レインボーシックス346   作:MP5

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 フィンカ

 本名メラ・メリニコヴァ

 スペツナズ出身のCBRN部隊のオペレーター。9歳の時に難病に掛かり動けなくなる恐怖と戦いながら生き続けている。その割にカプカンやタチャンカといった酒飲み達と飲んでいることが多いため、彼女の主治医のドクからは心配されている


松永涼編  馴れ初め

 某日・日本・東京。レイモンドは妹分である小梅に誘われてホラー映画を見ることになった。任務明けで少し身体が疲れてはいたが頼みを断れないため、こうして来日している。

「あ!こっちこっち」

「やぁ・・・?彼女は?」

「アタシは松永涼。小梅が世話になったんだって?」

「まぁ、その、彼女達が危険な目に遭ってたから。な」

 小麦色の肌に整った顔立ちの美女相手に目線を逸らすレイモンド。

「照れてる?」

「て、照れてなんて、その、あるかも」

「ハハッ、ヒーローは案外照れ屋なんだな」

 思わぬサプライズに胸の鼓動の音がハッキリ聞こえる。任務中や訓練といった状況以外で聞くことになるとは考えてもいなかった。

「そ、そろそろ放映時間だし、行こうか、ね?」

 かなり緊張した表情で二人をリードする。

(うわぁ・・・すっごい好み。話だけは聞いてたけど、想像以上だわ)

 これが、レイモンド・コーエンと松永涼、二人の出会いである。連絡先を交換したあと、誰にも気づかれないように、特にリオンに気をつけながら密に取り合い、会う回数も増えていった。だが、この時既に二人の関係を知っているオペレーターがいることを知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 記者会見3日前、事件が起きた。涼が仕事で訪れていたパリで、彼女と大使、涼の付き添いが人質になった大使館立て籠もり事件が発生した。そんな極限状態にもかかわらず冷静になり目を瞑って平静を保つ。

(パスポート無くしたから訪れただけなのに、こんな目に遭ううなんてな。案外ギラギラした連中バッカリだし、変に騒ぐと面倒になりそうだ)

 担当Pは今回、他の炎陣メンバーの付き添いをしていたためパリにはおらず、代わりの人間が付き添いをしていたが、武装したテロリスト達には敵わず、あっさり捕まってしまったのだ。

「ま、松永さん。なんか横文字喋っててわかんないですけど、我々をどうしようとするんですかね?」

「英語だったら少しわかるけど、フランス語はわかんないな。どっちにしろ騒がない方がいいと思うんだけど」

「彼らは身代金と仲間の釈放、自分達の組織に対する包囲網を解除することを条件に解放するって言ってる。飲めないだろうね」

 大使のおかげでテロリストの目的がわかった。しかし、自分達の無事が時間の問題になっていることを示唆している。彼女達がいる部屋からは見えないがオッシュ通りには多くの報道陣と警察関係者でいっぱいになり、必死に交渉を進めていた。が、交渉人のミスで付き添い人がビデオカメラの前で腕と足を銃撃される。崖っぷちに立たされたフランス・日本両国は緊急性を察知しレインボー派遣を要請した。

 

 

 

 

 

 

 ヘリ内で自分達の装備を確認する、レイモンド・トゥイッチ・イング・サッチャーの4人。屋上に到着したことを確認するとファーストロープで降りていく。

「敵は元フランス領出身のテロリストだ。イングと俺、トゥイッチとレイモンドに別れて制圧するぞ」

「了解。早速仕事させてもらうわ」

 大通りとは逆の方向から潜入し、死角に隠れてショックドローンを起動する。敵の見せしめによって警備がより厳しくなっていたが、彼女の操縦技術のおかげで人質の位置及び敵が張り込んで入る場所がハッキリわかる。人質のデータが各自のスマホに入り、レイモンドは映像を見て焦りを覚える。

「彼女が・・・」

「?なに考えてるの、もしかして美人に惚れた?」

「い、いや、その・・・ね?」

「ね、じゃないって。よりにもよってC4に囲まれているんだからサッチャーに任せるしかないわよ」

「だが」

「・・・惚れたのはわかった。でも救えるか否かは別、わかってるわよね?」

「そうだな。ここは任せよう」

(惚れたのは認めるんだ・・・)

 

 

 

 

 

 

