「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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神通さんが尋問している間、私たちは、ちょっと間が空いてしまったのです。すると、胸が痛くなってきたのです。


第58話<胸の痛み>

「あなた、何か失敗したの?」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第58話<胸の痛み>

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<<逮捕:胸の痛み>>

 

気が付くと、いつの間にか私の涙は止まっていたのです。でも今までに感じたことの無い、胸の痛みを覚えるのです。もちろん、これまでにも戦闘の海で……目の前で、たくさんの仲間が沈んで行ったときにも、そこまでの痛みは感じなかったのです。それなのに今、私が感じているこの胸の痛みは、いったい何なのでしょうか?

 

神通さんは、秋雲さんに何かを聞いています。それを同時に、大淀さんに伝達しているようなのです。特殊な無線なのでしょうか?私たちには、まったく傍受できないのです。もしかしたら、別のところにつないでいるのかもしれません。

ただ、残された私たちは、黙って見ているだけなのです。これは戦闘をしているときよりも、つらい気持ちなのです。

 

ああ、これは……以前、鎮守府の港湾部で、司令のご命令で、敵をわざと逃がしたときの感覚……あの残念というか、無念というのか、そういう感覚に、ちょっと近いかもしれません。

そうなのです。思い出したのです。あの時も指揮官は神通さんでした。

神通さんって、ちょっと難しい作戦のときに限って、私たちと一緒になることが多いような気がします。

 

「ヒマだね~」

島風ちゃんがボソッとつぶやきます。いえ、そう思っているのは島風ちゃんだけではなく、第六駆逐隊のメンバーも同じようなのです。まだちょっと時間が掛かりそうな感じなのです。

 

<<第六駆逐隊:指摘>>

 

すると、雷ちゃんが近寄ってくるのです。構えていた銃は、もう下げているのです。

「あなた、何か失敗したの?」

 

「いえ、別に……」

すると、今度は暁ちゃんも近寄って来ました。

 

「あなた、大淀さんからは特に、お咎めなかったみたいだけど、ちょっとでも”おかしい”と感じたら、すぐに司令部に報告すべきだったわね」

 

「そ、そうなのです。言われて見ればそうなのです」

ちょっと厳しい指摘ですが、やっぱりこのメンバーに言われると、すんなり受け入れられるから不思議なのです。

だから、直ぐに私も反論してみたくなりました。

「で、でも、秋雲さんは、悪い人ではないのです。だから私も、全然おかしいとは思わなかったのです」

 

「……」

暁ちゃんは、黙ってしまったのです。ちょっと気まずい雰囲気になったのです。あわわ……と思っていたら、それまで黙っていた響ちゃんが、神通さんと秋雲さんのやり取りを見つめながら言うのです。

 

「分かるよ、電の気持ち。でも、軍隊って言うのは結果がすべてなんだ。だからまずは、すべてを疑って掛かることも必要だ……」

私は苦笑しました。響ちゃんらしい答えなのです。島風ちゃんとはまた違った、冷静な考え方なのです。

 

私は駆逐隊の皆と会話をしてちょっと気持ちが落ち着いたのです。でも急に一人、ポツンと取り残されたような巻雲さんが心配になったのです。だから私は、ちょっと皆を離れて巻雲さんに近寄りました。

 

「あの……」

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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