レインボーシックス346   作:MP5

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ヨハン編2 通常勤務

 日本・湘南。この地でも特に治安の悪い地域に、夜にもかかわらずバイクの爆音が鳴り響く。暴走族の彼らは向井拓海に恨みがあり、様々な工作をしたが度々失敗していた。そんな彼らの前に、ある人物が現れた。

「ここに5000万ある、欲しいなら我々と共に市民ホールを占拠してくれないか?」

 いかつい見た目のリーダーは大金という目先の欲に連られ頷いた。

「よろしい。4日訓練し、その後、市民ホールを占拠する。何せあの日はノーティギャルズのライブだ、人質には持ってこいだろう?」

 リーダーは知らなかった。既に後には戻れない選択をしたことを。その人物がレインボーが追っている危険人物だってことを。

 

 

 

 

 

 

 

 日本・東京。非公開訓練を終えたヨハンと源太はいつものようにシャワーを浴び、その後食堂へと足を運ぶ。

「おいヨハン。最近忙しそうだがどうした?デートしてなくって寂しいって彼女言ってたぞ?」

「お前と違って交際してないし、何より俺にはもったいない」

「そうか?写真送られてきたけど、結構似合ってんぞ?」

 スマホで画像を見る。満面の笑みとかわいらしいポーズを決める里奈と恥ずかしさ全開のヨハンが一緒に写真を撮っている。

「おまっ、何してやがる消せ!」

「これはなかなかいい感じ・・・安心しろ、ばら撒かないからさ」

 途端、警報が鳴り響く。茅ケ崎の市民ホールをテロリストが占拠したらしく、既に交渉が決裂している。人質になった数名が自力で脱出したらしいが、2名人質が残っているらしくテロリストハントと人質救出を依頼された。メンバーは先ほどの二人とIQ、バックが派遣されることになった。

 

 

 

 

 

 

 

 建物が広く、高さのある建物が他にない。源太とヨハンは屋上から、IQとバックは地下駐車場から入ることにした。静けさのある廊下を歩いていると、今日するハズだった催し物の内容が描かれたポスターを発見する。ヨハンはある写真を見て驚く。

「人質の氏名は?」

「藤本里奈と市原仁奈。まだ10歳ぐらいの子供を人質にするなんてな」

「そ、そうだな、同感だ」

「?落ち着いて行こう、まだ焦る時間じゃない」

 廊下でテロリストを発見する。立ち話を陰から盗み聞きする。

「おいガキを見なかったか?着ぐるみのガキだ、どっかに隠れやがった」

「そう言えばギャルの子もいないな。チッ、ヤンキーは役に立たんな」

 会話が終わると同時に背後から忍び寄り、源太は敵の首を折る。

「あの子達が囚われていた場所はどこだ?」

「VIPルーム、見張りが節穴で逃げたがな」

 ヨハンも尋問を終え首を折る。

「ゲン、ドローン使うから見張っててくれ」

 

 

 

 

 

 

 駐車場を制圧したIQとバック。建物内に入るため、ドアノブを握り勢いよく開けると、ウサギの着ぐるみを着た少女が顔面からズッコケる。

「いったった~なにしやがるです!」

「き、君は?」

「市原仁奈ちゃんね?ごめんね、ケガはない?」

「大丈夫ですオバちゃん」

 胸の奥に核ミサイルが撃ち込まれた衝撃を覚える。

「お、おばちゃ・・・」

「IQ、今はそんな場合じゃない。仁奈ちゃん、お姉さんに謝りなさい」

「うぅ・・・ごめんなさいです」

「だ、大丈夫よ、一緒にみんなのもとに帰りましょ?」

 仁奈の手を引き、無事救出に成功。仲間の待つバンに彼女を入れ、一息つく暇なく源太とヨハンに合流するために再び戦場に戻る。

「こちらバック、人質救出に成功。隙を見て逃げたらしい」

「了解、こちらはもう1名捜索中。オーバー」

 通信を終え、相方の方を向く。先ほどの一言が効いたのか、目には涙が浮かんでいる。

「おばちゃん・・・」

「あの子も反省したんだ、落ち込むのは帰ってからにしろ。今は任務に集中」

「そうね。罠が無いか調べるわ」

 源太達と合流を果たすとスペクターを起動し、周囲を見渡す。ドアにC4が仕掛けられていた。M320に炸裂弾を装填し、指示された場所に撃ち込む。壁に穴が開き、敵が動揺した隙をつき一斉に突入する。

「動くな!武器を捨てろ!」

「さっさと捨てろ!そして後ろに手を組め!」

 武器を捨て、後ろに手を組んで降伏した。全員したことを確認し手錠をかける。

「人質はどこだ、ここで拷問に近いことをしても構わないんだぞ?」

「ほ、ホント知らねえよ!ケンジが後ろ向いた隙に逃げ出して」

「そうか。よし、ヨハンとゲンは引き続き人質の捜索、IQと俺でこいつらを見張る」

 

 

 

 

 

 

 

 気を取り戻して捜索を再開する。おおかた全ての場所を探したが見つかっていない。銃声が聞こえないため逃げおおせたと思いたいが万が一流れ弾でケガをしていないか、内心とても心配する。

「ドローンいじって見つかんなかったんだ、ロッカーとか探ってみよう」

「だな」

 更衣室に入り、分担して中を調べる。ヨハンが25個目のロッカーを開けると里奈が身体を縮こまらせて隠れていたのを発見した。

「もう大丈夫だ。あとは君だけだから一緒に出よう」

 手を差し伸べ、彼女を狭い箱から出す。身体が非常に震えていたため、ヨハンは彼女を抱き上げて救助することにした。あまりにも事態に顔を真っ赤にし彼を強く抱きしめる。里奈自身はアイドルの前は工事現場のアルバイトをしていて力もある方なのだが、彼は平気そうにしていた。

「ゲン、護衛を任せる。屋上にヘリを待機させてるからそこから脱出しよう」

 その後無事脱出し任務完了。終始IQは沈んだ表情のままだったが、誰も気に留めようとしなかった。その日から鏡を必死になって見つめる彼女を見る機会が多くなったという。




 ちょっと不憫にしすぎた気が・・・
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