第10話
「というわけでッ!!織斑君クラス代表決定おめでとう~」
「おめでとう~」
夕食後の自由時間の食堂。1組は全員揃い皆飲み物を片手に盛り上がっている…
「いやーこれでクラス対抗戦も盛り上がるねえ~」
「ほんとほんと」
「私としては龍也様が代表でも良かったわね~」
「ほんとほんと」
俺もほんとは龍也が良かったよ、龍也強いからな…そしてその龍也はと言うと
「…強いんだね。龍也君は」
「見てたのか?エリス」
「うん、ちょっと興味があったから」
見たことの無い女生徒と談笑していた…綺麗な銀髪の少女だった…2人から離れたところでは高町さんとハラオウンさんが
「龍也を1人にしちゃいけないって判ったのに…」
「どこで、フラグ建てたんだろう?もっと警戒してないといけなかったのに…」
親の敵を見るような目で、その女子を見ていた…
「楽しそうだな、一夏」
「箒、ほんとにそう思うか?」
「ふん」
不機嫌そうに鼻を鳴らす箒、何でかしらんが不機嫌なようだ…俺がどうしようかと考えていると
「はいはーい!!私新聞部2年の黛薫子。宜しくねこれ名刺」
俺と龍也に名刺を渡した黛先輩は
「では早速、代表になった織斑君。代表になった感想は!」
ボイスレコーダを向けながら、期待に瞳を光らせながら尋ねてくる黛先輩に
「えーと…まぁなんと言うか頑張りますよ」
なんといえば良いか判らずそう答えると黛先輩は
「えーもっと良いコメントちょうだいよ~俺に触れると火傷するぜみたいな」
なんだそりゃ、えらい前時代的だな…
「まぁ良いや。適当に捏造して書いとくね。じゃあ次は八神君ッ!!如何して代表を辞退したの?」
俺も気になっていた事を尋ねてくれる黛先輩、さて龍也はなんて答えるかな?俺も期待しながら聞いていると
「面倒くさいからだ、それにやっても勝つ勝負というのは好きじゃない。それが理由だな」
やっても勝つ勝負か…そりゃそうだ、今龍也に勝てる1年なんて存在し無いだろうな…何回か素手での組み手もしたが勝てる気がしない…はっきり言って龍也は強すぎるしな…まぁ納得だな
「うーん、確かにね~あの試合見たけど…私もそう思うな~八神君強いもんね。じゃあ次はセシリアちゃんね?」
「私、こういうコメントはあまり好きでは無いですが、しょうがないですね…お答えしますわ」
嘘付け、髪とかめちゃくちゃ気合入ってるじゃないか、俺はそう思ったが口にはしなかった…言えばきっと怒るからだ
「では、どうして私は辞退したかというと…「ああ、長そうだから良いや写真だけ撮らせて」
うわ…自分できいといてそれは無いだろう、セシリアもそう思ったのか少し怒った様子で
「さ、最後まで聞きなさいッ!!」
「いいよ、適当に捏造するから…よし織斑君に惚れた事にしよう」
「なっ…なっ…ななっ!!」
顔を真っ赤にしながら後退するセシリアに
「ほう、そうなのか…知らなかった」
龍也が真面目な表情で言う、ああ…セシリアに味方が居ないな…良し!ここは日頃の感謝の意味を込めて援護射撃だ
「何を馬鹿な事を」
よし、これでこの話はうやむやになるぞ、ナイス俺。自分で自分を褒めてると
「何を持って馬鹿としているのですか!」
えっ嘘。何で俺が怒られてるの!?つか目が凄い怖いんですけどッ!!
