IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はユウリと楯無、ヒロインズをメインに書いていこうと思います。束も後半で少し出してみようと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


第129話

 

 

第129話

 

束の研究室から帰って来てからユウリの顔色が良くない、それにその顔には不安の色を浮かべている。話をしたいというユウリの頼みを聞いて、IS学園の近くの海が見える丘に向かう

 

「ここでならゆっくり話が出来るわね」

 

箒ちゃん達も織斑先生も一夏君の事でかなり落ち込んでいたようだし、龍也さんが寝ているからはやてさん達も動く事はないだろう。

「あ、ああ……そうだな」

 

覇気の無いユウリの顔を見て心配になる。今までユウリのこんな顔は見た事がなかった……一体束の研究所で何があったのか?それが気になるが、それを無理に聞き出すわけには行かない。ユウリが話してくれるのを隣に座って待つ……

 

「……」

 

「……」

 

互いに無言でお互いの顔を見ないままゆっくり沈んでいく太陽を見ている。ユウリがぼそりと呟く

 

「何があったのか聞かないのか?」

 

「聞かないわ。ユウリが話してくれるのを待つから」

 

無理やり聞いて悩みを聞きだすような真似はしたくない。夕日が沈んで辺りが暗くなって来た所でユウリが

 

「……束の研究所でセリナに会った……」

 

セリナ……私に似ているネクロの女性……ユウリは膝の間に顔を埋めて

 

「殺してくれと……覚悟していたはずなのに……いざそう言われると手が震えた……ワタシには……セリナは殺せない。殺すと約束した……だけどワタシには無理だ」

 

なんの因果なのだろうか、家族として兄妹だった存在がそれぞれ別の陣営に判れ、そして今は殺しあう関係になってしまった

 

(神様なんて居ないのね。本当に)

 

もし神様が居るならこんな事にはならなかったと思う。ユウリもエリスちゃんもセリナも兄妹なのに、殺しあうしかないなんてあまりに酷な運命だ

 

「ワタシは……怖い。セリナと戦うのも……エリスが全てを知るのも……刀奈を失うのも怖い」

 

大丈夫なんていえない。ユウリは今真剣に悩んでいるんだ……自分達を取り囲んでいる運命も……そしてこれから起きるかも知れない事も……自分が進んでいる道に何が潜んでいるのか、そして道が通じているのか?その全てが判らない事に悩み、恐怖している

 

(私はどうすればいいの……)

 

ユウリを助けたいと思うのに、何をすればいいのか判らない……助けてあげたいと思うのに何をすればいいのか判らない。再び互いに無言の時間を過ごしているとユウリが

 

「少し話して楽になった。ありがとう」

 

俯いたまま完全にゆっくりと歩いていこうとする。それは夕日が沈み暗い夜道になっていて、そのままユウリがどこかに行ってしまいそうで……

 

【本当に助けたいって思う人がいたらな。考える前に行動してしまうものなんや】

 

はやてさんの言葉が脳裏に浮かんだ瞬間。私は闇に消えようとしているユウリに背中から抱きついていた

 

「刀奈?」

 

覇気のない弱々しい声のユウリ。私はユウリの背中に顔を埋めたまま

 

「私に何が出来るかなんて判らない。足手纏いになるかもしれない」

 

正直言って今でもネクロは怖い。改造されたミステリアス・レイディでも牽制するのが手一杯だった。入念な準備をしてやっと対等……そんな化け物と戦うのは正直怖い。だけどそれでも戦わないといけないのは判っている

 

(ユウリを一人にしたら駄目)

 

前もそう思った、だけど今回はそれ以上にそう思った。セリナを殺したとしてユウリはどうなるか?自身の罪の意識に耐え切れなくてそのまま死んでしまうのでないか?私はそう思った。だから

 

「ユウリの罪を半分背負う。全部を1人で抱え込まないで」

 

セリナ相手にユウリだけで戦わせはしない。私も戦う

 

「辛い戦いになるぞ……ワタシもお前も死ぬかもしれない」

 

