不思議なヤハタさん   作:センセンシャル!!
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明けましておめでとうございます。本年も「不思議なヤハタさん」をよろしくお願いします。



というわけでA'sまでの短い空白期編スタートです。
今回の話は、時系列的には十七話終了のちょっと前に戻ります。


幕間章
十八話 就職 (あとがきに主人公紹介あり)


 緊急家族会議である。

 

 現在、土曜日の午後。場所、八神邸のリビング。参加者は、八神家全員。ちなみにこの全員とは、エールともやしアーミー(1号のみ)も含めた全員である。

 オレ達は今、一冊のノートを囲んで、真剣な顔つきを向き合わせている。いつも緩い笑顔を浮かべているブランも例外ではない。フェイトの頬を、一筋の汗が流れた。

 その、使い古されたノートには、黒い太マジックでこう書かれていた。

 「家計簿」と。

 

 つまり、会議の議題とは――。

 

「……生活費が、あとわずかしか残っとらん」

 

 はやての逼迫した呟きが、八神邸のリビングに染みわたった。

 

 

 

 なるべくしてなった状況である。

 オレはこの一月ほど、ジュエルシードの探索のために外出しており、内職をすることが出来なかった。ほとんど、ではない。出来なかったのである。

 考えてもみてほしい。ジュエルシードを探すために町中のいたるところを歩き回り、帰って来るころにはヘトヘト。もし暴走体と遭遇したら、プラスして戦闘もある。

 そして、オレは小学生である。小学生ということは小学校に行っているわけであり、小学校では宿題というものが課される。ジュエルシードは免罪符にはならない。ここは管理外世界で、管理世界関係の事情は関係ない。

 それだけの消耗を強いられて、オレの幼い体に内職をするだけの体力が残るだろうか? 否。風呂に入ってパジャマを着たら、はやての体を抱きしめて夢の中へ一直線だ。

 とはいえ、一ヶ月内職が出来ないだけで生活費が尽きるなどという事態には、普通はならないだろう。余程散財でもしない限りは。問題は、この一ヶ月で5人と1匹の家族が増えたことだ。

 うち3人は食事が必須ではないが、オレ達がそれを認められない。彼女達に何も食べさせずにオレ達だけが食べるなど、オレ達の精神が耐えられない。

 結果、八神家のエンゲル係数の上昇に対し貯蓄が追い付かず、危機的状況に陥っているということだ。

 一応、来月になればはやての後見人のおじさんからの仕送りを増額してもらえるらしいが(あまり頼りたくはないが物理的に無理なので仕方がない)、今月はあと半月以上残っているのだ。

 そして開かれた家計簿の予算残額のところに書かれた数字……19。もやし一袋分である。

 

「……一人一食もやし一本で粘れば、一日18本、一袋およそ300本だから、半月はもつ」

「そんなのたえられるわけないよー!」

 

 オレがこれで乗り切るたった一つの方法を口にすると、アリシアが悲痛に叫ぶ。オレもそんなので乗り切れるとは思っていないので、気持ちは一緒だった。

 

「ど、どうしてこんなことに……」

「確かに人数は増えたけど、食費だけでそんなに消費するのかい?」

 

 フェイトとアルフの疑問。食費だけでと言うが、意外とバカにならないものだ。少しでも安い食材を手に入れないことには、あっという間に消費する。

 だが、アルフの言うことももっともだ。オレ達は、オレの内職とはやてのおじさんからの仕送りで、ある程度は貯蓄をしていたのだ。そう簡単に財政難にならない程度には。

 理由は、もう一つある。

 

『人を呼んで夕食会とかやっちゃったからねー。あんな頻度でやったの、初めてじゃない?』

「……つい浮かれて奮発してまいました」

「私もそれが普通なんだと思ってしまって……ごめんなさい」

 

 これである。フェイトと協定を結び、ジュエルシード探索の拠点が八神邸になったことで、短い期間ではあったものの、割と頻繁に皆で集まって食事などを行ったのだ。

 それだけならまだよかったが、浮かれたはやてが食材を買うのに奮発してしまった。100g1,000円の牛肉なんて初めて食べた。

 オレが一緒に買い物に行けば止められたのだが、探索中だったのでブラン任せ。そして経験の少ないブランでは判断できず止められなかったのだ。

 これらの要素が重なり、現在の生活費残額がもやし一袋分しか残っていないのだ。

 

『皆様方、今は反省会ではありませぬぞ。議題は、どうやって生活費を捻出するか。知恵を絞るところを間違えてはなりませぬ』

「……もやし、かしこいこ」

「しかして、ないものは出しようがあるまい? 水道光熱費用の予算を切り崩すしかないと思うのじゃが」

 

 ミステールの言う通り、帳簿が真っ赤を通り越して土気色になっているのは生活費だけであり、うちにはライフライン用の積み立てが存在する。が、これも向こう三ヶ月分のみだ。あまり手を出したくはない。

 もうどうしようもないとなったら切り崩すしかないが、まだ何かあるはずなのだ。この状況をひっくり返す、オレ達が気付いていない何かが。

 

「ミツ子さんに借りる……ってのは根本的な解決にならないか」

「そうだな。何か収入を増やす方向で考えないと、いずれまた同じ状況になりかねない」

 

 貯蓄が底をついたのは臨時的な出費によるものだが、八神家のエンゲル係数が上昇していることは確定なのだ。仕送りの増額とオレの内職だけでは、賄いきれるとは思えない。

 オレの内職収入が、頑張って一月6万程度。はやてのおじさんからの仕送りが、月15万程度。食費を一人一日500円以内に収めたとして、月にかかる食費は最低で12万程度。水道光熱費が全部で4万程度。

 これで一月の余りは5万程度。だが、相当理想的に進めた場合の話だ。特にオレの内職収入は、今後下がる可能性がある。フェイト、ソワレ、アリシアの三人と触れ合う時間を確保するためだ。

 そうなると本当にギリギリだ。贅沢は敵だが、ちょっとした贅沢すら許されなくなるのは大問題だ。オレだって翠屋のシュークリームは食べたい。

 

「……オレが割のいいバイトを出来ればよかったんだが」

 

 オレが本気を出した際の内職収入は、時給換算で1,320円。これを超える時給のバイトが出来たなら、財政難も脱することが出来るだろう。

 だが、再三になるがオレは小学生だ。内職もミツ子さんにお願いしてやらせていただいているものだ。普通のバイトなんて望むべくもない。

 と、そこでフェイトが気付く。

 

「あれ? ブランなら、アルバイト出来るんじゃない? 実年齢はともかく、姿は大人なんだから」

「実はその案は以前出ていてな。経験値が足りなさ過ぎるという結論に至った」

「期待外れでごめんなさい……」

「あ! そ、そんなつもりじゃないんだよ! ほんとだよ!?」

 

 フェイトは気を使えるいい子だ。自分本位の言葉しか吐けないオレとは大違いだ。そのまま育ってほしいものだ。

 ……親バカ的な思考をカット。だが、確かに彼女の意見も一理ある。あの時とは違って、ブランは一月ちょっとの経験を積んでいるのだ。今ならもう少し、出来ることもあるんじゃないか。

 

