IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

131 / 134
どうも混沌の魔法使いです。今回の話は一夏の暴走についての対策の話になります、そして戦闘にも入っていくと思います。
イメージは多分もう判っていると思いますが、「虚一護」と「一護」のあれをイメージしています。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


第130話

 

 

第130話

 

一晩で急ピッチで改修したISの試運転を始めたのだが……かなり深刻な問題があった

 

「くっ。重い……」

 

それは重量。防衛の為に全身装甲に近い仕上がりになっているせいか、身体を動かしにくいし、若干の重さも感じる。まずはこれになれる必要があるだろう

 

「で、ですわね。これはかなり厳しい物がありますわ」

 

通常の装甲に加え、試作型の強化装甲とブースターを装備した紅椿は普段の倍近い重量があった。補助エネルギーのおかげで重さを感じないはずなので今こうして感じている重さはなんなのだろうか

 

「こなくそっ!!この程度であたしは止まらない!!!」

 

鈴がそう叫んでISの操縦に慣れようとしているとマドカが

 

「お前には負けん。絶壁」

 

ふふんと笑いながら鈴を追い抜いていく、鈴は暫く俯いていたが……

 

「お前も似たようなものだろうがぁぁッ!!!」

 

そう吼えて、マドカを追いかけ始める。追いかけっこと言えば遊びのように思えるが、あれは殺る気だ……間違いない。胸の事を言われた鈴がそう簡単に止まるとは思えない

 

「潰すなら私ではなくあちらではないのか?」

 

マドカがにやりと笑いながら私とセシリアを指差す。まさか……プライベートチャンネルで慌ててマドカに叫ぶ

 

(何をするつもりだ!?)

 

どうして私とセシリアを巻き込んだと思いながら問いただすとマドカはにやりと笑い

 

(簡単だ。鈴を焚きつけて暴走させる、生死に関われば維持でも適応できるだろう)

 

なんて事を!?ゆらりと両手を向ける鈴の視線が私とセシリアを睨む

 

「コハアアアア……」

 

「「獣か!?(ですか!?」」

 

姿は人間だが、もうあれは獣で充分だと言えるだけの威圧感を持っていた。マドカはそれを見て満足そうに頷き

 

「ラウラも絶壁だな。成長の余地はあるのか?」

 

にやりと笑いながら言うマドカ。ラウラは眼帯を外してその目に冷酷な光を宿しながら

 

「遺言はそれだけか」

 

「絶壁www」

 

「殺すッ!!!」

 

ラウラが殺す気だと判る勢いでマドカに突撃していく。さっきまでISを動かすのに苦戦していたのが嘘のようだ

 

「箒!セシリアァ!シャルロットォッ!!!!」

 

「何で僕まで!?」

 

暴走状態になった鈴の猛攻撃をかわし、避けている内に重さは感じなくなったが

 

「シアアアアアア!!!」

 

目に異常な光を宿しているラウラと鈴が少しだけネクロに見えてしまったのは何故なんだろうな……

 

「「ぜーぜーッ」」

 

「「「ぜーっ!ぜーっ!!」」」

 

鈴とラウラの体力が尽きるまでの2時間45分。私達は尋常じゃない死の恐怖を感じながら必死に攻撃をよける事に集中するのだった……そしてその後は力尽き、全員意識を失うのだった

 

「ふむ。まずまず」

 

1人だけ平気そうな顔をしているマドカを見て、流石千冬さんの妹だと私は思った……

 

 

 

IS学園から離れたアリーナでスコール・オータムを相手に新型打鉄「三式」のテストをしていた。弐式とは違い、打鉄の開発コンセプトである防御力を重視しつつ、機動力を確保するという独自の開発コンセプトを持つが正式製作機にはなっていない。なぜならば

 

(かなりのじゃじゃ馬だな)

 

防御力を手にするための重装甲。機動力を確保するためのブースター。そしてツバキさん特製のバックパック……性能が高すぎる、第4世代とまでは行かないが、第3世代でもロールアウトされば有数の機体になっていただろう。もう少し扱いやすければな……

 

「もう終わりか」

 

腰の鞘にブレードを収めながらスコールとオータムに尋ねる

 

「「体力馬鹿にこれ以上付き合えない」」

 

その言葉に眉を顰める。だが良く考えれば既にかなりの時間模擬戦を続けている

 

「そうだな。そろそろ10時間は動いているな」

 