セリナとは1度会っている。その時に理解している、私とセリナは同じ存在に近い。どちらか1人しか存在してはいけない、箒ちゃん達のネクロと同じ。そんな奇妙な感覚を感じていた……そして私もセリナと戦わなければならないと言うことも感じていた。

 

「それでも構わないわ」

 

何の因果か同じ顔を持つことになった私とセリナ。これにも何か意味があるのかもしれない、そう。私とユウリを繋ぐ何かがある。私はそう信じたい……あの暗い研究室で出会ったのも何かの運命だったと今では思う

 

「……一緒に来てくれるのか?」

 

確認するかのようなユウリの言葉。私はユウリをより強く抱き締めながら

 

「貴方とならどこまでも」

 

私はユウリを1人にしたくない……もしも、代表の座そして更識の当主の座それとユウリが秤に掛かったら、私はきっと迷う事無くユウリを選ぶ。

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

互いに笑い合うユウリと刀奈。その2人を写す満月の下……2人の影はそっと重なるのだった……

 

 

 

ミーティングルームの空気は重く、そして誰も口を開くことはなかった。一夏を別の世界の一夏の干渉から救うには1度意図的に暴走させる。だがそれはネクロ化の危険性を帯びた危険な橋だ……

 

(出来る事ならば別の手段と考えたい)

 

私は溜息を吐きながら手を組んだ。姉として、家族として私は一夏を助けたい。だがそれでも今回の話はあまりに厳しい

 

「姉さんは戦えるのか?」

 

マドカの言葉に小さく頷く、試作段階だが、打鉄に汎用バックパックを搭載した新型打鉄を使う予定だ

 

「本当は暮桜の方がいいんだがな。ないもの強請りもできない」

 

いい機会だから先ほどマドカ達にも見せたが、私のIS「暮桜」はIS学園の地下で封印されている。あれを解除できるのは束くらいのものだろうが

 

「すいません。力及ばず」

 

「気にするな、あの馬鹿はあれで頭が固いからな」

 

先ほど保護された束に会いに行ってみたのだが、心ここにあらずと言う感じで話を聞いてくれる雰囲気ではなかった

 

「それよりもだ。暴走させると想定して白式をどうやって止めるか。そこが大事だ」

 

まずは対策だ。龍也の話では龍也・なのは・フェイト・はやての4人で結界を張り、周囲の被害と僅かながらに動きの束縛をしてくれるそうだが

 

「それでも私達のISよりも強いのは確実ですわね」

 

戦力予想としては第4世代、紅椿よりも出力が上なのは確定している。さらにネクロ化の可能性も考慮するとかなりの戦力差がある……それに

 

「零落白夜の攻略と複段階式瞬時加速。それにレアスキルの対策、これははっきり言って無理です」

 

蒼い顔をしているデュノアが言い切る、IS殺しの零落白夜、そして通常のISでは1回が限界の瞬時加速を段階式で使える。そして更に自身を粒子化させる能力。どれか1つでも脅威なのにそれが3つ……

 

「ツバキさんのバックパックを搭載し、なおかつ支援として更識・アマノミヤ・ルゥ・スミスが入ったとしても勝率は5%以下だ」

 

龍也とはやての分析だからこれは間違いのない数値だ。問題はここから以下に勝率をあげて行くかだ

 

「分析と対策。それで少なくとも15%台には持っていく。これは勝つための闘いじゃないからな」

 

暴走している一夏に勝つ必要はないのだ。かつて龍也をも経験したそうだが、一夏が暴走する。それは一夏が戦わないということではない、精神世界で一夏もまた戦うのだ。それは1つの身体に2つの魂。壮絶な戦いになると龍也は言っていた

 

「勝つ戦いじゃなくて生き延びる戦いかあ……やっぱり強化装甲よね」

 

「それが堅実だな。出来ればエネルギータンクも大幅に積んでおこう。機動性は死んでもいい、防御力を重視しよう」

 

凰とボーデヴィッヒが分析を始めた頃。ミーティングルームの扉が開き

 

「付き合いが悪いなラウラ。それは私の専門だ」

 

