不思議なヤハタさん   作:センセンシャル!!
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今回はちょっとしてからはやて視点です。



今回はそんなに時間かからないと思ったんだけどなぁ……(洞窟物語セルフハードモードプレイしながら)

2016/09/07 「クロノへの報告」パートを全てカギ括弧で括りました。


四十二話 夢 夜

「……余計なことまで思い出してしまったな。あの件は、今でも不覚だったと思う。まさかお前のお芝居に乗せられてしまうとは、オレも予想だにしてなかった。

 お前がどうこうということでなく、オレ自身にそんな感覚があるとは思ってなかったんだ。オレは、人間としてはもっと未熟な感情しか持っていないと思っていた。

 それが思ったよりも成長していたということに、自分自身で戸惑った。だから……それを知るきっかけになったお前には、ほんのちょっとだけ感謝している。

 別に照れてはいない。感謝と言ってもほんの一割、いやその半分以下だ。基本的には怒っているんだからな。

 「あの件はもう返しただろう」? 何を言っている。あの件も、その前の件も、そう簡単に清算できるなどとは思うなよ。乙女の心を弄んだ罪は重いんだからな。

 

 また脱線した。いい加減話を本筋に戻すぞ。全く、初回ミーティングの話をするだけで、どうして海や祭りの話に飛ぶのか……。

 

 その後も細かくミーティングは行っていたから、互いに情報の共有は出来ているだろうが、改めて確認だ。

 オレ達は、第97管理外世界で変わらぬ日常を送りながら、オレ達に出来る解決策の模索を行っていた。具体的には、はやて自身の訓練と「外付け魔法プロジェクト」の進行、月イチの野生生物からの蒐集だ。

 初回ミーティングの後にギルおじさんに要請したデバイスのおかげで、はやても簡単な魔法ぐらいはすぐに使えるようになった。……そのままデュランダルを渡されそうになったときはさすがに焦ったな。

 確かにあのときギルおじさんがすぐに貸し出せたストレージデバイスはデュランダルだけだっただろうが、非常に高価なデバイスを簡単に渡されても困るというものだ。こっちは庶民の中の庶民なんだから。

 とは言え、彼が用意したデバイスも、決して安物ではなかったが。はやてが使うのだからと結構グレードの高いストレージデバイスを用意してくれたよ。……50万ぐらいと言っていたが、本当は倍近くするんじゃないか?

 一流の魔導師であるお前に聞きたいが、やはりデバイスも安物よりある程度高いものを使った方が、魔法習熟の質も高まるのか? ……まあ、実用を考えるならそうなるか。

 オレ達にとって、はやての魔法が実用レベルまで高まること自体は重要ではなかった。だが、闇の書の魔力簒奪に対抗するためには、高度な魔法技術が必要になる。結果的には同じことだ。

 ……大丈夫だ。オレの中では、もう決着をつけることが出来た。

 はやてがお前達の魔法を身に付ける、即ち戦えるようになるということは、確かに望んではいなかった。だが、ただ気持ちの問題だけで彼女から選択肢を奪うというのは、筋が通っていない。

 彼女が力を身に付けることは生きる上で必須だったし、何より彼女がそれを望んでいた。他ならぬ彼女自身が望んでいるなら、オレは応援するだけだ。

 それに……はやての指摘ももっともだった。オレ自身は戦えずとも、戦いになっても大丈夫なように準備は怠っていなかった。戦えないオレだけが矢面に立つというのは、彼女にとっては耐えがたい苦痛だろうな。

 だからオレは、覚悟を決めた。……また少し脱線してしまったな。状況の確認に戻ろう。

 「外付け魔法プロジェクト」の進行は、そちらの指摘通り難航した。リンカーコア……魔導師にとっては重要な臓器を機械で代用しようというのだから、当たり前といえば当たり前だ。

 簡単なデバイスや、カートリッジシステムを応用した自作インスタントデバイスはそこまで難しくなかったようだ。そちらからの技術提供も大きかったように思う。

 ただ、おかげでリンカーコアへの理解は、四人とも深まった。それもまた、「今の状況」を生み出した一助になった。形になったのは、だいぶ先の話になるが。

 蒐集に関しては、しばらくは小型を用いた1ページのみの安全策を取ることにした。状況維持のためだけなら、それで十分だったからな。

 

 

 

 ……ああ、そうか。その話は、まだしていなかったんだったな。とはいえ、オレも具体的な内容までは、さすがに把握していないんだが。

 はやても、正確には覚えていないそうだ。重要な部分は忘れなかったというだけで。

 ただ……あれがあったから、オレはよりいっそう、「闇の書を直す」という意志が固まった。「彼女」の意志を、聞かされたから」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 ――これは夢や。思考が働くようになり、最初に思ったのはその一言だった。直感的に、何となくやけど、今自分は夢を見ているんだって分かった。

