「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「そこが司令の実家なのじゃ。どうじゃ?」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第20話<私たちが護る街>
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<<屋外:炎天下と日傘と>>
さっきの萎えぶりがウソのように”元気復活”した利根さんを先頭に、私たちは記念館を後にしたのです。冷房の効いた館内から外に出ると、午後の水木ロードは湿気の多い夏の空気が、どっと私たちを取り囲んで来るみたいなのです。
歩き始めると、扶桑さんたちは、どこからとも無くオシャレな日傘を取り出して差したのです。
「お、オシャレなのです」
思わず私が口走ると、扶桑お姉さんは、ニッコリ微笑んでくれたのです。
「わぁ~、さすがお姉さんたち、日傘、お似合いですねえ~」
飛鷹さんたちも感嘆の声を上げます。それはお世辞ではなく、とても自然な感じなのです。やっぱり……長身の女性は、うらやましいのです。私も頑張るのです。
でもちょっと、利根さんは微妙な表情をしていました。それは日傘がうらやましいのか、別の理由があるのか、そこまでは私にも分からなかったのです。
「司令のご実家は、直ぐなんですね?」
扶桑さんがハンカチで汗を拭いながら聞きます。
「おお、割と直ぐじゃ」
利根さんも、額にすごく汗をかきながら、応えているのです。
「そういえば、山城も司令のご実家には、行ったことがあったわね」
日傘を少し傾けて、扶桑さんが聞きます。
「はい、お姉さま」
山城さんが軽くうなづきながら答えます。扶桑さんたち二人が並んで、夏のアーケード街を歩く姿は、その紅白の軍服と、日傘のまぶしさが調和して何だか、とってもいい感じなのです。
先頭を行く重巡の利根さん、真ん中を戦艦の扶桑さんと山城さん。そしてその後に軽空母の飛鷹さんと隼鷹さんが続き、駆逐艦である私が一番最後なのです。なんだか、一つの艦隊編成のようなのです。
<<屋外:私たちが護る街>>
今日は暑いのですが、夕方になると、少し風も出てきて、しのぎ易くなるのです。水木ロードは商店街のようになっていて、観光客もたくさん歩いています。
でも、通りを外れて、裏のほうへ行きます。普通の家がたくさん建ち並んでいる住宅街……っていうのでしょうか?こちら側では、人もほとんど歩いていませんし、とっても静かなのです。あ、でも時々、大きな木のそばを通ると、セミの鳴き声がしているのです。
「大通りを外れると、裏は静かだねえ~隼鷹?」
「そうだね~。でも、やっぱりさぁ、港町っ!ていう感じはあるよねえ~飛鷹」
このお姉さんたちは、やっぱり姉妹なんだなあ~って思ってしまうのです。
ちょっと風が吹くと、どこからともなくチリンチリンという風鈴の音が聞こえてくるのです。ハッと気付くと、住宅街の塀の上を白い猫が歩いていたりするのです。
私は鎮守府からバスで駅まで来たので、ぜんぜん分からなかったのですが、境港市の町並みって、こんな感じなのですね。何だか、”ああ、私たちがこの町を護っているんだな”という気持ちが強くなるのです。
「おっ、あそこの家じゃ。ちょうど家の前で男性が水をまいて居るじゃろ?」
利根さんが振り返りながら通りの向こうにある平屋の建物を指差しました。
「あそこが司令の実家なのじゃ。どうじゃ?」
”どうじゃ?”と言われても……そうですね、ちょっと小さいのです。意外な感じもするのです。
その家の前で水をまいている男性が、もしかすると司令のお父様なのでしょうか?私たちが近づくと、その男性も気付いたのです。確か、この男性は空軍のエースだったという噂の御方なのです。精悍な感じで目つきも、ちょっと鋭いような、何だか緊張するのです。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。