Fateで斬る   作:岳鳥翁

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先日がバレンタインデーだったのでちょっとした一発ネタ
そして短い低クオリティ


二十・五話

「へぇ……それじゃ、ボルスさんもチョコを?」

 

「うん。もう嬉しくて嬉しくてね。毎年もらってるんだけど、その度に帝都を走り回りたくなっちゃうよ」

 

「それでうちの世話にはならないでくださいよ?」

 

非番の日、なんとなしに外の散歩をしていると、偶然にもボルスさんと出会った。

見た目覆面に拘束具といういかにも拷問官っぽい人だが、その外見に反して、性格は穏やか。むしろ、心優しいお人だ。

 

それに、美人な奥さんに娘さんまでいるパパさんでもある。

 

「俺もうちの三人娘から貰いましたよ。あ、これ、ボルスさんにも渡しといてくれって。渡しておきますね」

 

「え、本当? 嬉しいな」

 

出発する前に手渡されたチョコを取り出してボルスさんに渡す。

よくボルスさんの娘さんであるローグちゃんが三人娘と遊びにうちへやって来る。その時、ボルスさんが迎えに来たりするのでそこで知り合ったらしい。

よくなついているのはいいことだ。

 

「セイ君。お返しって訳じゃないんだけど、娘と妻から君にって渡されてるんだ。はい、これ」

 

「え? マジっすか? ありがとうございます!」

 

どこから取り出したのか、ボルスさんの手に乗せられた可愛らしい包みの袋を受け取ってポーチにしまう。

 

これらのやり取りを見てわかる通り、今日は親しい人にチョコを渡すといったイベントごとらしい。

 

なんでも、帝国を建国した始皇帝が、奥さんと結婚する際にチョコを贈った、とかなんとか。

それにあやかって市民も親しい人にチョコを贈る風習ができたとか。

 

前世で言うバレンタインデーだな。

 

今日ばかりは、帝都内もいつもより賑わっているように感じられる。

 

「それじゃ、これで失礼するよ。また、娘のこともよろしくね」

 

「それはこっちもですよ。いつでも頼ってくださいね」

 

手をあげて去っていくボルスさんを見送り、俺も散歩を続ける。

さて、今日はどうしようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついでとばかりにラバに余ったチョコを分けてやった。

恵みだ、受けとれ!とばかりに渡してやったのだが、泣いて喜ばれた。

曰く、今までもらったことがなかったとのこと。。

 

冗談で俺の手作り何て言ったらすんごい顔してたけどな

 

 

さて、そんな回想をして現実逃避していられないらしい。

 

チラリと前を見ればそわそわと、しかし期待しているような顔で俺の様子を伺うセリュー。

 

そして俺の目の前にはブクブクと泡のたつ固形物なのかどうかも怪しい何か

 

「セリュー。もう一度聞くぞ。これ、何?」

 

「えー? セイ君、今日がなんの日かしらないの?」

 

知っているからこそ聞いてるんだよ

 

となると、この目の前の何かはチョコであると言うわけなのだが……

 

どうやったらこんなことになるんだ……

 

「あ、そうだ。トッピングのホワイトチョコを忘れてた。ちょっと待っててねセイ君!」

 

タタタ~と軽い足取りで部屋を出ていくセリューを確認し、俺は目の前の何かを少しばかりスプーンですくいとり、近くにあった植物に分けてあげた。

 

瞬間的に萎れた

 

 

おい、これ本当にチョコか?

 

「お待たせ~」

 

しかも、わざとじゃないっぽいから質が悪い

 

ここで現実を突きつけてやるのも可哀想な気がしてきた

 

目の前の何かに、さらに青い何かをかけるセリュー

 

……ホワイトチョコっていったよな?なんで青なの?バカなの死ぬの?

 

「はい、どうぞ!」

 

「……」

 

と言えればいいが、こんな目をキラッキラさせてる奴に俺は言えん。

 

まぁ、いい。俺には毒にも耐性を持つ頑健Aがある。例え致死だったとしても問題はない。

 

「……いただきます」

 

黒と青の何かを口にいれる。

 

ガクガクガクガク

 

途端に膝が笑い始めた

あかん、これアカン奴や

 

「どう?」

 

「…あぁ、昇天しそうだよ」

 

物理的にな!

 

 

 

 

その後、何とか完食した俺。

 

「じゃあ食後の甘いコーヒーだよ!」

 

「え」

 

見れば、またもや泡立つなにか

 

 

 

 

 

くそ、始皇帝め。チョコなんか渡してんじゃねえよ

 




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