「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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霞ちゃんが持ってきた箱の中にはユ・カ・タが入っていたのです。そしてテレビでは提督の演説の中継が流れたのです。


第32話<浴衣と艦娘と>

「筑摩の奴、サイズ間違えて居らんじゃろうな~」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第32話<浴衣と艦娘と>

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<<廊下:ユ・カ・タ>>

 

私は勝手に霞ちゃんが浴衣を着ている姿を想像して、思わず顔が弛んだのです。

そんな私に霞ちゃんが突っ込んで来るのです。

「あんた、なに、独りでニヤけてるのよ!」

 

「いえ、何でもないのです」

私たちが廊下で話をしていると島風ちゃんや、ご両親も居間から出てこられました。

 

霞ちゃんは、ご両親を見ると直ぐに敬礼をするのです。

「お騒がせして申し訳ありません!」

 

霞ちゃんって私たちには厳しいのですが、司令のご両親には、きっちりしているのです。何となく霞ちゃんらしくて可笑しいのです。でも今度は私もニヤけないようにしたのです。

 

島風ちゃんが廊下の箱を興味深そうに見るのです。

「なぁに?この箱」

 

「ジャージ……」

 

「あんた、いい加減になさい!」

また霞ちゃんに突っ込まれている利根さんは、どこまでが本気か冗談なのか分からないのです。

 

「開けて見ぃだが」

(開けてみなさいよ)

お母様が仰るので、私たちは蓋を開けて見ました。

 

中には色とりどりの服……いえ、浴衣が入っていたのです。夏の、お墓参りのときの、皆さんの写真に写っていたものと一緒なのです。

私は浴衣を着ている皆さんの写真を見て、憧れていたのです。それを今日、着れるんだなと思うと、ちょっぴり嬉しくなったのです。

 

「へぇ~これが浴衣って言うんだ~」

島風ちゃんは連装砲ちゃんたちと一緒に、興味深そうに見ているのです。

 

「あれ?島風ちゃんは初めて見るの?」

 

「うん。こういうの、興味なかったし」

何となく、それは分かるのです。

 

「筑摩の奴、サイズ間違えて居らんじゃろうな~」

利根さんが呟くのですが、霞ちゃんがちょっと怖い目で睨んでいます。でもさすがに、ここまで来たら霞ちゃんも、突っ込むのは止めたようです。

そうなのです。もう、みんなで浴衣を着たら良いのです。

 

<<居間:TV中継>>

 

私たちが廊下で浴衣を見ていたら連装砲ちゃんが、島風ちゃんを引っ張って居間のほうへ呼ぶのです。

「なぁに?え……司令がまた出ている?」

 

その言葉に、全員が反応して再び居間へ戻るのです。

テレビには、またブルネイの中継映像が映っていたのです。今度は私たちの司令が、マイクを持って何か……英語でしょうか?演説のようなことをされているのです。その画面には、通訳の字幕が流れているのです。

 

『日本から参りました、美保鎮守府司令です。多くの困難を越えて今日を迎えました。ブルネイの皆さんには、感謝します。ありがとう御座いました』

 

字幕はそれだけなのです。何となく、あっさりしているのです。でも、もっとたくさん話しているような感じもするのです。終わりのほうで”カンムス”と仰っていたようなのですが。

 

すると、お父様も仰いました。

「この字幕は、後半をかなり省いているな」

 

「お父様は、英語がお分かりですか」

霞ちゃんが聞くのです。

 

「ああ……後半部分で君たち艦娘へのメッセージを話していたぞ」

 

「ええ?それは、ぜひ聞きたいのです」

私は思わず、お父様に聞いてしまったのです。でも、画面は消えてしまいました。

 

お父様は記憶を頼りに仰いました。

「確か……ブルネイや日本、そして艦娘への感謝と、特に後半では、君たち艦娘の気持ちを、もっと知って欲しいと訴えてたな」

 

「ええ?そうなのですか?」

 

「やっぱり中継の通訳は、いい加減じゃのう」

 

「ふーん」

 

「青葉って、英語喋れるんだ」

最後のこれは、霞ちゃんの呟きなのです。一瞬、青葉さんも映っていて、スゴイ格好良かったのですが……。

 

でも私は司令も英語を話せることと、あのような、たくさんの人の居る前で堂々と話し、私たちのことを想って訴えて下さったことが、とても嬉しかったのです。

 

「あいつなりに頑張っているじゃないか。心配することもないな」

お父様は、ポツリと仰いました。

 

そうなのです、司令もずっと努力されているのです。

最初に出会ったときから、頑張る人だとは思っていたのですが、遠いところに居ても私たちのことを、ずっと忘れていないのです。なんだか涙が出そうになったのです。

 

私たちは、もっともっと司令を支えないといけないな、と思ったのです。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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