魔法少女リリカルなのは 七星の紙勇者   作:osero11

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 別の小説で少しスランプになっていたので、調子をとり戻すために書いてみた続きです。内容にはあまり期待しないでください。タグの方をご覧になってからお読みください。

 それでは、どうぞ。

2016/ 9/16 改行などの修正を加えました。


本編 原作前
プロローグ


「…………よかっ……た…………」

 

 真っ白な空間、そこで『彼女』は安堵していた。

 

 かつて世界を滅ぼす恐ろしい力を持った魔物。その魔物が宇宙に存在する星々の力を集め、凝縮した宝石をあの魔物との戦いの中で奪い取り、それらの力を使いようやく自分はその恐ろしき存在を封じ込めることができた。

 

 しかし、戦いの中で深手を負った彼女はその宝石の力をうまく引き出すことができず、封印できたのはせいぜい1000年くらいの月日のあいだだけだった。

 

 彼女の命は魔物を封印してからわずかの間しか持たなかったが、持っていた宝石の力を使い、肉体を失い精神だけの存在になってもなお、長いあいだ魔物の封印状態を見続けていた。その結果、自分の封印が不完全であり、だんだん弱まっていっていることに気づき、絶望した。

 

 もはや精神だけの存在となった自分に、宝石の力を直接引き出すことはできない。

 つまり、その魔物が封印から解き放たれたときに、封印しなおすことができない。そのことに深く絶望したのだ。

 

 彼女が絶望していても、時は無情にも経過していき、あまたの月日が流れていった。

 そして、ついに封印が完全に解かれるまであと10年足らずになっていた。

 

 後10年もしないうちに、魔物が1000年の封印から目覚めてしまう。そしたら、自分の愛した世界が魔物に滅ぼされてしまう……! そんなのは嫌だ!

 

 彼女は魔物を封印したときに自分の中にも残された、その星々の力を使って、死んだ人間の魂を呼び寄せ、新たな肉体と力を彼らに与え、その魔物を封印しなおしてもらおうと考えた。

 

 その与える力を彼らの要求するものに近い能力にするのは、残された星々の力を使えば簡単なことだった。

 しかし、いかんせんオリジナルとなるものを真似て作られたものだからなのか、あまり強力なものだとは思えなかった。

 

 そのうえ、その力を持たせて転生させた人物たちのうち二人は自己中心的な性格で、こちらの話もろくに聞かずに能力の要求だけしてさっさと転生していってしまった。

 

 もうだめかもしれないと思いながらも、彼女は最後の魂に、まさに最後の希望をのせて、能力は何にするかを尋ねた。

 正直、もう星々の力は残っておらず、前者二人のように模倣品として作られた能力では全く使い物にならなかっただろう。彼女は半ばあきらめ気味になりながらも、希望を託さずにはいられなかったのだ。

 

 

 

 

 

 しかし、その魂こそが彼女の最後にして最大の希望だったのだ。

 

 

 

 

 

 彼女が要求した『ペパマリRPG関連の力』。それがどんな能力か詳しく聞くうちに、彼女はあることに気が付く。

 

――例えば、その主人公の紙になる能力は、自分が持つ能力と全く同じものであること。

 

――例えば、その主人公が持つ武器は、自分が持っていた魔法の道具に近いものであること。

 

――例えば、彼女の求める宝石は、自分が魔物を封じるために使った星の力を持つ石とまさにおなじ存在と言っても過言ではないこと。

 

 あまりにもあり得ない偶然。彼女が言う『ゲーム』という物語と、自分が経験したことはぴったりと一致している部分が多すぎた。これは偶然だと言い張れないこともないが、彼女はこれを『天啓』だと感じ取った。

 

――彼女にすべてを託すことこそが正しいのだと。

 

 残された力も尽きかけ、詳しい説明もできない彼女はその魂に、ただ「その力で世界を救ってほしい」と伝え、自分の本来持つ能力を分け与え、その宝石がある場所に転生させることしかできなかった。

 しかし、それでいいと彼女は思っていた。なぜなら、その魂が自発的に求めた力は、あの魔物を封じてくれる力であり、運命がきっと彼女を世界を救う道へ導いてくれるだろうと確信していたからだ。