「ブランはこれまで、オレやはやてと一緒に家事をやってきた。それを活かせるバイトなら、あるいは……」

「え、ええ!? それって、お掃除やお料理でお金をもらうってことですよね!? そんな責任重大なことはできませんよ!」

 

 固く考えすぎである。チェーン店とかの料理程度なら、今のブランでも十分に可能だろう。何せああいうのはマニュアル化されていて、それに従うだけらしいからな。

 とはいえ、職場環境が劣悪であるという話も聞く。そんな場所に、うちの大事なブランを行かせるわけにはいかない。やはり、この案はなしか……。

 

「あっ! そういうことならええお店あるやん!」

 

 パン!とはやてが手を打つ。何かに思い至ったらしい。……ああ、なるほど。オレにも分かった。

 他の面々はまだ海鳴というかこの辺の馴染みが薄いため、気付いていない様子。先日皆でパーティにも行ったのにな。

 信用がおけて、ブランの現在の能力で出来る仕事で、職場環境もよさそうな喫茶店。そんな都合のいい店が、オレ達のすぐ近くにあった。というか、オレの思考にもさっき登場した。

 そしてはやては、オレの思った通りの内容を口にした。

 

「ブランには、翠屋のキッチンのバイトをやってもらう! さあ、皆で士郎さんに話つけに行くで!」

 

 

 

「いや、うちはキッチンのバイトは募集してないんだ。ごめんね」

「なんやてー!?」

 

 八神家全員で翠屋まで行き、昼過ぎでちょうど空いている時間だったため、士郎氏に面接をお願いしたところ、あっさり断られてしまった。

 一応キッチンのパートさんというのは存在しているらしいが、ブランとは比較にならないぐらいの料理歴を持っている人で、そのぐらいでないとこの店のキッチンは任せられないようだ。

 ……まあ、それもそうか。翠屋は個人経営ながら人気のある喫茶店だ。それは、店の雰囲気もさることながら、料理・菓子の味が絶品であることが最大の理由だ。

 そうである以上、「この人ならば任せられる」という腕の人間しか雇えないというのは、至極当然の論理だ。一般募集でキッチンのバイトを任せられるわけがない。

 

「うう、翠屋の味の秘密を知れるチャンスやったのに……」

「そっちが本音か」

 

 いやまあ確かにオレも気になるっちゃ気になるが。

 

「ははは、企業秘密だからね。そう簡単には教えられないさ」

「えー。士郎さん案外ケチやんなぁ。あれから何度かここのミートソース再現しよう思って挑戦してんけど、全然なんよ」

「三日連続パスタの裏にはそんな思惑があったんだね……」

 

 フェイトがあの日々を思いだし苦笑する。美味かったし、味も毎回違ったから飽きはしなかった。

 士郎氏はもう一つ快活に笑う。そういえば恭也さんは士郎氏と似ているが、こんな風には笑わないな。オレよりは表情豊かだが。

 

「ホールじゃダメなのかい? そっちなら募集してるけど」

「あー……うちのブラン、こう見えてそそっかしいんよ」

「あうっ! 落ち着きなくてごめんなさい……」

 

 初めの頃こそクールで落ち着いた女性という印象の強かったブランであるが、はやてに弄られていくうちにその本性が現れたというか、今ではすっかりドジっ子である。

 今のところ八神家で食器類の被害は出ていない(オレが未然に対処しているため)が、よそ様でそれをやられるわけにはいかない。弁償的な意味で。

 オレ達の説明を聞き、士郎氏は「ふーむ」と顎に手を当てる。

 

「普段はミコトちゃんが対処しているということは、誰かが補助に入れば出来なくはないってことかな」

「……そうですね。焦らなければ失敗はない。焦りやすい、というのが今のところの課題です」

 

 士郎氏の指摘に、今までのブランの仕事ぶりを思い返してみる。言われてみれば、ブランが失敗するのは大抵優先順位決めに失敗して焦ったときだ。失敗の兆候自体は観察していたが、傾向は分析していなかったな。

 なるほど、と士郎氏は頷く。そして人懐っこい笑みを浮かべて、提案した。

 

「それなら、仕事に慣れるまで誰かがサポートに入って試してみる、というのはどうかな。他にホールがダメな理由はないんだろう?」

「ええ、その通りです。しかし、こちらの都合でサポートする方に負担をかけることになります」

「構わないよ。元々新人さんには先輩店員が指導をすることになっている。ブランさんの注意すべきところを教えておけば大丈夫さ」

 

 それなら別に問題はないのか。ブランの方を向き、意思確認をする。

 

「そういうことらしいが、やれるか?」

「うっ。ちょっと自信ないですけど……でも、何事もチャレンジ、ですよね」

「特に経験値が足りていない君はそうだな。召喚体の中で、君だけはハウスキーピングを任せて放置してしまったから」

 

 考えてみるとオレの怠慢だったのかもしれない。元々はやての周辺警護のために生み出したとはいえ、もうその状況は終わったのだ。彼女に新しい経験をさせる働きかけをするべきだった。

 ともあれ、ブランはやる気になってくれている。先方がホールとして雇ってくれるというのなら、拒む理由はない。

 

「分かりました。面接は必要ですか」

「いや、ブランさんの人となりは分かっているつもりだ。マスターの采配で即決採用させてもらうよ」

「ありがとうございます。出来るだけ早くシフトを入れていただければ幸いです。それと、今月の間は日当の形で支給していただければ」

「……そこまで逼迫してるのかい?」

 

 士郎氏の引きつった笑いに、オレは頷いて答えた。とりあえず今日のところは冷蔵庫の中のものを使うとして、明日以降のものがない。日当が出なければ、水道光熱費を切り崩すしかなくなる。

 オレ達が置かれている事態が想像以上にまずいと思ったのか、士郎氏はブツブツと何かを考え始めた。彼がそこまで悩む必要は……と思ったが、恭也さんと同じようなものか。彼にとって、オレは娘同然ということだ。

 

「とはいえ、来月からはやての後見人のおじさんからの仕送りも増額されます。ブランの就職口が見つかったなら、この急場さえ凌げばあとは何とかなる」

「そうかい……。普段はその仕送りで何とかなってたのが、人数が増えたことで立ち行かなくなったってことかな」

「そうですね。それと、今後オレの内職効率が落ちることが予想されるので」

「え゛っ」

 

 士郎氏が固まった。そういえば、彼に内職の話をした覚えはなかったな。娘と同じ年の、いや娘同然に思っている女の子が、日々の生活費を内職で賄っていることにショックを受けたのか。

 彼は、オレに恐る恐る尋ねてきた。

 

「ち、ちなみにそれはどんな内職なのかな」

「オーソドックスなバラの造花作りです。単価は10円で、今までは月に6万程度の収入がありました。先月は、ジュエルシード探索でできませんでしたが」

 

 目を剥く喫茶店マスター。……本当に恭也さんとは違って反応が多様な人だ。一体彼は誰に似てああなったんだ?

