「ふぁぁぁ・・・」
今日は珍しく早く目が覚める。時間は午前5:30頃。
いつもよりも2時間近く早い。
「・・俺・・どうしたんだろう・・」
事の発端は昨日の対ヨートタル戦直後。
「う・・うぅ・・」
「!? キク、どうしたの?」
「なんか・・頭の中で残響が・・」
キィィィィィン。耳鳴りが酷くなったような感じがした。
「キク、大丈夫?」
「他に異常は?」
「・・なさそう・・」
「無理をしないで下さいね?」
昨日はその耳鳴りのようなもののせいで眠れなかった。
原因はわからないと、"戦闘能力班"の救護室で言われた。
「・・あ、キク。おはよう」
アキが目を覚ます。
気がつくと6:00になっていた。かれこれ30分ほど
考え込んでいたようだ。
「あ、ああ。おはよう」
「頭の調子は大丈夫?」
「それなら大丈夫だ。」
「大丈夫」なのは嘘。体の調子こそは良くなったものの、胸騒ぎがする。
「・・・本当に?」
「本当だって。疑っているのか?」
「ならいいけど。いつなにが起こるか分からないから
一応ね」
女神、"幻想神アルケリア"の告げたことはあっという間に
その通りになった。
「おはよー」
「おはようございます」
「おはー」
続けて輪花・ウェルリー・るずが目を覚ます。
「あれ?キク、珍しいね」
「ま、まあな」
「体の調子は治ったみたいだから安心して」
アキが説明してくれる。
「そうなの?よかったー」
「無理は、しないでね?」
「安心しました」
なんやかんやいいつつ、みんなも心配してくれていた
ようだった。俺の方も安心する。
「今日は仕事無し?」
輪花が聞いてくる。
「どうだろうな・・邪神の気分によるだろう」
「ってことはあるかもってことか・・」
輪花がしょんぼりする。
「まあまあ。そんなに落ち込まなくても」
るずがフォローし、後ろでウェルリーが乗っかってくる。
「っちょ、重いって」
「・・そんなに重くない」
ウェルリーが威圧をかけるようにさらに体重をかける。
そんな姿に俺も笑みがこぼれたーー
「閣下。どうなさいますか?」
ヨートタルが敗れて翌日。邪神軍は会議を開いた。
「相手の様子を伺ってみたが・・想定外だった」
邪悪神ギルバートが苦虫を噛み潰したような顔をした。
「やはりですか・・」
皆が黙り込む。そして、ギルバートが口を開いた。
「仕方ない。精鋭10士を遣わして、もし敗れたら・・」
「私たちが迎え討とう」
辺りが騒めく。そんなことも気にせずにギルバートは
続けた。
「まず1士目は、蛇王アミダーゼを送ろう」
「はっっ!!」
一方、そういう事もつゆ知らず。俺たちは
部屋を出て、大佐と他の組員の方と共に会議を行った。
「まず、先日はありがとう。君らのお陰でなんとか
守られた」
俺たちは頭を下げる。
「早速ですが、これから如何なさるつもりですか」
「そうだな・・・」
大佐が腕を組み、考え込むときのポーズをとる。
「邪神軍の方はいつでも突撃できるはずです。
こちらも作戦を練ったほうが良いかと。」
精鋭班の方が提案する。
「うむ、ならばこうしよう。」
大佐は俺たちに指示を送ったーー
「敵の侵入を確認!!」
もはや予想通りだった。俺たちはすぐさま戦場へ駆けていった。
「皆!集まったな!」
大佐が大声をだす。
「では、位置につけ!」
そして、俺たちは配置についた。
「シュルルルルルルルルルル・・」
精鋭10士、蛇王アミダーゼが姿を現した。が、
俺たちはこいつが"精鋭"であるのがまだ知らなかった。
「突撃ィィィ!」
「うおらああああああああ!!」
まず前線にいくのは精鋭班の方々。圧倒的人数差と技術
でアミダーゼを翻弄していく。
「シャァァァァ・・」
次の瞬間だった。大量の蛇がやってきたのだ!
蛇王アミダーゼの 能力、それは <大量化> だ。
分身もできて、さらに攻撃までできる。
まさに攻守一体の究極技だ。
「「「!?!?」」」
一同が蛇と戦う。
「うおりゃーー!
「シュルル・・」
しかし、大量化の力は侮れない。
人数差、そして技術の面でも互角だったはずの"精鋭班"がほぼ全員ダウンしたのだ。
「・・・やるか」
大佐が見ている。
もはや、俺たちが行くしかなかった。
そう、俺たち、"能力戦闘班"が。
「シャァァァァ・・・」
眼の色を変えて突撃してくる。
「甘いな」
俺が囮になって敵の気をひく。
そして、背後より4人で奇襲を仕掛けるのだ。
「キェエェ・・!」
見事、作戦勝ち。ただ、少しばかり体力を消耗してしまった。
「ピシュンッ!」
気が緩んだとき。今度は敵、蛇王アミダーゼ から奇襲を仕掛けてきた。
アミダーゼの攻撃は基本遠距離。ミサイルの如く
触手が襲ってくる。
「っくッ」
なんとか回避するも、第2波がやってきた。
剣で斬っていくも、もはやキリがない。
『チャンス・・チャンスさえあれば!!』
みんながそう思ったときだった。
触手攻撃が無くなったのだ!
「きたッッ!」
俺、アキ・ウェルリーそして他の実行組の方が突撃する。
遠くからは輪花が拳銃で、空中からはるずがリングで
支援してくれる。
が。その奇襲は蛇王にとって「予想通り」だった。
「バアァァァァァァン!」
突如、足元がすくわれる。そして。
「ビキュゥゥゥン!!」
波動弾が襲ってきた!
「ッッ!?!?」
完全に袋のネズミ。文字通りの絶体絶命だった。
『いまです!!』
視界にるずが見える。するといきなり、目の前に
シールドが張られた!
「奥義!! ーHolyness shield(ホーリネスシールド)ー!」
るずの奥義、Holyness shield は、あらゆる攻撃を
無効化するもの。ただ、その攻撃が即死だったとき限って
発動できるものだ。
そして、その奥義のお陰で波動弾が防がれ、
なおかつ空中攻撃ができるようになった!
「いくぜッッ!」
俺は思いっきり腕を振り上げ、剣を投げ下ろした!
「メテオ!!!」
それが蛇王の頭に当たり、怯んだ。
そして・・
「最後だ!これでもくらえ!」
脳天刺し。蛇王は倒れた。
「スイマセン・・カッカ・・・ッ」
当たりが真っ白に染まったーー
「「「ありがとう!るず!」」」
今日のMVPは間違いなく るず だと部屋で話した。
「いえいえ、お役にたてただけでも嬉しい限りです」
るずから笑みが浮かぶ。
「はー、なんか疲れたな」
「それいっつも言ってんじゃん」
後ろからアキに頭をコツンと叩かれる。
これこそ正真正銘の勝利だ。
今日こそはしっかり寝よう。そう誓い、眠りについた。
<つづく>
見ていただき、ありがとうございました。
今回のMVPは間違いなく るず ですね!
書いている僕でさえもそうおもいます。
次回も、邪神軍との戦いは続きます。
この小説は不定期更新です。お気長にお待ち下さいませ。