ハイスクールD×D~チンピラ匙くんが行く~   作:シグマ強攻型

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幕間その4

ここは、駒王町にあるソーナの屋敷。ここでソーナは眷属たちと共同生活をしている。ちなみに、匙の部屋が一番広い。会議室もあることはあるのだが、基本的に身内だけの話し合いは匙の部屋で行われている。匙の私物より皆集まった時に食べたりするお菓子などのほうが多いのは秘密だ。そして、今回集まった理由は、とある夜に起こった事。駒王学園の生徒が何者かに襲われ命を落とす事件があった。被害者は、変態三人衆の一人兵藤一誠。襲われた理由は詳しくは不明だが、おそらくは行きずりではないかと考えられる。尚、被害者の一誠はリアスが彼の中に神器の反応を感じたため、秘密裏に転生させている。匙としてはどうでもいいことである。

 

 

「---という報告がリアスよりありました。そのため、決して一人で行動はしないようにお願いします」

「……冥界に言えばいいんじゃないですかね?」

 

 

ソーナの言葉も最もだが、匙としては上層部に報告を上げればそれで済む話のはず。

 

 

「お姉さまに報告はしました。しかし---」

 

 

『ソーたん。ごめん。どこの勢力なのか分からないし、いくらグレモリーとシトリーが共同で管理下に置いているとは言え人間が殺された程度ではどうすることもできないんだ』

 

 

セラフォルーからはこんな返事だった。要するに、犯人は今だ不明。ただの一般人が殺された程度ならば、もしかしたら低ランクのはぐれかもしれないし、妖怪などかも知れない。それなのに、わざわざ冥界より応援を送るのはどうかと上層部は判断した。無論、セラフォルーやサーゼクスは抗議したのだが、梨の礫。

 

 

「ということでリアスたちもなのですが、こっちで独自に動きます。まぁ、ここは私達の管理している土地でもありますし、報告はしたので問題はないでしょう。ということで、しばらくの間駒王町内を見まわります」

 

 

見方を変えれば、将来のために実地で学べる機会が来たとも考えられる。ソーナはそう思うことにした。

 

 

「さて、椿姫は私の秘書として傍にいてもらわないといけないので……戦力等を考えると……うぅん」

 

 

ソーナは早速組み分けを考え始める。匙、巡、由良に他の三人を付ける形で行こうと思う。匙は言わずもがなソーナの眷属の中心。巡と由良も下級のはぐれくらいなら一人でも倒せる。花戎と憐耶は、戦闘向きではない。留流子はまだ一人にするのは不安が残る。

 

 

「いっその事ヴリトラの触手を街全体に放つか?」

「それ……今度はヴリトラ狙いの連中がやってこない?」

 

 

匙の案は巡に却下された。そりゃあ、小さいヴリトラが徘徊していると知られれば、名を上げたい連中がやってきて治安も今以上に悪くなる。じゃあ、匙が夜通し不審者をヒャッハーするという意見を出したが今度は思案中のソーナ以外全員に却下された。匙が不審者として討伐されかねないからだ。

 

 

「よし! これで行きます!」

 

 

ソーナはそう言ってホワイトボードに詳細を書きだした。

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……暗い」

「桃。引っ付くのはいいけど、怖がってる場合じゃねぇだろ」

「悪魔になっても怖いものは怖いよ~」

 

 

街灯だけが頼りの月も見えない夜。そんな夜に一組の男女が街を歩いていた。匙と花戎である。匙と組んだ理由としては、留流子はまだ自身の戦闘スタイルを確立させていないため、匙と組ませて変な癖をつけたら大変ということで却下。憐耶は、なんかトチ狂って匙をヒャッハー(性的な意味で)したら大変ということで却下。消去法で花戎となった。まぁ、匙は戦闘面で言えば誰と組ませても問題ないのだが。

 

 