 現在のオレにとって、内職は別に苦になるものではない。作業手順は体にしみこんでおり、息をするように造花を作れる。暇つぶし代わりに内職をすることもあるレベルだ。

 だが、士郎氏がそんなことを知る由もない。ガシッと両肩を掴まれた。

 

「ミコトちゃん。君はまだ子供なんだ。環境がそれを許さないのかもしれないが、俺も君には楽しい子供時代を過ごして欲しいと思っている」

「十分に楽しい日々を送れているのですが」

 

 これは真実である。はやてがいて、家族の皆がいる。学校に行けば5人衆も付き纏ってくる。夜の8時にはなのはから念話も入る。これだけイベント満載な毎日を送っていれば、オレでも楽しくは感じる。

 が、士郎氏的にはこれでもまだ不十分らしい。

 

「まだ、働かなくていいんだ。……と言っても、君は聞くわけないよなぁ」

「当然です。確かにミツ子さんなら全ての面倒を見てくれるでしょう。オレがそれでは納得出来ないから、内職を融通してもらったんです」

 

 それが、最初の理由。はやてとの共同生活が始まるまでは、アパートの家賃(極限低価格設定ではあったが)と生活費をまかなうためのものだったのだ。

 恐らくだが、ミツ子さんはオレが音を上げて彼女のところに転がり込むのを願っていたのではないだろうか。オレに、甘えるという行為を教えようとしていたのではないだろうか。

 今のオレは、当時に比べれば感情が豊かになってきた。まだまだ仏頂面が崩れることは少ないが、それでもある程度は人の気持ちとやらを察せるようになった。「違う」なりに、慮るということを覚えた。

 結局ミツ子さんの願いはかなわず、オレが甘えるという行為を覚えたのははやてに対してだった。……ミツ子さんにも少しは甘えた方がいいのかもしれないが、恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。

 少し逸れたが、彼がオレに働くなと言ったところで、オレは首を縦には振らない。オレは、そんなことで人に借りを作りたくないのだ。

 

「……よし、こうしよう!」

 

 何か自分を納得させるアイデアでも浮かんだのか、士郎氏は手を打つ。

 

「ミコトちゃん。うちで、"お手伝い"をしないかい?」

 

 士郎氏の言うところは、つまりこういうことだ。"働く"代わりに"お手伝い"をして、"給与"の代わりに"お駄賃"をもらう。単なる言葉のすり替えである。

 

「そういうことなら、今やっている内職もミツ子さんの"お手伝い"という言い方になりませんか?」

「それはお手伝いの範疇を超えているよ。月に6,000本もの造花作りだなんて、子供のやることじゃない。俺はそう感じているんだ」

 

 要するに士郎氏が納得できるか否かの問題だ。この人はオレに"子供"を逸脱してほしくないのだ。娘も同然だから。

 ……そんなことになると思ったから、オレは高町家入りを蹴ったのだ。オレの精神の自由が大きく制限される。「高町ミコト」となっていたら、捻じくれていたかもしれない。

 だが先述の通り、今のオレは「八幡ミコト」として少しは成長出来たのだ。親の気持ちが分からないわけじゃない。オレだって、フェイトやアリシア、ソワレには、のびのびと成長してもらいたいと思う。

 オレに関しては前提条件が違う、とは最早言えない。それが証拠に、はやてと出会ってからのオレは、明らかに以前とは変化してきているのだから。成長出来るのだ。

 だから、多少の譲歩は出来る。

 

「……オレが本気を出した際の一時間当たりの造花生産量は132本前後です。つまり、時給換算で1,320円」

「一時間"お手伝い"したら、1,500円の"お駄賃"。この条件でどうだい?」

「プラスして、一回のシフトは4時間以上。週3日以上でお願いします」

「うん、そのぐらいなら、なのはもたまにやっている程度だ。それでいいよ」

 

 交渉成立。これで造花の内職も少しは減らせるだろう。そうすれば、士郎氏から文句を言われない範疇に収めることも出来る。

 図らずも、ブランだけでなくオレの働き口も見つかることとなったのだった。

 

「それなら、早速だけど明日から入ってもらおうかな。時間は昼のピークが過ぎた14時頃から。初回だし、最低限の4時間で。ブランさんも、これで大丈夫かな」

「はい。ミコトちゃんともども、よろしくお願いします、士郎さん。……マスターって呼んだ方がいいでしょうか?」

「ははは、好きなように呼んでくれて構わないよ。うちはその辺統一してないから」

「ではこのまま士郎氏とお呼びします」

「……ミコトちゃんはマスターって呼んでね」

 

 今後彼のことはマスターと呼ぶことになった。

 

「ミコちゃんとブランのウェイトレス姿……アリや! 明日はデジカメ持参やな!」

『いいね! これは永久保存版だよ、はやてちゃん!』

「二人とも、お店に迷惑をかけない程度にしときなよ。これからお世話になるんだから」

「あぅ……ミコトおねえちゃん、わたしも一緒に……」

「フェ~イ~ト~。ここでわたしをのけものにしたら、ほんとにひどいんだからね!」

「ソワレ、ひとりぼっち、や!」

「わ、分かってるよ!」

『女王様の晴れ姿であるか……我も一目見たいものである。明日は顕現させてもらえぬだろうか』

「呵呵っ、愛されておる主殿じゃのう」

 

 結局、明日も全員で来ることになりそうだ。……できれば写真に撮るのはやめていただきたい。見世物じゃないんだぞ、全く。

 

 

 

 

 

 かくして、決戦の日は訪れた。いや大げさかもしれないが、よくよく考えてみたらオレが客商売ってまずくないかという話だ。

 オレは自他ともに認める仏頂面だ。最近は少し表情も豊かになってきたとは思うが、鏡を見ると相変わらず無表情で無愛想な顔がそこにあるのだ。

 周囲の人間は何故かこれを「可愛い」と言うのだが、万人共通の見解ではないはずだ。もしオレが同じ顔の人間に出会ったら、「なんだこの愛想のないやつは」と思うことだろう。

 客商売とは、基本的に笑顔で応対するものだ。笑顔は相手の警戒心を下げ、リラックスさせる。翠屋は喫茶店という憩いの場なのだから、リラックスできなければお話にならない。

 で、オレだ。笑顔の作れない女だ。接客も機械的で事務的な棒読みでしか出来そうにない女だ。女言葉でしゃべると周囲のSAN値を削りに削るオプション付きだ。

 今からやるのは、お題目としては"お手伝い"ということになっているが、実態は"アルバイト"だ。しかも、先方に相当な融通を利かせてもらった上で。

 

「……帰りたい」

「いきなり何言ってるの、ミコトちゃん!? 大丈夫、なのはも一緒に頑張るから!」

 

 翠屋の黒エプロン(この店は制服じゃなくて通常の私服の上に指定のエプロンをつけて接客するスタイルである)を身に付け鏡を見た瞬間、非情な現実に気付いたオレを、指導役のなのはが元気いっぱいに励ます。

 彼女は基本的に終始笑顔を絶やすことのない人間だが、今日はいつもの五割増しぐらいでニコニコしている気がする。対照的に、オレは仏頂面の上にブルーシートを被せたような表情だ。なんだこの好一対は。

 昨日のマスターとの会話でもあった通り、翠屋のホールスタッフは、バイト以外にも高町家の子供達がお手伝いに入ることがあるらしい。オレも何度か高町姉が接客しているのを見た。

