「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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秋雲さんは、気楽な感じで大根島へ渡りたいと言っているのです。でも巻雲さんが、それを止めてくれるのです。


第56話<電ちゃんの涙>

「ごめんなさい、ごめんなさい」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第56話<電ちゃんの涙>

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<<中浦水門:願望>>

 

「あ~あ」

頭の後ろで手を組みながら、秋雲さんが言うのです。

 

「あっち側、渡ってみたかったなあ~……」

やっぱり、そう言い出すと思っていたのです。これは想定内なのです。私は、秋雲さんに負けないように”ダメだし”出来るように、地面に足を踏ん張って、密かに決意を固めているのです。

 

「え~、もういい加減にしなよぉ~秋雲ぉ~」

秋雲さんと並んで中海を見ていた巻雲さんが、やんわりと釘を刺すのです。それを聞いた秋雲さんも笑って返すのです。

 

「えへへ~、そうだよね。あんまりわがまま言うと、電ちゃんにも迷惑ダヨねえ~」

チラッとこちらを見た秋雲さんなのです。わ、分かっていれば良いと思うのです……私はちょっと、さっきの決意が揺るぎました。

 

「そっか~。私は面白かったけどねえ~」

ああ!島風ちゃん、お願いだから~。そういう発言は止めて欲しいのです!ドキドキしながら、もういちど秋雲さんを見たとき、私は彼女がとても寂しそうな顔をしているのに気付いて、軽いショックを受けたのです。

 

これから秋雲さんが、どういうことになるのかは、彼女だって分かっていると思うのです。私も何とかしてあげたいのです。でも、ここは軍隊なのです。私たちは艦娘である以上、そこから逃れることは出来ないのです。

 

<<中浦水門:電ちゃんの涙>>

 

でも秋雲さんは、どうしてこんな思い切った行動に出たのでしょうか?私は買い物ですら……いえ、美保鎮守府から一人で出かけたのも、今回が初めてなのです。

 

秋雲さんは何か、嫌なことでもあったのでしょうか?何か原因があるなら、それを取り除いてあげないと、きっと、同じことを繰り返してしまうのではないでしょうか?

でも、秋雲さんは美保鎮守府への着任ではないのです。きっと、この後で、もともと所属していた鎮守府へと、強制的に戻されると思うのです。

そして、裁判みたいなことを受けて、牢屋に入るのでしょうか?何だか、急に秋雲さんが可哀想になってきたのです。涙が出てくるのです。

 

私が涙をぽろぽろ流し始めたのを見て、連装砲ちゃんたちが近寄ってくるのです。それを見て、島風ちゃんや秋雲さんが、ちょっと驚いているのです。

「あれぇ?どうしたの?電ちゃん」

 

「え?秋雲さん、何か変なこと言ったっけぇ?」

 

「へにゃあ?」

三人が一斉に振り返って、心配してくれるのです。でも、一度流れ始めた涙は、なぜか次から次へと溢れ出してくるのです。もう、止まらないのです。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい」

なぜか、皆に謝ってしまうのです。別に私が泣くことでも無いし、これじゃ逆に皆を心配させてしまって、申し訳ないのです。

でも、泣いちゃダメって思うほどに、よけいに涙が出てくるのです。

 

ああ本当に、ごめんなさい。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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