「今のところ変わった感じはないな」

「元ちゃんは、犯人誰だと思う?」

「さてな? だが……そこそこの力を持っているのは確かだ」

「え? なんで?」

「仮にもこの駒王をシトリーとグレモリーが共同で管理している土地っていうのは知れ渡っている。本能のみの魔獣とかは知らねぇがな。そこで事件を起こした。しかも、事件が起こってから俺らやグレモリー側も動いている。だが、尻尾は掴めていない。つまりは、行きずりや暇だったからとかいう理由じゃなく、何かしらの計画を練って事件を起こしたということ」

「なるほど」

 

 

花戎には言っていないが、どうも最近「臭い」のだ。自分と同じような畜生の臭がする。理屈ではない。本能でわかるのだ。

 

 

「桃。俺から離れるな」

「ふぇ!? そ、それって「おんや~おやおやおやおや~? チンピラとお嬢様の逢引かと思ったらあんれ~?」え?」

 

 

匙が、自分の体を引き寄せてその胸の中に抱き入れたことに一気に赤面する桃。しかし、次の瞬間匙は後方に跳び、先程までいたところには見えない何かが殺到し、地面に穴を開ける。

 

 

「おいおい。避けんなよクソ悪魔。せっかく、真面目な公務員の人たちが汗水たらして作った道路に穴空いただろ」

「ハッ。だったら、テメェの肉で埋めたらどうだ? クソ神父」

 

 

二人の前に現れたのは、神父服を着た銀髪の自分たちと同年代の青年。顔立ちは整っており、十分イケメンと称するに相応しい。だが、それは返り血を浴びておらず、獣を思わせる獰猛な笑みを浮かべていなければの話だ。

 

 

「テメェが数日前に一般人を殺したクズか?」

「あ? 知らねぇよ。俺は今日、この街に来たばかりだからな。ちなみに、この血は今さっきテメェらを呼びだそうとしていた奴をバラバラにした結果だな」

 

 

俺は優しいから十分自分の罪を思い知らせてから殺してやったぜと、殺し方などを情感豊かに神父は喋る。匙の腕に抱かれている花戎は震えながら匙にしがみつく力を強くする。目の前の神父は今まで見たことがない類の存在。そもそも誰が首をゆっくりと切り落としたとか、腸を引きずり出して食わせたなどという存在に好意をもつ? 花戎はガタガタと震え、呼吸など過呼吸になるのではないかと思うくらい乱れていた。

 

 

「おんやぁ? そっちの可愛子ちゃんは風邪かな? 大丈夫だぜぇ。俺は女性には優しくをモットーにしているから、火葬で暖かくしてやるよ」

「……」

 

 

花戎の背を優しくさすり、ある程度落ち着かせたところで、数本の触手で花戎を閉じ込めるように囲う。

 

 

「え? 何? 公開SMショー? うっわ引くわー」

「ハッ。無作為に殺してテンション上がって発情してるテメェほどじゃねぇ。ヴリトラ、頼むわ」

『応。花戎嬢は任せろ』

 

 

花戎の防御のために触手の操作をヴリトラに任せる。目の前にいる神父は、口調こそフザケているが、自分と同類の畜生。必要とあらば、花戎を狙うだろう。それだけはさせない。させるはずがない。

 

 

「桃。お嬢への連絡は任せる。あと、やばくなったら俺に気にせずに逃げろ」

「げ、元ちゃん」

 

 

ゴキゴキと首を鳴らしながら匙は花戎に告げる。未だ目の前の神父の手札がわからない。自分だけなら問題はないが、花戎がいる。足手まといなどと考えてはいない。匙が『匙元士郎』であるためには必要な一人だ。

 

 

『花戎嬢。我が半身のことは気にするな。それよりも、自分のことを考えよ』

「う、うん」

 

 

花戎は、未だ震えながらもソーナへと今目の前で起こっていることを報告する。いま目の前で起こっているのは---。

 

 

「「死ねよやぁ! クソ野郎がァ!」」

 

 

地を揺るがす轟音と銃声が響き、肉を裂く音と焼く音が聞こえる。神父の背後には様々な拳銃が宙に浮いている。

 

 