 それを証明するのは、わたしがいる空間。わたしはミコちゃんと一緒にベッドの中で眠りについたはずや。覚えている最後はそうなっとる。

 それが、何もない真っ暗な空間。だというのにわたしの姿はくっきりと見えて、物理法則やら何やらを無視してる。っていうかわたし、浮いとるしな。

 一応、先日グレアムおじさんからいただいたデバイス使うて、プロテクションの魔法ぐらいは使えるようになった。けど、当たり前やけど飛行魔法なんて高度な真似は出来へん。デバイスなかったら尚更や。

 せやから何にもなしに自然に浮いとるこの状況は、夢であると断言するのに十分すぎる判断材料やった。

 

「……明晰夢、やったっけ。にしても、けったいな夢やなぁ」

 

 夢の中で「これが夢だ」と分かる夢。話に聞く限り、好きな夢を見ることが出来て楽しそうやと思ってたけど、今わたしが見てるこれは全然そんなことない。

 あるのは、ひたすら真っ黒な空間だけ。キレーな景色も美味しそうな御馳走もない。大好きなミコちゃんもおらん。何ともつまらん夢やな。

 ただ、開放感だけはあるので、両手足を投げ出し、空中にごろーんとなる。ふわふわした感覚で、気持ちよくはあった。

 

「んー……わたしが念じたら景色変わるとかないんかな?」

 

 都合のいいことを考えてるけど、これがわたしの夢なら、多少は都合がよくてもええんやないか。

 思い立ったら即行動、わたしは空中であぐらをかき(さすが夢、足もちゃんと動くわ)、こめかみに指を当ててムムムと唸る。

 すると、どうだろう。遠くの方に光の粒のようなものが現れた。なんでもやってみるもんやな。

 光の粒は、急速な勢いで膨らみ、こちらに近づいてきた。さてさて、何が現れるのやら……。

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 現れた光景に、理解が追い付かず意味のない音が漏れる。今までとは別の意味で、現実離れした光景だった。

 あちこちに機械的なチューブが剥き出しになった、研究室のような場所。その奥で、悪の組織の幹部然とした女の人が、荒々しい息をしながら立っている。

 その手には、黒い装丁に金色の十字をあしらった本。――今はわたしが主となっている、大切な魔導の本だった。

 彼女の前には、わたしのよく知る四人の姿。シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、シャマル。ザフィーラを除き、それぞれ手にデバイスを持ち臨戦態勢を取っている。

 その向こう側に、男性二人と女性二人。……こちらも、わたしの知っている顔。いや、一人は知人に似ているだけか。だけど非常によく似ていた。

 

『――・――! もう――包囲――! 大人し――!』

 

 男性――クロノ君によく似た、だけど彼よりはるかに長身の大人が、悪い魔女に向けてデバイスを向けながら何かを叫んでいる。

 だけどそれは途切れ途切れにしか聞こえず、正確には分からない。……様子からして、多分降伏を求めているんやと思う。

 悪の魔女は息も絶え絶えながら、本当に物語の悪役のように、下卑た表情を彼らに向ける。

 

『ハッ! 下民が――! 私は選ばれた――!』

『だからと――、――犠牲に――!』

 

 見覚えのある女性――もうわたしの家族の一人と言っても過言ではないアリアは、魔女に負けじと反論する。 アリアともう一人の男性、グレアムおじさんを守るように立つロッテ。……よく見れば、そこかしこに倒れている人の姿がある。

 ただ倒れているだけじゃない。人によっては目を覆いたくなるような怪我を負っている人もいる。ここは……地獄や。

 ヴォルケンリッターは、魔女とアリアの口論に口を挟まない。ただ、魔女を――闇の書と主を守るために、得物を構えて立っている。その表情は、信じられないほどに暗かった。

 説得を行おうとしているのだろう、口論を続けるアリアの前に、グレアムおじさんが出る。

 

『どの道、もう君には――残されていない。……これ以上罪を重ねる前に――』

 

 厳かに現実を告げる。他の言葉に比べて鮮明に聞こえた。それだけ――印象に残ってるんやろうな。

 「歴戦の勇士」と呼ばれる彼の眼光を受けて、魔女は呻く。状況は分からんけど、追い詰められていることは確かだ。

 誰も、動かない。何も言葉を発さない。ただ魔女の決断を待っている。

 やがて魔女は……笑い出した。

 

『クックック……あーっはっはっは! 私を追い詰めた!? もう逃げ道は残されていない!? 思い上がりも甚だしいよ、時空管理局ゥ!』

 

 狂乱と言ってもいい叫びを上げながら、魔女は手に持つ書物を開いた。ページにびっしりと魔法が書き込まれた、完成間近の闇の書だった。

 そうして奴は、とんでもないことを始めた。

 

