ロシア・スペツナズのアルファ部隊出身のオペレーター。アナスタシアの父
娘と娘婿の源太には比較的甘めの態度を取るが、任務になれば彼以上に冷血なオペレーターはいない
突入前に重厚なアーマーを装備し、PKPマシンガンで戦う姿は敵から見れば死神としか良いようにないからだ
しかし、その分、重いため移動が遅いという欠点があるうえに、通気性確保のための隙間から侵入する、神経ガスに弱いのが痛い
日本・奈良。五郎は山の神社を目指していた。理由は両親の墓参りと自分の事を慕ってくれていた少女、道明寺歌鈴に会うためだ。だが、そこで思いもよらない真実を聞かされる。
「え・・・東京に?」
「スカウトされたんだよゴロちゃん。346プロって事務所で、ほら、以前ODT事件最後の現場になったっていうあそこに。大丈夫じゃないかもだけど、あの子真面目だし友達も多いって今日も電話とメールがあってね。歌鈴に会いたいなら東京に行ったらどう?」
「いえ、自分は休暇の後、イギリスに戻らないと」
「え?今、海外に住んでるの?そういえば今日、チェコ・プラハに行くって言ってたっけ。旅番組の出演者として」
「そう・・・でしたか。ありがとうございます」
神社で1泊し、そのままヘリフォードに帰る。後日、五郎はシックスの命令でプラハ国立歌劇場に爆弾を仕掛けると宣言したテロリストに攻撃を仕掛けるよう命じられ、休む間もなく派遣された。
チェコ・プラハ。カウンターテロのメンバーとして五郎の他、カピタオ・ヒバナ・スモーク・ルークと共に郊外にあるアジトへ向かった。カピタオと五郎がラペリングで屋根に上り、ヒバナはX-KAIROSを使って強化壁を発破したと同時に突入した。あっという間に制圧を完了し、敵の資料になり得る物を探り始めた。
「あーあ暇すぎて寝たいぜ。俺の遠隔ガス使う時間も作れねぇとかマジ勘弁」
愚痴を漏らしながらクローゼットを開けると、日本の巫女のような服装の少女が身体を縮こませて隠れていた。
「やーべぇ、最近のクローゼットって日本と通じてんのか?」
「つつつちゅうじ・・・通じてませんよ!」
「冗談だ、落ち着け。今仲間を呼ぶからな」
無線で仲間達に連絡し、集合してもらう。少女は五朗に指差し、思わず叫んでしまう。
「ご、ゴロちゃん!どうしてここに!?」
「歌鈴こそ何故テロリストの巣窟にいるんだ!」
「実はその・・・」
歌鈴は噛みながら事情を説明する。なんでも、自由時間にプロデューサーとはぐれてしまい、言葉はわからないが親切にしてくれた人達について行ったらクローゼットに押し込められ、その数時間後に銃撃戦が始まったのだという。
「歌鈴・・・無事でよかった。奈良まで行ってお前が東京で頑張ってるって話を聞いて心配してたんだ」
「ゴロちゃん。ありがと、でもひとついい?日本のおまわりさんがどうしてチェコに?」
「い、いやその、あの」
「俺達は多国籍特殊部隊レインボー。テレビで時々放送されてると思うが」
彼女は驚きのあまりに腰を抜かしてしまう。かの救国の英雄達が目の前にいるのだから。
「じゃじゃじゃじゃじゃあゴロちゃんって」
「レインボーのオペレーターだ。新人だけどな」
落ち着かない歌鈴にヒバナが間に入る。
「歌鈴ちゃん落ち着きなさい。私達があなたの宿泊していたホテルまで送ってあげるから」
道中、やたらしつこいスモークに彼女と出会った経緯や奈良で暮らしていた思い出を話すと、五郎の目の前で他のメンバーにSNSで伝えた。
シックスは新たな指示を出した。それは最初から部隊を待機させ、次の攻撃に備えることだった。したがって、チームはプラハに待機する。その間、何もしないのも難なので歌鈴達テレビクルーと同行することにした。
「暇なのは嫌だな、ゴロー」
「カピタオ隊長。捜査はヒバナさんとスモーク氏がしてるから、しばらくは待機でありますよ?」
「そうは言うがな、日本少女が二人並んでプラハを歩いても、違和感しかないんだ。見てみろ」
巫女衣装の歌鈴と一緒にロケをするのは、ルークに興味津々の浜口あやめ。何故か忍び装束のような服装で中世ヨーロッパを思わせる街並みを喋りながら歩いている。