「はは、地雷を踏んだようだな?」
「笑ってないで助けろよッ!!!」
笑っている龍也に怒鳴ると
「はいはい、とりあえず並んでね。写真撮るから」
「えっ!?」
意外そうなでも貴職で弾んだ声色のセシリアに
「そりゃ、注目の専用機持ちだし。ツーショット撮らないと。えーと…セシリアちゃんと織斑君、んで八神君は1人の方が映えるからシングルで撮らせてね…あっ勿論、なのはちゃんとフェイトちゃんも写真撮らせてね?」
写真の順番を楽しそうに言う黛先輩にセシリアが
「撮った写真は頂けますよね?」
「そりゃもちろん」
「では着替えて…」
「時間掛かるから駄目、はいさっさと並ぶ」
強引に俺とセシリアを握手させた黛先輩は
「それじゃあ、撮るよー。35×51÷24は~?」
「えっと…2…?」
「ぶー、74.375でした~」
なんだそりゃ、俺がそんな事を考えてる内にシャッターが切れた…っておい…
「何で全員入ってるんだよ?」
恐るべき行動力で龍也達を除く全1組メンバーが俺とセシリアの周りに集結していた…
「はは、私も動くべきだったかな?」
からからと笑う龍也に
「んじゃ次は八神君ね、笑顔で宜しく」
「はいはい」
次に龍也の写真では誰も動かなかった。やっぱり皆龍也は1人の方が映えると思ってるんだな
「はい、ありがとう。んじゃねー」
ぱたぱたと戻って行く黛先輩…元気な人だな…ともあれこの「織斑一夏クラス代表就任パーティー」は10時過ぎまで続いた…恐るべし10台女子の行動力…俺はへとへとになりながら自室へと戻った…
「龍也、聞いた?なんか転入生が来るんだって」
パーティーの翌日、フェイトにそう言われ。私は鈴とシェンの事を思い出し
「ああ、知ってる。というか会ったな」
パーティーの前にあったなというとフェイトは
「…ああ…またフラグ建ててる…」
絶望しているフェイトを見ながら、なのはに
「フラグ?…旗の事か?」
「あはは…気にしなくて良いですよ?龍也さん」
…時々なのは達が何を言っているのか判らない時があるなと思っていると、一夏の方でも同じ様な話がされていた
「どんなやつなのかな?」
「む…気になるのか?」
「ん?…ああ、少しはな…龍也はどう思うよ?」
箒の反応に困ったのか私に助けを求めてくるが…
「龍也、あんまり1人で出歩いちゃだめ。判った?」
「約束してください、昨日の子とあんまり話さないと…」
私の方も困っているので助ける事は不可能だ、諦めろ…と思っていたのだが…一夏はあろうことか、箒とセシリアを連れたまま私のほうに来た…私を巻き込む気か!?なのはとフェイトで手一杯なのに!?だが、一夏の話の内容は私の予想したものと違っていた…
「なんか来月にクラス対抗戦って言うのがあるらしいんだが…どうだ?龍也から見て俺に勝機はあると思うか?」
「ふむ…即答は出来ないが…専用機持ちが確か…2組に1人と4組に1人の筈だから…ある程度は有利性があるんじゃないのか?」
集めた情報によると今のところ、1年全体で専用機持ちは私達含め全部で7人。各代表で5人、その内2人は専用機持ちだが、お互いにお互いを潰しあう可能性もある、それに一夏の近接技能なら、今から鍛えれば良い線を行く筈…私がそんな事を考えながら返事をすると
「その情報…古いよ」
「うん、ちょっと古いよ、龍也君?正しくは9人だよ」
教室の入り口から聞こえてくる声…そちらの方を見ると、昨日知り合った、鈴とシェンが居た。鈴は一夏をロックオンし、シェンは楽しげに私に向かって手を振っていた
「鈴…?お前、鈴か?」
「ふふ、久しぶりね一夏?元気してた?」
鈴が俯きながら一夏に尋ねると
「おう、俺はいつも通りだ…けど…?鈴…?なぜ?漆黒の目で俺を見るのでしょう?」
一夏の声が段々小さくなる…顔を上げた鈴の目からはハイライトが消え、漆黒の瘴気を放ち始めていたから
「…昨日…あたしIS学園に来たんだけど…女の子と仲良くしてたよね?…あたしと約束しなかった?「女の子とあんまり仲良くしないって?」
漆黒の瘴気を撒き散らし始める鈴…これは間違いなく「魔王」の眷属だ。実に見慣れた漆黒の瘴気だ…はやてと比べるとその濃度は低いが。
「「「………」」」
クラスメイトを沈黙させるには充分すぎる濃度だ、皆が沈黙してるなか鈴がゆっくりと一夏に近付いていく