 

「……あ………とは………おねが……い………しま…す……。この……せ………かい………を………すく………って………くだ……さ………い…………」

 

 そして残された力は尽き、彼女は世界を救う人物を導く役目を終え、静かにその魂は天国に上っていった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……まさか本当に転生するとは、驚き桃の木です……」

 

 一方そのころ、世界の命運を託されて転生した少女は、転生直後にもかかわらず素っ頓狂なことを言っていた。

 

 実はこの元女性、現幼女の赤井星奈は前世ではかなりの変人として周りの注目の的だった。

 

 例えば、彼女はタコやイカといった海産物が好物なのだが、ある時彼女は急にタコが食べたくなった。すると彼女はわざわざ築地の市場まで向かい、新鮮なタコを購入し、しかもそのタコを踊り食いにして食べるという変人っぷりを披露したのだ。

 そのことを聞いて驚いた友人が、彼女にどうしてそんなことをしたのか聞いてみると、彼女はこう答えた。

 

「え? だって……タコの踊り食いってしたことなかったな~と思ったから踊り食いで食べたんですよ? それ以外に踊り食いする理由なんてありえます? 

 ………え? なぜわざわざ築地までかって? いや~、踊り食いにするならやっぱりとれたて新鮮ですよ! 港からあがったばかりのやつが一番!」

 

 どうしてそんな当たり前のことを聞くの?と逆に聞きたそうな様子で答える彼女に、最近できたばかりの友人はポカンとするほかなかった。

 ちなみに、彼女の古くからの友人はまたかと言わんばかりの呆れた様子を見せ、彼女の妹(苦労人)は自分の姉の奇行に頭を痛ませた。

 

 ちなみに、そんなのは序の口で、学生のころは文化祭のフィナーレでなぜか用意できた打ち上げ花火を点火して花火を打ち上げ、最高のフェナーレを飾ったが教職員たちや妹(常識人)にしこたま怒られたり、修学旅行のたびに宿泊先のホテルで学校どころかそのホテルに泊まっている子供たち全員を巻き込んだ枕投げを主催し、後で教職員たちや妹(一つ年下で同じ学校)にホテル側の従業員や巻き込んだ子供の保護者に対して頭を下げさせられるはめになったりしたこともあった。

 

 まあ社会人になったら少しはおとなしくなったので、彼女の周りの人たちの多くはホッとしたのだが、それでも彼女の奇行が完全になくなったわけではなく、彼女の妹(完全に被害者)が頭や胃を痛めることは頻繁にあった。

 

 今回彼女が選んだ能力についても、彼女の少し(?)人とは変わった部分が原因で選ばれたものなのだ。というのも、実は彼女は亡くなる少し前まで、自分が子供の時にやっていたゲームを「なんかまたやりたくなったから」という理由でプレイしなおしていたのだ。その中で最後に遊ばれたゲームこそが、『ペーパーマリオRPG』だったのだ。

 そのゲームを亡くなる前にプレイしていたため、星奈は『彼女』にどんな能力が欲しいか?と聞かれたときに、そのゲームに出てきた能力を選んでしまったのだ。

 

 

 

 ……知らぬが仏、とはまさにこのことだろうか。星奈がどんな人物か『彼女』が理解していたら、本当に絶望してしまっていたかもしれない。

 

 

 

「まあ、それはおいといて……能力の確認でもしますか」

 

 さて、世界の命運を背負ったとはつゆ知らず、星奈はさっそく自分に与えられた能力を確かめてみることにした。

 

「ではまずは……『ぺーパーモード』!!」

 

 彼女は大きな声で、自分に与えられただろう能力の名前をさけんだ。すると次の瞬間、彼女の前世の世界では信じられないようなことが起こった。

 

 

 

 なんと彼女の体の厚みがだんだんと薄くなっていき、最終的には紙ほどの薄さになってしまっていた。体はペラペラとなびき、とても生きた人間の体とは思えない。しかし、現に星奈は生きているし、不安定そうにみえてもちゃんと足で立てていることから、彼女にはしっかりと能力が与えられていることがうかがえる。

 星奈は、おお、と驚きの声をあげながらも、ペラペラになった自分の体を眺めたり動かしてみたり、ペラペラになった手で同じくペラペラになった胴体に触ったりした。

 

「おーーーーー! なかなかいいものですねー! 全然苦しくないのがまたなんともいいですねー! じゃあ次は……『ロールモード』!!」

 

 彼女はペーパーモードの状態のまま、次の能力を発動させた。すると、紙同然になった彼女の体はくるくると丸まり、筒のようになった。彼女からまた驚きの声があがる。

 

「おおーーーーー!! これもなかなかいいですねー! 

