レインボーシックス346   作:MP5

32 / 86
 久しぶりに書きました


ヨハンの巻  見守る

 11月某日台北。346プロ初の海外ライブに、ラブライカがトップバッターとして訪れることになった。しかし、思いもよらぬアクシデントに遭遇する。二人の乗る飛行機に過激カルト宗教団体がハイジャックしたのだ。彼らの欲求は教祖の法江の釈放、現金500万円。乗客の多くがパニックに陥り、ほぼ全員が射殺された。二人は必死に恐怖と戦い、席で大人しくしていた。

「ミナミ、怖いです」

「大丈夫よアーニャちゃん。助けは来るわ」

 以前なら源太やヨハン達レインボーが救出しに来たのだが、既に各国を飛び回っているため台北に来る可能性は非常に低い。

「プロデューサー、大丈夫ですか?」

「う、うん、だ、大丈夫だよ・・・」

 アナスタシアの隣にいた若いプロデューサーは完全に青ざめており、爆発寸前である。それが気に入らないのか、テロリストの一人が彼の肩を掴み、乱暴にシートベルトを外しコックピットに連れて行ってしまった。

「うわぁ助けてくれ~!」

「ダマレジミオ、貴様見せしめね!」

 ところどころ流暢なのが気になったが、自分達ではどうしようもないことに歯がゆく思う。

「神様・・・」

 

 

 

 

 その頃、台北国際空港の管制塔に二人の男が現れた。スーツ姿の男が歓迎する。

「来たか、私は台湾外相の陳闘だ。礼を言う」

「多国籍特殊部隊レインボーの、ヨハン・シーボルトです」

「同じく真田源太です」

「さっそくだがハイジャック犯を制圧してくれ。彼らは台湾のテロリストの釈放を求めているが、我々は断固として呑み込めない。特殊部隊も台南で別の任務に当たっていて君たちを呼んだんだ」

「敵の数は?」

「機体には最低6人いる、釈放された乗客がそう話していた」

「任務に取り掛かろう。後方部のエアステアから潜入する」

 二人死角である真後ろから接近し、エアステアから機内に潜入する。それぞれの得物を手に警戒しながら静かに見張りをするテロリストをナイフで首を掻っ切った。

「おやすみ」

「これであと5人」

 客室に入り、一気に制圧に入った。M320グレネードランチャーから放たれたスモーク弾から発煙し視界を遮るとテロリスト達は動揺する。

「ゴーゴーゴー!」

「全員頭を下げろ!」

 テロリストとレインボーとの銃撃戦が始まる。いや、優れた技術を持った二人によって速攻制圧され客室の安全が確保された。残っているであろうコックピット前でブリーチングチャージを用いドアを破り、残りのテロリストも倒して任務を終わらせた。

 

 

 

 

「皆さま、テロリストはたった今殲滅を確認しました。落ち着いて飛行機から脱出してください」

 生き残った乗客は一斉に脱出し、屍だけとなった機内の調査をする地元警察にバトンを渡し、二人は飛行機をあとにする。

「よし終わった。帰ったら飲みだな」

「あれ?あの二人がいるぞ?」

「ホントだ。忙しいだろうしそっとしておこう」

 迎えのヘリに乗り込もうとしたその時、ヨハン達に気づいた二人が近寄ってきた。

「源太さん!」

 満面の笑みのアナスタシアが源太に飛びついてきた。受け止めたのはいいが、地元メディアのテレビカメラがこちらの様子を映していたことに気がつく。

「アーニャちゃん。スキャンダルになるからさ、離れてくれる?」

「あ・・・」

 状況を把握したアナスタシアは恥ずかしそうに離れる。その様子を離れて見ていたヨハンと美波。

「あの子ったら真田さんのことをずっと思っていたのよ。かわいい」

「なぁ美波、君たちがここにいるってことは、近いうちにコンサートがあるんだろ?いいのか、ここで道草食っても」

 軍用時計を見せて時間を確認する。

「あらいけない!プロデューサーと合流して打ち合わせしなきゃ!アーニャちゃん行くわよ!」

「げ、源太さんまた会いましょう!」

 ラブライカの二人は朝刊のトップ記事でデカデカと載り、多くのファン達の感心を集めた。その隣にレインボーの活躍劇が載っていたが写真はアナスタシアが源太にダイブしているものが載っていたため、彼らに対して殺意を抱いたファンが増えたらしい。

 

 

 

 イギリスヘリフォードに帰還後、自分の部屋のPCを起動し、ネット電話で美波と週一回ほどのドイツ語講座をすることにした。理由は簡単、彼女が第二外国語として選んだのがドイツ語だからである。

「良い発音じゃないか、ベルリンでも通用するぞ」

「あなたのおかげよ。台湾でのこと、今ここで礼を言うわ、ありがとう」

「いいんだよ。それよりコンサート成功したか?」

「えぇ。でも、アーニャちゃんが真田さんがいないこと知ったら、かなりショックだったみたい・・・」

「あの子はそうだろうよ。ファンのみんなはどうだった?」

「いい人達だったわ。ヨハンさんのことや二人のことを聞かされたわ」

「そうか・・・あれは非公式だからな」

 美波によれば、アナスタシアが源太と出会ってからクールさが無くなり、彼を一途に思うあまり、スキャンダルを起こさないために婚活雑誌の仕事がNGになったという。

「でもね。あれだけ明るいアーニャちゃん初めて見たわ、一昔前ならそんな余裕なかったから」

「それ言ったらゲンも変わったぞ。なんというか・・・そうだ、多少穏やかになったと言うか、いい男に磨きが掛かったというか、垢抜けしたぞ」

 既に言ってることが滅茶苦茶なヨハン。

「そうなの。だったら、二人で行く末を見守りましょ?」

「そうだな。それがいい」

 この後ドイツ語講座を再開し、美波はテストで高得点をマークしたという。




 ハイジャック制圧のシチュって、ゲームや映画だと熱くなりますよね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。