レインボーシックス346   作:MP5

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 防弾チョッキには規格があり、拳銃弾しか受けられないものから小口径高速弾を受けられるものまで様々。
 ただし、衝撃のダメージは防げないため注意が必要だ


14話  裏切りの結末

 セーフハウスの自室で捜査資料を片手にミルクティーを飲む源太。ODTの元幹部、パクからの証言を基に作ったもので胡散臭い内容ばかりだったが、全部目を通さないと一概に疑問を抱けないため、眠気を堪えながらなんとか呼んでいた。

「怪しいよな。胡散臭いし緊張感持ってないし・・・」

 源太はパクの態度に違和感を感じていた。本当に命を狙われているならもっとおびえてもいいのだが、彼にはそんなしぐさを見せていない、むしろ平然としており安心しきっている。

「ちくしょう腹立つ・・・」

 時計を見ると針は夜10時を指していた。2人は寝付いており隣の五郎はFNCの改造に勤しんでいる。

「さて、なんか歯がゆいが寝るか」

 資料を片付け寝ようとしたその時、五郎が部屋に入ってきた。

「隊長。パクは何をたくらんでいるのでありますか?」

「わからん、奴は今のところあくまで基地内で保護されている。逆に怖いんだ、何かしでかしそうで」

「自分、奴の顔を見たことありますが隠し事をしてるのは確実であります、どうにか口を割らせるしかないであります」

「大佐は油断しきってるし・・・俺達が吐かせるしかないな」

「隊長。少しいいでありますか?FNCのグリップを交換してみたのですが、どうでありますか?」

 リコイルコントロールをしやすいように重量があるグリップに交換した。源太は手に取ってみると、五郎を地下射撃場に呼ぶ。

「俺に聞くよりも、実際に撃ってみな」

 五郎にFNCを返し、ターゲットに向かって撃たせる。

「使いやすくなったであります!」

「よかったな五郎、明日もあるからさっさと寝ろ」

 

 

 

 翌朝。違和感があり布団をめくると、蘭子が潜り込んでいた。いきなりのことで驚く源太。

「な、何をしている!?」

「アーニャちゃんばっかりずるいです、私にも構ってください」

「ちゃんと話したりしてるけど・・・」

「そうじゃありません!私ともデートしてください!」

「え・・・あれは大佐が勝手に・・・」

「約束ですよ」

 押しに押された源太は縦に首を振るしかなかった。

(女心わかんない)

 そう思っていた矢先、大佐から緊急の通信が入る。それは自分に呪いがかかっていると思ってもいい内容だった、深夜にパクが武器を盗んで脱走し、追跡衛星によると千葉の集合住宅に向かったそうだ。その集合住宅は自分が育った場所であり、未央の家族が住む場所でもあった。

「すまん蘭子、さっそく仕事だ。大丈夫、生きて帰るからさ」

 急いで着替え準備し、五郎とともに現場に急行する。そのハンドル捌きはお世辞にも丁寧とはいえなかった。

「た、隊長!酔うであります!」

「うるさい舌噛むぞ!」

 高速に乗り千葉に向かう途中、また大佐から通信が入る。

「全員に告ぐ、パクの殺傷を許可する。ジャンが持っていたUSBメモリーを調べた結果、彼の手土産の情報は全てガセだ、遠慮なく殺せ!」

「「ラジャ!」」

 すでに現場に大勢の地元警察が駆けつけており、立て籠もったパクの説得に当たっていた。しかし、その効果は空しく1人の人質が撃たれたらしい。源太は焦った、お世話になった本田家の安否を把握してないからだ。

「隊長、さっき知り合いの警官に事情を聴いたのですが、パクは3125と書かれた表札の部屋に立て籠もっているとのことです」

「ウソだろ・・・」

「隊長?」

「五郎行くぞ。引導を渡す」

 源太の目には怒りしかなかった。3125室は本田家の部屋番号だからだ。手に持っていたHK416A5カスタムを強く握り、足を進めた。途中誰も遭遇しておらず、まっすぐ3125室の前に立ち、ドアを蹴り破った。