感を取り戻すために徹底的に模擬戦を続けた。途中でオータムとスコールが力尽きたのでユウリと楯無とも戦ってみたが

 

「剣が。剣筋が3つ見えた……」

 

「く、これが世界最強……か」

 

本気で向かったので数分と打ち合うことも出来なかった。それから1時間休憩したスコールとオータムと再び模擬戦をしたのだが

 

(まだ本調子には遠い)

 

大分感を取り戻したと言えるが、これでもまだ不安だ

 

「!」

 

背後から高速で飛んでくる何かの気配を感じて飛びずさる、足元に突き刺さっていたのは剣を模した矢

 

「何をする?龍也」

 

これを使う人間を私は1人しか知らない、振り返り視線を上に向けると、アリーナの管制室の上で弓を構えている龍也の姿を見つける

 

「なに、どれほど感を取り戻したか試したのさ」

 

そう笑って弓を手に飛び降りてくる龍也。普通なら飛び降りる事のできる高さではないが、地面の近くで風が吹いて龍也を浮き上がらせる。軽やかに着地した龍也は私の前に立ち再び弓を構え

 

「お相手しよう、世界最強。それとも私では力不足かな?」

 

剣を矢と作り変え玄を引き絞っている龍也に

 

「よろしく頼む。手加減は無用だ、無論遠慮もな」

 

龍也の回復魔法ならば腕を骨折しようが、もがれようが治る。ならば限りなく実戦形式で訓練できる

 

「そう言ってもらえて何より。では腕と足の1~2本は覚悟してもらおう」

 

その言葉と同時に放たれる矢をブレードで弾き突撃する

 

「近距離なら勝てるとでも」

 

「まさか!」

 

魔法で剣を作り出し私の一撃を受け止める龍也に

 

「宝具とやらは使わないのか?」

 

今龍也が手にしているのは打鉄の平均装備の近接ブレード。お得意の剣を使わないのか?と尋ねると

 

「死にたいのならば?」

 

「止めておこうか」

 

ブースターで加速した蹴りを叩き込む。面白いように跳んでいく龍也だが、手ごたえがない

 

「消力?」

 

中国の武術に聞いたことがある、打撃の勢いを完全に吸収する受身の極みがあると

 

「そんな所だ。さぁ全力でくると良い。ウォームアップはここまでだ」

 

コートを投げ捨て構える龍也。私も強化装甲の一部をパージする。これでうごきやすくなった

 

「前のようには行かない」

 

「そうかね。その台詞は何回も聞いたことがある、千冬は違う事を願うよ」

 

あくまで余裕の色を崩さない龍也。その顔色を変えてやると思いながら再び龍也へと切りかかったのだった……

 

「満足したかね?」

 

「嫌味か」

 

1時間徹底的にいなされ、倒された。ISもデバイスも魔法も禄に使ってないと言うのに信じられない強さだ

 

「それで態々私の前に来た理由はなんだ」

 

態々私を鍛えるためなんてことに来る人間じゃないことはわかっている。何が目的だと尋ねると

 

「可能ならば今夜。一夏を暴走させる」

 

「早過ぎないか、準備なんて何一つ出来ていない」

 

私は何とか仕上げたがマドカ達がどこまで仕上げれたが判らない

 

「今日は新月だ。もっとも魔力が落ちる日でもある、この日がチャンスなんだ」

 

「一夏は?」

 

最終的な決定権は一夏にある。一夏はどうするんだと尋ねると

 

「後で時間を見て話すことになっている。恐らく暴走の話になるだろう、覚悟を決めておいてくれ」

 

言うだけ言って背を向けて歩いていく龍也。相変わらず人の話を聞かない奴だと呆れながらロッカーへ向かう。汗を流して少し休もう……

 

(私は一夏の意志を尊重するだけだ)

 

一夏がもう1人と己と戦うと言うのなら私達も戦うだけだ……1度は私は道を間違えてしまった、家族のためと思い行動したことが

裏目に出てしまった……だけど今度は絶対に間違えたくない、一夏の家族として、姉として……為すべき事をしたい……

 

 

 

龍也と約束した時間に龍也の部屋に向かう。少し用事があると言っていたけど、何をしていたんだろうなと思う

 

「良いか?」

 

扉を叩きながら尋ねる。はやてさんとかも居るので慎重になっている自分に苦笑する

 

「構わない。入ってきてくれ」

 

龍也の言葉に安堵の溜息を吐いて部屋の中に入る。部屋の中には龍也しかおらず、紅茶のポットが机の上に置かれていた

 

