 

さすがにライブラの構成員の一員なのに知らないのはまずいかと思い、今日にいたるというわけだ。

 

血界の眷属(ブラット・ブリード)は元は人間だったのか……」

 

独り言をぶつぶつ言いながら手元にある資料を読む。

 

血界の眷属(ブラット・ブリード)になった人はどういう気持ちなんだろうか。そもそも何故人外になろうとしたのか、老いに恐れたから?他を圧倒する力欲しかったから?いくらそんなことを考えてもわからずじまい。

 

他にも資料はないかと探していると、一冊の本が隠されているように置いてあった。

 

なんだろうと手に取る。それはかなり埃をかぶっており、掃うと埃が宙に舞い、口のなかに入ってしまったせいで咳き込んでしまった。

 

ようやく咳き込むのが収まり、本を見るとどうやら吸血鬼のことについて書かれている物だった。

 

どれどれと思い、読んでみると衝撃的なことが書かれていた。

 

 

元々血界の眷属(ブラット・ブリード)は人知を超えた存在が、DNAに直接術式を書き込むという方法で改造し作り上げた元人間だ。しかしそれを超える存在がいた。

 

その名を『真租』、本物の吸血鬼。

 

『真租』は血界の眷属(ブラット・ブリード)を生み出した存在と前に見た資料には書いてあったがこちらにはありえないようなことが書いてある。

 

血界の眷属(ブラット・ブリード)は『真租』を真似るために生み出されたもの。その人知を超えた存在達が『真租』から血を採取し、作り上げたのが血界の眷属(ブラット・ブリード)

 

故にある意味血界の眷属(ブラッド・ブリード)の生みの親であり、血界の眷属(ブラッド・ブリード)は『真租』のことを王と崇めている。

 

『真租』は、血界の眷属(ブラッド・ブリード)の弱点なようなものもなく、“真名”の効果など意味をなさない。

 

『真租』ということもありかれこれ千年以上生きていると推測されている。現在でも生きている可能性が高い、とのことなど書かれている。

 

 

こんなのがもしこのヘルサレムズにいたら……どうして今まで僕ら人間が無事だったんだ。その気になれば星そのものを破壊することが出来る存在、血界の眷属(ブラッド・ブリード)より遥か上なんて、僕達ライブラに、否、人類に勝ち目なんてない。

 

 

「どうした少年、顔色が悪いぞ」

 

あの後、資料室に出たらちょうど珈琲のお代わりをするところであったのだろうスティーブンさんと出合った。

 

「あ、あのスティーブンさん……これ…」

 

あの本に書かれていたものを渡すと、スティーブンさんはめくっていたが何とも顔色を変えずに僕に返してきた。

 

「“何も書かれていない”じゃないか、それがどうかしたのか?」

 

え、嘘だ。そんな筈はない。だって僕には見えたのだ。一体どうなってるんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまりそういうことが書かれていたのか……」

 

ライブラの主要メンバーと吸血鬼の専門家であるエイブラムスさんが今この場にいる。場の空気はまさしく僕が初めて血界の眷属(ブラッド・ブリード)を見つけたことを話すあのときのように、いやそれよりも重くピリピリしたものだ。

 

「恐らくこれは第三者に情報を公開しないよう魔術を何重にもかけたものだろう。解析するのにざっと1000年以上はかかる代物だ」

 

そんなにもかかるのものを僕は普通に読んでいたのか……

 

この本はどうやら血界の眷属(ブラッド・ブリード)について調べていたとある研究者(この業界ではかなり有名な)が書いたものらしい。

 

その研究者は『真租』の隠された秘密を分かったらしいのだがその真実に耐え切れず発狂してしまい、研究者に『真租』の秘密を聞き出そうにも聞き出せない状況となってしまったのだそうだ。

 

現在その研究者は精神病院に収容されているらしい。

 

この本は、そんな研究者が狂ってしまう前に書かれたものだ。何重にも魔術をかけたのは果たして研究者が己と同じように狂ってしまわない為にしたのか、それとも『真租』を王と崇めている血界の眷属(ブラッド・ブリード)が隠蔽の為にかけたのか分からない。

 

だが神々の義眼を持つレオナルドによって未だ謎にされていた『真祖』のことについての情報が分かってしまった。

 

長老(エルダー)級なんてものがいるのにそれを遥かに上回る存在なんていたら、私達に勝ち目はあるのかしら……」

 

K・Kですら珍しく弱気な発言をする。他のメンバーも口には出さないが顔に出ている。

 

