それでも大丈夫だよ!という心優しい方は読んでください。
これから頑張っていきますね
自宅の門の前に突っ立っていたドロテア、と名乗ったのじゃロリ。
金髪に大きなリボン。そして、水色と白の服装はあの不思議の国のアリスを思わせるものであった。
そして彼女は自身を錬金術師であるという。
……面倒事の臭いしかしねぇ…
確か王国では錬金術についての研究が盛んである、とかなんとかを副隊長に聞いたような気がしないでもない。
ということはつまるところ、この幼女は王国の方から来たのだろうか。どうでもいいが。
それに、錬金術といえば確かFateではアインツベルンが有名だったっけか。ホムンクルスとか、いつか俺も作ってみたい気もするが、出来てせいぜいロボットだろう。
ああ、エスデスめ。ちょうど良さそうな研究材料をぶっ壊しやがって。許すマジ
「…で? そんな錬金術師がうちに何のようだ?」
とりあえず、考えてばかりじゃ始まらない。ちょっと会話したらすぐ帰ってもらおう。
「随分と冷たい反応じゃの。もう少し歓迎せんか。こう見えて、妾は凄腕の錬金術師なんじゃぞ?」
「ワースゴーイシラナカッタヨー」
だから早く帰れ
「…関わりたくない、というのがよく分かる態度じゃの。今日辺り帰ってくると大臣から聞いて楽しみにしておったんじゃ。話くらいしてもいいじゃろうて」
「大臣……オネストか?」
「む? 他にもいるのかえ?」
「今は大臣は二人いる。チョウリ様とクソのオネストだ」
「…ふむ、シュラから聞いてた話とちがうのぉ…」
俺がそういってやると、何やら考えるように腕を組むドロテア。
シュラ、とは誰なのかよくわからんが、チョウリ様の件を知らないってことは最近帝国にいなかったりやつなのだろう。
何せ、チョウリ様が大臣となったことは帝都のみならず、他の地方にも伝わっているはずだ。
「……まぁよいわ。そこら辺にはあまり興味がないからの。で、ここ数日帝都に滞在して知ったんじゃが、あの警備隊の縄と札。御主が作ったようじゃの。錬金術師として、少々興味があって来たんじゃ」
「…おい。あれは警備隊が保管してあったはずだ。どうやって知りやがった」
「ふむ、妙な力を感じてな。子供を装って調べようとしたら、イエヤスとかいう男がペラペラと話してくれたぞ」
その時の事を思い出したのか、何やらクスクスと笑いだしたドロテア。最後にこちらを見たあとのドヤ顔には少しばかり殺意が沸いた。
よし、この怒りはイエヤスで発散しよう。
「で? あれはどうやって作ったんじゃ?」
「教えたところでお前には作れんし、教える気も無ぇよ」
「ますます興味深いの。錬金術師の妾でも作れんとは」
……ああ、何か、こいつとの会話に疲れてきた。
ほんとマジで、今日はもう寝たいのだ。
正直な話、ボリックの護衛終了してから即帝都まで馬を駆けたので疲れがピークなのだ。
いつもの俺ならこれくらい屁でもないのだが、試しに、とばかりに使った英霊スペックの一時的な解放は相当体の負担になっていたらしい。
「話がしたいなら、また明日にしてくれ。俺はもう寝る」
「む? なんじゃ、本当に眠そうじゃな。それなら、また明日伺うとするかの」
「ならこれを持っておいてくれ。門のところで見せれば、俺が出るからよ」
そういって、俺は懐に残っていた赤い宝石を一つドロテアに放った。
上手いこと掴んだドロテアは手にあるそれをまじまじと見つめていた。
「ほお、きれいじゃの。宝石をプレゼントとは、なかなか粋な男じゃな」
「気を付けろよ? 火傷するぜ?」
冗談めかして言ってやると、ドロテアは気分よく踵を返して去っていった。
俺はそれを見届けて門を開けて自宅へ戻る。
エアやルナに荷物や服の片付けを頼み、俺は一人自室のベッドに身を倒した。
ああ、やっと寝れる。
そしてドロテアよ。三大欲求の一つである睡眠欲を妨げた貴様の罪は重いぞ。
「火傷してしまえ。『爆破』」
窓の外から何かの破壊音が小さく響いてきた。
まぁ死なない程度に出力は抑えてあるから大丈夫だろう。
ではではおやすみである