IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は前回の戦いと同じ時間で起きていた出来事と言うか、観戦していたランドグリーズの視点をメインにしつつネクロの話をしていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



第117話

 

第117話

 

「やれやれ、つまらない幕引きでしたね」

 

ステルスを解除して地面に着地しながら呟く。ハーデスの暴走にペガサスの因士の暴走。面白い展開になると思っていたのに蓋を開ければ平々凡々な終わり方……じつにつまらない

 

「まぁ暇つぶしと考えれば上場ですかね。本来の目的と違うわけですし」

 

私の本来の目的を考えれば、あの戦いの結末などただのおまけ。そう考えれば良いだろう

 

「やれやれ……永劫に近いときを生きているとどうも刺激を求めて仕方ないですね」

 

肩を竦めながらゆっくりと歩き出す。とは言え数歩歩けば目的地ですけどね

 

「やはり私の作り出したコアでは劣化LV5が限界でしたか。データは充分取れたので良いですけどね」

 

ハーデスが消滅した場所の手を伸ばす。それと同時に魔力の衣がはがれて隠されていた菱形のコアが姿を見せる

 

「ふむ。純度57%……と言った所ですね」

 

私がハーデスに渡したコアはネクロの体内の中でその存在を変質させ、そのネクロのレベルを上に引き上げるという物だ。私やヘルヴォル達がLV4からLV5に進化した際に使われたコアの複製実験だったのだが、結果は望んでいた物とは程遠い

 

(選ばれた領域……LV5に到達できる存在はやはりあの方に認められたものだけか……)

 

まぁ当然といえば、当然なのでそこまでの落胆は無い。どこまでいけるのか?の実験だったのですし、惜しむ事があるとすれば

 

(特異型が消えてしまったのは惜しいですけどね)

 

LV5はLV4の特異型からしか進化できない。無限にリンカーコアを体内の溜め込むことの出来るハーデスならば……と思ったので、与えてみた。結果は拒絶反応も中々でないし、もっと純度を上げる事が出来ると思ったのだが……

 

「ペガサスが強すぎたのか、それともあの小僧の伸び代が大きかったのか……まぁどちらでも良いですかね。結果は同じですし」

 

結局求めたレベルまで純度が上がることは無かった。それだけで良い、また何処かの特異型ネクロでも捕まえてこのコアを植えつければいいでしょう

 

(あと30も上がれば擬似LV5レベルはでるでしょうね。まぁ暴走するでしょうけど)

 

LV4と5の差はとんでもなく大きい。恐らくコアには耐えれても、直ぐに暴走を始めるでしょう。戦術としては使えないですが、使い捨ての兵器として考えれば中々の脅威になるでしょう。菱形のコアをマントの中にしまい、近くの切り株に腰掛け

 

「全盛期のペガサスと私の知るペガサスは大分違いますね」

 

リーエと共にいるペガサスも確かに強いが、この時間軸のペガサスはそのペガサスよりも数段強い

 

(なぜここまで差が出るのですか……)

 

半ネクロとネクロだからと言えばそれまでだが、それだけで片付けられるレベルではない

 

(一体何が……少し調べておきますか)

 

幸いまだこの世界にはペガサスの魔力の残像因士は残っている……少し調べておいた方が良いかも知れないと思い、たちがあったのと同時に

 

「む?これは!?」

 

凄まじい勢いで周囲の魔力が消えていく、この勢いは流石の私も不味い。慌てて飛びずさりこの周囲から離れる

 

(……魔力同士のぶつかりのせいですか、これはとんでもないですね)

 

安全圏まで逃げあの場所を観察する。結果は暴走したハーデス・ペガサス。守護者そしてあの小僧の魔力の生で周囲の魔力バランスが崩れ、一種のブラックホールのような物が発生して魔力を吸い上げているのだ。無論魔力だけではなく近づけば私も吸い込まれてしまうでしょうね……

 

(やれやれ調査は無理そうですね。とても残念ですが)

 

少しでも良いのでペガサスの魔力因士を採取できれば、それを元に調べることも出来れば、ペガサスの剣技を持ったネクロを開発する事も出来ると思ったのですが……早々上手くはいかないと言うことですか……