 しかもどういうわけか、視点が横から自分を見ているような位置からになっているのが、『ご都合主義』って感じがしていいですねー!!」

 

 そんなどうでもいい、いやどうでもよくないかもしれないが、そんなことに感動しながらも、ロールモードで自分の体を転がして楽しんだ。

 それから、『ヒコーキモード』、『ボートモード』も試してみたところ、無事に発動したので、星奈は思う存分にその能力で遊んで楽しんだ。

 しばらくその能力で遊んでいたのだが、かなりの時間が経ってようやく飽き、ほかにあたえられたものの確認をしてみることにした。

 

「あ~、楽しかったです。でもそろそろほかの能力とかの確認もしましょうかね……。

 やっぱり次は『ハンマー』と『ブーツ』ですね。ブーツはもう足に履いてるみたいですが、ハンマーはどこでしょうか……?」

 

 ちなみに、今の彼女の格好は、まさにゲームの主人公である『マリオ』と同じ格好で、赤い帽子と服、それと黄色いボタンがアクセントの青いつなぎを身につけている。

 まさにその恰好は『マリオ』に違いないのだが、彼女の容姿は、白いぼさぼさの長髪にアメジスト色の瞳とおおよそ『マリオ』からかけ離れたものなので、違和感を感じる。

 

 ブーツは今の彼女の格好とともに転生した瞬間から身につけているのを確認済みだが、ハンマーだけは服の中に入っているわけでも近くに落ちているわけでもない。

 いったいどういうことかと星奈は困っていたが、ふと転生前に言われたことを思い出す。

 

「……そういえば、名前を呼べば現れるって彼女?が言ってましたね……」

 

 むろん星奈が言う『彼女』とは、星奈にこの力を与えた(人物)のことである。

『彼女』は自分が生前使っていた、魔法も使うことができる武器――デバイスの前身ともいえるもの――を星奈に託していたのだ。その際、それらの使い方についてもある程度星奈に伝えていたのだ。

 

「それではさっそく……『ハンマー』!!」

 

 星奈が名前を呼ぶと同時に、木でできた巨大なハンマーが現れた。その持ち手は、星奈の手にしっかり握られる形で出現した。

 そのハンマーの頭部の大きさはなんと星奈の頭以上の大きさで、そのハンマーによって繰り出される攻撃が強力なものだと理解できるだろう。

 だがしかし、星奈にとって予想外なことがあった。それは……

 

「ふぐあっ! お、重い……」

 

ドスンッ!

 

 そう、ハンマーは星奈の予想以上に重かったのだ。星奈はハンマーのあまりの重さに手で持ち続けることができず、手を放してしまったので、ハンマーは大きな音を立てて地面に落ちた。よく見るとハンマーは若干地面にめり込んでおり、ハンマーがどれだけ重いのかを物語っていた。

 

「と、とんでもない重さですね……。これを軽々と振り回すとは、やはり赤い配管工は化け物ですね……。フンッ!」

 

 星奈はハンマーに手をかけ、力を込めて持ち上げようとした。

 3歳くらいの肉体で転生させられたので、正直持ち上がるかどうか半々の気持ちな彼女だったが、楽々とは言えなくても、ちゃんと持ち上げることはできたので彼女は安堵した。

 

「ふうっ! ……まあ、第一段階はクリアってとこですかね……何の第一段階かはともかく」

 

 彼女はそんなことを言いながらも、あることが気になった。それは、このハンマーがレベルアップしたほかのハンマーも、これくらいの重さかどうかということだ。

 