「クリス。手伝ってくれるのか?」

 

「言われればな?どうする?」

 

にやりと笑うファウストにボーデヴィッヒは即座に頼むと返事を返せば、今度は更識とアマノミヤが来て

 

「お義母さんと試しに開発した装甲があるのでそれを搭載してみませんか?」

 

「わ、私は管制プログラム……を見直してみた」

 

ISの製作にツバキさんから学んでいる更識とアマノミヤが大量のCDを持ち込んでくる。

 

「私達はそう言うのは駄目だが。ISの試験運転には付き合う」

 

「頭を使うのは苦手だからねえ。私達」

 

「「お前だけだ」」

 

「しくしくしくしく」

 

スミスと薄野そしてルゥが来てそう笑う。さっきまでの暗い雰囲気はどこに行ったのか、徐々に明るさを取り戻している。仲間と言うのは大事だなと私はそう思う。1人で何でも出来る、出来てきた私と束には無縁のものかもしれない。静かにミーティングルームを出ようとすると

 

「姉さん?どこに行くのですか?」

 

それに気付いたマドカが私を呼び止める。私は携帯を差し出して

 

「ツバキさんに呼ばれている、打鉄のフォーマットをしないとな」

 

普通の調整では私の反応についてこれない、特別製の打鉄を用意する必要がある。

 

「そうですか。気をつけて、こっちはこっちで対策を進めるので」

 

柔らかい笑みを浮かべるマドカ。それはIS学園で友人が出来たおかげだと私は思っている。携帯を胸ポケットにしまいミーティングルームを後にして、少し離れたところで振り返る。確かにツバキさんからもメールはあった、だがもう1人メールを送ってきた人物が居る

 

「なんのようだ」

 

直接携帯にメールを送ってきた人間。通路の影から姿を見せた銀髪の少女。どことなくボーデヴィッヒに似た雰囲気を持っている

 

「クロエ・クロニクルと言います。お忙しい中ありがとうございます」

 

杖を手にしている所を見ると目が見えないのかもしれない。先ほどから視線が私にあってないところを見ると間違いないだろう

 

「それで?私だけではなくスコールも呼んだ理由はなんだ?」

 

「気付いてるなら声くらいかけてくれないかしら?」

 

すっと姿を見せたスコール。裏に詳しいだけあり気配を隠すのはお手の物と言う感じだな。まぁ私も出来るので人のことは言えないが

 

「……束様の研究所で死んだ……アズマからの遺言になります、こちらを千冬様へ」

 

ポケットから差し出されたUSBメモリを受け取る。アズマ……臨海学校のときに束の振りをしていたあいつか……束を逃がすために死んだらしいが……

 

(胸が痛いな)

 

人が死んだと聞いて平然と言われるほど私は冷血ではない……胸の痛みを感じている私の隣のスコールへは

 

「今のところ確認できているネクロが基地をして使っている可能性の高い場所の地図です。恐らくタスクの基地を流用していると思うので確認をよろしくお願いします」

 

「判ったわ。ありがとう」

 

同じようにUSBメモリを渡し、クロエは杖を突いて振り返って歩き出す

 

「どこへ?」

 

ある程度の身柄の自由は確保されているのに、それでも外に向かおうとするクロエに声をかけると

 

「束様の所です。今の束様を1人には出来ませんから」

 

少しだけ見た束の顔を思い出す、普段のあいつからは想像も出来ないほどに落ち込んでいた。確かに1人にしては危険と思うのは当然だろう。ゆっくりと歩いていくクロエを見送っていると

 

「どう?対策は出来た?」

 

「ギリギリだな。マドカ達は問題ないが、私だ、問題なのは」

 

実戦から離れすぎている、ツバキさんの改造してくれた打鉄の性能は確かに高いだろう。だが暮桜と比べると劣る、それに私の実戦離れも痛い

 

「短期で実戦の勘を取り戻す?私とオータムが協力するわよ」

 

スコールの言っていることは判る。感を取り戻すにはギリギリの戦闘がいい

 