『闇の書ォ! ヴォルケンリッターの命を喰らい、最後のページを埋めなァ!』

『なっ、主!? 一体何を!』

『ぐっ……吸われるっ! 消えちまう!!』

「なァ!? な、何やっとんねん、このおばはん! ヴォルケンリッターを何やと思ってるんやッ!!」

 

 ――頭では分かっている。今この場でわたしが何をしようとも、この「事実」は変わらない。わたしには触れることが出来ないし、言葉が届くこともない。これは……「記憶」なんや。

 闇の書に刻まれた、残酷な過去の記憶。現実にあったという事実が、わたしの胸を抉るようだった。

 

『あんた達は、闇の書の蒐集を助ける存在なんだろ!? だったら、完成の礎になれるんだから本望だよねェ!?』

『っ、わ、わたし達は……ッ! これが、報い、なのね……』

『過去の俺達も、きっとこうして消えていったのだな……これが、定めか』

 

 違う。そんなことはない。ヴォルケンリッターは、そんなことのためにいるわけじゃない。わたしの大好きな相方が証明してくれた。雲の騎士は、夜とともにあるためにいるんや。

 そんなあんたの私欲を満たすためだけの道具なんかやない。あんたの都合で、勝手なレッテル張りで、わたし達の大切な家族を傷つけるな……!

 

『ちく、しょお……』

 

 悔しそうな呟きを残して、ヴィータの姿は消えた。……本体が魔法プログラムであるヴォルケンリッターが「蒐集」されてしまったら、そうなってしまうのは当然だった。

 過去の映像だと分かっているのに。わたしは、一人、また一人と消えていく家族の姿に、涙を止めることが出来なかった。

 あまりの光景に立ち尽くしたのだろう、管理局の四人は誰も動けなかった。やがて闇の書は怪しげに輝きだし、映像に揺れが走る。

 

『……は、はは、ははは。あはははははは! やった、やってやった! ついに私は、究極の力を――』

 

 パン、という乾いた音。わたしは、最後まで見ることをしなかった。……もう結末を知っているから。

 

 ブツンという音とともに、映像が途切れる。もう地獄のような光景は、悲しい過去の記憶は映し出されていない。

 だけどわたしは、その場で涙を流し続けることしか出来なかった。

 

 

 

 夢の中だから――ただの夢ではないかもしれないけれど――時間の経過は分からない。短い時間だったのか、それとも長い時間そうしていたのか。

 わたしのすぐ近くに、寄り添うように立つ何者かを感じた。わたしはそちらを見ず、声をかけた。

 

「……どうして、とかは聞かんよ。わたしは、過去を知れてよかったと思ってるから」

「……主」

 

 落ち着いた女性の声。ちょっとだけ、わたしの大好きなミコちゃんに似ている。冬のように冷たく澄んだ、だけど確かな温かみを持っている声色だった。

 

「申し訳ありません。本来ならばこの程度の蒐集率で私が稼働することなどないはずなのですが……」

「謝らんでええて。わたしら、あんたのことを何とかしようと思って、色々やっとるもん。ちょっとのイレギュラーぐらい、あった方が自然や」

「……そうですね」

 

 不思議かもしれない。不思議なことはないかもしれない。だってわたしは彼女とは初対面のはずで、だけどわたしのコアは彼女と繋がっているから。

 彼女が「闇の書」――「夜天の魔導書」そのものであることを、自然と感じ取ることが出来た。

 

「あんた、女の子だったんやね」

「確かに女性人格ですが、私に性別は意味を持ちません。私は、……闇の書の、管制人格でしかないのですから」

 

 そういうのがいるという話は、シャマルから聞いとった。彼女の言う通り、闇の書を400ページ以上蒐集しないと稼働すらしないらしく、わたしらのやり方ではまず会うことも出来ないと思っていた。

 一応ヴォルケンリッター同様、魔法プログラム体としての活動も可能らしい。その条件は「闇の書の完成」。イコール暴走やから、現状この子を外に出してやることは出来ない。

 ともあれ、こうして顔を合わせることが出来たのは予想外やったけど、出来たならそれはそれで嬉しいことや。この子も、わたし達の家族なんやから。

 涙をぬぐい、立ち上がる。……立ち上がる? まあなんや、そんな気分で。

 振り返り、「彼女」を見る。長い銀糸の髪をたたえた麗人やった。

 

「まずは自己紹介やね。八神はやて、あんたの主や」

「存じ上げております。あなたのことも、あなたのご家族のことも。ヴォルケンリッター達を通して、本当に幸せに暮らしていることも」

 

 何や、話早いな。まあ、この子は夜天の魔導書そのものなんやし、そのぐらいのことは出来るんかもな。

 

「あんたのことは、なんて呼べばいい?」

「私に名前はありません。ただの管制人格、主が望まなければ稼働することもない存在です。ただ……闇の書とお呼びください」

 

 そう言った「彼女」の表情は、痛みを耐えるかのようだった。……この子も素直やないなぁ。

 

