IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は一夏と箒とかのヒロイン達がメインになる話にして行こうと思います。重要な分岐点に立ち弱る一夏とそれを見ていられないヒロインと言う感じの構成で進めていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第111話

 

第111話

 

IS学園に帰ってきてから初めてのネクロとの戦闘。あれから2日経ったのだが、あれから一夏の様子が何処かおかしい、がむしゃらに素振りをしていたり、オーバーワークとしか思えないトレーニングをしていた。それはまるで迷いを断ち切ろうとして足掻いているように見えた、私や鈴が相談に乗ると言っても

 

『悪い。暫くは1人にしてくれ』

 

と言って私の話も鈴の話も、そして千冬さんやマドカの話さえ聞く気配がない。

 

「一夏はどうしちゃったんだろうね」

 

「判らない。鈴は何かしらないのか?」

 

あの時一緒にいたヴィクトリアやマドカ。そして鈴にも話を聞いた。

 

「何回も聞かないでよ。あたしのネクロが出てきて、一夏が暴走した。それで一夏が暴走しているときとあたし達のネクロは知り合い、これしか分からないわよ」

 

不機嫌そうに言う鈴。何回も同じ話をさせられれば不機嫌になるのは当然だが、今の私達には何回も聞いた話でさえも聞き返し、僅かながらでも情報を得るしかないのだ

 

「……そもそもなのですが、ISの暴走。それは本当なのですか?鈴さんの話を聞く限り。別の存在が憑依しているという可能性のほう高いのでは?」

 

セシリアの言葉に何を馬鹿な。と言う物はいない、魔法にネクロと言う超常を知った以上その可能性は私達だって考えた……だけど

その確信がない。知ってそうななのはさんやはやてさんにも聞いて見たが

 

「専門じゃないって言ってたよね?そう言うのは」

 

魔導師であっても得意な者とそうじゃない物があると言っていた。なのはさん達は攻撃にこそ特化しているが、そう言う存在については詳しくない。消去法で導き出されるのは

 

「龍也しかいない」

 

私と同じ結論に至ったラウラがそう呟く。私達だけで集まっていてもこれ以上の進展はない、龍也に話を聞くのが1番早いが……問題は別にある

 

「あの八神龍也がそう簡単に答えてくれると思うのか?肉親である姉さんと私が聞いても答えてくれないのに?」

 

マドカの言葉にうっと呻く。事実千冬さんとマドカが聞いているらしいが返事は

 

「私が何でもかんでも知っていると思うなよ?で終わりだぞ?あの態度は絶対何かを知っているに違いないのに」

 

「力づくじゃ絶対無理だし」

 

「自白剤とかも駄目だろうな。確実に気付かれる」

 

何とかして龍也に話を聞きだす方法を考えているラウラ達を横目に立ち上がる

 

「箒?何か良いアイデアでも浮かんだの?」

 

シャルロットの言葉に首を振り。私は

 

「直接直談判する。何を言われても引き下がらないでな」

 

あーだこーだと変化球で攻めるよりも、直球で聞いたほうが早いというと

 

「それは無理と言う事は私と姉さんで分かっているだろう?」

 

「時間の無駄になるかもしれませんわよ?」

 

マドカとセシリアの言うこともわかる。だけど

 

「こうして話している間も一夏は悩んで自分を痛め続けている。私は……そんな一夏をほっておけない」

 

限りなく可能性が0だとしても、行動せずにはいられない。私は少しでも一夏の力になりたいのだからと言って私は龍也がいるであろう、地下のISの整備室へと足を向けたのだった。残されたセシリア達は

 

「直ぐに帰ってくることになりそうですわね」

 

「私も何度聞いたことか」

 

諦めムードのセシリアとマドカだったが、鈴は違っていた

 

「はは……あーむかつく。全部箒の言ってる事が正しいわ」

 

ギラリとした強い意志の光を瞳に宿した鈴はばっと飛び起き

 

「何時間でも粘ってやろうじゃない。あたしも行くわよ」

 

即行動と言う感じで走って箒の後を追いかけていく鈴。そしてそれに続くようにシャルロットが出て行く、そして最終的には全員が地下のISの整備室へと走り出すのだった……

 

 

 

その頃地下の整備室ではと言うと

 