それもそのはず。『真租』には血界の眷属(ブラッド・ブリード)のような弱点などなく、真名による効果がない。つまりクラウスが使う999式久遠棺封縛獄(エーヴィヒカイトゲフェングニス)がまったくもって意味をなさない、ということだ。それにその気になれば簡単に人類を全滅させ星そのものを破壊すこともできるのだから。

 

その事実に一同それぞれどうしようもない絶望感と諦めであふれてしまう。

 

 

 

しかしただ一人、諦めていない人物がいた。

 

「レオナルド君、その続きを読んでもらえるかね。もしかしたら『真租』の対抗手段が分かるかもしれない」

 

「旦那……」

 

ただ一人、曇りなく真っ直ぐで光にあふれている瞳で僕を見つめるクラウスさん。

 

「……はい、分かりました。読んでみます」

 

そんな瞳を見ると、どうしてか安堵するのは何故なんだろう。

 

 

“神々の義眼”の能力を発動させ、『真祖』のことについて書かれた本を見る。

 

そこには―――

 

 

〈『真租』は性質上吸血鬼と■■にされ■■■があれはそんな生■■い存■ではない。あれは■■その■■■。我々人■■異界の■■■■■出しては■■■■■存在だ。

 

いや、もう■■■。我々はも■■■■『真租』に対■■過ち■起こして■■。これ■■■ずっと過ちを繰り■■■だろう■そんな事実を知らぬ者が■そのもの■■る『真租』を■■■■■であれば人■■■界、この■■■は■■■でしまう。

 

どうか牙狩りの諸君、この■■■■■て■■■■『真租』は我々を■■■否、■■■前からずっと■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■〉

 

 

「ぐっ!」

 

視界が割れて、あまりの痛さに意識が飛びそうになるのを堪える。

 

そんな僕にザップさんが肩をかしてくれて何とか倒れずにすんだが眼からは涙のように多くの血が零れる。

 

「大丈夫か!レオナルド君!!」

 

いつのまにかクラウスさんや皆が駆け寄ってきてくれていた。

 

「すみません、クラウスさん。肝心なところは何も分かりませんでした……」

 

「いや、そんなことは今はどうでもいい。急いで治療を――」

 

そこで僕は意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、僕は病院で目覚めた。

 

僕が目覚めるまで待っていたのであろうライブラのメンバーがいた。皆心配したような顔でもう大丈夫なのかと問いかけてきた(ザップさんは相変わらずふざけていたが)

 

もう大丈夫だと言おうと思ったがどうしてもあの本の今後のことが気になりその事について話した。

 

あの本にかけられた術式を解くにはやはりかなりの年月がたつものの、解けないという訳ではないのでライブラや様々な機関と共に取り組むとのことだ。

 

神々の義眼によって『真祖』の謎の一部分かってしまったところで、僕らは『真租』に対抗する方法は現在はない。

 

だがいずれ彼らに対抗する術が見つかるはずだ。だって現にクラウスさんやライブラの皆の顔には諦めの表情なんてしていなかった。

 

だから僕もただただ悲観せず、僕は僕なりに術を見つけよう。その前にこの眼を治さないとね。

 

 

 

 

そういえばあの研究者は一体何を伝えたかったのだろう。

 

『真租』が吸血鬼よりもかなり危険な存在だというのは分かるのだが、最後のほうで『真租』は我々…つまり人類に何かをしていたのだがその“何か”は一体なんだろうな。検討もつかないや。

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

 

 

牙狩りの彼らは知りもしないであろう。

 

もう『真租』はヘルサレムズ・ロットに来ている事を。

 

彼らは知らないであろう。

 

だが血界の眷属(ブラッド・ブリード)や13王は異質な存在が千年もの眠りから目覚めた途端、それがこの先この世を混乱にすること分かっていたのであろう。

 

ある者は彼の王が目覚めたと歓喜に震えていた。

 

ある者はまた彼が傷ついてしまうのかと悲しんでいた。

 

ある者はこの世界を終焉に導くのだろうと恐れていた。

 

しかし彼らの知っている『真租』はいない。代わりに中身が残念な『真租』がいるだけだ。

 

そのことに気づいているの者は果たして何人いるのだろうか?

 

いや、『真租』の中身が変わっているなんて誰も気づきはしないだろう。

 

 

世界を巻き込んで混乱させているのを知らないで、中身が残念な『真租』は今日ものんきに寝ている。

 

「……ぐへへ、いいじゃないのぉ……」

 

こんな残念な寝言でも聞いたら、一瞬でこの『真祖』の理想(イメージ)は砕け散るであろう。

 

 





レオナルドの口調が分からん。僕なのか俺なのか…

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