「なら、今は便宜的に「夜天」って呼ばせてもらうわ」

「っ! 主、その名は……」

「分かっとる。まだ夜天の魔導書には戻せてへんもんな。けど、わたしにはあんたが嫌がる名前では呼べんわ。……嫌なんやろ、闇の書って名前」

「そ、それは……」

 

 嘘の付けない素直な子や。さっきと言ってることが真逆やけど、そこは何となく、フィーリングで。

 この子がそう呼ばれることを望んでないなら、わたしから「闇の書」と呼ぶことはしない。彼女が不相応と感じてようが、昔の……本来の名前で呼ぼうと思う。

 

「ちゅーても、「夜天」も可愛くない名前やなぁ。せっかく美人さんやのに」

「あ、主……? あの、本当にそこまでなさらなくても……」

「あーかーん。わたしがやりたいことなんやから。夜天も知っとるやろ、わたしがエールやソワレ達の名付け親やってこと。ちゃんと可愛い名前つけたらんと、わたしの気が済まんねん」

 

 これはもうミコちゃんとの生活で染み付いた癖やな。一種のビョーキや。ビミョーな名前見たら改名せずにはいられない病や。

 

「あんたにぴったりの、とびっきり可愛い名前考えたるからね。期待しとってや」

「主……っ。あなたは本当に、どうしてそこまで優しいのですか……」

「あはは、ちゃうちゃう。わたしがやりたいからそうしてるってだけやねん。ミコちゃんとおんなじ」

 

 ミコちゃんは優しい子やけど、本人にその自覚はない。わたしも同じで、優しくしようとしているわけやない。結果的に夜天がそう感じてるだけ。

 だけど、そう感じてくれるなら嬉しいことや。ますます気合が入るってもんや。

 

「……あなたの優しさに水を差すようで申し訳ありません。しかし……恐らく主が目覚めたとき、ここでの会話は忘れているでしょう」

 

 悲しそうな表情で――っていうかさっきから夜天ずっとこの顔やけど――事実を告げる夜天。曰く、これはあくまでわたしにとっては「夢」なんやて。やっぱ夢なんかい。

 記憶の整理とリンカーコアがどうたらで書の中身とうんちゃらとかで、最終的に記憶はほとんど残らないということだそうな。難しい話やめーや。

 

「んー……まー何とかなるやろ。わたしは色々知った上でこの話聞いとるし、何処かには引っかかってくれるやろ。あとは気合でカバーや」

「……あまり、気負わないでください。私のことなど、忘れてくださって構わないのです。あなたが幸せな日々を送れているのであれば、それで――」

 

 皆まで言わせず、人差し指で夜天の口を閉じさせる。シグナムとは別方面に献身的な子や。献身的過ぎて、心配になってまう。

 

「あんたは知らんかもしれんけど、母親って強いものなんやで。八神家のお母さん役として、子供にそんな悲しい顔させたままなんて、出来んよ」

「しかし、主……」

「あーもう! 蒸し返すのなし! この話終わり! やるったらやるの! オーケー!?」

 

 勢いで無理矢理押し通す。夜天はびっくりしたように目を丸くし、首をコクコクと縦に振った。うん、これでよし。

 別にわたしは一人で抱え込む気はない。一人じゃ自分の痛みすら抱えきらんって、ミコちゃんに教えられた。家族の助けがなければ、わたしは立ち上がることすらままならない。

 せやから、わたしは一人やなくて、皆で力を合わせられる。わたし一人では難しいかもしれへんけど、家族皆、友達まで力を合わせてくれるなら……この子に悲しい想いをさせないぐらい、なんてことはない。

 

「もうちょっとの辛抱やで、夜天。ミコちゃんは絶対、あんたを闇から解き放ってくれる。あの子は、やる言うたら絶対やってみせるんや」

「……ええ。私も、見てきました。烈火の将が認めた、我らがもう一人の主を」

 

 「烈火の将」? って、聞くまでもなくシグナムのことやな。夜天は、ヴォルケンリッターが忘れてる「夜天の魔導書」時代のことを、少しは覚えてるんかな?