 先月はジュエルシード絡みで、なのはも恭也さんもスタッフに入れなかった。そのため、オレが翠屋のエプロンを装着したなのはを見るのは、これが初めてだ。

 

「怖がらなくたって平気だよ! ミコトちゃん、とっても可愛いから!」

「エプロン一つでそこまで変わるか。接客を怖がっているわけではなく、店の評判を落とすことを恐れているんだ」

 

 オレは人見知りというわけじゃない。何せ、他人との関わりはその場限りですぐに切って捨てるような人間なのだから、人見知りになるはずもない。

 そんなオレだからこそ、今後ブランがお世話になる店の評判を下げてしまうのではないかという懸念なのだ。だというのに、この能天気猪突猛進娘である。

 

「そんなことないよ! ミコトちゃんなら、お客さん達みんな、可愛がってくれるよ!」

 

 高町家の基準で語っているんじゃないだろうか。確かに高町家の人間は、基本的にオレのことを可愛がっていると思う。恭也さんとマスターはあの通りだし、桃子氏もあの性格。高町姉は、逆に弄られキャラだが。

 だが、高町家が世間一般の感性で動いているかと言われたら、オレは「絶対にノゥ」と答える。あんな人外剣を扱いこなす人種が一般的でたまるか。

 ……どの道ここまで来て逃げることなどできないのだ。今日一日はやってみなければ分からない。そう自己暗示して立ち向かうしかない。

 

「可愛がられるのはなのはとブランに任せる。オレは普通に接客をするだけだ」

「うん、その意気だよ!」

 

 どの意気だよ。

 

 なのはに伴われ、スタッフルームを抜ける。早速目に飛び込んできたのは、アリシアに車椅子を操作させてブランに向けたデジカメのシャッターを切るはやての姿。

 

「ええでええで! ブラン、そこでちょっと首傾げて!」

「え、ええー……」

「きゃー、ブランかわいいー!」

 

 ブランは困惑顔の苦笑ながらも、はやてに言われた通りのポーズを取る。パシャコーパシャコーとシャッターが切られた。

 ……ああ、色々思い出すなぁ。初めて女物の服買ったときとか、浴衣を着たときとか、水着のときとか。外側から見るとこんな感じなのかと、妙な感慨を覚える。

 が、あまり放置していていいものではないだろう。昼のピークは過ぎたと言っても、お客さんはいるのだ。

 

「はやて、その辺にしておけ。アリシアも、あまりはやてのことを調子に乗せるな」

「あ、ミコトおねえちゃん! おねえちゃんもやっぱりかわいい!」

「お次はミコちゃんの番や! ささ、そこに立って!」

 

 やらん。オレは写真を撮られに来たんじゃなくて、翠屋ホールスタッフの"お手伝い"をしにきたのだ。今日の働き如何に今後の八神家の生活がかかっていると言っても過言ではないのだ。

 

「あまり他のお客様にご迷惑をおかけにならないようお願い致します」

「ちぇー。ミコちゃんノリ悪いでー」

 

 ノリをよくして早速マスターにお叱りをいただくわけにはいかないんだよ。

 

「ちゃんとマスターに許可取ってから勝手に撮影する分には文句は言わん。その辺で妥協してくれ」

「ほほう、ミコちゃんのパンチラを狙えとな?」

「ロングスカートで出来るならな」

 

 オレはショートやミニははかないのだ。ゆったりとしたロングスカートなら、動くのの邪魔にもならないからな。

 「ちぇー」と言いながらアリシアに車椅子を押されて、他の八神家の皆が座っている席に移動するはやて。オレは一つため息をついてから、ブランの指導係を担当する高町姉に文句をつけた。

 

「君が指導係なんだから、ちゃんと止めてやれ。何故新人のオレが止めている」

「いやー、別にいいかなーって。実際ブランさん可愛いし、気持ちは分かるもん」

「や、やめてくださいよ、美由希さん……」

 

 何気なく真っ直ぐ褒められたブランが、顔を真っ赤にする。確かにブランは可愛いと思うが、容姿はキレイ系なんだよな。やはり性格の問題か。

 

「あ、もちろんミコトちゃんも可愛いよ」

「取ってつけたように言われてもな。世辞はいい、自分が無愛想であることは自分が一番分かっている」

「うーん。確かに恭ちゃん以上に仏頂面だと思うけど、ミコトちゃんの場合、不思議とそれが可愛いんだよね」

 

 どういう理屈だ。なのはもブランも同意なのか頷いているし。オレの周りのやつはこんなんばっかか。

 

「なんかこう、ミコトちゃんが可愛いのは最早デフォルトで、そこに時々表情が上乗せされる感じ?」

「分かります。たまに表情が緩む瞬間なんか、最高ですよ。もう抱きしめちゃいたいぐらい」

「えー、いいなーブランさん。わたしも見てみたーい」

「本人の前でする会話じゃないと思うんだが」

「にゃ、にゃはは……二人の気持ちも分かるの」

 

 どうにもブランは高町姉と波長が合ってしまったようだ。まあ、今後ここに勤めることになると考えたら、円滑な人間関係を築けることはいいことなのだろう。

 ……雑談はこのぐらいにしよう。オレもブランも、この店での働き方を学ばねばならないのだ。

 

「それでは早速だがなのは、ホールスタッフの仕事内容を教えてくれ」

「うん、任せて!」

 

 三人とも意識を切り替え、オレとブランはOJTを始めることとなった。

 

 

 

 翠屋のホールの仕事は、意外と煩雑そうだった。というのも、この喫茶店ではテイクアウトも行っているため、客の列が二つに分かれるためだ。

 テイクアウトの列はピーク時には店外まで伸びるため、道路通行の邪魔にならないように整理を行わなければならない。と同時、店内の業務もこなさなければならない。

 来店した客を空いている席まで誘導する。注文を取る。料理を運ぶ。空いた皿を下げる。お会計をする(オレ達はできないが)。空いた席を使えるように片付ける。

 もちろん一人でやるわけではなく、シフトに入っているスタッフで分担することになるわけだが、それはそれで情報の共有をしっかりと行わないと上手く連携出来ない。

 総括すると「手順を整理しないと煩雑になる業務」だ。……ブランのやつ、大丈夫だろうか。しばらくはオレが一緒のシフトに入って、様子見をした方がいいかもしれない。

 

「っと、こんな感じだけど。覚えきれた?」

「問題ない。目下問題なのは、オレの無表情と、ブランがテンパらないかの二点だけだ」

「にゃはは、さすが皆のリーダー……」

 

 ジュエルシード回収チームは先日で任期満了し解散したというのに、相変わらずの扱いであった。……これ、後々チーフスタッフとかにされたりしないよな?