「砂糖は?」

 

俺の分の紅茶をカップに注いでいる龍也に1つで良いと返事を返し向かい合って座る

 

「中々いい茶葉なんだ。良い香りがするぞ」

 

そう笑う龍也に頷き紅茶を口に含む。俺はあんまり紅茶を飲まないが、これが良い紅茶と言うのは判る。お茶請けのクッキーを頬張り、気分が落ち着いたところで

 

「龍也は知っているんじゃないのか?暴走を収める方法を」

 

本題を切り出す。龍也はふむっと頷きカップを机の上において

 

「無い訳ではない、リスクもあるし、死ぬかもしれない。死ぬ覚悟があるか?」

 

龍也の蒼い瞳と死ぬ覚悟はあるか?と尋ねられる。その蒼い目に見つめられると身体が震える、俺はあの目が苦手だった

 

「死ぬ覚悟は……」

 

ここまで口にして言葉が出ない。喉に言葉が詰まったかのような嫌な感じがする。口の中が乾く……脳裏に浮かぶのはペガサスの最後……そして俺は龍也の目を見つめかえして

 

「無い……だけど生きようと足掻く覚悟はある」

 

死ねばそれで終わりだ、ならみっともなくても無様でも良い……最後の瞬間まで生き残るために足掻く覚悟ならある。

 

「ふむ。死ぬ覚悟があると聞いてあると言った人間は信用できない、最後まで生きようと思う心。それが何よりも大事だと思う」

 

そう笑う龍也、もしかして俺は試されていた……?

 

「俺を試したのか?」

 

「まぁそうなるかもしれんな。だが暴走を抑えるために死ぬかもしれないというのは本当の話だ」

 

死ぬかもしれないと言うのは本当の話……俺は龍也を見て

 

「その方法って何なんだ?」

 

死ぬかもしれない。だけど何で死ぬのか判らない、龍也に尋ねると

 

「1度完全にお前を暴走させる。お前の身体を奪おうとしている並行世界の一夏は恐らく、精神世界にいる。その精神世界でお前が平行世界のおまえ自身を倒せば良い」

 

なんかとんでもない事になってきたような気がする。えっと精神世界って何?

 

「まぁ私も良くは知らん」

 

知らないのかよ!?なんでそんなに自信満々なんだよ……いや、でもまぁ……暴走を収める方法が判っただけでも良いのか?

 

「そして暴走状態になったお前を私となのはとフェイトとはやての結界で動きを抑える。あとは箒達の頑張り次第だ」

 

「なんで箒達が出てくるんだよ!?」

 

俺の問題のはずなのになんで箒達が……龍也は俺の目を見て

 

「それもまた箒達の覚悟だ。お前が負ければお前はネクロとして私が処分する。判るな?言葉の意味が」

 

死ぬというのは龍也に殺されるって事なのか……一気に目の前が暗くなるのを感じる

 

「だが箒達は信じると言った。お前が勝つのを、だから暴走しているお前を抑える結界を展開するのは私達だ、だが暴走するお前を押さえるのは箒達だ。はっきり言おう。お前よりも箒達の方が覚悟が出来ている……どうする?やるのか、やらないのか、ハッキリしろ!」

 

机を叩き俺を見る龍也。確かに死ぬのは怖いさ、だけど何よりも箒達が俺が勝つって信じてくれているなら

 

「やる……俺は負けない」

 

何で負けても良い、だけど気持ちでだけなら俺は負けない!ペガサスから剣を取る、信念と意思を受け取った。なら俺はもう負けない

 

「良い返事だ。なら来い、もう皆待っている」

 

いきなりとかは思わなかった。心のどこかでこうなることが判っていたような気がする。それに何よりも今のこの気持ちが弱くなる前に行動したい。龍也につれられてアリーナに向かう。

 

「箒達は?」

 

箒達も居ると思っていたが誰も居らず、若干拍子抜けしながら尋ねると

 

「待機している、気持ちが揺らぐといけないからな。お前の」

 

メンタルが弱いのは自覚しているが、そんなに言わなくても良いだろうと思っていると、とんっと龍也の拳が胸に当てられる

 

「さぁ行って来い。負けるなよ」

 

どこかに引きずり込まれる感覚。それと同時に俺の目の前は漆黒に染まった。いきなりかよと思ったが、グダグダするよりもこっちの方が良い。どこまでも落ちて行く感覚、そして浮遊感それが終わると