 まあそれは全部終わってから聞けばええか。難しいことは、さすがに覚えきらんやろうから。

 

「せやったら、分かるやろ。わたしの言葉が無根拠な励ましやなくて、自信を持って言ってるってこと」

「……もう一人の主の力も、貴女方の間にある絆も、理解しています。それでも……私の闇は、深いのです。私自身、理解が及ばないほどに……」

 

 ……望まずして歪められるって、どんな気分なんやろうな。元はただ魔法を記録する存在だったのに、人の欲望で戦いの道具に、無差別破壊兵器に歪められるって。

 わたしやったら、とてもやないけど耐えられへんと思う。だけど夜天は耐えるしかなくて、だから悲しみの表情が貼り付いて動かない。

 多分、今何をやったところで、夜天の悲しみを癒すことは出来ないだろう。どれだけ言葉を尽くしても、この子に希望を持たせてあげることは出来ないだろう。

 この子を癒せるとしたら……全ての結果を出せたときのみだ。

 

「……? 主……」

 

 せやけど、今は何もせえへんってのは、やっぱり嫌や。夜天がどうとかじゃなくて、わたしがそう思ってる。

 だから、せめて一瞬だけでも苦しみを忘れられるように、夜天の頭を抱きしめるように撫でた。身長差とかは、夢の中やから浮かべばどうとでもなる。

 

「大丈夫。大丈夫やから。あんたの主であるわたしのこと、もう一人の主って言ってくれたわたしの相方のこと。信じて、待っててや」

「ある、じ……、……!」

 

 夜天は、声を出さずに泣いた。今はまだ、悲しみを癒すことは出来へんけど……涙を我慢するのは、辛いもんな。

 

 

 

 涙が止まるまで夜天を抱き、離れた後もやっぱり彼女は悲しそうだった。これはもう、今はしょうがない。次に会うときに晴れやかな笑顔に変えてやればいい。

 

「さて、と。……まだ目ぇ覚めへんな」

 

 正直、夜天のために行動を起こしたくてうずうずしてるんやけど。どうすれば夢から目覚めるか分からないし、そもそも今が何時かも分からん。実は眠ってからあんま時間経ってないかもやし、もう明け方かもしらん。

 夜天とお話して時間つぶししてもええけど、起きた後も覚えておきたいことが山ほどある。注意を逸らして忘れてしまったんじゃ目も当てられない。

 

「なんかこう、起きた後も忘れないようにする魔法とかないん?」

「すみません……現在の闇の「夜天の魔導書!」……や、夜天の魔導書には、ほとんど魔法が記録されていません。あったとしても、今の私には使えないでしょう」

 

 まーイレギュラーな状況やし、しゃーないか。都合のいいこと聞いたって自覚はあるし。結局は、わたしの気合次第ってことや。

 ……「作品の世界線」のことを思い出す。その世界の「はやて」は、防衛プログラムに取り込まれた際、気合で分離したという話だ。

 最終的には根性論頼りになるあたり、「はやて」もわたしも、根本は同じなんやろうな。ただ、そこに到る過程が全く違うだけで。

 あれ? そういえば……。

 

「ガイ君の話では、夜天のことは出て来んかったなぁ。知らんかったんかな?」

「恐らくは知っているのでしょう。ただ、あの話をした時点で、私は主と「会って」いなかった。余計な先入観を持たせないように気遣ったのではないでしょうか」

「はーん、なるほどなぁ。変態やけど気は利くんよね、ガイ君」

 

 ミコちゃんのスカートの中覗こうとするのは万死に値するけど。それが許されるのは、わたしだけや。

 そういうことなら、ちょっと興味が湧いた。もし起きた後に覚えてたら、ガイ君に聞いてみよう。「はやて」は夜天に、何という名前を与えたのか。

 同じ「わたし」なら、名前がないというこの子に何も与えないということはないはずや。それを参考にするわけやないけど、わたしとどれだけ違うのか、聞いてみるのも面白いかもしれない。

 こうやっていくつものことを「覚えよう」としていれば、大事なことだけは忘れないんじゃないだろうか。忘れたとしても、覚えてる部分から連想出来るかもしれない。

 ともかく、何でもいいから一つだけでも覚えておければええんや。そのためには……もっと夜天とお話しなければ。

 

「夜天も、昔のことは覚えとらんの?」

「……申し訳ありません。改変の弊害により、一部の記録が削除されてしまっているのです。ヴォルケンリッターが覚えていないのも、それによる影響でしょう」

「うわーい、過去の主達何してくれとんねん。無限書庫なかったら詰みやったで、これ」

 

 情報を保管してくれてた管理局には感謝せにゃならんな。保管だけしかしてないってのがお粗末な話やけども。

 本当に、わたし一人だったらどうしようもなかった。心強い相方がいて、頼もしい家族がいて、支えてくれる友達がいるから、希望があるんや。

 もしわたし一人やったら……それこそ、「作品の世界線」のようになってしまうんやろうな。

 

「うーん、そしたら過去の話とか聞かん方がええか。辛いことしか覚えてへんのやろ?」

「……その、はい」

 

 今の夜天にある記憶は、改変された後のものしかない。無差別破壊兵器として数々の主とともに破滅をばら撒いた記憶しか。そんなものは、思い出さんでもええ。

 代わりに、今後の話をしよう。

 

「夜天は、ちゃんと修復されて外に出られるようになったら、何したい?」

「外、に……? しかし、私は……」

「蒐集って、元々夜天の魔導書にはなかった機能なんやて。ちゃんと直ったら、何もせんでも普通に出られるようになるんとちゃうかな?」

 