 一方、源太とサッチャーは食堂前まで移動していた。レイモンドが惚れた相手、涼がいる場所だ。

「ブリーチングチャージでドアを発破。フラッシュバンを投げ、EMPを投げてから突入だ」

 ブリーチングチャージをドアに貼り、呼吸が落ち着いてから発破。指示通りに動き、中の敵を殲滅した。

「クリア!」

「クリア。随分と落ち着いてるな」

 涼が閉じていた目を開けると、銃を持った二人の男がいた。敵意を感じないのを確認し口を開く。

「・・・助かったのか、耳がキーンとするよ」

「それはすぐに治まる。さぁ脱出しよう」

 手錠を外し、手を握って脱出を計るが人質確保に気づかれたため増援が迫っていることがわかる。とりあえず敵を捌きながら最上階まで移動し、合流することにした。無事合流を果たし、屋上に待機しているヘリまでワイヤーで窓から登るのだが、残っていた敵に見つかってしまう。レイモンドはMP7A1を敵に向け乱射し、登る時間を作る。

「早く!後で俺も登ります!」

「なにやってる、お前も来い!」

「時間がない、急いで!」

 グレネードによる牽制も行い、無事に逃がした。次々と現れる増援を始末していくと弾薬が心許なくなる。メインの弾が切れるとM9A1麻酔銃に持ち替え、1発も外さずに眠らせることに成功。増援がいないことを確認すると屋上に登った。

「!?何故」

 飛び立ったハズのヘリがあった。腕組みしたサッチャーが迎えにいく。

「お前、何故そんな無茶を。英雄にでもなりたかったのか?」

「いいえ、俺はただ仲間と一般人を救いたく」

 右の拳が左頬にヒットし吹っ飛んだ。

「バカ。その青臭い正義で仲間の足を引っ張ったらそれこそ最低だ・・・俺の教え子とは思えないほど無茶しやがるぜ」

 胸倉を掴み立たせる。

「忘れるな、一人の無茶が任務失敗に繋がるんだ。ジャンとカルロス見てわからんか?今、一人でも欠けたら大幅に戦力が下がる。テロ撲滅なんて絵空事になるんだぞ、少人数の戦闘なら尚更だ」

 手を胸倉から外すと、肩に置く。

「お前らが今後平和な世界を作るんだ、犬死は断じて許さん、わかったか?」

 作戦は成功に終わり、サッチャーのおかげでレイモンドは咎めなしだったものの、彼の頭の中は涼のことでいっぱいだった。

(はぁ・・・さすがに無茶だったかな。彼女に嫌われたらどうしよう・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。突然、スマホに連絡が入る。涼からだった。

「・・・イギリス・ヘリフォードの本屋前で待ってる、か。なんだろう、非番だし行ってみよう」

 地図データを基に付近まで歩くと彼女が手を振っていた。レイモンドは彼女に駆け寄る。

「よっ、どうしたんだ白けた顔して」

「あ、いや、その」

「さては昨日のことで落ち込んでたのかレイモンド?」

「!?マスクで顔を隠していたにもかかわらず、何故俺だと」

「それならサッチャーって人からさ。それに、声でわかった」

「・・・なるほど(声はさすがに隠せないな)」

「っで、そのサッチャーサンから聞いた話なんだけどな、何だかんだで待ってくれてたのはあの人なんだよ。教え子の帰りぐらい待たせてくれってさ。アンタも熱いけど、あの人も大概だな」

「そんなことが」

「アタシさようやくわかったんだ、里奈がヨハンって人に惚れた理由。命張って戦ってる人のハートに触れるからってさ。だからさ、アタシと付き合わない?」

「いいよ・・・え!?」

「女に言わせるのかよ。惚れたんだよ、アンタのハートにな!」

「な、なんという奇跡!?よし、早速仕立屋に行って服揃えて、妹の墓に行って」

「おいおい墓にも行くのか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 その様子を、遠くから暖かく見守っている親子にも見える二人がいた。小梅とサッチャーだった。

「全く、好いてる同士ドーンっと行かせるのに随分セッティングさせやがって」

「でも、幸せそう。なんだか嬉しいってあの子も言ってる」

「?何か言ったか?」

「ううん。でも、どうしてレイモンドさんが涼さん好きなの知ってたの?」

「日本でタケと会う約束をしてて偶然、デレデレしたアイツを見つけたんだ。彼女みたいな美人に弱いんだよ」

「へぇ・・・知らなかった。武内Pと何話したの?」

「予備役にならないかって話さ。説得して渋々承諾してくれた」




 サッチャーのうわさ

 EMPグレネードのユニオンジャックは自分で描いたものらしい
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