「頼む。半日で仕上げる」

 

ウォームアップしている時間すら惜しい、最初から全開で調整する。それが一番早い

 

「……さっすが世界最強、無茶をするわね」

 

茶化すような口調のスコールだが、その目は真剣だ。私が本気だと判っているのだろう

 

「無茶は覚悟の上だ、急ごう。時間がない」

 

怪我は龍也に治してもらえばいい、だから多少の無理も効く。死ななければ治せるのだ、自分でやる分にはどんなハードトレーニングでも問題ない。クロエから預かったUSBメモリを自室の金庫の中にしまい。私は地下のISハンガーへと降りていくのだった……

 

 

 

 

八神龍也に連れてこられたログハウスの壁を見つめる。だけどそれは私の頭の中には入ってこない、私の頭の中を埋め尽くしているのは

 

(アズマちゃん)

 

クロエちゃんは私と一緒だった。だけどやっぱりアズマちゃんの姿はなかった。リミッターを外しているのを見て、頭のどこかで私はもうアズマちゃんが長くないのを悟っていた……だけどそれを認めたくない自分が居る

 

(これも全部束さんのせい?それともネクロのせい?それとも八神龍也のせい?)

 

アズマちゃんが死んでしまった理由を考える、他の人間のせいにしたいけど……判っている。束さんのこの天才的な頭脳が言っている、アズマちゃんが死んでしまったのは私のせいだと……だけどそれを認めたくない

 

(如何してこんな事になってしまったんだろう?)

 

私は私の頭脳を認めてくれたアズマちゃんとネルちゃんの為に色々としたかもしれない、だけどその結果が家族を失う事に繋がってしまった。

 

どうして……

 

どうして……

 

考えても考えてもこれだけが頭を繰り返し過ぎる、他の人間のせいにしてその人間を憎もうと思っても、私のよすぎる頭が告げる。他の人間のせいになんて出来ない、これは私自身の責任だと

 

「苦しい……悲しい」

 

こんなに胸が苦しいと思ったのは何時以来だろうか?

 

こんなにも悲しいと思ったのは何時以来だろうか?

 

判らない。判らないけれど胸の痛みは私を締め付け続ける。どうすればいいのか判らない、だから意味もなくログハウスの壁を見つめていると、ゆっくりと扉が開く音がして

 

「束様」

 

「くーちゃん」

 

くーちゃんが私の隣に腰掛ける。それを見て

 

「普段は隣に座ってくれないのに、今日は特別?」

 

普段は束様の隣になんてと言って座ってくれないのにと思いながら呟くと

 

「どうぞ」

 

「ふぇ?」

 

差し出されたハンカチを見つめてマヌケな声が出る、どうして私にハンカチを?首を傾げているとくーちゃんは私の手を取って

 

「泣いておられますよ?束様?」

 

そう言われて顔を触ると確かに涙が溢れていた。くーちゃんから差し出されたハンカチで涙を拭いながら

 

「悲しいのに大声を上げて泣けないんだ。束さんはどうしてしまったんだろうね」

 

これだけ悲しい、そして涙を流しているのに心がどうしようもなく冷たい。どうして?と言う言葉が繰り返し頭を過ぎる……小さいときの自分はこんな感じじゃなかった筈なのに……

 

「今お食事を用意します。それから少しお休みになられてください」

 

くーちゃんの言葉に形だけ頷く、今は眠りたくない。悪夢を見そうで怖い……今までこんな事を感じた事はなかったのに……

 

(束さんはどうしてしまったんだろう?)