 

「仕方ありません。この世界でもうやることは無いですね」

 

ペガサスの全盛期の力を見ることが出来ただけでも良しとしますか……

 

「ではそろそろ戻るとしますかね」

 

この世界でいつまでもいてベエルゼ達に見つかっても大変ですし、それに何よりも

 

「ネルヴィオと盟主の話を見ないわけには行きませんからねえ」

 

盟主の下にネルヴィオが戻ったことは感じていた。時間軸の事もあるし、手遅れと言う事にはなりそうには無いですが

 

「あんな面白そうな事を見逃すわけには行きませんからねえ」

 

そのために態々ネルヴィオを炊き付けたわけなんですし……私はくすくすと笑いながらこの世界を後にしようとして

 

「あまり盗み見は感心しませんね。たかがレベル4如きが今回は特別に見逃しますが……」

 

完全にその場に溶け込んでいた監視用のネクロを掴み、魔力で焼き払いながら

 

「次は無いですよ。とは言え貴方達にはつぎなんて無いでしょうけどね」

 

そう呟くと同時にその監視用のネクロを握り潰し。私は今度こそこの世界を後にしたのだった……世界を渡る間私が考えていたのは

 

(惜しいネクロですよまったく)

 

ベエルゼが妙な騎士道精神など持たなければ、彼も充分にLV5となりえる素質を持っている。それゆえに愚かなことをするベエルゼが惜しいと思いながら盟主の城へと戻るのだった……

 

 

 

 

「はっ!……はっ!……何者なのですか。あのネクロは……」

 

守護者達の戦いを監視させていたネクロを捕えた。あの謎のネクロ……タキシード姿にマント……その容姿はダークマスターズのヴェノムに酷似していたが、その身に纏っている服はより豪華な装飾が施されていた……

 

(ハーデス様よりも強いネクロ……一体何者なのですか……)

 

あの鋭い眼光と魔力で足が痺れていてたつことが出来ない。みっともないが、手の力で身体を引きずり壁を掴んで無理やり身体を起こし、落ちた椅子の上に座りなおし、あのネクロの事を考える

 

(ベエルゼ様はネクロの中でも最上位。そのベエルゼ様よりも魔力の高いネクロはそうは存在しない)

 

それにそれだけ力があるのに何故私達に協力してくれないのか?それにあのネクロが手にしていた菱形のコアは?

 

(判らない。判らないことだけばかりだ……)

 

ハーデス様の暴走とペガサスが裏切った事は正直予想外だったが、結果的にベエルゼ様の予測通りだった。ベエルゼ様は仰っていた、ハーデス様はもう戻らないと……しかし最後まで戦いを全うする事ができなかったハーデス様の最後の事をベエルゼ様に話すのは正直気が引ける……しかし報告しないわけには行かない

 

(少し情報を纏めてからにしましょう)

 

ネクロの事は報告できるだけの情報が無いので謎のネクロと報告するしかないか。纏めれるのはペガサスとハーデス様のこと、そして織斑一夏が発言した謎のレアスキルの事になるだろう。守護者の戦闘技術は以前のままだがより洗礼されている……映像データと私のみた分析結果をレポートにしていると

 

「ベリト様?お時間宜しいでしょうか?」

 

「イナリ?構いませんよ。どうかしましたか?」

 

私のラボに顔を出したイナリは失礼しますともう1度声を掛けてから部屋の中に入ってきて

 

「束のラボを襲撃するディースネクロの調整完了しました」

 

その報告を聞いて小さく笑みを零す。イナリにディースネクロの調整をさせてみたが、予想よりも早い時間で仕上げてきた

 

「こうして報告してきたということは完璧なのですね?」

 

「はい!」

 

笑顔で言うイナリ。ここまで言うということは間違いないのだろう……私は纏めていたデータの保存をして

 

「良いでしょう。確認に行きます。案内を頼めますね?」

 

「はい!こちらです!ベリト様」

 