 彼女の手にした『ハンマー』は、ゲームに出てくるハンマーの中では序盤から持っているもので、それゆえに最も攻撃力が低かった。その次に手に入るのが『スーパーハンマー』、さらにその次に手に入る最後のハンマーが『ウルトラハンマー』で、スーパー、ウルトラの順に攻撃力が上がっていき、さらには使える技も増えていくのである。

 

 攻撃力が低いこの『ハンマー』でさえこの重さなのだ。ほかのハンマーもこれぐらい重いのかもしれない。そう思いながら星奈は、まずは『スーパーハンマー』から確かめてみようと思い、その名前を呼んでみることにした。

 

「……『スーパーハンマー』」ボソッ

 

 星奈がその名を呼ぶと同時に、驚くべきことに彼女の手にした『ハンマー』は瞬く間に『スーパーハンマー』へと変貌を遂げたのだ。

 

 

 

ズシン!

 

 

 

「――ッ!」

 

ドシンッ!

 

 なんと『スーパーハンマー』は『ハンマー』以上の重さをほこり、星奈の手はまたその重さに耐え切れずにハンマーを放してしまった。『スーパーハンマー』は『ハンマー』以上に大きく、鈍い音を立てて地面と衝突した。地面へのめり込み具合さえも、『ハンマー』以上だった。

 その光景にある嫌な可能性が頭の中に浮かんでしまった星奈は、地面に『スーパーハンマー』がめり込んだまま、最後のハンマーの名前を呼ぶことにした。

 

「……ウ、『ウルトラハンマー』……」ボソッ

 

 

 

ズシンッ!! メリメリメリ……

 

 

 

 あってほしくない推測があたってしまった。『ウルトラハンマー』は『スーパーハンマー』よりも重く、『スーパーハンマー』に代わって出現した『ウルトラハンマー』は地面により深く沈み込んでいった。

 

「……確かに、ゲームでハンマーの重さとか表示する必要はないですけど……これはさすがに困りますね……。いや、理には適っていますけども……」

 

 つまり、威力が高いハンマーほど、その重さも増していき、使用者にかかる負担が大きくなるのだ。さすがのこの事実に、星奈も苦笑い状態だった。

 

 

 

 だが、彼女はもう一つの恐ろしい可能性に気づくことになる。

 

 

 

「………ッ! ちょっ! ハンマーがこういうシステムってことは、まさかブーツも!?」

 

 そう、レベルアップできるのはなにもハンマーだけではない、星奈が今はいているブーツも、現在の『ブーツ』から、『スーパーブーツ』、『ウルトラブーツ』とパワーアップさせていくことができるのだ。

 もしハンマーを使うにあたって、威力の高さと使用者への負担が比例しているのなら、ブーツにも……。

 

「………『スーパーブーツ』」ボソッ

 

 

ズシン!

 

 

「わあぁぁぁぁぁぁぁぁ!! やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 あわれ、どうやらブーツも同じ運命だったようだ。あまりに非情な現実に、星奈は嘆きの声を上げた。

 その後、一応『ウルトラブーツ』も試してみたのだが、やっぱりブーツがさらに重くなってしまったので、星奈はしばらくの間、考えるのをやめた……。

 

 

 

 

 

「……まあ、嘆いても仕方ないんですけどね。これから使いこなせるようになれば問題なしですし」

 

 ハンマーは小さくして服の中に入れておくことができると聞いていたのを思い出し、ハンマーを小型化してつなぎの内ポケットにしまった星奈は、数十分前まで悲しみに暮れていたことなど忘れたかのように立ち直っていた。

 

「『バッジ』は持ってないみたいなので、探すしかないですね。あとはステータス(つよさ)の確認と、アレ(・・)の確認ですね」

 

 そう言った星奈はさっそく自分のステータス(つよさ)を確認しようとしたのだが……。

 

「……どうやって確認すればいいんでしょう?」

 

 そう、現実はゲームと違ってスタートボタンもセレクトボタンもない。本来ならステータスの確認なんてできるわけがないのだが……。

 

「こういうのはフィーリングですっ!! 目覚めよ私の中の第六感ッ!! ふんぬぅぅぅ!!」

 

 なんと、彼女はなんだかよくわからない根性論でステータス確認をしようと試み始めた。

 しかし、彼女の第六感が目覚めたのか、あるいは妄想が浮かんだのか、彼女の脳内に、ステータスが表示された。

 

 

 

名前:赤井(あかい) 星奈(せいな)(女)

 

年齢:3歳

 

強さ:レベル1

 

HP(ハートポイント):10/10

 

FP(フラワーポイント):5/5

 

BP(バッジポイント):3

 

SP(スターパワー):8/8

 

スターポイント×0、コイン×0、ほしのかけら×0

 

 

 

「なるほど~。レベル1、つまり冒険の始まりの時と同じ状態なんですね。でもなんでSP(スターパワー)だけ8もあるんでしょう? 

