「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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提督の実家で私たちはパンやクッキー、生け花に興味を持ったのです。利根さんがウルウルなのです。


第23話<甘味とお花と>

「敵が甘味で来られたら、そっちのほうが怖いのです」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第23話<甘味とお花と>

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<<台所:甘味>>

 

「ちょっとな、あんた等が来ると思って先に少しだけ、試しに作ってみただ」

そう言いながら、お母様は利根さんと隼鷹さん、それと私に小さなパンとかクッキーを下さいました。利根さんと隼鷹さんはパンを食べながら感嘆の声を上げました。

「美味しいのじゃ」

 

「なんと、これがパン?」

お姉さんたちの声を聞きながら私はクッキーを口に入れました。それは口の中でサクッと砕けて……すぐに甘い感覚がいっぱいに広がるのです。その甘さが、ちょっと控えめな感じなのです。こんなのは初めてなのです。クッキーも出来立てなのでしょうか?ほんのり暖かいのです。そして、とっても、とっても……柔らかいのです!私がたまに食べるクッキーは、もっとパサパサで冷たくて……固いのです。

 

「なかなか小麦とか手に入らんからな。でも今回は兄いに頼んで何とか手に入れたわ」

お母様が仰います。”兄い”?……お母様のお兄様のことでしょうか?

 

「パンって、こんなに美味しいものなのじゃなあ~」

見ると利根さんが目をウルウルさせているのです。でも利根さんの言うことは良く分かるのです。鎮守府で食べるパンは、ものすごく固いのです。でも何度も思うのですが陸(おか)……いえ、鎮守府の外に居る利根さんって、ものすごく純朴で可愛らしく思えたのです。

 

「ホントだねえ~びっくりだねえ~」

隼鷹さんも、しみじみしているのです。

 

さっき利根さんが言っていた、”艦娘が、お互いに新しく気付いたりする”という言葉の意味が、とても強く感じられたのです。利根さんって海の上でも強いのですが、陸の上でも凄いのです。素敵なのです。

 

「あんたホラ、お茶を、お願いな。居間に居る背の高いお姉さんたちに」

お母様が私に仰います。

 

「は、はい」

思わず私もクッキーの美味しさにボーっとなっていたのです。でもそれは、こちらに居るお姉さんたちも皆、同じなのです。利根さんだけでなく隼鷹さんもボーっとしているのです。

もし敵が私たちを攻撃するときは魚雷でなく甘味で来られたら、そっちのほうが怖いのです。思わず変な想像しちゃいました。えへへ。

 

<<居間:生け花>>

 

「お茶を、お持ちしたのです」

居間で座っていたお姉さんたちに私は、お茶を持って行ったのです。扶桑さんと山城さん、そして飛鷹さんは床の間にあるお花……生け花を見ながら何か話をしていたのです。

「これも某月流なの?」

 

「多分、そうだと思います」

 

「司令のお母様……素敵」

 

「ただ挿すだけじゃダメよね。こういうの、教えて頂きたいわね~」

その、最後に扶桑さんが言った感想は私も同じなのです。あァ、ごめんなさい!正直に言うと司令って今までも、ちょっと遠くて分かりにくい感じがしていたのです。でも今日、司令の御実家へ来て、ご両親と出会って急に司令という人が分かってきたようなのです。ウ~ン、何だか、うまく表現できないのです。

 

利根さんが、こうやって私たちを実家へ引っ張って来て下さったことは、とても良かったと思うのです。これは鎮守府へ帰ってからも、大淀さんに自信を持って報告できそうなのです。私がそう思っていたら山城さんが私に気付いたのです。

 

「あら電ちゃん、ありがとう」

そう言って、座っている他のお姉さんたちに、お茶を配ってくれたのです。

 

そのとき台所から、お母様が入ってきました。

「あぁ、ごめんな」

 

そうして、床の間の生け花に注目していたことに気付かれたようなのです。続けて仰いました。

「生け花、簡単なのやってみぃか?」

(生け花の簡単なものを、やってみましょうか?)

 

お母様って方言があるのですが、仰っていることは何となく分かるのです。

 

「お願いしても……よろしいのでしょうか?」

扶桑さんが、とても申し訳無さそうに聞きます。

 

「ああ、ええよ。あ、ごめんな。お茶してからでええけん。えっと人数は……」

(大丈夫だよ。あ、ごめんなさい。お茶飲んでからで良いよ)

お母様はそう仰りながら、人数を数え始めたのです。私も生け花、出来るのでしょうか?

 

そのとき、お父様が部屋に入って来られたのです。

「おう、誰かワシを手伝えないかな?」

 

「あ……、私が出来るのです」

私は思わず反応してしまったのです。

 

「おう、お前か……まあ、良いか」

私を見たお父様が仰いました。多分、私が小さいので、ちょっと心配なさったのだと思います。やっぱり私、早く背も大きくなりたいのです。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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