ソードアート・オンライン もう一人のクオン   作:神滅

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ボス

 ボス部屋前でディアベルが士気を高めるため呼びかける。

「俺から言うことは一つだ。勝とうぜ!みんな」

 そういった後に扉を開ける。

 中は真っ暗でプレイヤーが入ると明るくなった。

 ボスのなんとかコボルト(覚えていない)とボスが出す雑魚敵であるコボルトセンチネルをPOP(出現)する。

「攻撃開始!」

 ディアベルの合図で戦闘が始まった。

「DEF隊、センチネルを近づけるな!」

 F隊である俺たちは指示にしたがいセンチネルを狙う。

「はぁぁ!」

 メイスを振り下ろしているセンチネルの胴体に突きを入れる。

「スイッチ!」

 軽く吹き飛ばされるセンチネルを横からアスナが細剣の剣技を放つ。

 素早い剣技は俺の目でも剣先を追えない。

「スイッチ!」

 近くでキリトが叫ぶ。ジルがキリトの前にいるセンチネルに止めをさす。

 アスナのような素早さはないがジルの攻撃は力強い物だった。

 その頃、ボスの方は最後のHPバーが赤になり持ってる武器と盾を捨てた。

 情報通りだと喜ぶプレイヤーたち。

「俺が出る!」

 後ろで指揮をしていたディアベルが前に出てくる。

 なぜこのタイミングでと思ってるのもつかの間。ボスが出した武器に驚かされる。

 ベータテストのときと違い。長い武器を出した。

 ベータテストと違う!?

 ディアベルは気づかずに突進する。

 俺はディアベルの方へ駆ける。

「全力で後ろに飛べ!」

 キリトが叫ぶ。

 飛んだ。ディアベルではない。ボスがだ。

 オブジェである柱に飛び移り、ディアベルを狙う。

「ぼさっとするな!」

 格闘スキルを発動し、ボスの剣技にぶつける。

「がは!」

「うわぁぁ!」

 俺とディアベルが吹き飛ばされる。

「クオン!」

「ディアベルはん!」

 ボスは二人を心配をよそにボスは止めの一撃を放つ。

 ボスが狙ったのは…。

 

 

 ディアベルだった。

 

 