「龍也さんは何かを知ってるんじゃないの?」

 

「何か?ふむ……色々を知っているがね?何の事を聞かれているのか分からないな?何の話だ?」

 

楯無の言葉にそう尋ね返すとむーっと唸り始める楯無。その隣に居るユウリは

 

「意地が悪いな、何を聞かれているのか知っているだろうに?」

 

責める様な視線のユウリに私は本当に判らないと呟きながら、肩を竦め

 

「さて、どうかな?私はただ特殊な力があるだけの人間に過ぎないよ。語る事が出来るのは知っているだけの言葉。知らないものは知らない」

 

紅茶を啜りながらメンテ中のISの状態を調べる。この世界で行動するために作った擬似ISはすでにその役目を終えているので、解体しても良いか。騎士甲冑を使ったほうが早いしな。あとはクラナガンで複製したISのパーツをこっちに転送するかと考えていると

 

「一夏君の暴走の理由を教えて!知る権利があるはずよ!」

 

机をバンっと叩き怒鳴る楯無に私は眉を顰め

 

「淑女としての嗜みが足りんな。感情に身を任せるのは愚の骨頂だぞ」

 

「そう言う話をしてるんじゃないの!一夏君の最近の状態を知ってるでしょ!あのままじゃ倒れるわよ!」

 

睡眠時間は平均1時間弱。朝早くから夜の遅くまでの訓練。確かにいつかは倒れるだろうな

 

「知っているよ。今の一夏の状態は、だがそれは私の関与する問題ではないし、誰であっても今の一夏の状態は理解できないだろうよ」

 

遠まわしに話すだけ無駄だと言うと、更に怒った表情をする楯無。年下の怒気くらいはなんともないがね

 

「理解できない?一夏自身の問題と言う事か?ISの暴走は?」

 

ISを徹底的に分析しその原因がISではない事を突き止めたユウリの言葉に私は

 

「当たらずとも遠からずといった所だよ」

 

さてと、はやて達がISのスペアパーツを取って戻ってくるまで後2時間ほどか。1度IS学園の周囲の結界でも強化するかな

 

「そうやってはぐらかして楽しい?」

 

「楽しいと思えるか?」

 

逆に尋ね返されると楯無は黙り込み、机の上のクッキーに手を伸ばす。若くても裏を知る人間らしい対応だ

 

「話す気はあるのかしら?」

 

「話すのは私ではない、一夏だ。故に私に詰め寄っても時間の無駄だ」

 

今の自分の状態を1番理解しているのは一夏自身以外ありえない。そして

 

「仮に自分の状態を他人から聞かされて1番ショックなのは誰だ?知っているだろうから私に聞く、その発想から間違いなのだよ」

 

整備室をこっそりと覗いている者達の視線を感じながら、カップを机の上に置き

 

「本当に助けたいとおもうのなら行動すべきだ。私は常にそうしてきた、拒絶されようが攻撃されようがね」

 

その言葉の後。複数の走る足音が聞こえてくる、それを聞いていた楯無が

 

「回りくどい事好きなのね?箒ちゃん達が聞いてたの知ってたんだよ?」

 

そう言われれば知っていたと言わざるを得ないな。と苦笑しながら

 

「時と場合による。この場合は誰が一夏の心に入り込めるか?それが重要なのだよ。その面では楯無はとても優秀だ、私の思い描いていた通りに動いてくれた。ご褒美にケーキをやろう」

 

机の上にショートケーキを置くと楯無は難しい顔をしながら

 

「まんまと利用されたわけ?」

 

「そうなるな。この男の言動は人を動かすように出来ている、もっとも性質の悪い人間だ」

 

私をまるで人を操って楽しんでいると言いたげなユウリに

 

「酷い言われようだ。すべてが丸く収まるように考えているだけだよ」

 

「「性格が悪い」」

 

ユウリと楯無に揃って言われ私は肩を竦めながらすまんと呟くのだった……私って自覚ないが性格悪いのか?今まで言われた事の無い言葉に真剣に悩むのだった……

 

 

 

IS学園の外れでぼんやりと空を見上げていると、自然と睡魔が襲ってくる。それも当然か、ここ最近禄に寝てないのだから……一瞬目を閉じかけて。慌てて開く、眠ればオレが来る。俺と変われとその手を伸ばしてくる。

