「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「司令の……ご実家……」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第18話<実家へ電話作戦>
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扶桑さんが、ちょっと微笑みながら声をかけてきました。
「私が……どうかしましたか?」
<<記念館内:公衆電話>>
相変わらず、背丈は大きいのに、不思議な透明感のある扶桑さんなのです。そして、その後ろに陰のように寄り添う山城さんは、逆に存在感があるのです。
利根さんが話しかけます。
「おぉ、扶桑殿。頼みがあるのじゃ。この番号に電話をかけて欲しいのじゃ」
扶桑さんは、少し顔を傾けて言いました。
「電話……無線ではなくて、電電公社のほうですね」
「おお、そうなのじゃ。吾輩は、その公衆電話というものを、かけたことがないのじゃが、扶桑殿なら、ご存知ではないかと思ったのじゃが」
扶桑さんは、ほんわりと微笑みました。
「お安い御用ですよ。公衆電話でも、黒電話でも、慣れてます」
「左様か、かたじけない。番号はここじゃ」
利根さんは、扶桑さんに電話番号のメモを渡したのです。扶桑さんはメモを受け取ると、ゆっくりと公衆電話に近寄ります。その背後から、山城さんが、緩やかに付いて行く姿が妙なのです。でも、この記念館の中だと、扶桑さんと山城さんの挙動は、まるで妖怪……じゃなくて、オブジェか何かの展示物の一つのように見えるので、違和感がないのです。
<<提督の実家:電話連絡>>
扶桑さんたちが公衆電話に移動するのに合わせて、利根さんも一緒に移動しているのです。扶桑さんは受話器を取ると、利根さんを振り返りました。
「どちらへ、どのようなご用件なのですか?」
「おお、その番号は司令のご実家なのじゃ。今日、吾輩と電が夕方、訪問する確認の電話を差し上げるのじゃ」
利根さんは、ちょっと得意げな顔をして言うのです。一緒に名前を出された私は、少し恥ずかしく思ったのです。
「訪問しますとお伝えしたらよろしいのですか?」
扶桑さんは、ゆっくりと聞いているのです。利根さんはうなづきました。
「左様じゃ。我々が訪問すると伝えて欲しいのじゃ……司令の母上じゃから、くれぐれも失礼無きように」
扶桑さんは、ゆっくりとうなづくと、メモを見ながら番号を押し始めました。
そのとき、扶桑さんの後ろにいた山城さんが呟きました。
「司令の……ご実家……」
気のせいでしょうか?山城さんの目つきが、少し鋭くなったのです……ええきっと、気のせいですよね。
やがて電話がつながったようです。扶桑さんの表情が変わったのです。
「初めまして。私、司令にお世話になっております、扶桑と申します。……はい、そうです。艦娘です。利根の代理で私が、ご連絡を差し上げております」
なぜか、電話をかける前と、扶桑さんの雰囲気が違うのです。まるで別人のように、明るくてハッキリした口調なのです。これはビックリなのです。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。