嬉しそうに笑いながら歩き出すイナリ。本当に調整が終了しているのなら束を殺しネクロにする準備は出来ていると考えていい……人間を巧く利用するのは決まっているが

 

(別に生かしておく価値もないですよね。殺しておきますか)

 

束を襲わせる人間は恐らくどこの国も切り捨てる人間だろう。束は合理的かつ凶暴な本性を持つ人間だ。自分を襲ってきた人間を生かしておくとは思えない……襲ってきた人間は十中八九殺されるだろう。

 

(駒を大量に増やす事も出来ますね。守護者との戦いを考えれば駒は欲しいですしね)

 

束だけで襲ってきた人間を全て殺すのは無理だ。アズマやクロエでも無理だろう

 

(ディースとガルムのテストをして見ますか)

 

イナリの制御したディース。そして魔法生物をネクロ化したガルムの実戦投入のデータも取りたい、いや良い機会だから

 

(ディースガルムを出してみても良いかもしれないですね)

 

ガルムの進化系。1体で軍を制圧できるあのネクロを出してみるのも良いだろう

 

「どうですか?ベリト様」

 

イナリに連れてこられたポットの中のディースとその前のコンソールを見て

 

(少々バランスが悪いですが、悪くないですね。これならば充分に実戦投入レベルでしょう……普通の戦場ならばですが)

 

改善点をさっと見て確認する。普通の戦場に投入するのは充分ですが、束に人間に失望させるネクロとしては少々パンチが弱い。私の言葉を待っているイナリに

 

「初めてにしては中々ですが、まだまだですね。人格を少し調整しておくべきです」

 

無理やりネクロにするのでは不適合になる可能性もある。少しばかり知性のほうを調整するべきですねと言うと

 

「そうですか……」

 

しょんぼりしているイナリ。人間ならばもう少し気の利いたフォローも出来るのでしょうが、私にはそんなことをする知識は無いだから

 

「次の結果を楽しみにしています。イナリ、貴女に束のラボを襲撃するときに指揮権を与えましょう」

 

本来は私達は動かず人間だけに行動をさせるつもりでしたが、ペガサスの事を考えるとやはり指揮官は必要だ。その点イナリなら人間と同じ姿になれる。彼女が適任だとベエルゼ様に進言しようと思いながら言うと

 

「ベリト様!はい!私頑張ります!!!」

 

そう笑うイナリに楽しみにしていますよと声を掛け。私は自分の研究室へと戻るのだった……戻る途中私は自分でも理解できない胸の温かさを感じ、しきりに首を傾げるのだった。ベリトは知るよしも無いが、その暖かさは親が子を思うものと同じ物であるのだった……

 

 

 

 

ベリトが使い魔を飛ばして観察していたように、ベール達もあの戦いを見ていた。そして

 

「あー僕の好きな一夏じゃないよ。つまらない……つまらない」

 

「ふふっ!良いじゃないかこの世界の一夏も悪くは無い、早く剣を合わせるのが楽しみだ」

 

「趣味が悪いですわ。動かず・喋らなくなった一夏さんがもっとも美しいというのに」

 

「悪趣味は貴様だ、ヴィスティーラ」

 

「あたしはどっちの一夏でもいいわよ。あたしのになるのなら」

 

互いに互いを睨みながら話をしている。箒達のネクロ……互いに互いが気に食わず、顔を見ているのも嫌だが、出し抜かれるのもいやと言うことでこうして互いに互いを監視しているのだ

 

「潰すぞ。小娘」

 

壁の近くで腕を組んで目を瞑っていたウィントヒルデが目を開き殺気を放つ。それは普通の人間ならショック死するレベルだが、ネクロにとっては微風程度の効果しかないだろう

 

「やってみたら?あたしが逆に潰してやるだけよ」

 

「吼えたな?その首……よほどいらぬと見える」

 

ウィントヒルデが刀を抜き、ベールが落凰の拳を展開し、一触即発と言う空気になったが

 

「やーめた。時間と魔力の無駄無駄。あたしもうちょい寝るわ。じゃね」

 

