「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「左右、ヨシ!」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第45話<新しい指示>
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<<軍用車:出発進行>>
何とかバックで車道に出たのです。霞ちゃんが、続けて指示を出すのです。
「いい?落ち着いてやれば良いから。クラッチを踏みながら、1から2、3と切り替えていくのよ」
「あ、その辺りは何となく分かるのです」
そう言いながら、私はシフトレバーを操作します。
「理屈は分かるのです。でも、頭で思った通りに、車が動いてくれるか?……なのです」
番号を見ながら、ゆっくりと切り替え、ブレーキからアクセルに踏み直します。
ガッガッガッガ
激しく車体を震わせながら、おっかな・ビックリといった感じで、軍用車は前進を始めます。
ガクガク……
「何だか気持ち悪いよ~」
島風ちゃんが、私の背もたれを掴みながら、訴えてきます。
ガクガク……
「そうじゃな~、これはちと、厳しいのう~」
利根さんも、低い声で呟くのです。
「も、申し訳ないのです。直ぐに、運転にも慣れると思うのです」
ふと見ると、お母様が手を振っています。霞ちゃんや利根さんは、手を振っていますが、私は必死で前を見ていて、そんな余裕がないのです。お母様、ゴメンナサイ!また今度、必ずお礼を言いに来ますから……。
ガクガク車体を震わせながら、軍用車は、ようやく路地の十字路までやってきました。私は何とか車を停止させると、座席から乗り出して、左右の安全確認をします。
霞ちゃんをはじめ、乗っている皆さんは、もう諦めムードで、私の酷い運転にも、何も文句を言わないのです。それが、反って申し訳ないのです。
「左右、ヨシ!」
私はアクセルをゆっくりと踏んで車を前進させます。何度か、そういう動作を繰り返しているうちに、少しずつギアの切り替えにも慣れてきて、ちょっとはスムーズに運転出来るようになって来たのです。
「だいぶ良さそうね、一時はどうなることかと思ったわ」
霞ちゃんの言葉に、私もホッとするのです。でも、そのとき利根さんが何か受信していたのです。
<<受信:新しい指示>>
しばらく何かの会話をしていた利根さんでしたが、やがて通信が終わったようなのです。
「電よ、ちょっと待つのじゃ」
「はひ?」
私も、会話は出来るくらいに運転に慣れたのです。
「じゃから、ちょっと路肩に停めるのじゃ」
「は、はい」
利根さんに言われて、私は通りの左側に軍用車を停めました。
利根さんは、私たちに言いました。
「改めて言う。大淀殿から電文じゃ。今日、鎮守府に新しい艦娘が着任。列車で来るので、境港の駅まで迎えに言って欲しいとの事じゃ」
「ええ?それって……」
思わず声を出した私。
「そうじゃ。鎮守府へは向かわないのじゃ。反対……駅に向かうのじゃ」
利根さんは、平然と答えるのです。
「ふうん」
霞ちゃんも、当たり前のように答えるのです。ええ?皆さん、そんな…….
「ええ?定員オーバーじゃない?」
島風ちゃんが、連装砲ちゃんを抱えながら言います。
「大丈夫じゃ。定員はギリギリOKじゃ。聞くと、荷物もほとんど無いそうなのじゃ」
利根さんが説明します。
「フーン、そうなんだ」
島風ちゃんは、納得したようなのです。
でも私は、また冷や汗が出てきたのです。このまま、早く帰ってしまいたいのに、駅まで戻って、しかも、新しい艦娘を乗せるって?命令だから、仕方が無いのですが……ちょっと、葛藤するのです。
不安な私の気持ちを悟ったかのように、利根さんが付け加えます。
「いざとなったら、もし、その新しい艦娘が大型免許を持っていればじゃな、お主の代わりに運転交代させれば良いのじゃ。がっははは」
いや、それは安易過ぎると思うのですけど。はぁ~、仕方が無いのですね。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。