 長い得物に切られた。

 ディアベルのHPバーは0になる。

 ディアベルを抱えていたキリトが立ち上がる。

 アスナがその横へ行く。

「クオン!大丈夫!?」

 俺の横にはジルが来る。

「あぁ、大丈夫だ。行くぞ」

 怒りに満ちた俺が立ち上がり、ボスを睨む。

「うん。勝つよ!」

 俺たちとキリトたちが同時に動く。

 ボスは剣技を発動する。

「俺が行く!」

 キリトが前に出る。剣技でボスの攻撃を弾いた。

「スイッチ!」

 キリトの合図に俺とアスナが動く。

 ボスの目がこちらを見た。

「アスナ!」

 後ろでキリトが叫ぶ。ボスはアスナに向かって剣を振り下ろす。

 アスナは最小限の動きで攻撃をかわした。攻撃によって、フードが取れた。

 フードによって隠されてた長い茶髪が綺麗になびく。鋭い目つきで攻撃をしてきたボスを見つめた。

「せぁぁぁ!」「はぁぁ!」

 二人の剣技がボスを吹き飛ばす。

 吹き飛ばされたボスをジルが追う。

「これで!」

 剣技を放とうとするがボスが剣を横に構えた。

「深追いするな!」

 ジルは止まらずに槍を突く。しかし、それよりもボスの切り払いが速かった。

「きゃ!」

 吹き飛ばされるジルをキャッチする。

 ボスが追撃をしてきたがキリトが間に入り剣を弾いてアスナが攻撃を与える。

「まだ、いける…」

 ジルがそういうがHPバーは半分を切っている。

 ポーションを渡して休んでいるように伝える。

「しま!」

 キリトが吹き飛ばされアスナが受け止めるが失敗し、一緒になって吹き飛ばされた。

 キリトのHPバーも大きく削られている。

 ボスが剣を持ち上げ振り下ろす。アスナは剣で受けようとするが片手でキリトを支えているので防げそうにない。

「でぁぁぁ!」

 そこにエギルがハンマーの剣技で攻撃を弾いた。

 後ろに飛んだボスを俺が追う。

「喰らいやがれ!」

 左の手刀をボスの腹に突き刺す。

『ぐぉぉ!』

 ボスは叫びながら剣を横に振る。

「うらぁぁぁ!」

 右足を踏み込み、右の拳でボスを吹き飛ばす。

 体勢を崩したボスに回りの人が囲み始める。

 ボスは大勢の連撃を剣で防御する。

 攻撃が途絶えた一瞬の隙にボスの横払いで周りの人は吹き飛ばされる。ボスは大きくジャンプして空中で剣技を発動する。

「まずい!」

 俺は落下するボスにめがけて飛ぶ。

「はぁぁぁ!」

 踵落としで地面に叩き落とす。

 ボスに目掛けてキリト、アスナ、ジルが走るのが見えた。

「行け!」

 着地に失敗し、地面に横になりながら叫ぶ。

 ジルの槍が武器を持つ腕を突き刺し、アスナの攻撃でボスは武器を落とした。

 キリトの振り下ろしからの切り上げでこの戦いは終わった。

 

 

「お疲れ様。大変だったね」

 ジルが隣に来る。

「あぁ」

 経験値やコルの獲得ウィンドが開かれる。

 最後に書かれていた。

『格闘スキルが無刀スキルにレベルアップしました。

 オーラスキルを会得しました』

「あ…。たどり着いた…」

 これが拳の先。

 スキルの説明を見ると。

 無刀スキル。

 武器を捨てた剣士の戦い。武器破壊ボーナスがつく。

 纏(まとい)スキル

 攻撃と速度を上昇させるオーラを纏う。再使用には5分必要になる。

「これが…。格闘の先」

 ジルがウィンドを見て呟く。

「おめでとう」

「なんでや!」

 ボス攻略を成功させ、新たなスキル習得して喜ぶ者。次の階層が開き喜ぶ者。

 それらの喜びを断ち切るような声だった。

「なんでディアベルはんを見殺しにしたんや…」

 キバオウが言う。

「見殺し…?」

 キリトが呟いてキバオウがキリトを睨む。

「そうやろうが!自分はボスが使う技しっとたやないか!それを最初から教えてたらディアベルはんは死なずにすんだや!ちゃうか!?」

 喜びは消え、不安や戸惑いがこの部屋を支配する。

「きっとあいつ元ベータテスターだ。他にも入るんだろ出て来いよ!」

 ざわざわと周りが騒ぐ。

 誰も信用が出来ない。

「くくっく」

 この状況で俺は声を出して笑う。

「なんや、なにがおかしいねん」

「俺だよ。俺がベータテスターだ」

 ざわざわと周りが騒ぐ。

「なぁ、キリト。お前は凄いよ」

 ケラケラと笑いながら振り返る。

「あのボスの攻撃を直感で弾くなんてな。しかも、最後のラストボーナスを持っていくなんて思わなかったよ。知っていたのかなラストボーナスを」

 キリトは目をそらした。

「まぁ、たまたまだろうな。さぞいいものが出たんだろうな」

 誰も何も言わない。

「まぁ、いいか。最後に面白い物見せてやる」

 右腕を自分の胸に当てる。

「これが、一部のものしかたどり着けなかった第五層の遺跡ダンジョンに書かれたスキル」

 

「無刀スキルと纏スキルだ!」

 

 体が薄く光る。

「武器を捨てた無刀スキルとセットで覚える特殊スキルだ。オーラを纏って攻撃、防御、素早さを上げる」

「なんやそれ…。そんなんベータテスターどころやないやんか。もう、チートやんチータやん!」

 周りから同意の声が聞こえ始める。

「ベータでチーターだからビーターだ!」

 誰かがそういうと「ビーターだ」と周りが騒ぐ。

「はははは!何でもいいぜ。好きに呼べばよ。なんといってもベーターテスターの時の知識を使うのは当然だ。宝くじが当たったからって寄付に全部まわす奴もいないだろ?寄付をすれば千や二千どころじゃない。万単位で人が救える。それをしないのは人の欲が強いだからだ。それをお前らがとやかく言う筋合いはないと思うがね」

 騒ぐ連中が口を閉じた。

「さて、そろそろ2階層に行かせてもらおう。次のボス攻略にはまた呼んでくれよ」

 そういって2階層に上がっていった。

 しばらくしてからジルが追いついてきた。

「着いてこなくてもいいぞ」

 そういうがジルは着いてくる。

「クオンはビギナーのために一週間使ったんでしょ?それなのにあんな悪役…」

「いいんだ。こんなもので救える物なんて限られてたんだよ」

 そういってガイドブックを取り出しスキルの項目を開く。

 そこには無刀スキルの文字と習得条件が書かれている。

「悪かったなジル。一週間も道具屋で配布に手伝ってもらったのにこんな結果で」

 そういってガイドブックを空中に投げ捨て無刀スキルで切り裂いた。

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