 ……ああ! スターストーン(・・・・・・・)を全部要求したからですね! そういうことですか~」

 

 気合で表示されたステータスにふつうに納得がいってる星奈であった。

 そして、最後にそのスターストーンを探そうとし、あたりの様子を初めてじっくりと眺めた。すると、彼女はようやくあることに気づいた。

 

「……ここって、『1000年のトビラ』のある大きな空間にそっくりじゃないですか……」

 

 そう、彼女が転生した場所は、ゲームに出てくる『1000年のトビラ』というものがある部屋にそっくりな場所だったのだ。黄色い模様が入った赤く巨大なトビラが近くに見えるのが何よりの根拠だった。

 

(もしかして……)

 

 ある予測を立てた彼女は、あるはずのところ(・・・・・・・・)に向かった。そのあるはずのところとは、ゲームでは地図やスターストーンを掲げた台座だった。

 このあたりがゲームと同じ地形で、近くにスターストーンがあるとするなら、そこぐらいしかないとあたりをつけたのだ。

 

 彼女の予測はあたり、1000年のトビラの前には台座がおいてあり、その台座を囲むようにしてスターストーンが並んであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 枯れ果てた骸骨とともに。

 

 

 

 

 

「――ッ!!??」

 

 星奈は骸骨を確認したとたん、体が硬直してしまった。そして、ある程度の時間が経過し、ようやく体の緊張が解けた後に、そろそろと骸骨に近づいていき、遺骸に向き合い、やがて眼をつむり手を合わせ、この放置された死者の冥福を祈った。

 彼女は一応、前世では80歳まで生きており、それなりの常識も持ち合わせている。いくら変人だからといって、目の前の死者をなんとも思わないような人間ではないのだ。

 

「……あとで、ちゃんとしたお墓を作ってあげますからね……」

 

 星奈は遺骸にそう言葉を漏らすと、スターストーンの方を見て、最後に1000年のトビラの方を向き、睨んだ。

 

 

 

 

 

 赤井星奈は知っている、この1000年のトビラの奥に、なにがいる(・・)のかを。

 

 そして星奈は遺骸を見て実感した、このトビラの向こうにソレ(・・)がいることを。

 

 赤井星奈は確かに変人だ。人とは少し変わった思想をしているし、楽しければそれでいいんじゃないかという考えを持っている。

 

 しかしそれ故にだろうか、彼女は時に、自分の命も顧みずに人助けをすることなどもあった。

 

「……そこまで再現してくれなくてもよかったんですけどね……」

 

 今この瞬間、彼女は覚悟した。いずれこのトビラの封印から放たれ、この世に災厄をまき散らすであろう魔物と戦う覚悟を。

 

 それまでの猶予はどれほどなのか? その時まで自分はソレ(・・)に対抗できるほど強くなれるのか? はたして自分に、その魔物を倒せるのか?

 

 そんなこと、彼女にとって知ったことではなかった。

 強くなれるなれない、倒せる倒せないなんて未来の話、その時にならなきゃわからない。ただ、覚悟だけはしておく。それが彼女に今できる、唯一のことだった。

 

 そして彼女は、そんな覚悟を胸に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とりあえず、あの目ん玉つきキノコを食べてみましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 彼女なりに、生きていくのだった。




 いかがだったでしょうか。正直、そんなにいい出来ではなかったので不快になってしまった方も結構いらっしゃるかもしれません。申し訳ありません。

 ピクミンの小説を書いていて、もしまたスランプになるようなことがあったら、こっちの小説を書いてみて調子をとりもどすという感じで執筆していこうかと思いますので、ご了承のほどお願いします。
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