 

【よお。また会ったな】

 

オレが肩に雪片を担いで俺を見ていた。周囲は黒一色で本能的な恐怖を感じる、精神世界って事で良いんだよな……ここが

 

【まぁ良く来た。歓迎するぜ!てめえの身体はオレが貰う!】

 

黒い閃光が走りISを展開するオレ。俺もISを展開したのだが視界に入る装甲を見て驚愕した

 

「白式じゃない!?」

 

俺の体を覆っているのは白式じゃなく、黒い無骨なIS「打鉄」だった。

 

【オレの支配力が増してるのさ!!!さあ行くぜえッ!!!】

 

二段階瞬時加速で切り込んでくるオレ。俺は慌てて後ろへの瞬時加速でそれを回避しながら

 

(こんなんでどうやって勝てば良いんだ!?)

 

ISは旧式。魔力も使えない、それにたいして向こうは白式・雪華に魔力。どう考えても勝てない……だけど

 

(気持ちでだけは負けない!!!)

 

一瞬下を向きそうになった自分を鼓舞するかのように心の中で叫び。肩に雪片を担いでニヤニヤと俺を見ているオレを睨み返すのだった……

 

 

 

目の前で両手をだらりと下げて意識のないようにも見える一夏。龍也の説明では数分のラグがあるそうだけど……箒やラウラ。バックパックと強化装甲のインストールが済んだ。あたし・箒・ラウラ・千冬がセンターで、強化装甲を搭載しただけのセシリア・シャルロット・マドカがバックス。シェン達がいないのは縁が薄いとの事だけど、人数がいればそれだけ有利だからできれば一緒に戦いたかったと思っていると

 

《ウ、ウォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!》

 

俯いていた一夏が突然顔を上げて雄叫びを上げる。それと同時に龍也から

 

「来たぞ!気を抜くな!!!」

 

その言葉に頷き臨戦態勢に入る。龍也達は結界と魔力をコントロールして暴走している一夏を少しでも束縛すると言っていた、どれくらいの効果があるのかは気になるが、意味がないと言うことはないだろう

 

「う、これはまた……」

 

「凄まじいな。これが一夏の側面か」

 

あたしは目の前の光景を見て絶句した。悪魔を思わせる漆黒の体に1対の蝙蝠の翼そして顔仮面をつけている一夏だったものは

 

《ギギャアアッ!!!!》

 

凄まじい方向と共に飛び立とうとしたが、上からの圧力のような物のせいでその場から浮き上がることは無かった。多分これが龍也の張った結界の効力なのだろうと理解する

 

「私が先陣を切る。お前らは様子見だ」

 

千冬が前に出て言う。強化装甲に加えて龍也から借りた魔力を帯びた刀を持っている千冬が恐らく最大の火力になる

 

【無理に戦闘に持ち込もうとするな、防御に徹しろ。後詰めでスコール達が待機しているが、あくまでメインはお前たちだ。良いな繰り返すぞ、無理に戦闘に持ち込むな】

 

オープンチャンネルで指示を出す龍也。これは戦いとい言うよりも暴走している一夏をこの場に留める為の物だ。適度に攻撃を仕掛け、一夏に呼びかけること。そのための強化装甲とバックパックだ

 

『余り突出しないでください。支援が難しいですわ』

 

知らずの内に前に出ていたようで、セシリアからの通信で一歩下がった瞬間

 

《オオオオオッ!!!!》

 

地に響く唸り声を上げながら一夏が突進してくる。その凄まじいまでの威圧感に一瞬心臓が止まったかのような威圧感を受ける

 

「下がれ!私が相手をする!」

 

動けないあたし達と違って千冬が前に出て一夏の突進を受け止める。その間に呼吸を整えて

 

「馬鹿一夏ーッ!!!とっとと戻ってきなさい!」

 

あたすは普段使い慣れた武器ではなく、手持ち式の盾を両手に持ち、そう叫んだ……だが一夏に反応はないなら

 

(何回でも呼ぶまでよ!)

 

一夏がこの場所に戻って来れるように、闇の中に落ちてしまわないように、何度だって何十回だって叫ぶだけ。きっとこの声は一夏に届くはずだから……

 

第131話に続く

 

 




今回はここまでになります。次回は精神世界の戦いと暴走状態の一夏と千冬達の戦いを交互に書いていこうと思います。133話までには終わらせたいとも思います。あと他のアニメのネタも入れて行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。