ベールは纏っていたさっきと魔力を霧散させて手を振りながら部屋の奥へと消えていく。今のベール達には活動限界がある、ここで暴れればその活動時間を減らすことになると判断したベールは挑発するだけ挑発して自分は眠りに落ちたのだ。残されたウィントヒルデは肩透かしを喰らったような物で不機嫌そうな顔をして

 

「……ヴォドォンと魂狩りにでてくる、暴れたいのならついて来い」

 

「あら?良いですわねえ?私も付き合いますわ」

 

「……刻んでも良いんだよね?それなら僕も行くよ」

 

にやりと邪悪な笑みで笑うヴィスティーラとくひひやひひと怪しい笑い声を上げているルーシエと共にウィントヒルデはヨツンヘイムを後にし、残された桜鬼とラーベルレーゲンは

 

「もう少し分析しておくか?」

 

「しておく。私の求める一夏を表に引きずり出すための方法を考えなければならん」

 

「それは私も同じだ。この世界の一夏はあまりにぬるい。もっと狂気に満ちてもらわなければ面白くない」

 

ペガサス・ハーデスが消えたことでこの世界のネクロの戦力は落ちる所か、より充実し始めていた……そしてこの世界の戦いが大きく動く事になるのは、もうほんの先の出来事……終焉のときの始まりは刻一刻と近づいているのだった……

 

 

 

「ハーデス……」

 

ハーデスが散ったと聞いた場所に直接転移して来た。ネクロとなった以上遺品なんて物は存在しない、死した者が更に死んだんだ。何も残るわけが無い……

 

(お前は満足したのか?)

 

返事が無いと判ってもそう尋ねずにはいられなかった。闘争を好むハーデスが戦えたのはこの1回限り、そして戻る事は無かった……あいつが最後のとき何を思っていたのか?私にはそれが判らない。いつまでもここにいるわけには行かない、ここは守護者の膝元。向こうも消耗しているので戦闘にはならないだろうが……それでもいつまでもこの場に居る訳には行かない。ベリトやベルフェゴールもうるさいしな……そう思い引き返そうとした所で月光を浴びて光を放つ何かを見つけ、そちらのほうへ歩き出し私が見たのは

 

「ヒュプノス……それにモロス……なぜ」

 

ハーデスの消滅と共に消えたはずのハーデスの愛剣……ハーデスが死んだので消滅したはずのそれが目の前に存在している

 

「ネクロにも神はいるのか?いやありえんな……」

 

ネクロを見守る神などいるわけが無い。つまりこれはハーデスの意思だろう

 

「物言わぬが、最後まで頼むぞ……相棒」

 

私には私の剣と盾がある。それでもなお、俺はハーデスの遺品とも取れるヒュプノスとモロスを手にした。守護者を打ち倒すならこれしかない。私の勘がそう告げていた……

 

「ベリトに鞘を作らせるか……」

 

いくらネクロとは言え生身で剣を持ち歩くわけにも行かない、それにこれはハーデスの遺品だ。適当に扱いたくない……

 

「必ずその首貰い受ける。八神龍也……」

 

私1人では無理かもしれない、だがハーデスと共になら届くかもしれない。天に最も近いあの男に……

 

(最後まで頼むぞ。ハーデス)

 

元々勝ち戦とは思っていない、勝てる可能性が低いのは理解していた。それでもなお戦うのはただの自己満足とも言える、だが俺の誇りを取り戻すためには必要な事なのだ、例え死んだとしても。誇りを取り戻して死んだのなら、それは意味のある死なのだから……ベエルゼはハーデスの遺品のヒュプノス・モロスを抱え現れた時と同じように溶けるように消えていくのだった……

 

 

第118話に続く

 

 




最初のランドグリーズの件は宵闇関連です。ちゃんと宵闇のほうにも絡んでいるのでそちらの方もよろしくお願いします。
互いにいがみ合う箒達のネクロ。彼女たちは限界突破したヤンデレを書けるようになるので、もっと生き生きをさせていきたいですね。ええ、年齢制限に引っかからないように頑張りたいです。次回はIS学園編を書いていこうと思います。ペガサスの事で悩む一夏とかを書いていきたいですね。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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