「艦娘グラフティ」(第4部)<電チャンと一緒> 作:しろっこ
「吾輩は、ただ単に戦うばかりではないぞ」
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「艦娘グラフティ」(みほちん第4部)
第8話<夕立たちの武勇伝>
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<<思い出話:岸壁の戦い>>
「なあ電よ。ちょっと前に島風が境水道から岸壁に艦砲射撃したことを覚えて居るか?」
「はい・・・確か敵の地上部隊が上陸した戦いですよね。島風さんが、美保湾から境水道大橋をくぐって、すぐだったよ~って、聞いたのです」
「おお、そうじゃった。あの時は比叡も出たし、大淀さんも出撃した、それなりに大きな戦いじゃったが。恐らくこの辺りから境水道へ出れば、その岸壁なのじゃ。ちょっと吾輩と一緒に行って見ぬか?」
なぜか利根さんは、急に優しい声になったのです。
「そうですねえ・・・」
私は考えました。この時は利根さんも、なぜか固唾を飲んで私の答えを待っているような感じだったのです。
私は、少しだけ間を置いてから答えました。
「良いですよ、行って見るのです」
「おお~、かたじけないのう~」
強気に見える利根さんが、なぜか妙に喜んでいるのです。あれ?ひょっとして利根さんって、単独行動が苦手なのでしょうか?何となく、このときの利根さんは普段とは違った印象があったのです。なんだか利根さんって、ときどき可愛いのです。私の答えに満足したのか、こんなことを言ってくれたのです。
「岸壁を見てから、お昼にするのじゃ」
「は、はい!」
その言葉は、とっても嬉しかったのです。
<<水木ロード:アーケード>>
私たちは水木ロードを直進して、天井のあるアーケードに入りました。あれ?確かこのアーケードって夕立さんが"トンネル"って呼んでいましたね。確か地上戦のとき司令たちが敵機から逃げ込んだ場所です。
「なんじゃ、お主も夕立の武勇伝を思い出して居ったか?」
「は、はい」
どうやら利根さんも、私と同じ事を連想していたようです。
「防空壕としてはイマイチじゃが、一時的に退避するには適当なものじゃな」
利根さんは"そうか~、ここじゃったのか~"と呟きながらも、感心して見上げています。
「夕立の武勇伝も、むやみに盛っていた訳では無さそうじゃな。フム・・・」
こういう戦闘関係の内容には利根さん、関心が高そうなのです。そこからは急に人が変わったようになってアーケードの広さや高さ、裏路地の数などを確認しているのです。
「この辺りから、司令と寛代が路地を通って海へと逃げたのじゃな・・・」
私がちょっとボーっとしていたら「おい、電!こっちへ行くぞ」と呼ばれたのです。
「はい!」
私は慌てて利根さんの後を追いかけました。利根さんは相変わらず夕立さんや寛代ちゃんの記憶を手繰りながら、その路程をなぞっているのです。
「この路地の真ん中辺りで司令と寛代が敵と対峙したのじゃな・・・」
私は迷惑かなあ?と思いながらも、感心して口を挟んでしまいました。
「利根さん細かいところまで、よく覚えているのです。スゴイのです」
「当ったり前じゃ。吾輩は、ただ単に戦うばかりではないぞ。過去の戦闘や作戦の記録ファイルはいつも、きちんと目を通してインプットしておる」
「ほわわわ~」
私は利根さんを見直したのです。まるで青葉さんのようなのです。
「おお!そうか・・・」
また、何かを思い出したような利根さんです。
「ほら、あそこに見える神社。あそこに敵が逃げ込んだのじゃ」
「ほえ?」
なんだか利根さんは矢継ぎ早に、夕立さんたちの武勇伝を思い出しているのです。
私たちは、その神社まで近づきました。
「ほう・・・意外と小さいの。ここが司令と日向が敵と対峙したところじゃな」
「そうでしたか?」
「確か、そのはずじゃ。ちょっと境内に入ってみるか?」
「はい」
応えながら私は感心していたのです。やっぱり重巡になると、作戦への意識が違うんですね~。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。
「みほちん第4部」=「みほちんシリーズ4」です。