 400ページ以上の蒐集とか、闇の書の完成とかの条件は、「蒐集」という後付け機能あってのものや。つまり、本来ならそんなものなしで夜天が活動出来ていた可能性はあるっちゅうことやな。

 ……「記録」はあったかもしれんけど。もしそれが条件やったら、普通に協力してもらって「記録」すりゃええねん。誰かを傷つけようって話やないんやから。

 とにかく、この子がリッター同様に活動できる可能性があるというなら、わたしは絶対にそれを実行する。この子だけ仲間外れなんて、そんなのあかんわ。

 

「なんでもええねん。皆で温泉行きたいでも、遠くに旅行してみたいでも、ミコちゃんと添い寝したいでも」

「さ、最後のはちょっと……、……私が、外に……」

 

 考えてもみなかったという反応の夜天。少なくともリッターはこの子が活動しているところを見たことがないらしいから、それだけの期間ずっと書の中やったということや。

 それでも、これまでの彼女の話から外の様子が全く分からないわけやないということも分かっとる。

 

「遠慮なんかいらんよ。わたしらは、家族なんや」

「……私も、貴女方の家族と、認めてもらえるのですか?」

「当たり前やろ。ヴォルケンリッターが家族やのに、何で夜天だけ家族やないなんてことになるねん。そんなんおかしいやろ」

 

 っていうかさっき言うたやろ。「八神家のお母さん役として、子供にそんな顔させられない」って。

 悲しげな表情はそのまま、目に驚きの色をたたえる夜天。……まー自己犠牲の過ぎる子みたいやから、家族にカウントされると思ってなかったんやろうな。

 

「はい夜天、復唱。「わたしは八神家の一員です」」

「あ、主? 一体何を……」

「復唱っ!」

「は、はいっ! ……わ、……私は、八神家の、一員……、っ!!」

 

 言葉にしたところで、夜天の目からポロポロと涙の粒がこぼれた。だけどわたしの話はまだ終わってない。

 

「続けて。「わたしの家族は、八神はやて、ヴォルケンリッター、八幡姉妹、召喚体の皆です」」

「……わっ、わたしの、家族はっ……! 主はやて、守護騎士、もう一人の主と、その家族……!」

「せや。わたしらは家族。あんたは一人ぼっちやない。もう一人で抱え込む必要なんてないんよ」

 

 夜天の目からは、絶えず涙の粒がこぼれている。それはやっぱり悲しいものやったけど……多分、それだけやないと信じてる。

 

「皆で笑って、皆で泣いて。難しいことがあったら皆で悩んで、皆の力を合わせて切り抜けて。そんでやっぱり、皆で笑うんや」

「……私はっ、しかし、私はっ!」

「あんたのソレも、家族の問題や。だから、わたし達全員で抱えて、一緒に切り抜けるんや。な、夜天。一緒に、未来のことを考えようや」

 

 まだ、癒すことは出来ないけれど。問題を一緒に抱えることは出来るし、希望を共有することも出来る。わたしは、そうしたい。きっと皆も、同じことを言うだろう。

 ……ミコちゃんやったら、この時間使って問題解決に必要な情報引き出すかもしれへんけどな。そう思って、クスリと笑う。

 わたしの気持ちが伝わったかは分からない。けれど夜天は、涙を流しながら、子供のように語った。彼女の望む未来を。

 

「私は、わたしはっ……。皆と、外を歩いてみたい。何処だっていい。近場でも、遠くへの旅行でも……」

「うん、絶対そうしよう。それから?」

「それから、それから……、主の手料理を、食べてみたい。もう一人の主も。守護騎士達が満たされる味を、私も知りたいっ……」

「任しとき。それ聞いたら、きっとミコちゃんも喜ぶわ。まだまだ、もっと望んでもええんや」

「……皆と、何もしない休日を過ごしてみたい。主と、もう一人の主の、お背中を流したい。お二人の寝姿を、見守りたい……」

「あはは、なんや恥ずかしいこと言われとるなぁ。いややないよ」

「それから……それから……っ!」

 

 わたしは、夜天の望みを聞き続けた。たとえ起きたときに忘れてしまっても、いつかは思い出せるように、心に刻み続けた。

 ――いつしか、わたしの意識はそこにはなくなっていた。夜天の声を聴きながら、わたしの意識は夢から現実へと移っていった。

 

 

 

「主……主……、ごめんなさい、ごめんなさい……! 私は、きっと望みを果たせない……きっと私は、また全てを壊してしまう……! ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……」

 

 夢の最後に見たものは、宵闇から暁へと移り変わる、藍と朱が混ざったような、「紫色」の輝きだった。

 あれは一体、何やったんやろう。――起きた時にはすっかり忘れてしまっていた今のわたしには、まだ分からなかった。

 

 

 

 

 