 

「もう少し素振りするか」

 

ここ2日で軽く1000回は振っているだろう。それでも俺の手は綺麗なままだ、迷いが合ったとしてもクラナガンで教わった剣の振り方は何一つ変わってないのかと苦笑しながら、振りかぶり素振りを繰り返す。自分がどうなってしまうのか?と言う不安がどうしても消えない、分かるのだ。俺の中でオレの存在が大きくなってるのを油断すれば、俺が呑まれて消えてしまうような嫌な予感がどうしても消えない。恐怖を振り払うように素振りを繰り返していると、誰かが走ってくる気配がして振り返ると

 

「見つけたわよ!馬鹿一夏ーッ!!!」

 

見えたのはスニーカーの底と風に揺れるツインテールだった、避けようとか思う間もなく

 

「げふうっ!!!」

 

飛び蹴りが腹に命中しごろごろと転がる。鈴は俺の前に着地し

 

「おうこらへタレ。悩みがあるなら聞いてやるわよ、だから逃げんな」

 

うわお……まじギレしてる。口調が違うことが俺の危機感を煽る。だけどこればっかりは鈴や箒に相談できるないようじゃない、なんとかして巻こうと思い立ち上がって見ると

 

(うげえ!?鈴だけじゃない!?)

 

遠くのほうから走ってきているセシリアや箒の姿が見える。いかん、1人ならまだしもあの人数から逃げるのは厳しい、俺はマジギレしている鈴が伸ばしてきた拳を回避し、そのまま脱兎のように逃げ出したのだった

 

「待てって言ってるでしょ!止まれ!馬鹿一夏ッ!!!」

 

「その前にお前が止まれ!その手にしてるクナイは何だ!?」

 

「痺れ薬だから大丈夫よ!止まれ!止まらないと投げるわよ!!!」

 

止まらないと投げるといっているが既に投擲されているクナイを飛びのいて回避すると

 

「オーライ」

 

「角度よし、捕獲ネットの射出シークエンスに入る」

 

(シャルううう!?)

 

ISを展開し捕獲体制のシャルと捕獲ネットを打ち出そうとしているラウラ。俺は放たれたネットに木刀を搦め態勢を立て直しそのまま走り出した。静かに考え事をしたいと思っていたのにどうしてこんなことに!?

 

「3秒だけ猶予をやる、止まれ一夏。スタンショットを私が撃つ前に」

 

「お前らが止まれ!一夏止まるな!撃たれるぞ!!!」

 

「一夏さーん!逃げて!逃げてください!!」

 

箒とセシリアの逃げろという言葉に、僅かながらだが安堵し俺は全力で走り出したのだった

 

「ちくしょう!こうなるって判ってたぜ!こんちくしょう!!!」

 

ISを持ち出していたシャルとラウラに続き、鈴とマドカまでISを持ち出した。俺が捕獲されるのは時間の問題だったのだ。完全に包囲され絶叫していると

 

「うん。漸く一夏らしくなったわね」

 

「うんそうだね」

 

はっ?俺らしくってどういうことだ?俺が首を傾げているとISを解除した鈴がずかずかと歩いてきて

 

「ふん!」

 

振りかぶってビンタを叩き込んできた。更に

 

「じゃあこれは僕の分ってことで」

 

「ふぐおう!?」

 

鋭い踏み込みからの肘うちに身体がくの字に折れると

 

「こういう時は思い切りが大事だと聞いた」

 

マドカが回し蹴りで俺の頭を打ちぬき

 

「すまんな」

 

ラウラが謝りながら俺の頭に肘を叩き込んだ。見事なまでの連携攻撃を前に俺が倒れこんでいると

 

「一夏。こんな事になってしまったことは謝る。だがお前が悪いんだぞ?私達が心配しているのに何もかも自分で背負い込んで……自分を追い詰めるような修練をしてなんになる?」

 

「そうですわよ。一夏さん、自分ひとりで悩みを抱え込まないでください」

 

箒とセシリアの言葉に俺はばっと飛び起き鈴達を見ると、箒やセシリアのように優しい眼差しをしていた。さっきの攻撃は俺の馬鹿さ加減に対する仕置きと言う事だったのかと肩を落としながら

 

