レインボーシックス346   作:MP5

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 本名:セバスティアン・コテ

 JTF-2出身オペレーターで、源太にアンダーバレルグレネードランチャーを勧めた張本人。自身もスケルトン・キーと呼ばれるアンダーバレルショットガンを用いる


 源太とサーマイトと仲が良く、訓練も一緒に参加することが多い


藤本里奈編  ハート、撃ち抜かれる

 日本・東京。小柄で長めの金髪、側面の刈り上げが特徴的な少女、藤本里奈はオフで街を歩いていると珍しい光景を目にする。アナスタシアとその彼氏らしき男性が一緒に歩いているのだ。

(ちょちょちょマジ、噂じゃ聞いてたけどアーニャ彼氏持ちなの!?マジイケメンなんですけど!?)

 興味津々に尾行することにする。少し歩いて二人がビルの陰に隠れたのを見て追いかけるが、急に引っ張られ、拘束される。

「さっきから尾行して何か用かい?」

「ちょ、放してマジ・・・」

「源太さん、放してあげてください、同じ事務所の子です」

 源太は拘束を解き、表に出ることにした。

 

 

 

 

 

 

「・・・っで、どうして尾行したのかな?」

 近くのコーヒーショップで話を聞くことにする。

「アーニャンが彼氏といるのって、チョーウケるって思ったか」

 源太は大急ぎで口を塞ぐ。

「言いたくないんだけど、交際してるの秘密にしてんだ。大声で言われたら困るんだよ」

 普段の彼女なら大げさな表現で盛り上げる言い方をするが、源太の真剣かつナイフより鋭い表情の彼を前に、大人しく縦に首を振るしかなかった。ゆっくり手を外す。

「よろしい・・・見た目よりも誠実な子だね、アーニャちゃん」

「でも源太さん、ちょっと強引です・・・怖がってますよ?」

「あ、ごめんね。ムキになっちゃって」

 うって変わって優しく微笑む。

(怖い人だと思ってたけど、やっぱイケメン!この笑顔マジポヨ~!)

 彼女の顔芸に若干ドン引きするも、落ち着いて対応する。

「今度からは尾行なんて真似は絶対にやめるように、万が一危険な目にあっても保証できないから」

「ハ~イ」

 里奈のコーヒー代だけを置き、二人は再びデートの続きをすることにした。彼女もまた、明後日ドイツに行くためキャリーバックを選びに行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドイツ・ハンブルク港。ホワイトマスクの残党を名乗る連中がコンテナヤードの一部を占拠し、夕方出歩いていた日本人の少女を人質に立て籠もった。ホワイトマスクに警戒したハンブルク市は、レインボーに緊急要請を送った。

(今回は1人か・・・これを試すか)

 派遣されたヨハンはヘリの中でサプレッサー付きMSG90A1に取り付けてあった高倍率のスコープから、中倍率の熱源探知機能を持ったスコープに替えた。

(行くぞ)

 帆船の泊まっているエリアに降り、スコープ越しに確認する。敵の武器及び爆弾ベストがホワイトマスクに似通って見える。

「似てる。意外にマヌケなところも」

 そう言って熱源探知機能をONにし、頭に狙いを定め、引き金を引く。

「ビンゴ。ジャンの奴、低電力で高品質って言ってたが本当だな。まぁ分厚い壁じゃ効果がないのがネックだが」

 外にいる敵を排除し終え、気を取り直し、中に入り人質捜索に戻る。機能をOFFにし普通のスコープに戻す。気配を殺しながら進み、途中、敵を狙撃しながら探っていくと、両腕を拘束された派手な身形の少女がいた。

「君の名前は?」

「・・・」

 少女こと藤本里奈はヨハンの顔をじっと見つめている。

「君がドイツに来た理由は?」

「・・・」

 彼女の頬に熱を帯びているのがわかる。

「おい、大丈夫か?行けるなら行くぞ」

 脱出のため、彼女の手を取り、敵のいない屋上へと向かう。脱出ポイントである桟橋に赤いスモークが焚かれているのがわかった。

「あそこが脱出地点だ。ここからひとりずつ狙撃していくから待っていろ」

(うわぁイケメンだ・・・なんだろう、声も優しくてマジ調子狂っちゃう)

「君、しっかりしないと日本に帰れないぞ」

「あ、はい!」

 いつもの里奈とは違い、とてもしおらしい態度だった。言ってしまえばヨハンに見惚れているのである。

「ほぼ全員片づけた、脱出するぞ」

 ラペリング時、彼に背負われているときも、手を引かれ、煙の中を走って行くときも、ずっと彼のことを考えていた。迎えのボートが現れ、安全な場所まで移動したときも呆けていた。

「・・・」

「君、改めて聞くけど、名前は言えるか?」

「藤本里奈です・・・あなたの名前は言えません」

「俺のはいいからな。まぁ負傷もなさそうだし、無事帰国できそうだな」

「あの・・・」

「?」

「も、もう少し側に」

 ヨハンは仕方なさそうに里奈に寄り添って座る。

(うわうわうわうわ胸がドキドキチョーマジヤバ!胸キュン不可避!)

(ひどい熱だが、何か温かい食い物食わせた方がいいかな?)

 そこはやはりヨハンだと感心するしかないが、里奈は帰国後も熱っぽさは全く収まることがなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「っで、ハンブルクで武装グループに捕まって災難だったけど救出に来たのがイケメンだったから結果オーライって、意味わかんねえよ」

 休憩室にて呆れた表情で事の発端を話す里奈を見る拓海。

「マジだよ、マジでイケメンなんだって!これ見てよ!」

 無理を言って撮らせてくれたヨハンの写真を見せる。かなり困惑した表情だった。

「ねね、イケメンでしょ!?」

「?・・・あ、この人、以前アメリカで会ったことある」

「え?」

「この人確かスナイパーで、動く複数の的を一発の弾丸で撃ち抜いた腕なんだぜ。でも特殊部隊ってのは初耳だな」

 休憩室にレッスンを終えた美波が入ってきた。

「あらどうしたの?里奈ちゃん顔真っ赤だけど」

 彼女もまたヨハンの写真を見せられた。

「あぁヨハンさんね。この人、ドイツの方でとても親切で優しい方よ?」

「へぇそうな・・・マジポヨ!知ってるの!?」

「実はね」

 ODT事件の事のいきさつを二人に話す。

「じゃあミナミンとは、いいお友達ってこと?こんなにイケメンなのに勿体ない」

「ヨハンってぶっきらぼうだと思ってたけど案外親切なんだな」

「クールな物言いだから冷たい印象あるけど、見る目は確かなの。背も高いしルックスいいし」

「うーん・・・振り向かせるのって、難しそう・・・あたしバカだけどそのくらいわかるし」

「私からもこう言うしかないけど、頑張ってね」

 里奈はヨハンに振り向いてもらうため、一段とアイドル活動に精を出すこととなった。無論、ヨハンはそのことを一切知る由もなかったのは言う間でもない。




 次は誰にしようか、非常に迷うこの頃
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