「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「ジャージ?……走って帰るのですか?」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第28話<あっという間に>
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それからしばらくの間、楽しいお話の場になったのです。ああ、こういうのは茶話会って言うんですね。
お父様は、やっぱりお花や料理よりは、飛行機のお話のほうがお好きなようです。居間では、お父様とお母様で、それぞれお話の中心によって、二つのグループに分かれたのです。
私は飛行機の話は得意ではないのですが、お父様のグループに入りました。お父様も、最初は静かだったのですが、やっぱり飛行機のお話になると、スゴイのです。私でも分からないようなお話で……。でも、利根さんや軽空母のお姉さんたちは、難しい言葉でやり取りしています。
いろんな戦闘のお話とか、きっと貴重なものなのでしょうけど……なんだか難しい話を聞いていると、だんだん眠くなってきたのです……。
<<居間:時も過ぎて>>
バタバタした雰囲気で、ハッと気がつくと、私は椅子に座ったまま居眠りしていたようなのです。時計を見ると、もう夕方なのです。窓の外も、夕日で赤く染まっているのです。
「おう、起きたな?」
利根さんが声をかけてくれたのです。
「もうちょっとしたら、扶桑たちと軽空母の連中は、霞が迎えに来て帰るのじゃ」
「あ……はい」
それを聞いて、ああ、楽しい時間はあっという間に終わってしまうな~って思ったのです。居眠りして、ちょっぴり、もったいなかったと。そんな私の残念そうな表情を見られたのでしょうか?利根さんが私に顔を寄せてきて、小声で呟くのです。
「なあ、お主(ぬし)、司令のご両親が承諾して下さったら、お主も泊まらぬか?」
「は、はひ?」
いきなりの作戦計画に、ビックリしたのです。
「で、でも、着替えもないのです」
ところが利根さんはビクともしないのです。
「大丈夫じゃ、今は青葉も日向も居らんが、筑摩に頼んでおいたのじゃ」
「は?何を頼まれたのですか?」
「ジャージじゃ」
「ジャージ?……まさか走って帰るのですか?」
「表向きは、そうなるのじゃな」
「はひ?おもてむき?」
利根さんは、何かを計画されているのです。ビックリしましたが、何だか利根さんの計画って、面白そうな感じもするのです。
ああ、私も悪い子になるのでしょうか?心配なのです。
<<玄関:先発隊出発>>
(ピンポーン)
呼び鈴が鳴ったのです。直ぐにお母様が玄関へ。何か話す声がして、誰かが上がってきました。直ぐに居間に入ってきたのは、霞ちゃんだったのです。霞ちゃんは、司令のお父様を見ると、さっと敬礼をしたのです。
「美保鎮守府所属、駆逐艦・霞です。お迎えに上がりました」
「あら~霞ちゃん。ご苦労様です」
すぐに扶桑さんが反応するのです。そして山城さんや、軽空母のお姉さんたちが立ち上がります。先に帰るのは、この方たちのようなのです。
「お母様、今日は本当に楽しかったです」
「ああ、またいつでもおいでよ」
『はい』
先に帰るお姉さんたちは、口々にお礼を言うのです。そして、みんな玄関へ向かいます。
そのまま玄関から、外へ出ます。夕日がきれいなのです。そういえば霞ちゃんって軍用車も運転できるのですね。知ってはいましたが、やっぱりスゴイのです。
改めて、口々にお礼を言いながら、お姉さんたちは次々と乗車。霞ちゃんが「出発します!」と叫ぶのです。ちょっと、ハドルに顔が隠れ気味なのですが、やっぱり格好いいのです。
お姉さんたちが窓から手を振り、司令のご両親も手を振っています。
赤いテールランプを見せながら、軍用車が走り去ります。境港市の夕日と、別れの場面。何だか、とってもいい雰囲気なのです。
でも、夕日を浴びながら、腰に手を当てて立っている利根さんは、明らかに何かをたくらんでいるのです。私は、そんな利根さんを、妙に頼もしくも思ったのです。
はい?私も、軍用車の免許はあるのです。でも、ほとんど運転することがないのです。走るのは、やっぱり海のほうが良いのです。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。