「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「あの駆逐艦、キツいなぁ~、ねえ?」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第48話<少年のような>
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<<境港駅:くれぐれも>>
「そういう時は、これだよ!」
そういうなり秋雲さんは探照灯を構えて、後部座席で寝ている二人の顔面を照らしたのです。
「うわぁ!」
「オウ!」
二人は飛び起きました。連装砲ちゃんたちが、またドスドスと、床に転げ落ちるのです。
「へへ~ん。おはようございます!秋雲さんです!よろしく!」
探照灯を肩に乗せながら、秋雲さんは飛び起きた二人に敬礼をしているのです。もちろん、二人とも狐につままれたような顔をしています。
私たちの後ろにいた霞ちゃんは、何となく怒っているのですが、顔が真っ赤になったと思ったら、まだ頭が痛むのでしょう。両手でこめかみを押さえています。それでも振り絞るように言いました。
「利根……あなたは降りて。私と一緒にバスで戻るわ……」
利根さんは、ちょっとボーっとしていましたが、周りを見回して、状況は理解したようなのです。ゆっくりと下車すると、着任の二人に声をかけました。
「お主ら、名前は?」
「秋雲です!」
「巻雲ですぅ」
応えた二人に比べると利根さんは、やっぱり背が高いのです。そして利根さんは大人なのです。こういう状況になっても落ち着いて答えるのです。
「吾輩は利根じゃ。重巡の……よろしくな」
そう言って、二人と握手しています。
「行くかの。ホラ、バスも着たようじゃ」
利根さんが指差す先に、私が乗ってきた青いバスが到着しているのです。
霞ちゃんが私に言います。
「じゃあ、私たちは行くから、後はヨロシクね。くれぐれも運転は、あなたがするように」
「はい、なのです」
変な日本語でしたが、私はニッコリ微笑んで霞ちゃんに応えました。そのとき、いつもなら無表情の霞ちゃんも、少し微笑んで返してくれたのです。
「少し走るぞ」
利根さんは、バスに向かって”乗るのじゃ~”と叫びながら走ります。霞ちゃんは恥ずかしさと、頭の痛さを感じさせるような姿で、利根さんの後を追っていくのです。私は思わず心の中で、”霞ちゃん頑張れ!”って、応援しちゃいました。
<<境港駅:少年のような>>
「あの駆逐艦、キツいなぁ~、ねえ?」
突然、秋雲さんが私を見て言うのです。
「え~っと……」
私は何も答えられず、笑って誤魔化すのです。
「まいっか。ねえ、すぐ行かないとダメ?ちょっとくらい、その鬼太郎ロード、寄ってから行っちゃダメかなぁ?」
秋雲さんは意外と執念深いのです。私は困ってしまいました。
でも秋雲さん、まだ食い下がってきます。
「別に、じっくり見なくてもさ、その通りをスッ……てな感じでぇ、通りを抜けるだけでも良いからさ」
「良いんじゃない~?」
突然、島風ちゃんがカットインするのです。
「降りなくても良いんでしょ~、スッと通り抜ければ?」
島風ちゃんは、ちょっとダルそうな顔をしながら連装砲ちゃんを抱っこして口添えしてくるのです。
「そ、そうですね……」
私は負けてしまいました。
「じゃあ、通りを抜けて、それから戻ります」
「よし、やったぁ~」
ガッツポーズをする秋雲さん。何というのか……私が言うのも変ですが、まるで少年のように純粋ですね。なんだか、私でも苦笑しちゃうのです。
「ねえねえ、秋雲ぉ~。これ、どーするの?」
巻雲さんが、重そうな荷物を指差していいます。
「あ、載せといてぇ~」
「もお~人使いが荒いんだからぁ」
この二人は仲が良いのか悪いのか、不思議なのです。でも、今までの美保鎮守府には居ないタイプなのです。何となく、島風ちゃんとは相性が良さそうな気もしました。
「じゃ、巻雲は後ろね。私は前」
「……」
有無を言わせない感じです。私はただ、苦笑して見ているだけなのです。
「ねえ、早く行こ、行こ!」
早々と助手席に座った秋雲さんが急かします。
「は、はいなのです」
私はエンジンをかけると、慎重にクラッチをつなぐのです。ゆっくりと軍用車は動き出しました。
「今日は良い天気だなあ~。こういう日は、どこかドライブに行きたいなあ~」
秋雲さんの、その呟きが、後からトンでもない事になろうとは、そのときの私にも、想像も出来なかったのでした。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。