「ふふふ…ふふふふ…?一夏?少しお話しない?」
「嫌だぞ!俺は悪くない!!殴られる理由も!関節技をかけられる理由も無いぞ!!」
「…あるのよ、一夏はあたしだけを見ないといけない…!?」
鈴が何かに気付き横に飛び退く。それと同時に放たれる鋭い突き…それを放った人物は鈴と一夏の間に立ち
「一夏に近寄るな!化け猫!!」
我らがブラコン教師。織斑先生がそう言うと、鈴は
「出たわね、ブラコン…色々言いたいことがあったのよ…」
不機嫌そうに織斑先生を見て
「なんでシェンが1組で!あたしが2組なのよ!普通逆じゃない!?」
シェンを指差し鈴が叫ぶと、シェンは
「えー…私を引き合いに出さないでよ」
「…って言うか、何時のまにここに?」
さも当然という感じで私の席に近くに来ているシェンに尋ねると
「いや、龍也君さ、鈴のオーラ平気そうだし。こっちの方が安全かな~って思ってさ」
からからと笑うシェン…なんか、スバルとかウェンディに似てる気がする…
「貴様を一夏の傍に置く気は無い!山田先生も最初はそうするつもりだったらしいが、私が猛反対した!」
「職権乱用!性悪ブラコン女!!」
「黙れ!化け猫!貴様に一夏は渡さん!!」
「渡してくれなくて良いわよ!奪い取るから!!」
激しい言いあいをする織斑先生と鈴…そしてその後ろでは
「…もうSHRの時間なんですけど…何時まで続くんですか?この言いあいは…?」
山田先生は悲しげにそんな事を呟いていた…ご愁傷様です山田先生…私は沈黙している一夏に
「あの2人を止めろ」
「うえ!?お、俺がッ!?」
目に見えてうろたえる一夏に
「お前にしか出来ない仕事だ!頑張れッ!」
「…判ったよ、頑張るよ」
一夏は嫌々と言う感じで、魔王2人の元に行き
「えーとさ?もうSHRの時間だからさ、言いあいは止めた方が良くないかな?後で話はちゃんときくし」
「一夏。お前は私の味方だよな?」
「一夏、ちゃんと言いなさい。姉さんを恋愛対象にみないと」
言いあいを止めるように言ったのに。何故か話の方向がそれている…
「俺の話は微塵も聞いてないな!2人とも!」
一夏の鋭い突っ込みが今日も冴え渡っていた…結局のところ、一夏の提案は受け入れられた。これにより言いあいは終結したが…
「…一夏、今のは誰だ?知り合いか?偉く親しそうだったが?」
「い、一夏さん!?あの子とはどういう関係で…」
一夏は瘴気が消えたことで、動けるようになった女子に囲まれ質問の集中砲火を受けていたが…
バシンバシンバシンバシンッ!!!!!!
何時もより2割増しの打撃音と共に
「席につけ、馬鹿ども!よりによってあの化け猫が来るとは…」
不機嫌そうに席につけと促す織斑先生…ただ打撃音が強かったのは。八つ当たりでしょうか?
「さてと、転入生。自己紹介をしろ」
「え…ああ!はい!呂 神麗(ルゥ・シェンリー)です!シェンって呼んでくれれば良いです。一応、中国の代表候補生です、よろしくお願いします!!」
急に話を振られたシェンは、多少困惑した素振りを見せたがすぐに笑顔で自己紹介をした
「それでは授業を始める、教科書18Pを開け」
そして、今日もまた1日、ISの訓練と学習が始まる
第11話に続く
ヤンデレVSヤンデレ、これがやりたかったのですよ、私の小説の代名詞みたいなイベントですので(笑)それでは最後に「呂 神麗(ルゥ・シェンリー)」さんの設定を書いて終わりたいと思います
呂 神麗(ルゥ・シェンリー)
根が真っ直ぐで感情が顔に出やすいという、良くも悪くも純粋な性格。人から見下されたり、人から見下したりするのが嫌いで、友情を重んじ、運動が好き。頭の方は、お世辞にもいいとは言えないが、しかしながら鈴や千冬さん、なのはなどの常軌を逸した行動に対しておかしいと思うような常識人。ある意味、IS学園における一夏たち男性陣の清涼剤(女子)となれる貴重な人材。ただし、細かいところを気にしない一面があるため、少々女性らしさに欠けるところがある。もともとは黒髪だが、格好をつけたいがために金髪に染めている。髪は肩ほどまでの長さで、染めているにもかかわらずなぜか髪質は柔らか。普段はすまし顔だが、すぐに感情が表に出る。目は黒で、顔立ちは整っている。笑顔がよく似合っており、どっちかといえば可愛い系。