世界は狭く、されど四つに分かたれる。
龍の顔を正面から見たような形をした大陸、それが世界である。
僕らの生きる世界には四つの国が存在する。
左角「エルフの国」右角「ドワーフの国」顎髭「人の国」
そしてそれ以外の種族やあぶれ者達が住む、龍の口「闇の国」
それぞれの国は魔法や鉄、火薬を以てそれぞれの力が均衡するように発展していた。
それぞれの国が建ってから幾千年、数え5回の大戦を経験して、世界はようやく平和を意識するようになった。
それぞれの国同士の交流が盛んに行われるようになり、世界は人種のるつぼと化した。
―ある文官の手記より…
ある肌寒い冬の日。
世界にちょっとしたサプライズが起きた。
闇の国の大国、ガリオの地下に巨大な遺跡が発見されたっていうサプライズが。
きっかけは地下の亀裂へ流れる雨水の行き先を調べる地質調査。
地下約15キロメートル。
広さも深さも不明。
深いとも浅いとも言い難い中途半端なところにそれはあった。
四つの国のどの歴史書にも記述がない、正真正銘のオーパーツ都市。
ガリオは他国の支援をことごとく断り、独自に調査を開始した。
天才と名高いネモ博士に調査を依頼し、五千名もの騎士を地下へ送って二年の歳月が経ち、騎士たちは古都への道を築き上げた…2466名もの損害を出して。
翌年、王はその都を古都「アイゼルフォール」と名付け第二の首都とし、移民もその年から積極的に行われ、一年後には人口は2万人を超えた。
人口が毎年うなぎ上りに増えていく闇の国、大国ダリオにとって新たな領地が争いもなく手に入ったことは大変喜ばしいことだったのだろう。
そのまた翌年、国王はアイゼルフォールの深層の調査を命じた。
すでに3万もの人口を抱えたアイゼルフォールだったが、そのさらに奥深くには手つかずの遺跡がまだ存在していたのだ。
しかし、国の騎士団は4年前の第一次調査での損害が大きく、二次調査隊には「志願」で参加するという形となった。
騎士たちの穴を埋めるべく国を挙げて募集した調査員には、とレジャーハンターやハイランダー、そして亜人もこぞって参加。
私は岩盤の調査員として参加するため、志願した。
そこに奴隷達も加わり、第二次調査隊は第一次の二倍、1万人という大規模なものとなった。
ガリオはこの調査から外部からの支援も積極的に受け始めたのもあり、第二次調査は前回よりも容易に進むはずだった。
しかし、調査が開始して二か月がたった現在、調査員は2000名という大きな損害を出し、深層の表面を触った程度しか進んでいない。
初めから私には第一次調査で屈強な兵士で構成された騎士団の約半数の命を奪ったのはこの劣悪な環境だけとは思えなかった。
あれは一体何なのか。
今日、私は現在安全とされる領域からさらに下へと調査へ向かう。
そこはまだ安全とは言い難いが、それでもある程度はこちらの手の行き届いたところらしかった。
護衛が付くという話だが…なぜ護衛が必要なのか。
得も言われぬ不安が身にまとわりつくが、今はただ上司の命令に従うのみである。