Fateで斬る   作:岳鳥翁

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六十三話

「あぁ……よく寝た」

 

翌日、俺はゆっくりと体を起こして伸びをする。

 

昨日の疲れが少し残ってはいるものの、だいぶ楽にはなったし、睡眠時間もいつもより多めに取ったため、目は冴えている。

もっとも、それでもまだ疲れが残っているのだから、スペックの一時的な開放が相当体に負担をかけているのは確かだ。

 

「……こりゃもういっぺん体鍛えたほうがいいな」

 

でなければ今後同じような展開になった時、戦えない、なんてことになりかねない。

 

 

さて、問題なのが今日のことだ。

 

久しぶりにキョロクから帰還した俺たちイェーガーズは帰還してすぐということで本来なら非番となっているはずなのだ。

だがしかし、そうなっているのはイェーガーズだけであり、イェーガーズ兼警備隊である俺には適用されなかったらしい。

そのため、午後からでいいと言われているが、警備隊のほうでお仕事があるのだ。

 

副隊長の黒い笑みがありありと思い浮かぶ。

 

まぁなんにせよ、警備隊本部での地獄のような書類作業は目に見えているのだ。なら、午前中くらいすきに過ごすとしよう。

 

 

とりあえずラバの店にでも行って新しい漫画があるかどうかの確認でもしようかと考えている時だった。

 

 

「あの、セイ様。起きていらっしゃいますか?」

 

ノックとともにエアが扉を開いて入室してきた。

少し困ったような顔をしているが、何かあったのだろうか。

 

「どうしたんだ? そんな顔して」

 

「おはようございます。あの、実は昨日の方が朝から門の前で騒いでいまして…」

 

「昨日の? 誰だ?」

 

「ドロテア、と名乗っていました。錬金術師の方です」

 

そういわれて、そういやそんなのが来てたな、と思い出す。

 

「…あぁ、あいつか。金髪のじゃロリ」

 

「の、のじゃ…?」

 

「こっちの話だ。気にするな。で? 何ていってんだ?」

 

「セイとやらをだせ、と」

 

一瞬その言葉借金取りかよ、とため息をつきそうになるが俺関係でそこまでの苦労を家の者にかけるわけにはいかないからな。

大方、昨日仕掛けてやった宝石の爆破についてと、話の続きだろう。

 

仕方ないな、と俺はエアを退出させていつもの格好に着替える。

 

ローブの内側に胸当をつけて、新しく宝石を取り付けた手甲をはめる。

 

両腰に大瓶を吊り下げて、腰のポーチに宝石をつめた。あとは額にスペクテッドを装着して完成だ。

いわゆるフル装備である。

 

あの幼女を見た目で侮ってはいかんのだ

 

 

 

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「何か用か」

 

「大有りじゃ!!  何じゃあの宝石は!! 眺めておったら勝手に爆発しおったぞ!?」

 

「勝手にじゃねぇよ。俺がそうしたんだからな」

 

「尚悪いわ!!」

 

門をはさんだ向こう側でわめき散らすドロテアを見下し(身長的に)ながら、俺は淡々と言葉を返した。

 

「うっせぇな。受けて当然の報いだよ。あの時ずいぶんと嘗めた事考えてた(・・・・)ようじゃねぇかえぇ?」

 

「…何のことじゃ?」

 

「惚けてんじゃねぇよ」

 

はて? といった様子で首をかしげるドロテア。俺はそんなこいつにわかるよう、右手の親指で額の帝具を示してやる。

 

「俺の帝具スペクテッドにかかれば、相手の考えてることなんざ丸わかりなんだよ。俺の血が美味そうやら、家の奴等がいい実験材料になりそうだやらな」

 

そこまで言ってやると、今まで惚けるような顔をしていたドロテアがにやりと笑った。

 

「ほぅ、その頭のは帝具であったか。随分と奇怪なものを付けていると思っておったがそういうわけか」

 

腰に手を当て、堂々としたたたずまいを見せるドロテアは更に続ける。

 

「改めて名乗るとするかの。西の王国から来た錬金術師、ドロテアじゃ。妾の知らぬ技術を扱うお主に興味がある。どうじゃ? 一緒に研究でもせぬか?」

 

スペクテッドで見てみても、どうやらこれは本心のようだ。

確かに、錬金術に興味がないといえば嘘になる。魔術以外でその類のものがあるなら絡んでみるのも面白いかも知れない。

 

「…ちなみに、どういった研究だ?」

 

「不老不死について、じゃな」

 

俺の問いに即答したドロテアは、得意げ顔でそう言う。

 

その答えを聞いて、やっぱ同じようなことを考えるやつはいるんだな、と思った。

あのオネストも願い事を一つ叶えてやろうと某龍に言われれば望みそうなことだ。

 

「それは面白そうだな」

 

「そうであろう!! 不老についてならある程度可能に…」

「だが断る!!」

 

何か話し始めたドロテアを無視し、言葉をかぶせてそう言い放った。

 

「……は?」

 

突然の拒否に呆然とするドロテア。

 

「面白そうではあるが、正直、そんなものに関わる気はない」

 

んな死亡フラグビンビンな代物、誰が手を出すものか。

確かに俺が型月世界の一般的な魔術師であったならば喜んで手を貸す話ではあるが、あいにくこちとら普通じゃないもんでな。

 

未知を既知に変えるのは楽しいが、そうまでしてやろうとは思わない。

 

 

「そういうわけだ。俺は手を貸さん」

 

「…力づくで、という手もあるんじゃぞ? こう見えて妾は力持ちでな」

 

「暴力結構。もっとも、お前程度じゃ本気にもなれんがな。言っとくが、昨日の爆発は軽いもんだぞ?」

 

腰のポーチから四つ宝石を取り出して構える。

 

その様子を見たドロテアは一瞬構えるような様子を見せるが、次には構えを解いて踵を返した。

 

「あっと、一つだけお前たち(・・・・)に忠告しておいてやる」

 

門の前から遠ざかっていたドロテアの足が止まった。

 

「シュラが誰なのかは知らんが、この帝都で好き勝手してみろ。お前ら全員、帝都警備隊として相手してやるからよ」

 

「…フッ、その言葉、あまり調子に乗らぬほうがいいぞ。妾からの忠告じゃ」

 

再び歩を進めるドロテアの姿が見えなくなったところで、俺は家に戻る。

 

 

妄想幻像(サバーニーヤ)

 

戻って早々、宝具を発動させた俺は、現れた二人の分体に指示を出す。

 

「一人はドロテア達の監視。もう一人はシュラとか言うやつを調べてくれ」

 

「あいよ、了解。んじゃ、俺はあの女を追ってくるぜ」

 

「あいわかった。なら俺はシュラとかいうのを調べよう。ウッホ、いい男だと俺の勘が告げてるぜ」

 

気合十分な二人がそれでは、といって家の塀を越えていくのを見送る。

 

 

さて、どんな情報がつれるのか楽しみだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに、午後は副隊長監視の下、書類の地獄だったのは…まぁ、言うまでもないことか

 

 

「無駄口たたいてる暇があるなら、手を動かしてください」

 

「たたいてねぇし喋ってもなかったよね!?」

 

「ほら、早くしないと残業ですよ」

 

「この鬼! 悪魔! 副隊長!」

 

 

 




初めてパソコンで書きました。

めっさやりにくいです

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