 オレが翠屋のスタッフを続けることが前提となるが、それでも嫌な予感を感じざるを得なかった。

 

「すいませーん! 注文いいですかー!」

 

 と、タイミングよく客からの注文。さっそく実践して、手順を確認しよう。まるでチュートリアルのようだ。

 

「それでは、なのははそこでオレの業務をチェックしてくれ。不備等があったらメモをして、報告してくれると助かる」

「……これ、なのはの指導いるのかな?」

 

 少なくとも手順の確認のためには必要だと思うぞ。

 

「お待たせしました。ご注文をお伺い……って、バニングスと月村か」

 

 客は、オレの顔見知りだった。なのはの親友だという二人組。生粋のお嬢様どもだ。初回が顔見知りとは、ますますチュートリアル染みている。

 オレの発言を受けて、月村はにこやかに笑って手を振り、バニングスはニヤニヤしながら不遜な態度でふんぞり返る。

 

「あら? お客様に対してそんな態度でいいのかしら」

「失礼致しました。ご注文をどうぞ」

「……ちょっとは慌てたりしなさいよ。可愛げのないやつ」

「あはは。相変わらずだね、ミコトちゃんは」

 

 そんなものを提供するつもりはないからな。オレはホールスタッフとして"お手伝い"をしているだけだ。

 

「あたし、カルボナーラと翠屋特製シュークリーム、それからオレンジジュース」

「それでしたらスープをお付けしてBセットがおすすめとなっておりますが」

「ん、これでいいわ。そのまま流したら突っ込み入れてやろうと思ったのに」

「もう、意地悪しちゃダメだよ。わたしはペスカトーレと翠屋特製シュークリーム、あとは食後に紅茶。セットじゃなくていいよ」

「かしこまりました、ご注文を復唱致します」

 

 二人の注文を繰り返し、間違い・聞き漏らしがないことを確認する。

 ペンを持ち伝票に記入するオレの左手を見て、バニングスが何かに気付いて声をかけてきた。

 

「あれ? あんたって左利きだったんだっけ」

「今更だな。温泉の卓球でも左手でラケットを持っていただろう」

「あのときアリサちゃん、負け続きでムキになってたから気付かなかったんだね」

「悪かったわね!」

 

 しかし、それがどうしたのか。

 

「翠屋のホールやる人でなのは以外の左利きって初めてだなって思ったのよ」

「あ、そういえばそうだね。なのはちゃん以外の高町家の人は皆右利きだし、バイトの人達も右利きだね」

「よく見ているな。左利きよりは右利きの方が多いんだから、不思議はないだろう」

 

 利き手と言えば、八神家で左利きはオレ以外にアリシアがいる。対して、フェイトは右利き。同じ遺伝子を持っていると言っても、発生過程や成長過程で利き手は変化するのだろう。

 ……そのせいか、時折フェイトがアリシアの左手をふくれっ面で凝視していることがある。別に利き手の違いなんて大したことじゃないと思うんだが。

 

「まあ、ちょっと気になっただけよ。大変だと思うけど頑張んなさい」

「もとより手を抜くつもりは一切ない。やるとなったらとことんまでやる、そういう性分でな」

「ミコトちゃんらしいね。わたしも応援するよ」

 

 知人二人から声援を受けて、伝票片手になのはのところに戻る。

 

「手順の確認だ。この伝票を切り、カウンターの上に席番札とともに置き、マスターにオーダーを口頭で伝える。間違っていないな?」

「あ、うん。それでオッケーだよ。……完璧すぎてなのはが手出し出来るところがないの」

 

 楽でいいじゃないか。そう言ってやると、なのはは何故か肩を落とした。

 

 その後もオレの方は初めての業務をソツなくこなし、なのはは「仕事がないの」と落胆した。彼女が将来ワーカーホリックにならないか、少し不安になる。

 ブランの方も、今のところ大きな問題は起こしていないようだ。一回テーブルを片付けようとして注文に呼ばれてわたわたしていたが、オレが片付けを請け負って事なきを得た。

 そうやって、2時間ほど働いていただろうか。

 

「うん。ミコトちゃん、ブランさん。それとなのはと美由希も。お客さんも途切れたし、皆とお茶をしていていいよ」

 

 マスターからそんなことを言われた。高町家組はいつものことらしく「はーい」と言って八神家+月村・バニングス組の席(いつの間にか合流してた)に向かった。

 オレはというと……少し困惑していた。

 

「? どうしたんだい、ミコトちゃん。はやてちゃんも呼んでるよ」

「いえ……オレはいいです。形式的には"お手伝い"ですが、こちらの意識としては"生活費のために働きに来ている"ので」

 

 なのは達は、あくまで家の手伝いだ。給与に見合った働きをする、などという契約は存在しない。だが、オレとブランは別だ。

 先方の厚意でかなり無理矢理ねじ込んでもらっているのに、休憩時間でもないのに休むわけにはいかない。そう考えての発言は、マスターに苦笑される。

 

「俺も、だいぶ君のことを「分かって」きたみたいだ。もちろん、「普通の子供とは違う」とか、その程度のことだけどね」

「自覚はあります。それを理解していれば、オレの発言も読めるでしょうし、動かすための対価という発想も出来る。今回は、その限りではないと思いますが」

 

 オレが給与のために働いている、つまり対価をもらって労働している以上、逆の対価が発生するこの提案を通すことは出来ない。論理が破綻してしまうから。

 だが、マスターは優しげに微笑み、オレの前提を覆しにかかる。

 

「俺が君にお願いしたのは、翠屋の"お手伝い"。そしてこの店は家族経営だ。となれば、「うちの娘たちと仲良くしてもらう」というのも、"お手伝い"のうちに入るんじゃないかな」

「……強かな人ですね。翠屋のマスターになる前は、どんな仕事をしていたのやら」

「なに、しがないボディーガードだったよ」

 

 この人がしがなかったら、ほとんどのボディーガードは商売あがったりなんじゃないだろうか。

 鮮やかに前提条件を覆されてしまったオレは、素直にマスターの指示に従うことにした。いつでもホール業務に戻れるようにエプロンをつけたまま、皆のところへ向かう。

 ちなみにブランはいつの間にかはやての隣に座っていた。休憩をごねたのはオレだけだったようだ。

 

「まーたあんたは妙なこと言って士郎さん困らせたの?」

「正当な理屈を述べただけだ。向こうの方が一枚上手だったがな」

「ミコちゃんを素直に従わせるとは。やるな、士郎さん」

「まー考えてみりゃ、あの恭也さんのお父さんなんだよねぇ。ただ者なわけがないか」

 

 アルフの言う通りである。恭也さんの話によれば、「俺はまだまだ父さんには敵わない」そうだからな。あの人外剣士が、である。

 

「今、エール君ともやしさんのお話を聞いてたの。他の召喚体の皆と違って、普段から一緒にいるわけじゃないでしょ? あんまり話したことないから」

 

 月村の言。エールともやしがあんまりにも頼み込むものだから、オレは彼らを顕現させておいたのだ。この辺の人達は不思議耐性が高いのか、しゃべる鳥剣としゃべるもやしに特段の注目をしなかった。

 

『せっかくの機会だから、ミコトちゃんについてあることないことしゃべっておいたよ』

「おしゃべりが。その調子では、信憑性の薄いことしか話せていないだろうな」

『ご安心を、女王様。彼奴めが余計なことをしゃべらぬよう、我が目を光らせておりました故』

 

 融通が利かない代わりに優秀なやつだよ、もやしは。さすがは万能食材を素体とした召喚体だ。

 

「そのヘアピンって、二年前にはやてちゃんが誕生日プレゼントで贈ったやつなんだってね。二人ともお揃いだから、ずっと気になってたんだー」

 

