ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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54話 これから始まり

 

キャンプから帰ってきた翌日

 

俺はリゼん家にやってきた。

なんでもリゼの親父さんが、久しぶりに俺に会いたいらしい。

……なんだろう。昨日『あんなこと』があっただけあって、正直気が向かない。

まぁ、断るわけにもいかないし、考えてみたら断る理由もないからやってきたわけだけど。

 

 

「ようこそいらっしゃいましたケイトさん」

 

「どうぞこちらへ、足元にお気をつけください」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

家に入るときはいつも2人の門番?の紳士的な対応に戸惑いを隠せない。

言っちゃ悪いけど顔が怖い。

…マジでリゼの親父さん、なんの仕事してんだろ?家は立派だし、常時門番がいるし。

 

 

家の中に入ると、疑問はさらに膨らむ。

城の中ではないかと錯覚する内装には、いつまで経っても慣れる気がしない。

軍属らしき人の絵画の存在意義も全くわからないけど、考えるだけ無駄だろう。

 

 

考えるのも馬鹿らしいと親父さんの部屋に向かうと、途中でリゼに会った。

 

「……ケイト、大丈夫なのか?」

 

最初にリゼの口から出たのは挨拶じゃなく、心配の言葉だったけど。

 

「ま、まぁよからぬ事じゃないだろうし、大丈夫……だよな?」

 

「私に聞くなよ」

 

「いやだってさぁ、いきなり親父さんと顔合わせることになったんだぜ⁉︎昨日『あんなこと』があっただけあって……」

 

『あんなこと』と言った直後リゼの顔は一気に真っ赤になり、後を追うように俺の顔も真っ赤になった。

自分でもイタイとか恥ずかしいとか思うし仕方ない。

 

「さすがに昨日の今日で親父が知ってるはずないし、単なる気まぐれだろ」

 

「そっそうだよな!そうに決まってるよな!よっしゃとりあえず逝ってくる!」

 

「不安丸出しじゃないか!」

 

しょうがない。さっきからフラグが立てられてるのだもの。

某ラノベキャラのようにフラグが見えるわけじゃないのにわかるレベルだもん。

 

「まぁ、顔出し終わったらFPSでもやろうぜ」

 

「芋スナはやめろよ」

 

「善処します」

 

「それ結局やめないやつだろ!」

 

バレたか。

俺は誤魔化すようにさっさと親父さんのいる部屋に向かう。

命の危険があるわけもないし、大丈夫だろう。

 

「ケイト……骨は拾ってやるからな」

 

そこは助けてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リゼと付き合っているんじゃないか、ケイトくん?」

 

フラグ回収お疲れ様ッス俺。

 

なんで昨日の今日で把握してるんだよ親父さん!実は服に盗聴器でも仕掛けてたのか⁉︎いやそれよりもここは黙っていた事を謝罪するべきだろうか?いつか話すつもりだったけど、俺もリゼもまだ黙るつもりではあったし、親父さんに話さなかった事は素直に謝罪するべきか。そりゃ一日でバレてその話題してくるとは思わなかったけど!嫌な予感はしてたけど!

 

(この間0.5秒)

 

「えと……その………はい」

 

「やはりそうだったか。薄々気付いてはいたが」

 

「黙っていてスミマセンm(_ _)m」

 

「謝る必要はない。言いづらい気持ちもわかるしな」

 

俺の予想とは裏腹に、親父さんの物腰は柔らかい。

ケイトくん光明を見出すの巻。

 

「いつかは話すつもりでしたが、タイミングがわからなくて……アハハ」

 

「娘もまだ話してないし、最初はそんなもんさ。ただ、もう少し早く話してくれてもよかったんだが…」

 

 

「いやいや昨日の今日の話ですし、もっと早くなんて…」

 

「半年近く気付いてないフリするのも、親として複雑な気持ちに……」

 

「「………あれ?」」

 

会話が微妙に噛み合ってない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…つまり、娘と交際を始めたのは、まさに昨日の事なのか?」

 

「はい」

 

「……本当にか?」

 

「マジです」

 

「…マジか。どっちもらしい雰囲気だから、付き合って半年は経っているものと……」

 

「いえ、半年前から想いを伝えられない的な感じだったんで、的外れというわけでも……」

 

どちらが悪いわけじゃないだけあって、どうにも重苦しい空気が晴れない。

さすがに、半年は前から交際してると勘違いしてるなんて、思いもしなかったけど。

 

「まぁ、この話はやめよう。このままじゃ本題には入れない」

 

うん、気にしない方が互いのためですね。

 

ところで本題とは?

