「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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記念館の中で利根さんは、とても調子が悪そうなのです。これは困ったのです。


第15話<我慢大会>

「向こうで、お休みしましょう」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第15話<我慢大会>

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<<記念館:やせ我慢>>

 

「そう・・・」

ニコニコしながら扶桑さんは返事をして下さったのです。

でも私の後ろの利根さんは、よく見ると何となく汗をかいているのです。やっぱり我慢しているのでしょうか?

 

「利根さん、大丈夫ですか?」

私は声をかけたのです。

 

利根さんは「だ……大丈夫じゃ」と言います。

でも良く見ると、やっぱり額から汗が吹き出ているのです。館内は冷房が効いているので、暑いわけでは無さそうなのです。とても具合が悪そうに見えるのです。心配なのです。館内を見渡すと、向こうにベンチのある休憩所があったのです。

 

「向こうで、お休みしましょう」

私は利根さんに声をかけました。

 

「そ、そうじゃのう……」

利根さんは何とか答えるのが精一杯です。私は扶桑お姉さんたちに会釈をしながら、その場を離れました。私たちは手をつないだまま、よろよろと休息所へ向かったのです。

私は何となく、扶桑お姉さんたちに助けを求めるのは、利根さんがとても嫌がる感じがしたので、お姉さんたちには平静を装っていたのです。

 

<<記念館:深海棲艦?>>

 

やがてベンチのあるところまで来ると利根さんはやっぱり顔色が悪いのです。気のせいか少し震えているようなのです。利根さんは戦闘中は、とても勇ましいのですが、今日の利根さんは、ちょっと意外なのです。

 

え?……これって、もしかすると利根さんの"弱点"なんですか?え~っと……私には、よく分からないのです。ここで、ふと思い出したのです。私は一度も見たことないのですが……危ない海域へ行くと妖怪のような、お化けのような幽霊船伝説みたいなものがあるというのです。聞いた話だと深海棲艦の雰囲気と幽霊船は、よく似ているそうです。では私たちの敵と幽霊船は同じなのでしょうか?そしてここにいる妖怪や、お化けも彼らの仲間なのでしょうか?何が、どう違うのでしょうか?考えてみると全部同じにも思えるのです。

……あ!ごめんなさい。お化けの妄想に耽(ふけ)ってしまいました。考えてもよく分からないので、それはひとまず置いておくのです。

 

「ふがっ」

ベンチに座った利根さんは、ようやく一息ついた感じです。

 

<<記念館:我慢の限界>>

 

「何か、お飲み物を買ってきましょうか?どんな飲み物にしましょうか?」

私は利根さんに聞いたのです。

 

「ああ……そうじゃの~、我輩はスカッとしたものだったら何でも良いのじゃ。炭酸飲料だったら何でもいいぞ」

利根さんは油汗を流しながら言いました。

 

「了解です」

私は明るく敬礼をしました。利根さんは、ちょっと微笑んだだけでした。本当に調子が悪いみたいです。自動販売機へ向かいました。少し離れた場所にあった自動販売機で、利根さんの炭酸飲料はコーラにしましょうか、スプライトにしましょうか?そうか、ジンジャーエールも良いかな?と思いながら結局、ジンジャーエールのボタンを押しました。"ガコン"という音を立てて、ジュースが出てきました。

 

さて、私は……そうですね。それほど喉が渇いていないのですが、利根さんのものだけ買って行くのも、利根さんが逆に気を使うかなと思うのです。何でも良いとは仰ったのですが、やっぱり利根さんに、どちらか選んでもらったほうが良いかな?と思って、もう一本は別の炭酸飲料のスプライトを選んでおいたのです。"ガコン"という音を立てて、もう一本ジュースが出てきました。私は2本の缶ジュースを取り出すと、ベンチの所へ戻りました。

 

<<記念館:新たな2人>>

 

ジュースを買ってベンチに戻ると、利根さんが座っているベンチの後ろ側に、白い服を着た2人の女性が居るのです。ちょうど利根さんとは背中合わせに座っていたのです。

あれ?背丈からしても、扶桑お姉さんたちではないのです。……そうだ!さっき神社で出会った軽空母のお姉さんたちではないですか?

利根さんはベンチで顔を伏せていますから、お姉さんたちは、私たちには気付いてないのです。そして軽空母のお姉さんたちも向こうを向いているので、お互いに気が付いていないようです。

 

困ったのです。こういう場合は、やっぱり声をかけるべきだと思うのです。でも利根さんの調子が悪い姿を見て、利根さんの弱点がばれてしまって良いのでしょうか?私は、ちょっと悩んだのです。でも私がジュースを持って近づいたら、あっさりと発見されてしまいました。

 

「あれ?電ちゃんも来ていたのね」

最初に気付いたのは飛鷹さんの方でした。

 

「あ、はい。そうなのです」

私は慌てて応えたのです。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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