 高町姉が言うのは、オレとはやての前髪左側を止めているバッテン印の髪留めのことだ。オレとはやての宝物でもある。

 何となし、オレもはやてもそれぞれの髪留めに触れる。同じことを思ったかは分からないが、同じ行動を取ることを思ったようだ。

 

『毎朝起きたらお互いに付け合ってるんだよー。二人とも可愛いよね!』

「え、つまり二人は一緒のベッドで寝てるってこと!?」

 

 月村の目つきが野獣のように鋭くなった。その通りなんだが、君は何を想像した。顔は赤いし鼻息も荒いぞ。

 

「はやては足が悪いから、誰かが付き添っていなければならない。オレは八神家の古株なんだから、当然の論理だろう」

 

 もちろんオレとはやて自身がそうしたいからというのもあるが、それは言及しない。弄られても面白くない。

 まるで取り乱さないオレを見て、月村がつまらなさそうに引っ込んだ。……もしかしてこの子、同性愛の気でもあるのだろうか? ちょっと身の危険を感じた方がいいんだろうか。

 

『またまた、素直に言っちゃえばいいのに。ミコトちゃんとはやてちゃんだって、一緒に寝るのが好きだからそうしてるんでしょ?』

「……ッ!」

「月村、座ってなさい。それでも、最初は付き添いのためだった。なら、余計なことは言わなくてもいいだろう」

「わたしは最初からミコちゃんと一緒に寝たかっただけやけどなー」

「やっぱり二人はッ!」

「月村、座ってろ」

 

 人が話題を流そうとしているのに、エールだけでなくはやてまで食いつく始末。なのはとバニングス、高町姉は、何を想像したか顔を赤くしている。

 

「えっと……やっぱりってことは、やっぱり二人はそういう関係なの?」

「月村の妄想だ。邪推はよしてもらおうか、高町姉」

「美由希おねえちゃんって呼んでよー」

「『やめてよ、美由希おねえちゃん。私だって傷つくんだよ』」

 

 ゾワッと総毛立った様子の皆様方。この場に男性がいなくてよかっ……あ、エールともやしのこと忘れてた。

 

『あばばばばばばば!!?』

『ぐふっ。我が生涯に、悔い、なし……』

「ふ、二人が大変なことにー!? 誰かもやしさんの手当て……どう手当てすればいいの!?」

「ふぅちゃん、落ち着き。この二人なら大丈夫や。……多分」

「多分なの!?」

 

 うん、多分大丈夫だろう。召喚体だし。

 

「頭は冷えたか、月村、高町姉」

「あはは……肝も冷えたよ」

「ほんとどうなってんの、これ。まだ鳥肌が……」

 

 女言葉が死ぬほど似合わないんだよ。悪かったな。

 ともあれ、若干オレの精神にダメージを与えながらも、話題を流すことには成功した。

 

 

 

 はずだった。

 

「ソワレ、ミコトママとはやてママ、いっしょにねるの、すき。おやすみのチュー、してくれる」

 

 まさかの愛娘からの燃料投下である。沈静化したはずの空気が、一気に再燃するのを感じた。間違いなく感じ取った。

 最初に点火したのは、フェイト。

 

「そ、ソワレ! それほんと!? ほんとにミコトママにお休みのチューしてもらったの!?」

「……フェイト、めがこわい」

「じゅうようなことだよ、ソワレ! どこにしてもらったの!?」

 

 アリシアに延焼する。二人ともちょっと目が血走ってて、ソワレが涙目になっている。二人ともやめなさい。

 一度延焼すれば、燃え広がるのは速い。瞬く間に全員に熱が行き渡る。

 

「……おでこ」

「グハッ! ほっぺより破壊力あるわよ、これ! あざとすぎよ、ミコト!」

「バニングスよ、君が何を言ってるのか分からないし分かりたくない」

「待って! わたし、大変なことに気付いちゃったよ! それってつまり、ミコトちゃんとはやてちゃんもお休みのチューをしてるってことじゃない!?」

 

 月村ェ……どうしてそういう発想になった。いや実際してるけど、君のそれは飛躍しすぎだ。直感が凄いというレベルじゃないぞ。

 バッと、全員の視線がオレとはやてに注ぐ。非常に居心地が悪い。「たはー」と言いながら、はやてが後頭部をかいた。行動での自白である。

 ここにいるのは戦闘不能中のエールともやしを除いて、全員が年頃の女子。ボルテージは一気に最高潮へ。

 

「してるのっ!!?」

「うわー……うわー……」

「ど、何処なのはやて!? ほっぺなの!? おでこなの!!?」

「それともまさかのマウス・トゥ・マウス!!?」

 

 アリシア、正解。しかし如何にはやてとて、正直に言うはずが――

 

「シアちゃん正解ー」

 

 あった。はやてェ……何故言ったし。

 途端、黄色い歓声を上げる少女達。なのはは目を回して倒れ、バニングスと高町姉は顔を真っ赤にして縮こまり、月村を筆頭にフェイトとアリシアは目を血走らせてさらに情報を得ようとする。これ以上の情報はないよ。

 店内でこれ以上騒がしくするのはまずいと思うんだが。オレは視線で、マスターに助けを求めた。

 マスターは……これ以上ない最高の笑顔で、サムズアップをした。解せぬ。

 

 最終的に、オレ達の行為はあくまで親愛によるものであり、性的な意味合いは一切ないことを、誤解のないように明確にしておいた。

 一部(月村とバニングスと高町姉)が残念そうな顔をしていたが、オレ達はあくまでノーマルなのだ。そっちの目で見ないでいただきたい。

 

 

 

 

 

 とりあえずのところ、ブランのバイトとオレの"お手伝い"は、滞りなく……あの一件以外は滞りなく終了し、マスターより「次回からもよろしく」とお墨付きをいただいた。

 八神家の財政難はまだ続いているが、何とか立て直しのきっかけぐらいはつかめたように思う。

 ……なお、今後はアリシアとフェイトにも、寝る前にお休みのキスをすることになった。アリシアは積極的にほっぺを、フェイトは控えめにおでこを所望してきた。

 これも、母親の努めなんだろう。多分。恐らく。そこはかとなく。




八神家財政テコ入れの回。一応十七話終了時点では改善されていたことになります。まだ火の車には違いないけど。グレアムおじさんからの仕送りは常識的な額にしました。映画版では両親の遺産切り崩しだったらしいし、このぐらいいいよね。
これで今後ミコトとブランを高町家+聖祥メンバーと絡ませやすくなりましたね。やったぜ。
というか、ミコトは主人公だからいいとして、ブランがハウスキーピングメインのせいでほんと出番が……一応戦えるのに。

翠屋チーフスタッフルートのフラグが立ちました。まあミコトなら小学生の現在でも普通に出来ちゃいそうですよね。指揮官的な意味で。
ちなみにミコトに対するお客さんの反応は上々なようです。仏頂面と固いしゃべりで面食らうけど、対応自体は柔軟なのでさほど問題ないのでしょう。
そもそも彼らは恭也さんの接客も受けてるでしょうから、耐性はあるはずです。恭也さんも美形仏頂面キャラなので。

最後の方は以前のなのはの独白からしていつかはやらなきゃいけなかったことなので、勢いに任せてやっちゃいました。成し遂げたぜ(キメ顔)