「……そんな感じの夢を見たんよ」

 

 翌朝、朝食を摂るときに皆に話をした。……「彼女」の言った通り、全部を覚えておくことは出来んかった。大事なことをほんの何点か。そこから記憶を手繰り寄せることも出来んかった。

 わたしの話を聞いて、ヴォルケンリッターの皆は大いに驚いた。他も驚いたり考えたりしとったけど、やっぱり一番の当事者であるリッターが受けた衝撃は違ったんやろう。

 

「そんな。まだほんの4ページしか蒐集していないのに、どうして管制人格が……」

「「彼女」が語ったという通り、イレギュラーな状況が生み出した偶然なのだろう。重要なことではあるが、今は判断するための材料が足りない。一旦捨て置け」

 

 思考に沈みかけたシャマルを、ミコちゃんが冷静な声で引き戻す。彼女はちょっと慌ててから、すぐに落ち着きを取り戻した。

 わたしが覚えていた内容。「彼女」は女の子だったこと。「彼女」が闇の書と呼ばれることを悲しんでること。「彼女」に大切な贈り物をしたいって思ったこと。この三点だけ。

 多分、わたしが「絶対に忘れへん!」って思ったことだけが残ったんやと思う。「気合」も案外バカに出来へんな。

 せやけどミコちゃんの言う通り、現状打破につながる情報ではない。わたしに出来ることは、「彼女」の想いを伝えることだけやった。

 

「なはは……ミコちゃんやったら、もっと有用な情報を引き出せたんやろうけどな」

「はやてのように覚えていられたとも限らない。「夢」の内容は、どうしても忘れやすい。順序立てられた論理ならなおさらだ」

 

 ミコちゃん的には、「夢から情報を得る」っていうこと自体が現実的やないって考えてるらしい。……ほんま、頼りになる相方やで。

 「それでも」とミコちゃんは話を続ける。

 

「管制人格にアクセスできる可能性自体は示唆された。つまり、闇の書……いや、夜天の魔導書のバグに触れないように、心臓部に接触する方法があるかもしれないということだ」

「……もし、それが可能なら……」

「防衛プログラムを起動させずに、わらわの力を夜天の魔導書に作用させることが出来るかもしれない、ということじゃな」

「無論、現状ではまだ偶然の産物でしかない。どうすればそれが可能になるか、方法論を確立しなければ、結局は何も出来ない。だが、それさえできれば……」

 

 八神家のブレイン組が難しい話をしとる。だけど声色から、それが希望につながるものだということだけは理解出来た。

 希望は、わたしだけやなくて、家族の皆に伝播していく。

 

「ほうほうをかんがえるのは、わたしにまかせてよ! リンカーコアがかんけいしてるなら、わたしのでばんだよね!」

「アリシア。……そうだな。今この家の中で一番リンカーコアを理解しているのは、恐らく君だ。分かった、任せよう。但し、無理はするなよ」

「うんっ!」

「わ、わたしにも何か出来ることはないかなっ!」

 

 シアちゃんに続き、ふぅちゃんが挙手する。妹が頼りになるから、姉の威厳を危ぶんだみたいやね。

 皆のリーダーは、静かに首を横に振る。

 

「フェイトには蒐集関連で十分力になってもらっている。あまり気負い過ぎても逆効果だ。実働は君に頼むことが多いのだから、今は力を蓄えておいてくれ」

「う、うん。分かった……」

「大丈夫ですよ、フェイトちゃん。フェイトちゃんが頑張ってること、わたしはちゃんと見てますから」

「ブラン……」

 

 消沈しかけたふぅちゃんに、ブランが優しく声をかける。ブランは……ブランに出来ることは、夜天の魔導書絡みでは何一つない。彼女は、もともとこの家の警護のために生み出されたのだから。

 それでも彼女は、自分に出来ることを一生懸命にやってきた。今も続けている。そんな彼女の言葉だから、ふぅちゃんも元気付けられたんやろうな。狼の姿のアルフも、満足そうに喉を鳴らした。

 ふぅちゃんとアルフだけやなく、リッターの皆に向けても、ミコちゃんは改めて呼びかけた。

 

「次の蒐集は来週の日曜日。フェイトだけでなく、アルフ、ヴォルケンリッターの皆にも、また動いてもらうことになる。情報が足りない今は、オレ達に出来ることをしよう」

「おうよ! 「あいつ」もあたしらと同じ気持ちだってんなら、俄然やる気が出て来るってもんだぜ!」

 

 バシンと拳を鳴らすヴィータ。それが起爆剤となってか、リッターの皆もやる気を上昇させる。……最近気付いたんやけど、ヴィータは分かってやってるんやろうな。ヴォルケンリッターの士気を上げるために。

 