「動くな、動いたら撃つ!」

「げ、源兄!」

 居間には89式の銃口を未央に向けて、不敵な笑みをしながら立つパクがおり、その奥には足を撃たれた未央の兄がいた。

「やっぱり君か。どうして僕が怪しいと思ったの?」

「最初のハイジャックからだ、最初から荷物室にいたとしたらアンタは凍傷を免れないし、なかなか立てない。だがそれがなかった、つまりアンタはハイジャック犯の一員で、俺達が入ってくる頃合いを見計らいキャリーバックの中に隠れたんだ、違うか?」

「ご名答アンタはすごいよ。土橋も認める観察眼だ、だが・・・」

「ひっ!」

「こっちには人質がいるんだ、武器を捨ててもらおうか?」

「隊長ダメであります、隙をついて撃ってきます!」

 源太は一瞬迷ったが、思わぬ出来事が彼を救うことになる。未央の兄がパクに向かった飛び掛かったのだ。

「邪魔だボケ!」

 パクが余所を向いた隙に脳天目掛けて発砲、無力化し、一気に入り込み安否を確認する。

「源兄・・・兄ちゃん・・・」

「大丈夫、足を撃たれただけ。病院で治療すれば1週間で退院だ。早く救急車に運べ」

「ラジャ!」

 

 

 

 五郎は本田兄を背負い救急車に乗せると、未央のアフターケアをする源太の元へ駆ける。

「完了であります」

「ごくろうだった。待機しておけ」

 大佐に任務完了の報告をし、ふたたび未央に視線を向ける。

「よくがんばったな、前より強くなった」

「そんなことないよ、サーマイトって人が助けてくれた時と、さっきの源兄姿が重なったんだ。絶対に助けてくれるって信じてた」

 自分の師の名前が出てきたことは意外だったが普段通りに接する源太。

「そうか。いつもの変なあだ名じゃないんだな?」

「えへへ、マイトンって呼んだら怒られたから」

(そりゃそうだろうが・・・真面目な場面でふざける奴がいるか)

 思わずため息が出てしまう源太。

「とにかく無事でよかった。寝泊りできそうな場所はあるか?」

「しまむーかしぶりんのところに泊まる。大丈夫だから安心してね」

 いつもの笑顔が戻り一安心し、ここで通信が入る。

「よぉゲン、大活躍だな」

「サーマイトさん!?どうかしましたか?」

「特に用事はないが、今日は横須賀に来ててな。会いに行こうとしたら出動してたってオチだ」

「そうですか。未央が迷惑かけました、お詫びします」

「未央ってあの明るい子か?詫びはいい、それよりも早く帰ってこい、あの子にも話がある」

「わかりました、お待ちください」

 通信を切り五郎にジープを回させ、未央を連れて横須賀に向かった。

 

 

 

 

 レインボー基地に到着後、指令室には大佐とソファに座っているサングラスにヘルメットを被った男、サーマイトがいた。

「あっマイトンだ」

「その呼び方は止めてくれ。ところでだ、この写真を見てくれ」

 写真を取り出すと、未央に見せる。時期的に見て最近のものだとわかった。

「これは偶然地元のジャーナリストが撮ったものだ、お願いして焼き増ししてくれた」

「え、これって・・・ちひろさん?どうして西日本に?」

 写っている人ごみの中の若い女性に指を差した。

「実は芸能通のジャーナリストでな、事務員の顔も隠し撮りするワケアリだったがそれが役にたったってことだ」

「コイツが・・・」

「道理でいないわけだ、西日本に潜伏していたのか」

「え、どういうこと、ねぇ?」

「未央。ここからは知っちゃいけないことだ、命を危険にさらすぞ」

 彼女を別室に移し、改めて写真を見て決心する。思い通りにさせないと。




パクみたいな友人がいたら、関わりたくないですね
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