無印終了時点での八神家(一部)



氏名:八幡ミコト
性別:女
年齢:8歳(小学3年生)
誕生日:12月24日(正確な日付は不明)
利き腕:左
身長:ちっちゃめ(クラスの女子で前から三番目)
体重:軽い
容姿:黒髪ロング、ぱっちりお目め、純和風オレっ子美少女(仏頂面常備)
服装:白系または黒系を好み、上はカジュアル、下はロングスカート。最近はあまりズボンをはかない
性格:一見すればクール、実際はホット、最近感情が発達してきたおかげで表情が増えた
所属:市立海鳴第二小学校3年2組、出席番号15番
好きなもの:家族(特にはやて)、内職、節約、もやし
嫌いなもの:過剰な贅沢(少しの贅沢なら許容するようになった)、貸し借りのバランスが崩れること
大事なもの:家族、友達になろうとしてくれる人々、はやてからもらったバッテン印の髪留め、クラスメイトからもらった安物の腕時計
特記:元孤児、八幡ミツ子の養子、現在は八神邸に居住
ポジション:八神家のママ
象徴的な台詞:「これはお前自身が招いた、悪因悪果だ」

技能:
「プリセット」(あらゆる普遍法則等のストレージ)
「確定事象のトレース」(高精度なシミュレーションとその実行動トレース)
「コマンド」(命令文を通じた事象への干渉、ミコトにしか使えない創作魔法。別名多数)
「召喚体」(コマンドを用いて受肉した事象・概念を生み出すことが出来る)

本作の主人公。オレっ子。女言葉を使わないのは、絶望的に似合わないせいで周囲のSAN値を下げてしまうから。特に異性相手だと直葬してしまうレベル。
(メタ的には最初のどんでん返しのため。なのはは犠牲になったのだ……)
別に男っぽい性格というわけではなく、中身は女の子そのもの。ただ、元々の人格形成が通常とは異なる道筋をたどっているため、普通の女の子とは言えない。ナチュラルに不思議ちゃん。
まだまだ異性というものを気にしていないため、女の子らしさには無頓着。それでも「自身は女の子である」という自覚はあるため、男扱いされれば凹むし、男に裸を見られたら恥ずかしいと感じる。
目的のためなら一切の容赦をせず、また自分本位であると認めており周囲を振り回す。その結果が何故か周囲にとって評価されるものとなり、いつの間にかリーダー扱いされていることもしばしば。
現在、ユーノ・スクライアから好意を寄せられており、本人もそのことに気付いている。だが、彼のヘタレっぷり、また本人が異性として見る感覚を知らないため、全く相手にしていないのが実情。
クロノ・ハラオウンとは波長が合うと感じているが、お互いに理性が強すぎるため事務的な関係で割り切ってしまっている。プライベートでの関係を持てれば、最低でも親友までは行けることだろう。
もっとも、現在の彼女にとって一番大事なものは「相方」のはやてであり、その次には家族が来るので、男関係に目を向けるのはまだまだ先のことになりそうだ。
はやてからは「ミコちゃん」と呼ばれている。イントネーションは「ミコちゃん↓」ではなく「ミコちゃん↑」。



氏名:八神はやて
性別:女
年齢:8歳(小学3年生)
誕生日:6月4日
利き腕:右
身長:平均的(車椅子に乗っているため普段の視点はミコトよりも低い)
体重:比較的軽い(運動が出来ないため筋肉が少ない)
容姿:明るい茶髪でショートカット、親しみが持てる表情豊かな美少女
服装:暖色系を好み、上はカジュアル、下はショートスカートと黒ストッキング
性格:凄まじい包容力を持つ明るい女の子、非常に面倒見がいい
所属:市立海鳴第二小学校3年2組、出席番号16番
好きなもの:家族(特にミコト)、家事、友達、もやし
嫌いなもの:孤独(最近は無縁)、上っ面だけの人間(レッテル貼りが嫌い)
大事なもの:家族、ミコトとお揃いのバッテン印の髪留め
特記:ギル・グレアムに後見してもらっている孤児、足が麻痺しており車椅子を使用、八幡姉妹及び召喚体達と同居中
ポジション:八神家のオカン
象徴的な台詞:「そんなんお母ちゃんは許しません!」

技能:全て未覚醒

本作のメインヒロイン。自他ともに認めるミコトの「相方」。ミコトが可愛すぎるせいでミコト限定キス魔になりつつある。恋愛感情は今のところない。
ジュエルシード事件では、関係者たちの寄合所として八神邸を提供し、ご飯も振る舞ったりしていた。関係者ではないが、最も関係者に近い場所にいた。
物語の本筋における今のところの立ち位置は、海鳴二小5人娘と似たり寄ったりだが、ミコトの行動理由ともなっているため、重要度は高い。
彼女の車椅子を押すのは、基本的にはミコトの仕事。ミコトが近くにいなかったりする場合は、ブランが押してくれている。必然的にブランと過ごす時間が長い。
ミコトがママであるのに対し、はやてはオカンである。二人の娘(的ポジション)であるソワレからは「はやてママ」とも呼ばれる。
強い女の子ではあるが、歳相応な面も持っており、ミコトの前ではお互いにそんな面が前面に出る。お互いに弱音を吐きだし、受け止めあえる絆を持っている。
同性愛者ではないが、ブランの母性溢るる一点を弄るのが楽しくて仕方がないらしい。そのたびにミコトが自身の貧しい胸(8歳なので仕方がない)を見て凹んでいることを、知っててやっている。「ミコちゃん可愛い」



氏名:フェイト・T・八幡
性別:女
年齢:暫定8歳(小学3年生) ※生まれたときからある程度の肉体年齢を持っていたため、実際の年齢はもっと低い
誕生日:5月5日(八幡家に引き取られた日を誕生日としている。ミコトより早いが、それでも彼女の方が妹である)
利き腕:右
身長:少し高め(はやてよりは高い)
体重:少し軽い(スレンダー体型のため)
容姿:鮮やかな金髪をツインテールにしている。優しげな目、ミコトと同レベルの西洋系美少女
服装:黒系を好み、上はゴシック系、下はショートスカートとニーソックス
性格:大人しく非常に優しいいい子、若干人見知りの気はあるが周囲の人達のおかげで改善されている
所属:市立海鳴第二小学校3年2組、出席番号18番(転校生なので最後尾に追加)
好きなもの:家族(特にアルフ)、なのは、運動、魔法論
嫌いなもの:痛い事や辛い事や悲しい事、びっくりする事や怖い事(ジャパニーズホラーは大の苦手)
大事なもの:家族、バルディッシュ
特記:アリシア・テスタロッサのクローン体、八幡ミツ子の養子、電気の変換資質を持つミッド式魔導師、八神邸在住
ポジション:八神家の長女
象徴的な台詞:「話し合いましょう」

技能:
「ミッド式魔法」(管理世界で一般的に使用されている魔法技術)
「電気変換資質」(魔力を電気の性質に変換する能力)
「近接魔法戦」(近接攻撃を主体とした魔法戦闘を得意とする)