「ハッハァ! なかなかやんじゃねぇか!? クソ悪魔くんよぉ! ご褒美に風穴開けてやるよ! トリガァァァァァァハッピィィィィィ!」

 

 

それは正しく「銃弾の雨」だった。様々な間隔で放たれる弾丸はコンクリートを削り、匙へと殺到する。

 

 

「儀礼済みの銃弾ごときで俺を殺せるとでも思ってんのか? あァ!?」

 

 

しかし、それらは匙の触手で弾かれる。匙に着弾しても傷なんてすぐに治ってしまう。

 

 

「「ヒャッハー!」」

 

 

匙が神父の腹に掌底を叩きこめば、神父の光る剣が匙の腹に突き刺さる。神父が手に持った銃で匙の頭を撃てば、触手が神父の横腹の肉を食らう。やられたらやり返す。それの繰り返し。型も何もあったものではない。獣の殺し合いだ。

 

 

「そろそろ死んどけよ。つーか、テメェみてえなシリアルキラー死んだほうが世界の為だろ」

「あ? そりゃあテメェら悪魔だろうが。何勝手に人様の世界に根を張ってるわけ? 大人しく冥界に引きこもっとけよ」

「「んだゴラァ!?」」

 

 

その繰り返しが唐突に終わると互いに罵り合う。互いに「死ね」「人間に干渉するな」「知るか。つーか、テメェ人間殺してんだろうが」「それこそ知るか。悪魔がいるから誘惑される人間がいるんだろうが」と平行線。そうしていると、遠くから複数の気配が近づいてくる。

 

 

「クソが。おいクソ悪魔。名乗れよ」

「匙元士郎だよクソ神父。テメェも名乗れや」

「フリード・ゼルセンだよクソ悪魔」

 

 

互いに魔力弾と銃弾を発射しつつ名前を知る。そして、互いに笑う。嗤う。嘲笑う。

 

 

「「殺す。テメェは俺が殺す」」

 

 

その言葉が終わると、フリードはまるで溶けるようにその場から消える。匙はそれを一瞥すると、花戎の元へと向かう。

 

 

「元ちゃん……そのアイツは?」

「あ? とりあえず消えたな。あの野郎の匂いもしねぇし引き分けってところか」

 

 

花戎の介抱をしつつ、匙はフリードのことを思い出す。アレは自分と同類。自身の目的のために他者を食らう存在。

 

 

「(どうでもいいが……お嬢たちに手を出すなら---)」

 

 

匙は静かに闘志を燃やしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クハハハハハハ! なんだよアレは……俺と同類がいやがった。いやぁまさか畜生がいるとはなぁ!」

 

 

フリードはルンルンとスキップしながら駒王町の一角にある廃協会へと足を踏み入れる。教会を抜け、放浪していたらとある堕天使に雇われた。正直、その堕天使の上から目線は気に入らず、殺そうと思ったが『相棒』より面白そうな予感がすると言われたので取りやめたのだ。そして、この街に来たら---。

 

 

「いやぁ……楽しくなってきたなぁおい」

『そうだな。気づいていると思うが、アレはヴリトラと共生している。しかも、テメェが知るヴリトラ系神器とは似ても似つかぬ性質になっている。楽しめるぞ?』

「いいねいいねいいね~。そんじゃまあ、楽しくするために至高(笑)の堕天使サマのご機嫌でも取りますかね~」

 

 

フリード・ゼルセン。元教会勢力の一人であり、かつて天才と呼ばれたエクソシスト。現在は、フリーの傭兵として人外狩りやテロ行為に手を染めている男。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特筆すべき事項として『魔銃ベイル・パズス』と契約を交しており、戦闘能力のみで言えば、最強のエクソシストと言われたデュリオにも匹敵すると言われている。




チンピラ対チンピラの第一戦はノーゲームの模様。


今、巷で人気のフリードくん強化をやってみたよ!(白目)


そして、某エロゲのトリガーハッピーをぶち込んでいます。ちなみに中の人はヒャッハー中尉と同じ。そして武器も同様。


あれか? きーやんじゃねぇかーやん祭りやなこのSS
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