「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「ダイコン島が見えるところまで」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第51話<島が見えるところ>
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<<車内:ダイコン島の話>>
島風ちゃん、意外に博識なのです。私は知らないのです、ダイコン島。
「ダイコン島って?」
秋雲さんが助手席から身を乗り出すようにして島風ちゃんを振り返って聞いているのです。やっぱり秋雲さんって、何にでも好奇心が強そうなのです。
島風ちゃんが答えます。
「ここはさぁ、日本海と中海(なかうみ)に囲まれているんだけど、その中海のほうに浮かんでいる島~。私、演習で中海一周したことがあるから知っているんだ」
そうだったのですか?私は知らなかったのです。
「でも上陸はしていないから知らないよ~。どんな島なのかは」
これは島風ちゃん。
「ふーん」
これは巻雲さんです。
「でもぉ~」
島風ちゃんが続けます。
「中海から見るとさ、山も何にも無いんだよね。まっ平らって感じ」
私は中海では以前、深海棲艦が現れて赤城さんが急降下爆撃をしたことを思い出したのです。何かフッと嫌な予感がしたのです。いえ、深海棲艦じゃなくて……
「ねえ、そこって遠いの?」
秋雲さん、やっぱりそう来ると思ったのです。
「う~んっとねぇ~。海からしか行ったこと無いけど、中海に入ったらすぐに見えたから、ほとんど境港市の隣だよね~」
島風ちゃん、ちょっと気だるそうに言います。
「へぇ、そうなのですか」
でも私は適当に相槌を打って、もう鎮守府へ帰ろうと思っているのですが。
<<ダイコン島:跳ね上げ橋>>
「あ!そういえば、大きな橋があったよね~。あのときぃ確か利根が一緒だったけど、”あれは跳ね上げ橋じゃ、船が通るときに橋と道路が持ち上がって船を通すのじゃ”って言ってたな~。でもさぁ~、私たちみたいな艦娘だと小さいから別にぃ橋が上がるの待たなくても、そのまま橋の下を通り抜けて、終わりだったんだよね~」
し、島風ちゃん、その情報は余計なのですぅ~。
でも遅かったのです。
「跳ね上げ橋?」
秋雲さんの目が、急にキラキラと輝いたように見えるのです。これはマズいのです。秋雲さんの好奇心に火をつけてしまったのです。
「ねえ……」
助手席の秋雲さんが聞いてくるのです。
「だ、ダメです!」
私はシャットアウトしたのです。ここで、強く言わないとトンでもない事になるのです!
「も、もう鎮守府に戻らないと……」
私は反論しました。
でも秋雲さん、やっぱり食い下がってくるのです。
「でもさぁ~、まだ朝だよ~。鎮守府には、昼前でも良いでしょ~」
だ、誰が決めたのですか?そんなこと。
「それに、ここから見えるってことはさぁ、もう直ぐだよね。弓ヶ浜半島って、細長いから東西の横断距離は短いんだよね」
意外に秋雲さん、ここの地理を調べているのです。これは手ごわいのです。(海軍としては当然なのですが)
「で、でも……」
「お願い」
また、秋雲さんが、両手を合わせてくるのです。
「橋、渡らなくても良いからさ、手前まで。ダイコン島が見えるところまで、お願い!」
懇願されると弱いのです。
「そうだねえ~、言うこと聞かないと秋雲、暴れるからねえ~」
ちょ、ちょっと巻雲さん、脅かさないで下さい!
「そうだね~、車なら、ここから10分もかからないね~」
し、島風ちゃんまでぇ~(泣)
「決まり!」
秋雲さんは、勝ち誇ったように宣言するのです。
「ダイコン島をちょっと見てから、鎮守府へ参ります!」
秋雲さん、誰に敬礼しているのですか?
「結局、こうなっちゃうんだよねぇ」
巻き雲さぁん!ちょっとは助けて下さい~。
でも、不安そうな私の心の中を見透かしたように秋雲さんが言うのです。
「電ちゃん大丈夫だよ。怒られる時は秋雲が全部の責任を負うからさ~」
「……」
このまま行くと全員怒られるのは分かるのですが、秋雲さんの潔さには、もう従うしか無いって感じなのです。はわわー。
も、もう知らないのです!
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。