ポンコツ騎兵はハイスクールD×Dの世界に行きました 作:日立インスパイアザネクス人@妄想厨
FGOに現を抜かしてもいましたし、pixivで別の作品を投稿してもいました……
内容は薄っぺらい上、別小説を進めるのでまた何年後になるか……
ライダーの商店街ヒポグリフ散歩事件から数日。
フリード捜索は邪魔が多々あったものの、芳しい結果を得られずただ時間が過ぎて行った。
そうしていつものように放課後に街を出歩いていたある日、事態は急転する。
「神父の一団にご加護あれってね!」
聖剣を持つ少年神父の強襲。
「ほう、『
幹部で木場の因縁の相手であるバルパー・ガリレイの出現で、我を失った木場は俺達の静止を振り切ってバルパー達を追った。ついでに途中で合流した教会組もバルパーを追って姿を消した。
残された俺達は緊張を解いた直後、背後に人の気配を感じ振り向いた。
そこに居たのは、
「「どういうことか説明してもらうわよ」」
紅と蒼のオーラを放ち険しい顔で俺達を睨むご主人様方だった。
「そうそう。今、朱乃も私たちの家で休んでるわ」
早く戻らないと、と言う部長に俺と小猫ちゃんは首を傾げる。え? 何で???
「朱乃さんがどうかしたんですか? 休んでるって」
状況がわからない俺は思わずそう聞いた。すると部長はため息を吐いて疲れた感じで答えた。
「ライダーに連れ回された挙句、コカビエルと事を構えたらしいわ」
◆
――side.Queen
私、姫島朱乃は夕飯の支度をするために街へ買い出しに出向いていた時の事だった。
材料をあらかた揃い終えた私は途中本屋に足を延ばそうと歩を進めた私に、最近聞いた声がかけられた。
「お~い、そこのキミ~」
最初、自分が呼ばれたとは思っていなかった。周りにも人は居るし別の事に意識を向けていたので声にも気づかなかった。
だから、
「ねぇってば!」
「きゃっ!」
声を掛けた人物が目の前に降り立った時は心臓が飛びそうになるほど驚いた。
「あ、あなたは――」
「こないだぶりだね! 元気だった?」
「ええ、まあ……所で何処から現れたのかしら?」
あそこからー、とライダーが指さす方を見ると鳥と馬の
けれどライダーは契約で祐斗くんを探し回っているはず。
実際にはリアスは祐斗くんの大まかな居場所を掴んでいるし、イッセーくん達と接触して何かしらを企んでいることも分かっているのでライダーの契約はほぼ形骸化している。
そのことを彼女に話すつもりは無いけど、祐斗くんが立ち直るまでライダーには大人しくしてほしいものだわ。
「昨日はさ、釣りやってるおじさんから魚貰ったんだけど、ヒポグリフの奴が横から掻っ攫ってケンカになっちゃって。かなり機嫌が悪いんだアイツ」
そんな私の心情を知らずか、ライダーは世間話を始めた。
昨日行った駒王のさびれた観光地や名物を食べた話からここ一週間で行なった様々な出来事を大雑把かつ自分の主観を交えて喜々と語った。……ここまでに祐斗くんの話が一つも出てきていないけれど、まさか契約の事を忘れてるわけじゃないかしら?
「あ、そう」
「そうなんだ~。ヒポグリフってプライドが高いから色々気を使わないと大変なんだよ。あ、この前キミんとこの小間使いに会ったよ――」
中身の無い単なる世間話を、ひたすら愛想笑いをして適当な相槌を返す。その繰り返し。
不快ではないけど、こちらの手を見せるのも不本意だから、速い所別れたいのだけど……。
そう考えていると、マシンガンの如く吐き出されていた軽快な声調が止まっていることに気づいた。
気になって視線をライダーに向ける。ライダーの目線は私の目に向けられてない。
もっと下。
厳密にいえば、先ほど買った食材たちに向けられていた。
「ちょっと待ってて~」
そう言うと指で輪を作り口笛を――しようとして、何かを思い出したように近くの路地へ入って行った。たぶんヒポグリフを呼ぼうとしたのだろう。そして注意されたのを思い出したのだろう。
一体何なのかしら……? そう思っていると何かを持って戻ってきた。
「ねえねえ! これ料理できるっ?」
無造作にビニール袋に突っ込まれた赤い塊……もしかしてお肉かしら?