 

「なに、大した話じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日のピクニックの話だが、娘と不純な事はなかったか?」

 

「何言ってるんですかあなたは⁉︎」

 

サラっと核レベルの爆弾放ったぞこの人‼︎

 

「て言うか交際始めたの昨日ですし、そんな光すら凌駕する速さで事が進むはずないですよ‼︎」

 

「そうか?戦場では全くない話ではないんだが」

 

「俺は普通の高校生です!明日の生き死にがわからない生活送ってません!」

 

そうだよこの人リゼの親父さんじゃん。軍方面に考えズレた子の親父だし、大元の親父さんがズレてないわけないじゃん!

 

「そもそもその手の事って普通親が止めたり怒ったりするもんじゃないんですか⁉︎」

 

「娘が選んだ男なら何も言うつもりはない。それに俺自身、君になら娘を任せても構わないと思っている」

 

「そ、それはものすごく嬉しいですが…」

 

さすがに任せるだとかの話は高校生にする事じゃないだろ。

でも身に余るほどの信頼をされると、なかなか反論しづらいっちゅーか、ねぇ。

 

 

 

「娘はああ見えて寂しがり屋だ。親である私でも踏み込める限界はある。

でも、君は違う。

これから先、娘の隣にいてほしい」

 

「そりゃあもちろん。むしろ俺から許可もらいたいことですし」

 

「そうか、ならこれ以上言う事はない。娘のこと、頼むぞ」

 

「さ、さすがに親父さんにはまだ敵わないですよ」

 

「君なら大丈夫だ。まぁ、もしも娘を苦しめたら絶対許さないがな」

 

「絶対しないんで、その目はやめてください」

 

目だけで人を殺せたら軽く100回は死んでしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無事に親父さんへの顔出しが終わり、今はFPSをやってる。

 

「ケイト、本当に芋スナはやめろ」

 

「芋スナ否定すんのは中級者以下の奴だ。ガチの戦場じゃ芋スナが常識だし、それに打ち勝つ上級者がいるから最高にゾクゾクするんだ」

 

「銃使うゲームにいらないレベルの近接戦闘しながら言うな」

 

俺だって芋スナに立ち向かうの好きだし問題ない。

本気で勝ちを取りにいくから燃えるんだよ。

 

 

「それよりケイト、親父とは何を話したんだ?」

 

「あぁ〜〜、娘を頼むって言われた」

 

「なんでそんな話をしてるんだ⁉︎」

 

「いや親父さん付き合ってるの気付いてたし流れで…」

 

あ、話に気を取られて死んだ。

ちょうどいいと、ゲームする手を止める。

 

「……親父は、反対しなかったのか?」

 

「頼む言ってる時点でわかるだろ?」

 

「そっか、ならよかった」

 

なんだかんだ俺と親父さんの話を心配してくれてたリゼは、胸を撫で下ろした。

もし反対されたらどうしようとか考えてたのだろうか。

 

「…やっぱり俺たちって『そういう関係』になれたんだな」

 

「正直、夢の中のいるんじゃないかって思うけどな」

 

「俺もそうかもって思う。まぁそのときは、覚めたら俺が告白するよ」

 

「お前はまた、そんな恥ずかしい事を……」

 

 

 

 

「まぁ、これからよろしくな ケイト」

 

「こちらこそ リゼ」

 

これは始まりなんだ

俺とリゼの 新しい関係の

 

 

 

 





今までありがとうございます。
完結ではないですが、原作的にここで一旦投稿は極端に遅くなります。
さすがに発売から間もない5巻の内容するわけにゃいかんので…


重ねて 今まで読んでくれて

本当にありがとうございます!
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