「あー俺って凄い馬鹿なのか?」

 

「「「「馬鹿だ」」」」

 

声を揃えて言われて少しへこんだが、俺自身も馬鹿だと思うから仕方ない。俺は痛む身体を我慢して姿勢を正して

 

「悪い。今俺が悩んでいる事を聞いてくれるか?」

 

もちろんと頷く箒達。俺はまたなんて馬鹿な事をしたんだろうなと小さく呟いた。俺の為にここまでして相談に乗ってくれようとしている箒達から逃げて何をしていたんだと思いながら、俺はぽつぽつと喋り始めたのだった……

 

 

全てを話し終えた一夏は箒達の見ている前で糸の切れた人形のように倒れこみ、寝息を立て始めた。最初は驚いた箒達だったが仕方ないと言いたげに苦笑し、寝ている一夏の周りに座り込み

 

「暴走じゃなくて違う世界の自分が一夏の中に居るかあ……なんともとんでもない話になったわね」

 

一夏の話の内容は、自分の中に違う世界の自分。ベール達と同じ世界の自分がいて、それが自分の身体を乗っ取ろうとしているとの事だった。その話を聞いた箒達は驚きはしたが一夏を励ました。大丈夫だとそんな事にはならないと、仮にそうなりかけたとしても

 

「叩いてでも元にもどすだっけ?」

 

「む……悪いか?私にはそれ以外の方法が思いつかなかったんだ」

 

シャルロットの言葉にバツが悪そうな顔をする箒にううんと言いながらシャルロットは

 

「僕もそれで良いとおもうよ。まぁなんにせよ、一夏が起きるまでは傍にいてあげようか?」

 

子供のように安心しきった顔をしている一夏。1人ではないという事に安心しきっているのだろう

 

「そうだな。しかし何をして時間を潰す?」

 

座りながら尋ねるラウラにマドカがごそごそとスカートのポケットから

 

「トランプでもしよう。賭けで」

 

「賭け?何を賭けるんですの?」

 

セシリアの言葉にマドカはにやりと笑いながら

 

「私は一夏の寝起きの写真を賭けの対象として出そう。姉さんや私しか見ることの出来ない、貴重な写真だ」

 

「そんな物持ってるのは「「乗ったぁ!」」持ってるのか!?」

 

箒の言葉を遮り、鈴とシャルロットが叫ぶ。驚いている箒・セシリア・ラウラにマドカは

 

「他の物でもいいぞ?」

 

「ぐっ、いいだろう!やってやろうじゃないか!なら私は小学校の時の一夏の写真を出す!」

 

「持ってるんじゃないですか!?」

 

「今は持ってないが、寮にはある。それだけだ」

 

寝ている一夏はまさか自分の写真を賭けの対象に箒達がトランプをしているとは夢にも思わず熟睡しているのだった……

 

 

 

箒達がトランプに盛り上がっていることIS学園では

 

「よく来たと言っておこうか?」

 

「お前の力を借りるときが来た」

 

疲弊しきっているペガサスがIS学園に訪れているのだった……

 

「随分と弱っているようだが、どうかしたのか?」

 

龍也の問い掛けにペガサスは鼻を鳴らして

 

「白々しいぞ、八神龍也。判っているのだろう?」

 

その問い掛けに龍也は頷き、ペガサスを見据えて

 

「時間がないんだな?」

 

「ああ。俺が俺でいることの出来る時間もあと僅か、ハーデスが動き出そうとしている今がチャンスなんだ」

 

人間ベースのネクロ。それは人間としての意識を保つ事が出来ると言う稀有な存在だが、それには時間制限がある。ペガサスはその時間を完全にオーバーし、ネクロになろうとしている身体を無理やり押さえ込んでいた。しかしそれも限界が近づいてきていたのだ

 

「少しでも人間としての意識を保てるようにしてやる。ついてこい」

 

「ああ」

 

足を引きずるように龍也の後をついて行くペガサス。そして龍也とペガサスの姿は突如として消え、変わりに蒼い魔力の残滓だけが2人の歩いていた通路に残るのだった……

 

第112話に続く

 

 




今回は少しシリアスでしたね。次回からは戦闘メインで進めて行きたいと思います。色々とやりたいイベントもあります
真・白式とかですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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