……というか何で私にそんな事を頼むの? 仮にも見ず知らずの相手なのに……。
「あのねライダー、私たちの関係をよく思い出して。貴女と私は仲がいいってわけじゃないでしょう?」
「頼むよ~。今朝ヒポグリフが捕ってきた獲物なんだけど僕料理できないもん。僕だって食べてみたいし」
食べてみたいし、って……。
「そもそも何のお肉なの?
つまりあの鉤爪で獲物をがっしり掴んで、鋭いくちばしでついばんで肉を引き裂いた残りみたいなものよね? 何かしらの病原菌とか移してないのかしら……?
「解体作業は僕がやったんだよ! それくらいは僕にもできるもんね! あ、でも額に宝石とかあって捌きにくかったからちょっと形が崩れちゃったんだよね」
「……宝石?」
思わず、ライダーの言葉に反応してしまった。
どうしても気になる一言が混じっていたから。
「宝石って、付いてたの?」
「うん」
「ちょっと見せてもらえるかしら」
私の頼みを拒否することも無く、ライダーは素直にビニール袋を手渡す。
頭を切り落とされているがそれ以外の造形で判別できた。
両手で収まる程度の大きさの四足歩行の小動物――特徴的な脚からウサギね。この動物の額に宝石が付いてるのなら、頭に浮かぶのは一匹。
「カーバンクルね。珍しいわ」
「カーバンクル?」
ライダーも知らなかったみたい。
カーバンクルという宝石が存在するけど、今回のカーバンクルは幻獣の方のカーバンクル。
姿かたちは額に
私の気を引いたのは宝石云々というより、カーバンクル自体だった。
何処かの悪魔が何処かの領地で人工的に繁殖させてると言う話を聞いたことがあるからヒポグリフがそこから取ってきた可能性も無きにしも非ずなのだけれど、この娘はただ幻獣に乗るだけの子。そんな子が冥界を行き来できるはずが無いわ。ということは、このカーバンクルは人間界に現存している野生種じゃないかしら?
……宝石と同時にカーバンクルの食肉は珍味として扱われていた。
その身は柔らかくも程よい歯ごたえを持ち、脂が乗ってても獣臭さが無い上品質な味だとか。
さっきも言った通り、カーバンクルは貴重な動物。
養殖でもなかなか手を出すことが躊躇われる金額で取引されるものを、野生という最高級の逸品を前に――料理人としての私が興味を引かないわけがなかった。
「?」
「……」
顎に指を当てて少し、
「わかったわ。お夕飯にはまだ早いけど、料理してあげる」
「本当!?」
わーい! とはしゃぐライダーを抑えるように、彼女の口に人差し指を当てた。
「た、だ、し。これは私たちの契約のサービスじゃないわよ? 料理を振舞う対価はまた別にきっちりと取り立てます」
ライダーと私たちは所詮契約で繋がった者同士。それ以上の関係は無く、契約が終わったらそれまで。
本当はこんなことは常連さんしかしないのだけれど、こんな最高級品を自分の手で扱える機会なんてこの先あるだろうか? ……欲望に忠実でも良いんじゃないかしら? だって悪魔ですもの。
「着いて来て。どうせならヒポグリフの分も用意しましょう」
「はーい♪」
――貸しを作らせておいて悪い事は無いでしょう。
私の失敗はそんな軽い気持ちで食事に誘った事。
この時の私は、ライダーのはちゃめちゃさを全くわかってなかった。