「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「車の運転は得意なんだ~」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第52話<疑念と疾走>
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<<車内:疑念>>
ただ、ちょっと鈍い私でも秋雲さんの行動には、何となく疑問を感じるのです。
そもそも、この秋雲さんは着任予定に入っていなかったのです。そして、なぜか軍人らしからぬ命令違反スレスレの行動を、さっきから何度も煽って来るのも、すごく気になります。
そして美保鎮守府へ行くのも、何となく引き伸ばしているようです。やっぱり、ちょっとおかしいのです。
そう思っていたら、だんだん私の運転が疎かになってきました。軍用車が交差点で停まるたびにガクガクと、車が激しく振動するのです。そのたびに、島風ちゃんが「オウ!」と叫び、連装砲ちゃんたちが、ドスドスと床に落ちるのです。
「ねえ、ねえ」
ここで秋雲さんが、私に話しかけてくるのです。
「ナビしてくれればさぁ~、この秋雲さんが運転しても良いんだよ。こう見えても大型車、運転できっからさぁ」
「え?いいのですか?」
「さっきから、無理ばっかり言っちゃっているからさ。このくらいは、やってあげないとね~。その先の路肩で停まって。換わったげるから」
何か別の考えがあるかも知れないのですが、秋雲さんの判断の速さ、手際のよさには、ちょっと感心するのです。
「秋雲ぉ~、大丈夫~?長旅で、疲れてないの~」
巻雲さんがダブダブの袖でシートを掴みながら、心配しています。
「平気、平気~。こう見えても、徹夜とかには強いんだよ」
振り返りながら答える秋雲さん……徹夜って、夜戦なのですか?何となく、川内さんを連想したのです。
車が停車すると秋雲さんは、すぐに車外へ出て「あ~あ」っと大きく背伸びをしながら私の運転台の方へ回ってくるのです。
<<車内:運転交代>>
「ほら、降りて。代わってあげるから」
秋雲さんの爽やかな笑顔に、私は弱いのです。
「お、お願いします……なのです」
何だか、また変な日本語になってしまいました。ふっと霞ちゃんの”あんた、何勝手に運転を代わっているのよ!”と怒っている怖い顔が浮かんだのです。霞ちゃん、ゴメンナサイ。
「行くよ~。で、どっち~?」
手馴れた感じで、シフトレバーをガチャガチャと切り替える秋雲さん。
私は答えます。
「この正面の交差点を、右に曲がって、あとはずっと、道なりなのです」
「了解だ!行くぜ~」
直ぐに軍用車は、さっきまでのガクガクという動きから、今度は、とてもスムーズに、発進して加速していくのです。そうなのです。これが本来の、軍用車なのです。私はちょっぴり感動しました。
「上手なのですね」
私が褒めると、秋雲さんは得意そうな顔をしていいました。
「へへへ~、照れちゃうけど、車の運転は得意なんだ~」
秋雲さんが居れば、美保鎮守府は、大型車の心配をしなくても良さそうなのです。これを霞ちゃんに伝えたら、きっと喜ぶに違いないのです。
私は勝手に妄想をしていました。車はドンドン加速して、やがて”大根島”という矢印のある看板を通り過ぎました。
「ああ、あの矢印だね?」
それを確認した秋雲さんが言います。
「えっと……」
私が躊躇していると、島風ちゃんが答えます。
「そうだよ~。この先の交差点を右に曲がって、あとは5分もかからないね」
「ふ~ん。なんだ~、ホント直ぐ着いちゃうんだねえ~」
秋雲さんの、その言葉に私はやっぱり、何か引っかかるものを感じるのです。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。