 

自分でも理解できない物を感じながらも、私は再び思考の海へと沈むのだった……

 

「本当に何とかなるのですか?」

 

「多分な」

 

束の居る部屋の外に居た龍也に詰め寄るクロエ。龍也はクロエを見据えて

 

「束の精神状態は明らかに異常だ。恐らく……そう。かなり前、ISを製作するよりも前に既にネクロの干渉があったのだろう」

 

天才に目をつけて、外的要因で精神を麻痺させる。それはありえないことではない

 

「ではどうすれば?」

 

クロエの言葉に龍也は振り返りクロエの目を見つめて

 

「暴れさせる、徹底的に殴り、蹴り、投げ、叩きつける。お前はそれを黙ってみてられるか?それが出来るなら私が動こう」

 

その言葉にうっと呻くクロエ。主と敬愛する束が傷つくかも知れないと聞いて判りましたとは言えないだろう

 

「考えておけ、私は必要以上には干渉しない。束は好かん」

 

龍也はそう言うと束の部屋の前で呆然としているクロエに背を向けて、その場を後にしたのだった……

 

 

 

各々がそれぞれの問題と向き合っている頃。一夏もまた迷いを抱えていた

 

「戦う理由と覚悟かぁ……」

 

ペガサスの遺言がどうしても頭を離れない。俺が戦う理由は仲間を護る為。これは絶対に代わる事はないだろう、だけど覚悟があるかと言われれば

 

「……」

 

あるとは言えない。護る事とは壊す事と同意義だ、龍也やはやてさんたちの様な覚悟は俺にはない……それに

 

「また暴走したら」

 

それが何よりも怖い。暴走している間俺には意識がない、もしその間に箒達に危害を加えたらと思うと

 

(くそっ……こんな様じゃあ)

 

震える右手を左手で掴んで押さえ込む。なんて俺の意思は弱いんだ、あれだけ覚悟を決めたつもりなのに……

 

「怖い……俺はどうすればいいんだ」

 

龍也や千冬姉に相談できない、最近感じるのだ自分の中で大きくなっていく何者かの存在を……それは言うまでもなく、別の世界の俺だ……だけどそれは俺にはどうにも出来ない。もし出来るとすれば

 

「龍也だけか」

 

相談できる相手は龍也くらいしか居ない、だけど今その龍也はIS学園にいない……それに時間も遅いので今会いに行くのは龍也にも迷惑だろう。それにはやてさん達に睨まれるのはごめんだし……

 

「もう寝よう」

 

寝るのは怖い。また夢を見れば夢を見るかもしれない、その夢が今は何よりも俺には恐ろしい。多分寝ると言っても布団に転がって身体を休めるだけだろうと思っていると

 

「一夏」

 

ノックもせずに扉を開けたマドカに驚きながら尋ねると

 

「マドカ?どうした?」

 

「どうしたじゃない、寝に来た」

 

数年ぶりに再開した妹が何を言っているのか俺にはさっぱり理解できなかった。何故寝るのに俺の部屋に来たのかが理解できない

 

「悪夢を見るときは近くに誰かがいると良いと姉さんに聞いた。私も最近悪い夢を見る。だから丁度いい」

 

枕を置きながら言うマドカ。ああ……俺を心配してきてくれたのか……ははっなんと言うか

 

「俺って情けねえ……」

 

「何を言っている。それはいつもの事だ」

 

マドカの歯に衣を着せないその言葉は千冬姉を連想させる。俺はマドカの隣に座って

 

「ありがとう」

 

「……礼を言われる事はない、私が怖い夢を見たくないだけだ」

 

ふんっと腕を組んでそっぽを向くマドカ。その耳が少し赤くて更にくすりと笑いながら布団に潜り込み、近くに感じるマドカの暖かさを感じて

 

(今日は何か寝れそうな気がする)

 

近くに誰かが居る。これは凄く安心する、1人じゃないって言うのはこんなにも心強い物なんだと改めて実感し、あっと言う間に寝息を立てているマドカ。俺は若干意識してしまっていたが、それは心配してきてくれたマドカに悪いと思い、心の中で羊を数え眠りに落ちるのだった……なお翌朝臨死体験をすることになる、その理由は2人の幼馴染の暴走であるとだけ言っておこう……

 

第130話に続く

 

 

 




次回は一夏の暴走対策を書いていこうと思います。もう130を越えるけど、必要なイベントなのでご了承ください……これが終われば一気に佳境に入っていけるはずです、それでも間違いなく150話は越えますが……楽しんでいただけるように頑張ります。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
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