ジュエルシード事件後に八幡ミツ子の養子となり、八神家の家族となった女の子。ミコトの存在により、原作とは非常に異なる流れを辿ることとなった。
ミコトのことは「ミコト」「ミコトおねえちゃん」「ミコトママ」と状況に応じて呼び方を変える。ミコトママと呼ぶのは主に甘えているときである。
プレシアとしっかりとした形でお別れをすることが出来たため、ちゃんと吹っ切ることが出来た。ある意味ミコトよりも引きずっていない。それでも寂しくなったときは、ミコトママの抱っこを(控えめに)おねだりする。
ミコトに対しては「ママ」であるが、はやてに対しては「オカン」または「友達」という感覚を持っている。
アリシアという妹が出来たことで、自分もしっかりしなきゃと思っているが、実は天然な部分が多々あるため、そのやる気は割と空回りしている。
海鳴二小3年2組の二大美少女(美少女姉妹とも)として、転校して日が浅いにも関わらず、既に有名人である。同じクラスの男子は歓喜し、他クラスの男子は地団駄を踏んでいる。
はやて及び5人衆も美少女や可愛い女の子だったりするのだが、ミコトとフェイトのレベルが高過ぎるために、若干影が薄くなっている。それでもファンはいるが。
親しい人達から「ふぅちゃん」と呼ばれる。これは現在のクラスメイトである田井中いちこが付けたあだ名で、本人は恥ずかしがっているが、それでも気に入ってはいるらしい。



氏名:アリシア・T・八幡
性別:女
年齢:5歳(実際は生まれ直しのため0歳である)
誕生日:5月5日(八幡家に引き取られた日を誕生日としている)
利き腕:左
身長:ちっちゃい
体重:軽い
容姿:鮮やかな金髪をツインテールにしている。一目で快活な少女と分かる目つき、基本的にはフェイトと同じ容姿(但し歳の分幼い)
服装:暖色系を好み、カジュアルなシャツとショートパンツ・ハーフパンツを着用。たまにスカートもはく
性格:天真爛漫、人に対して物怖じしない、それでいてバカっぽくない
所属:なし(自宅学習中)
好きなもの:家族(特にフェイト)、ミコトママの抱っこ、科学、甘い物
嫌いなもの:家族が傷つくこと、退屈
大事なもの:家族
特記:八幡ミコトによって生み出された"命の召喚体"(完全にアリシア本人を再現している)、八幡ミツ子の養子、八神邸在住
ポジション:八神家の三女
象徴的な台詞:「なかまはずれはいやだけど、ミコトママにだっこしてもらうのはすき」

技能:特になし

ジュエルシード事件の際、プレシアの心を救うために生み出された"命の召喚体"。アリシア本人の連続性が途絶えているため、本来は異なる精神となるはずだったが、何故か完全にアリシアのものになっている。
受肉した概念ではあるものの、そのあり方は人間と同一。成長だってするし、飲食も必須。基礎状態に戻すことは出来ず、召喚体としての能力は一切持たない。
唯一違う点と言えば、怪我をした際の回復力や病気に対する免疫力が、普通の人よりも圧倒的に高いこと。これは、彼女の体を成す「命」の概念がジュエルシードの有り余る力で強く働くためである。不死ではない。
まさに「アリシア・テスタロッサそのもの」であることを理由に生み出されている。
肉体年齢は亡くなった当時のままであり、フェイト達と一緒に学校に通うことが出来ない。それが現在一番の不満。
知能は召喚体云々関係なしに非常に高く、これは天才と称された母・プレシア譲り。魔法の力は一切持たないが、知性に関してはフェイトをはるかに凌いでいる。
利き腕がミコトと一緒であり、フェイトにちょっと嫉妬されている。そのための左手?
さりげなく5人衆の一人・田中遥と仲良くなっており、いつか自分達の手でオリジナルデバイスを作り出す野望を持っている。
フェイトが「ふぅちゃん」と呼ばれているのを羨ましがり、はやてに「シアちゃん」というニックネームを付けてもらった。親しい人達からはそう呼ばれている。



氏名:ソワレ
性別:女
年齢:0歳(外見年齢は5歳相当)
誕生日:4月17日
利き腕:右
身長:ちっちゃい
体重:軽い
容姿:ミコトをちっちゃくした感じ、目はいつも眠たげ
服装:黒のワンピース(時々ゴスロリになったりする)
性格:人見知りが激しく、甘えん坊
所属:なし(アリシアの付き添い)
好きなもの:家族(特にミコトとはやて)、ミコトママのおっぱい、はやてママのハグ
嫌いなもの:怖い人、ミコトとはやてを困らせる人
大事なもの:家族
特記:八幡ミコトによって生み出された"夜の召喚体"で姿を変えることができる(基本は上述の容姿)、八神邸に在住
ポジション:八神家の次女
代表的な台詞:「ミコト、ミコト。ソワレ、おっぱいほしい」

技能:
「バール・ノクテュルヌ」(「夜想曲の弾丸」、「夜」を押し固めた弾を発射する直射連弾)
「リドー・ノワール」(「黒のカーテン」、「夜」をカーテン状にして攻撃を受け流す防御技、あまり頑丈ではない)
「ピエス・ソンブル」(「暗い部屋」、水中等で大気中と同様の動きを可能とするフィールド、一定時間しかもたない)
「エルソワール」(「宵の翼」、エールの風を受けて空を飛ぶためのもの、ソワレ自身は飛行時の姿勢制御を担当)
「ル・クルセイユ・エクスプロージオン」(「爆発する棺」、対象の周辺を球状の「夜」で包み、爆発するほどの威力で圧縮する最強技、ため時間が長く、座標の変更が出来ない)

まだフェイトと対立していたとき、ミコトが自身の戦力を強化する目的で生み出した召喚体。現在ではミコトとはやての娘として、八神家の次女の立場にある。
彼女にとって妹は"理の召喚体"ミステールとアリシア。但し、ミステール自身はミコトの娘というより、エールの直系(つまりもう一人の相棒)という認識をしている。
「ミコトとはやてとお揃いじゃなくなるからやだ」という理由で基礎状態に戻ることを拒んでいる。その拒みっぷりは、「コマンド」で命令しても受け付けないほど。
なので作中で基礎状態が描写されることはないが、一応黒のジュエルシードに「Soirée」と刻印がされたものである。ソワレとはフランス語で「宵」を表す。ボン・ソワレのソワレ。
妹二人とペットが出来たことで甘えん坊が少しだけ緩和され、常にミコトにべったりじゃなくても大丈夫になった。が、根本的なところは変わらず、二人の寝床に忍び込んではミコトのおっぱいを(勝手に)吸う。
ミコトが生み出した召喚体の中では(戦闘経験もあいまって)最強の戦力であるが、単独での戦闘行動は不可。心細すぎて満足に思考が働かなくなるためである。



身長比べ(小さい順)

アリシア・T・八幡≒ソワレ(110cm未満)
ミステール
亜久里幸子
八幡ミコト
伊藤睦月
高町なのは
八神はやて≒田中遥
ユーノ・スクライア≒藤原凱
フェイト・T・八幡≒田井中いちこ
クロノ・ハラオウン
矢島晶(145cm程度)
ブラン
アルフ(人型)
高町恭也(175~180cm程度)


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