「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「お主(ぬし)らは良い娘らじゃのう~」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第16話<回復と歓喜>
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<<館内:また2人>>
「今日は電ちゃん一人ぃ~?」
隼鷹さんが振り向きざまに聞いてきたのです。
「えっと……」
私は、わざと間延びさせて、ごまかそうとしたのです。
でも飛鷹さんは直ぐに利根さんに気付きました。
「あら?利根さんじゃない……って、どうしたの?調子悪いの?」
飛鷹さんの言葉に、隼鷹さんも直ぐに反応します。
「おっと、こいつぁいけねぇ」
「隼鷹、あれ……あったでしょ?」
「おう、六神丸だねぃ」
飛鷹さんに声をかけられた隼鷹さん、懐から何か小瓶を取り出します。併せて小さな油紙のような紙切れも取り出して瓶から何粒か取り分けると、それを利根さんに渡しています。
「ささ、姉さん、これを口に含んで……あ、電ちゃん、そのジュースでも良いや。さ、これで飲んで」
利根さんは、とても気だるそうな表情ですが、その丸薬を口に含むとジュースで流し込みました。
それを見ていた飛鷹さんが、微笑みながら言います。
「はは、炭酸飲料か。まぁ、いいさ。逆に効き目が早まるかもね」
「良いってことよぉ」
隼鷹さんも同意しています。私は訳が分からないのですが、二人は何かの特効薬みたいなものをくれたようです。本当に効くのでしょうか?
<<館内:歓喜>>
でも、私の心配は杞憂でした。利根さんは、数分と経たないうちに顔色が見る見る良くなっていくのです。利根さん自身も、とても調子が戻ってきたようなのです。それを見ていた飛鷹さんが言ったのです。
「おっ、さすがだね~。もう効いて来たみたいだ。基礎体力があるんだね」
「ひゃっはぁー!姉さん、良かったねっ♪」
隼鷹さんも大きく歓喜の声を上げています。何だか最初、神社で見たときには独特なお姉さんたちだなぁと思ったのです。ここでもやっぱり独特なのです。でも決して悪い人たちではなかったのです。
だいぶ頬にも赤みが戻り、見るからに元気になった利根さんが言います。
「かたじけない……世話になった。礼を言うぞ」
飛鷹さんも応えます。
「良いって、良いって。アタシもさっきは神社でごめんね。あの時はさぁ、ちょっと気が立っていたの。ダメだね、“気”を扱う者がこれじゃぁ」
「へへっ、飛鷹ったら結構、自己中だからね!気をつけた方が良いんだぜぇ~」
隼鷹さんが言うと、飛鷹さんはムッとして反論するのです。
「なんてこと言うのよ!人聞きの悪い。ただあの時は……」
飛鷹さんが言いかけたとき、利根さんはガバっと両手を広げて、飛鷹さんたちをまとめて抱きかかえたのです。
「恥ずかしいのは吾輩のほうじゃ~。お主(ぬし)らは良い娘らじゃのう~」
飛鷹さんたちも独特ですが、やっぱり利根さんも、独特なのです。最初は驚いていた飛鷹さんたちも結局、利根さんの勢いに飲まれて一緒に喜んでいるのです。
でもそれが利根さんの率直な喜びの表現なのか?あるいは自分の“お化けが苦手だ”という弱点を隠すための大げさな表現だったのかもしれない。どっちとも考えられるのです。
それを追求するのは無意味ですよね。私は歓喜するお姉さんたちをただ、微笑んで眺めていたのです。それは艦娘にとっては、大切な平和なひと時なのです。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。