この前の初任務から1ヶ月。俺が、このチーム"戦闘能力班"に馴染めてきた
ことだった。
「たすけてください」
それは、突然で、急な事だった。なおかつ、それが夢で出てきたのだ。
『あの時と・・同じ雰囲気を感じる・・』
俺は確信した。
これは、俺をこの世界に配置した者、'幻想神アルケリア'だと。
「みんな。昨日、アルケリア様が夢に出てきてなかった?」
「そういや出てきたな・・」
「・・出てきた」
「私は出てきましたけど・・?」
どうやら、この4人も同じだったようだ。俺はほんの少し安堵した。
俺が口を開く。
「みんなも見てたんだな。俺も出てきたぞ」
「やっぱり?」
「っていうか、どんな内容だっけ?」
輪花が訊くと、ほぼ全員忘れていた。
「えーーっと・・」
「なんだっけ?」
「・・覚えてる。夢の、内容」
途端に俺たちの視線がウェルリーに集まる。ウェルリーはゆっくり話した。
「昨日の夢は、"私(アルケリア)を狙う者がいる。彼の名は'邪悪神ギルバート'。
彼は、『お前の作った<バーチャル・ランド>を跡形もなく消す。私のしもべ達が
明日にでもその国に攻め入ろう』と言われた。この世界を守ってください"だった」
「・・・お前すげえな」
思わず本心が漏れる。アキ達の話を聞くと、ウェルリーは記憶力が優れているとのこと。
「じゃあ、ゆっくりできるのも時間の問題ってことか・・」
輪花が溜息をつく。俺たちの使命。<この世界を守ること>を実行する時
がきたのかと察した。
『それが、叶わなかったらいいのに』
皆がそう思った。心から。
しかし、その願いは、突然にして崩れ去った。
「全組員に告ぐ!全組員に告ぐ!」
俺たちは武器を手に取った。来るべき、敵を排除するために。
「只今13:00頃に敵影を確認!敵影の大きさから ー獣族ー の侵入と思われる!
直ちに排除せよ!繰り返す 直ちに排除せよ!」
トカドゥ大佐が言い終わらない内に、俺たち5人は部屋を飛び出た。
現場に着くともう戦闘が始まっていた。大佐から、着くなり攻撃せよとの
命令を受けていたため、すぐさま前線へ行った。
「ガルルルルルルルゥゥ・・・」
敵獣族 生物神ヨートタル だ。このヨートタルは、本来攻撃してこない友好的な獣族なのだが、
突如この状態で現れたという。原因不明。それもそうだろう。なにせ、
'邪悪神ギルバート'が意図的に攻撃させたのだから。
俺は、アキ・ウェルリーと共に各々の武器に力を溜めた。
「いくよッッ!」
「うんッ!」
戦闘となると性格が変わる。無口なウェルリーでさえも自ら指示するのだ。
「キク、先制攻撃!」
「ああ!」
俺のスタイル、逆手持ちでヨートタルに突撃する。
「オラアァァァァァァァァァ!!」
ヨートタルの反応が一足遅い。
「ギギギ・・」
ジャンプ斬りが決まった。しかし、ヨートタルの反撃は想像を遥かに超えたことをしてきた。
「キィエエエエェェェェェェ!」
薙ぎ払い。明らかにこいつが使う技ではなかった。
「グッッ!」
なんとか受け身をとるも、ダメージが大きい。
「キクさん!」
空中支援のるずが駆け寄ってくる。るずはヒーラーでもあるのだ。
「サンキュ、るず」
「無理はしないで下さいね」
余計なことは話さない。戦場の鉄則。すぐに復帰する。
「アッキー!ウェルちゃん!」
輪花が叫ぶ。アキとウェルリーが距離をとると、輪花は2丁拳銃でヨートタルの顔面を狙った。
「お願い!<特殊閃光弾>!」
敵族にしか影響が無い特殊な銃弾。見事にヒットし、ヨートタルが気絶した。
途端に、"戦闘能力班"や"精鋭班"、"特殊分析班"が総攻撃を開始する。
すると、アキ・ウェルリーが俺に言った。
「「奥義使うね!」」
すると、2人は空中に浮いた。
「奥義! 秘ノ型 ー乱れ櫻 ー ッッ!!!」
「奥義!エンパイア・オブ・ミラクル!」
すると、突如辺りがエフェクトでいっぱいになった。
アキの奥義、秘ノ型ー乱れ櫻ー は無数の高威力クナイがホーミングのように敵へ突き刺す技。
ウェルリーの奥義、エンパイア・オブ・ミラクル は、敵の真下に出現させた巨大な魔法陣より
貫通効果のある鎖を敵に当てる技。
奥義のため、この二つを一気にうけると暫くの間動けなくなる・・・はずだった。
「ぐぐぐ・・・!うおおおおおおおおおお!!」
雄叫びをあげ、立ち上がったヨートタル!そして、闇のようなオーラが漂った!
「うわあああ!」 「いやああああ!」
前線で攻撃していた人達が一目散に逃げていく。さすがは邪神のしもべ。
ただでは終わらない。
「ビギイイィィン!!!」
悍しいレーザーが飛んでくる。なんとか回避する。
「バアアァァァァン!!」
体を叩きつけてくる。回避するも、地響きによってバランスを崩してしまう。
「オワリダ・・・!」
そう聞こえた途端。プラズマが襲ってきた。
「!?!?」
「わっ!?」
「ひっ!?!?」
「ッッ!?!?」
「くッ!」
終わりかと思えたが、気がつくと目の前に神々しい雰囲気漂う者がいた。
「あなた達を、終わらせたりはしません!」
その者ー "幻想神アルケリア"がその手に持つ鉄槌を振り下ろした途端。
生物神ヨートタルは奇声をあげて倒れていった。
「グワアアァァァァァアァァァァァァァァァ!!!」
耳を押さえ、うずくまる俺たち。次の瞬間。あの大きなヨートタルが跡形もなく消えていた。
「おおおおおおおおおおおお!!!」
辺りが喜びの声で埋まる。俺たちは、神の1人に勝てたのだ。
「アルケリア様様だ!」
その一言に深く共感する俺たちだった。
「疲れたーーー!」
帰るなり、アキがそういう。
「確かに疲れたな・・」
さすがにこれには共感。すると、るずが言った。
「夢で私たちが見たことは、実現するのでしょうか?」
「・・かもね」
ウェルリーが言う。
「あの夢は、たぶん実現する。これから疲れることが、多くなりそう。」
「ええぇぇ・・・うそでしょー」
輪花が愚痴をいう。まあ無理も無いだろう。
そう言いつつ、ベッドで横になる。今日はいい夢でも見れそうだ。
<つづく>
見ていただきありがとうございました。
投稿遅くなってすみませんm(_ _)m こんな事もあるのでご理解お願いします。
さて、今回から新シリーズ、邪神討伐編がスタートしました。
果たして、キクたちは"神"に勝てるのか?先が待ち遠しいです。
この小説は不定期更新です。気長にお待ち下さいませ。