「あぁ・・・番組プロデューサーは何を考えてるのでしょうかね?」
「普通に洋服で歩いても良いんだし、ちょっと合わないと思うだよ、わかるな」
「確かに。ですが、ここからは我々の入る領域じゃないですな」
一旦休憩に入る。あやめは一直線に自分の担当Pではなく、ルークに駆け寄った。
「ルーク殿!今日という今日は、忍びの技、ご教授願います!」
「いやだから忍術とかわからないから、そこの方、何とか言ってください!」
「え!?あ、あやめ、る、ルークさん困ってんだから抑えなさい!」
呆れた顔で混沌な様子を見守る。すると、カピタオの背後から歌鈴の声が聞こえる。
「は、はじめまして、道明寺歌鈴です!」
「ゴローの幼馴染だったな。俺はアイツの新人教育を担当するカピタオだ、よろしく。ところでだ」
ものの見事に歌鈴がカピタオの腹部に頭突きしているように見える。
「日本じゃ人の腹に頭突きするのが礼儀か?」
「は、ひゃ、ひゃぁぁぁぁぁ!ご、ごめんなさい!」
頭を下げる位置に腹があるので、彼は後ろに下がる。
「少女の頭突きくらいで倒れるような軟じゃないから構わんが、少し距離を離そうか。っでだ、上官として、1人の仲間として、ゴローの事を知りたい。何かエピソードないか?」
歌鈴は奈良で過ごした日々をゆっくり語る。木に成っていた柿を棒を使って器用に取ってくれたことや、神社の掃除を手伝ってくれたこと、迷子になった時は必死になって交番を探してくれたこと等を話してくれた。
「ゴローらしいな。メンバーで一番、庶民的な性格をしてる。ウチは変人奇人ぞろいだから逆に目立つんだよ」
「へぇ~・・・そういえばカピタオさんって眼帯してますけど、どうしたんですか?」
「これか?昔、敵に捕まって拷問かけられた際に潰れた。物理的に」
思いもよらない理由に立ったまま気を失ってしまった。かなりショッキングだということに気がつき、訂正しようとしたが既に遅かった。
バンの中で深く反省するカピタオ。普段なら切り替えが早いのだが、今日はそうはいかなかった。
「どしたの?」
ヒバナが声をかける。
「ちょっとオブラートに包んで話せばよかった。眼帯の話」
「私らなら大丈夫だけど、一般人相手に拷問の話はダメだってば。しかも18歳の女の子に何話してんのよ」
「普段の通り話しただけ・・・まぁこのままじゃ任務に支障をきたすな。気を引き締めよう」
バンはライダーズハウス前に停まり、自分達の得物を握る。
「ゴロー。まずは攪乱だ、アレを飛ばせ」
「了解!」
通常よりも少し大きめの飛行ドローンを小型端末で操縦し、ハウスの窓に張られた木製バリケード前まで飛ばす。vz61を取り付けられたそれは一気に発砲しバリケードを突破。そのまま侵入し、次々とテロリスト達と屠って行く。9人目になったところで映像が途切れ、使用不可能になったことを確認。ゴロー以外のメンバーはその隙に裏口から潜入し、数分で制圧してみせた。リーダー格を逮捕し、バンの中ではスモークの得意とする尋問が待っていた。
「今回は活躍したじゃないか。ご苦労だったな」
ヘリフォードに帰還し、報告書の束を彼に提出する五郎。
「普段、練習する甲斐がありました。操縦、苦手でして」
「まさかジャンのアサルトドローンを君が受け継ぐとは、思いもしなかったよ。このまま上手くなり、次の作戦でも存分に発揮するんだ」
「はっ!」
敬礼し、退室しようとした矢先、ドミンゴに止められる。
「そうだ。日本の奈良県にある神社の神主から、こんな紙ッペラが送られてきたのだが、なんだこれは?」
見覚えがあった。歌鈴の実家の神社で使われているお札だった。
「これはお札と呼ばれる、悪いものから守ってくれる、いわば十字架に似たものです。壁に貼って使うんです」
「ほぅ。スモークに貼ったら蒸発しそうだな」
二人同時に大笑いした。
「いやぁ面白かった。早速、部屋に貼らせてもらうか」
この日から、少しだけであるが出動件数が減った。お札のご利益かは不明であるが。
久々に五郎登場