「主はやて、主ミコト。お二人からお受けした大恩に少しでも報いるため、全力を尽くしましょう」

「相変わらずかてーな、こいつは……」

「まあまあ、シグナムらしくていいじゃない。わたしも、「あの子」にこの家の暖かさを感じてほしいと思うわ。「家族」だものね」

「……そうだな」

 

 そう。家族なんや。主と騎士、主と魔導書の関係ではない。それを否定するわけではなく、わたし達の一番の繋がりは「家族である」という事実なんや。

 家族だから、幸せを分かち合いたい。「彼女」に幸せを感じてほしい。その思いが、わたし達の原動力となる。

 

「ソワレも、がんばる。ソワレ、おねえちゃんだから」

「話からして、魔導書殿は姉君よりも大人のようじゃがの。呵呵っ」

「ダメだよ、ミステール! 夜天のまどうしょはすえっこなの!」

「アリシア、必死だね……」

「今は末っ子扱いだから妹が欲しいんだろう。少々無理があるように思うがな」

「でも、出てきた順なら確かに末っ子ですね。一体どんな子なんでしょう」

「わたし達も、実際に会ったことはないから分からないけど……優しい子なんでしょうね」

「……私がふがいなかったばかりに、長らく「彼女」を苦しめてしまったのだな」

「自分ばかりを責めるな、シグナム。それは俺達も同じこと。それに、今は「彼女」を解放しようとしているのだ」

「ああ! ぜってー直して、「あいつ」にはやてとミコトの作るご飯の味を教えてやるんだ!」

 

 「彼女」を「夜天の魔導書」に直す。そして、一緒の未来を歩む。わたし達の目標が、一つ増えたみたいや。

 

 

 

「さて……今後に向けて気合を入れるのはいいが、いい時間になってしまったな。新学期早々遅刻というのもいただけない」

 

 今日は9月の初日。二学期最初の日や。学校自体は始業式と避難訓練でおしまいやけど、初日から遅刻は確かにかっこわるい。

 

「後片付けはわたしがやっておきます。ミコトちゃん達は、もう学校に向かってください」

「すまんな、ブラン。必要な話だったとは言え、怠慢をしてしまった」

「大丈夫ですよ。家事のことはもうしっかりと覚えましたから」

「それにわたしもお手伝いするから、ブランさんのうっかりは心配いらないわ」

「シャマルさんっ! もう……」

 

 冗談だったんやろう、シャマルは笑い、ブランも少しすねてから一緒に笑った。

 ふぅちゃんがミコちゃんとわたしの分の手提げ鞄も持って来てくれる。授業はないから、今日はランドセルは必要なし。

 二人に続き、わたしも松葉杖をついて玄関に向かう。……そうしたところで、思い出した。

 

「あ、そや。シャマル、暇なときでええけど、ベルカ語を教えてもらえへん?」

「え? ええ、構いませんけど。魔法の訓練にはあまり効果ないですよ?」

「あはは、ちゃうちゃう。そういうことやないんよ」

 

 約束をした。「彼女」――夜天に、大切な贈り物をすると。あの子に相応しい、可愛い名前を付けてあげると。

 

「「あの子」はベルカのデバイスなんやから、ベルカ語の名前がええやろ」

「ああ……! ええ、任せて!」

 

 わたしの意図は伝わり、シャマルは満面の笑みで頷いた。

 

 わたし達三人は靴を履き、見送りのシアちゃん達に「行ってきます」と言って家を出た。

 さあ、二学期の始まりや!




原作サウンドステージでもあった闇の書との対話の話です。原作の方ではちょっとどうだったか忘れたんですけど、この話では蒐集状況としては全然足りていない状態でのイレギュラーケースとしました。
闇の書そのものに対する干渉はまだ行えていませんが、主であるはやての魔法訓練や他デバイスの使用、本来の姿に関する知識等が相互作用して、夢の中という曖昧な状況下で意識の接触が起こったというのが、現状の認識です。
今後はこれをもとに闇の書へのアクセス方法を考えていくので、彼女らにとってプラスとなるイレギュラーが発生したわけです。しかし、イレギュラーはプラスにだけ働くものとは限りません。
今回の一件は、今後どのような影響を及ぼしていくのでしょうか。

賢明な読者諸兄ならもうお分かりでしょうが、この作品の管制人格は「リインフォース」とはなりません。このはやては物語開始時点でバタフライエフェクトの影響下にあるため、「原作」と同じ名前を考えるというのはおかしいのです。
このはやてには、ヴォルケンリッターが現れる前から家族がいます。ミコトが生み出した彼らの名前を考えたのは、他ならぬはやてです。命名の経験があるから、一種のこだわりのようなものを持っているのです。
そのため、古代ベルカのデバイスである「彼女」を、縁ある言語で名付けることを考えたのでした。

次も物語が動く話……と行きたいところですが、二年前の話では秋をほとんど描写しなかったので、ちょろちょろと学校行事とか挟んでいくかもしれません。
またいつか。


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