「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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電は土産物屋さんのところで、意外な人物に"確保"される。しかしその人が売店の女性を見た途端、事態は急変する。



第4話<確保と釈放>

「あんた達"艦娘"なんだろう?」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第4話<確保と釈放>

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<<土産物コーナー:確保?>>

 

「逮捕する!」

 

「はわわ~~~~っ!」

いきなり私は、後ろから腕を掴まれたのです!

 

「ごめんなさい、ごめんなさぃ!」

私は、ひたすら謝りました。そして後ろに居た背の高い人を見たのですが・・・

 

「がははぁ!」

緑色の軍服を着たその人が大声で笑ったのです。あれ?私は目を開けて、もう一度その人を見ました。

 

【挿絵表示】

 

「利根さん?」

私は叫びました。

 

「利根お姉さんじゃないですか・・・なにやってるんですか?こんなところで」

もうビックリするやら、ホッとするやら。

 

「それはこっちの台詞じゃ!ったく・・・」

利根さんは私の腕から手を離すと、ちょっと顔をしかめました。

 

「我輩はなぁ~ずっと、お主を見守っておったのじゃぞ~」

 

「ええっ!?」

私は驚きました。

 

利根さんは両手を腰に当てて言いました。

「あの青いバスの後ろから、ず~っと我輩たちが軍用車でつけておったのじゃが・・・お主は、まったく気付かなかったの~」

 

「そ、そうなのですか?」

ぜんぜん気付いていなかったのです。

 

利根さんは、今度は私の額の辺りに指を突き出しました。私は思わず、引いちゃいました。

「だいたいなぁ~お主が事前に、どこに行くのかと、はっきり言わないから手間が増えたのじゃ。尾行していた我々も大変じゃったぞ!」

 

「そうなのですか?」

 

「お主が休日は一人で過ごしますというから、大淀さんが心配して居ったのじゃ。それで吾輩と霞に、様子を見るように指示されたのじゃぞ。後でお礼を言うのじゃな」

知らなかったのです。あわわ・・・。

 

利根さんは、また顔をしかめて、吐き出すように言います。

「お主は、この境港の駅前でバスを降りるのか、降りんのか?モタモタしてぇ、イライラしたのじゃ!結局バスは降りたが今度は、この建物に入って、またず~っとボーっとしておるし。まったくぅ~監視している我輩の身にもなって貰いたいものじゃ。ホント、疲れたのぉ~!」

 

「あわわ~、見られているなんて全然わからなかったのです」

それは本当なのです。

 

「軍用車を運転していた霞は、怒って帰ってしまったぞ。ったく~」

 

「ごめんなさい、ごめんなさい」

私は、ひたすら頭を下げました。霞ちゃんにも悪いコトしたのです。

 

「あ~あ、こんなことなら、休んでいた吾輩の妖精引っ張り出して、索敵機飛ばしたほうが、楽じゃったのぉ~。せっかくの休日が台無しじゃ」

利根さんは、頭をかきながら呟いているのです。

 

<<土産物コーナー:顔見知り?>>

 

「まあ、それはいいとして」

利根さん、今度は腕を組んで、目を細めて私をにらみ付けました。怖いのです。

 

「お主、この売店の人に自分が何を話したか、分かっておるのか?」

 

「はわわ~私、覚えてません。えっと、そういえば軍隊の事をいろいろ・・・」

あれ?利根さんが、呆れています。

 

「あっ!」

そこまで話して私は、自分がとんでもないコトをしたのだと気付きました。すぐにカウンターを見ると、売店の女の人に頭を下げました。

 

「ごめんなさい。私すごく、わけのわからないこと、お話していたようなのです」

利根さんも私の後ろから「は~、ったく」と、ため息をついていました。

 

でも売店の女の人は、さっきまでの表情とは、また変わってニコニコしていました。そして店員さんは言いました。

「あんた達"艦娘"だがぁ?」

(貴女達は"艦娘"なのでしょう?)

 

その言葉に驚いたのは私だけではありません、利根お姉さんも、ちょっとビックリしたような表情をしていました。

「お主、なぜ我輩の事を知っておるのじゃ?」

 

今度は、その売店の女人が呆れたような顔をしました。

「アンタもう忘れただぁ?お盆にウチに来たがぁ?」

 

そこまで聞いた利根さん、"お盆、お盆・・・"と、呟いていましたが、急にハッとしたような顔をしました。そして今度は、利根さんが頭を下げ始めました。

「ここっ、これはお母様!お盆のこと、お世話になったことは決して忘れては居りませぬ。しかし今日はあまりにも美しく化粧されて居るので別人かと・・・それに、その制服と言うのか、雰囲気が違っておって、まったく分からなかったのじゃ」

 

"お母様"?何のことか、わけが分かりません。

 

でもさっきまで偉そうな態度をしていた利根さんが、今度はペコペコ頭を下げていて、ちょっと可笑しかったのです。でも、利根さんは、まだ言い訳をしています。

「おまけにあの日は、お父上と呑んで居ったので、そのぉ~途中から記憶がどこかへ飛んで行ってしまって・・・」

 

でも売店の女の人は、ニコニコして言ったのです。

「わかっちょる。アンタうちの主人とずっとお酒飲んじょったが~。もう一人の大きな美人さんと、マジメそうな女の子・・・日向さん、からかっとったがぁ~?」

 

「いやぁ、お母様、そこを突かれると、面目ないのじゃ・・・」

だんだん声が小さくなって、珍しく顔を赤くしている利根さんなのです。こんな困ったような表情を見せるのは、珍しいのです。何となく、可愛く見えるのです。でも私には2人の会話は、やっぱりチンプンカンプンなのです。つい「どういうことなのですか?」と聞いちゃいました。

 

「おお、そうじゃったのぉ~」

私の質問を受けて急にホッとしたような表情を見せる利根さんです。

 

「お主は聞いて居らんかったか?お盆に・・・今回ブルネイに行ったメンバーがほとんどじゃが・・・司令ご実家の、お墓参りに行ったのじゃ。で、そのまま実家に我々が押し掛けて、結局泊まったのじゃ」

 

「なんとなく・・・雷ちゃんや、暁ちゃんから"墓参作戦"のことは、聞いたような気がします」

そういえば、すっかり忘れていたのです。

 

「"墓参作戦"ねえ~、まぁ、そんなところじゃ」

利根さんは、そう言いながら、再び売店の女性を見ます。

 

「お母様、この娘は鎮守府の外の世界をほとんど知らない世間知らずじゃ。幸い、お母様はご主人もご子息も軍隊関係者であるからして、機密漏えいには当たらぬかも知れぬ。いや、お母様のことじゃから、きっと大丈夫じゃの。ここは吾輩の顔に免じて、許しては下さらぬか?」

そう言いながら利根さんは、勝手に話を丸め込んでいるようです。時々、私の背中や肩をばしばし叩くので、とても痛いのです。でも、売店の女性も笑っているのです。私は、ずっとわけが分からないのです。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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