Fateで斬る   作:岳鳥翁

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十二話

首斬りザンク

 

 

元は帝国最大の監獄にいた首斬り役人

 

 

オネスト大臣のせいで囚人が続出し、何度も何度も首を斬っているうちについには癖になってしまったのだとか。

 

まぁ、そんだけやりゃ精神的にも可笑しくなるわな。

 

 

ザンクはその後、獄長の持っていた帝具スペクテッドを持って逃走。

過去、一度討伐隊が組まれたが、その直後に行方を眩まし、そして、今回は帝都にあらわれた、と

 

 

「…はぁ、全く。一回消えたなら末長く消えてろよボケが」

 

手にもっていた資料を机の上に投げ出すと、一度俺は大きく息を吐いた。

 

「オマケに無実な市民の首を斬るとか、ふざけやがって」

 

既に報告されている被害人数はもう五十を大きく越えている。

その内の1割は警備隊の人間だ。最近、設備の強化で隊員の連携を強化したにも関わらずだ。オーガのままだったらもっと被害が増えていたかもしれない。

 

「しかも帝具持ち…厄介極まりないな」

 

ザンクが獄長から奪ったと言われている帝具については、上に聞いたら資料を貰えた。

…まぁ、それほど有力な情報はない。せいぜい、目に関する帝具ということくらいだ。

 

五つの能力を有する情報戦特化。ナイトレイドのアカメの持つような攻撃力はない…はずだ、うん。

 

…目からビームとかないよね?

 

前世の漫画とかアニメでよくある目の能力と言えば、定番はやっぱり透視とか遠視だな。

 

つまりザンクは覗き放題と…羨ましゲフンゲフン。

 

「ま、決まった訳じゃないけど」

 

それに合っていたとしても残り三つ。あとは目からビームしか思い付かねえな。

 

とにかく、警備隊は今の二人一組から五人一組にして、人数足りないとこにセリューを組み込むか。

 

「よし、んじゃ見回りでも行きますかな」

 

ちなみに、今日はセリューは非番だ。

つっても、あの正義厨のことだ。一人でも見回りとかやってそうだから、夜には呼び出すつもりでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁそんなわけで、何かそれっぽい漫画ねぇか?」

 

「いや、いきなり言われても分かんないんだけど?」

 

見回りついでに俺がよったのは帝都に店を構えるとある貸本屋。

 

「だいたい、お前いま仕事中だろ。代理でも隊長になったって聞いたんどけど?」

 

「あれ、俺ラバに話した覚えがないんどけど?」

 

「もうこの辺じゃ知っているやつの方が多いぞ。つか、よくお前といる女の子が吹聴してたぜ」

 

「それセリューでしょ確実に」

 

あいつ知らん間にそんなことしてたのかよ

 

友人から年上の部下の行動を聞かされ思わずため息をつきたくなった。

 

「つーか、いいよなセイは。あんな可愛い女の子と仲良くてよ」

 

ラバ。本名はラバック。

この貸本屋の店長にして、俺の数少ない友人でもある。

俺がこの帝都に来て、警備隊にはいって見回りしていたときにたまたま見つけた本屋だったんだが、当時、漫画があったことに相当驚いた。

 

知ってっか? ここ、マジ恋とかおいてんだぜ?

 

年も近いということもあって、かなり仲良くてさせてもらっている。

お子様お断りな本も少々……ね?

 

「可愛いのは認めるが、実際接してみたら大変だぜ?珍獣って言った方がいいかもだ」

 

「はっ、強者の余裕か。爆発しやがれ」

 

「なんでそう卑屈になるんだよ…」

 

ギリギリと奥歯を噛み締め、顔をしかめるラバ。

 

「んで?そのおモテになる隊長様は何を死に?」

 

「字が不吉だろ…。何か、目の能力とか載ってる漫画ってないか?」

 

「はぁ?あるにはあるけど……どうしたんだ?」

 

「まぁ仕事でな」

 

首をかしげるラバであったが、分かったと言って店に入っていく。

数十秒もしないうちに五冊くらいの漫画を腕にかかえて持ってきた。

 

「店にあるのだとこんなもんだな。これでいいのか?」

 

「悪いな。はいこれ、代金」

 

値段分の金を払い、腰につけたバッグにそれを入れる

 

「あぁ、それと夜は出歩くなよ?最近は物騒だからな」

 

「知ってるよ。辻斬りが出たって話だろ?」

 

「ああ。警備体制は強化してるが、それでも不安はありまくりだ。家から出ない方が懸命だぜ」

 

帝都の市民にも一応、同じようなことを言っているのだが、やはり犠牲は絶えない。

心のどこかで自分は大丈夫とかおもってんだろうな。

 

それに帝都はかなり広い。

いくらか警備隊が大勢いると言っても、とてもカバーできるものではない。

 

五人一組にしたから尚更だ。

 

「わかってるよ」

 

「頼むぜ。お前がいなきゃ、本が借りれなくなる」

 

「それ、最後要らないだろうに」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は見回りを終えると、すぐに部屋に戻ってラバのとこで借りた漫画を読み耽っていた。

 

あのあとと言えば、俺の家の近くに住むボルスさんの奥さんとその娘さんともあった。

 

ボルスさんってのは焼却部隊というネームまんまの軍の部隊だ。

あの人、見た目だけ変えたら好印象なのにな…

 

そして、帝国の数少ない帝具使い。何気にすごい人なのだ

 

そんなすごい人の奥さんもこれまたすごい。すごいって言うかすっげぇ美人さんだ。

娘さんも奥さんに似て将来有望な美幼女。

たまにエアたちが休みの時に家の庭で遊んでいるのをよく見る。

 

エアたちもかなり期待できる容姿だ。将来楽しみである。

 

と、そんなじじくさいことを考えながら漫画を閉じる。

 

「遠視透視以外で出てきたのは幻術とビーム……」

 

 

 

あまんまり収穫なかったなとため息をついた。

まぁ元々ヒントになればなぁ程度だからいいんだけどさ。

マジで目からビームとか考えておいた方がいいかな?

 

 

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