「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒>   作:しろっこ

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しばらく泣いていた巻雲さんの涙がおさまったとき、私は決断をしたのです。


第60話<涙を拭って>

「秋雲さんの分まで、今日は愉しむのです!」

 

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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)

 第60話<涙を拭って>

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<<巻雲さん:涙を拭って>>

 

しばらく私の胸で泣いていた巻雲さんなのですが、やがておさまってきたようなのです。島風ちゃんは、とても退屈しているようなのですが、特に何も言わずに、あっちを向いて地面を蹴ったりして巻雲さんがおさまるのを待っているようなのです。

 

……ありがとう島風ちゃん。

 

私がそう思ったとき、巻雲さんもそれに呼応するように言いました。

「ありがとう電ちゃん~。私、とても寂しくて、つらくて……こんな田舎に来るのも初めてで……」

 

「うん、分かるのです。でも大丈夫なのです。ここでは、みんな優しいのです」

私が言うと、巻雲さんも、少しずつ応えるのです。

 

「そうだね……何となく分かる。田舎って、鎮守府も街も景色も……みんな優しいよね」

そう言いながら長い袖で涙を拭った巻雲さんは、とても明るい表情になっていました。それを見て私も安心したのです。そんな巻雲さんの姿を見ていたら、何だか私まで嬉し涙が出そうになりました。

 

「ねえ、ねえ~」

頭の後ろで手を組んだ島風ちゃんが聞いてきます。

 

「神通ってさ、休暇としか言わなかった?他に何か言ってたんじゃない?」

 

「え~っと……」

その言葉で、私は思い出したのです。

 

「そういえば、電波が届けば車は直ぐに返さなくても良いって……」

それを聞いた島風ちゃんは、急に悪戯っぽく笑うのです。

 

「それってさぁ~、堂々とドライブしても良いってことじゃない?」

 

「あ……」

そういえばそうなのです。なぜ、わざわざ”返さなくても良い”って大淀さんは付け加えたのか?良く考えたら分かることなのです。

ああ!もし私一人だったら、そのまま帰っていたのです。

 

<<電ちゃんの決断:大団円>>

 

でもここで、ふと疑問が湧いたのです。なぜ島風ちゃんは、休暇以外の命令があることに気付いたのでしょうか?神通さんとのやり取りを聞いていたのでしょうか?

 

「むふふ~」

私の思いを悟ったように、島風ちゃんが笑います。

 

「ごめんね~。実は私ってさ~特殊な無線機持っているんだ。私ってホラ足が速いでしょ?だからたまに特殊任務でさ、皆と違う周波数のやつ使うんだ。さっきさ~、神通と大淀と中国地方統括なんだか……って言うところと話してたの聞いちゃってたんだ~」

 

「はわわ~」

島風ちゃんが、どこか覚めているように見えるのは、こういう情報に普段から接していることもあるのかもしれません。やっぱり、私よりも大人なのですね。

 

「で、これからどうする~」

改めて島風ちゃんが聞いてくるのです。

 

「良いよ~もう帰っても。判断は”隊長”に任せるから」

あわわ~私が、ここの指揮官になるのですか?でも私はジッとこちらを見ている巻雲さんを見ていて、ちょっと考えが変わったのです。そして言いました。

 

「みんなで、あの橋を渡るのです」

 

「へにゃ?」

ああ、この反応は、元気ないつもの巻雲さんなのです。

 

「ふーん、大根島、渡るんだ」

島風ちゃんは相変わらずのポーカーフェイスなのです。でも、ちょっぴり頬が赤くなって嬉しそうにも見えるのです。

 

私の言葉に、今度は巻雲さんがギョッとしているのです。

「へ、へにゃ?」

 

慌ててズレたメガネを直している巻雲さんに、私は微笑んで言いました。

「秋雲さんの分まで、今日は愉しむのです!」

 

そう、今日はもうドライブするのです。あの橋を渡って、嫌なことは全部忘れるのです!

 

「さあ皆、乗っちゃって~。ドライブだよ~」

島風ちゃんが、連装砲ちゃんたちを呼び集めています。

 

大根島は平らなので無線は大丈夫だと思うのですが、その先まで行ってしまったら、島根半島の山間部に入りますね。そうなると私の無線機では入らないかも知れません。

 

でも私の無線よりも、島風ちゃんの無線のほうが遠くまで届きそうですし、もし届かなくなっても、多分……何とかなるのです!

 

「出発するのです!」

皆を乗せた軍用車のアクセルを踏み込んで、私たちは中浦水門へと向かったのです。日の光を反射した中海が、キラキラと輝いていたのです。

 

(第4部 完結)

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。
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