IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、次回から第2巻の話になります、まず2巻決定事項を3つ発表しておきます。その1「ラウラさんは一夏に興味がある」その2「シャルロットさんは病みます」その3「後半か、第3巻の時点で大魔王様が光臨なさいます」まぁこの3つで判ると思いますが、第2巻からはオリジナル色が非常に強くなります、ですのでそれを覚えていてください。それでは第16話始まります



第16話

第16話

 

「無駄が多い!」

 

バシンッ!!

 

「つううッ!!」

 

龍也の厳しい言葉と共に放たれた一撃が俺の手を叩く、その強烈な一撃に手が痺れ手から竹刀が落ちる

 

「隙を探そうとして、己が隙を作っていては意味がないぞ?」

 

喉元に突きつけられる竹刀を見ながら

 

「っつても、焦ってくるぞ?探しても探しても隙がないからさ」

 

「心を研ぎ澄ませ。さすれば自然に見えてくるものだ」

 

しれっと言う龍也に

 

「いや、無理だって」

 

正直な話龍也と俺では技能が違いすぎて、何を言ってるのか理解できない。箒は箒でちんぷんかんぷんな表情をしてるし、剣道場の娘がこれなら俺が理解出来ないのも無理はない。

 

「切り込みが速すぎますわ!?」

 

「そっちの反応が遅いんだよッ!!」

 

アリーナではセシリアがフェイトに絞られている。間合いを詰められビットを出す隙もなく、近接戦闘に持ち込まれ苦戦している、反対側で

 

「ち、近づけない!?」

 

「はいはい、ちゃんと見てね。よーく見れば避けれるから」

 

左手にガトリング、右手にライフルを構えたなのはの射撃の嵐を前に攻める事が出来ない、鈴の姿が見える

 

(あの2人も悲惨だな…)

 

何も出来ず負けるのは結構きつい。手も足も出ないうちに撃墜された鈴とセシリアを見ていると

 

「それでは休憩は終わりだ。次を始めるぞ」

 

「うえっ!?ま。マジか?」

 

3分ほどしか休めてない。幾らなんでも体力的にきつすぎる

 

「なんだ?この程度でギブアップか?やれやれ情けないな」

 

カチン…

 

龍也が挑発するように言う、安い挑発だと判っているが。それでも頭にくる

 

「なに言ってんだよ!余裕だ!余裕!!!」

 

意地で立ち上がり竹刀を構える、隣で馬鹿かお前は?という感じで見ている箒。馬鹿で結構!男には意地がある!

 

「良い気迫だ、それでは今度こそ私に一撃入れて見せろ」

 

楽しそうに言う龍也に

 

「おうよ!!今度こそ一撃入れてみせる!!」

 

俺はそう叫んで龍也に向かって行った…

 

~数分後~

 

「し…死ぬ…もう無理だ」

 

ぼこぼこに叩きのめされ、大の字で寝転がりながら言うと

 

「3分30秒…赤点だな。なのはでも7分は立ってられるぞ」

 

それはお前のしごきに馴れてるからだ…俺はそう思ったが喋る体力もなく目で文句を言うことしか出来なかった

 

「はいはい!頑張る!頑張る!」

 

「お…鬼」

 

なのはに半分引き摺られるように連れて来られる鈴に

 

「あーあ。体力無いなあ」

 

「む…無茶を言わないで下さい」

 

フェイトに背負われ戻ってくるセシリア。どうやら2人とも体力の限界まで絞られたようだ

 

「わ…私も、もう無理だ…」

 

ぜえ…ぜえと肩で息をする箒、結局俺達は全員行動不能になり、鬼教官×3の地獄の訓練を途中リタイアする羽目になった

 

「では実戦訓練は止めて」

 

龍也が何処かから持って来た黒板を俺達の前に置き

 

「理論について話をしよう」

 

「「「「「お前は鬼かッ!!!」」」」」

 

俺・箒・セシリア・鈴の悲鳴が重なった…俺の中で龍也の位置づけが鬼教官から悪魔へとランクアップした瞬間だった…

 

「では一夏、お前の白式から解説していこうか?」

 

「スルーッ!?俺達の叫びはスルーなのかッ!?」

 

「まず零落白夜についてだが…」

 

「聞いてるのか!?」

 

「これ以上文句を言うのなら、腕立て300回プレゼントするが?」

 

「…悪魔」

 

このボロボロの状態で300回も腕立ては出来ない。俺は観念し龍也の講義に耳を傾けた…

 

 

 

アリーナで龍也君達に指導を受けている鈴達の様子を見に行った私が見たのは

 

「「「…頭痛い…」」」

 

倒れ伏せそう呟いてる一夏君と箒さんそれに鈴の姿だった、気のせいでなければ頭から湯気が出てるように見える

 

「では次はブルーティアーズについてだ」

 

「うう…私の番なんですね?」

 

観念したように言うセシリアさんに龍也君が

 

「では、お前の欠点のビットと本体の同時使用が出来ない点だが、それはお前の練度不足が原因だ」

 

「そ…そこまではっきり言いますか?」

 

「言う、欠点は欠点のままにしておかないことが大事なんだ。そこでマルチタスクが出来るようにする為の教材を用意した

 

龍也君は5×5のマス目に数字を書いた物をセシリアさんの前に差し出し

 

「では1~25まである、それを順番に言いながら指差してもらう。間違えたらその場で腕立て20回な」

 

「もう体力が限界なんですが?」

 

「仕方ない、では10回にしておいてやろう」

 

「腕立ては決定事項なんですの!?」

 

「はい、スタート」

 

「えっあっ…1・2・3・4「はい、間違いそれ14、腕立て10回」…鬼」

 

「20回するか?」

 

「1・2・3…」

 

素直に腕立てをし始めるセシリアさん。そして10回終った所で

 

「はい、再スタート」

 

「きゅ、休憩は無しなんですの!?」

 

息も絶え絶えと言う様子で言うセシリアさんに龍也君は

 

「10・9・8…」

 

「ああ、もう!!1・2・3・4・5…「はい。間違い、腕立て10回」悪魔ッ!!!」

 

「まだ余裕がありそうだな?15回な」

 

「ううう…やります、やればいいでしょう?」

 

うわあ…あれはきつい…私も見つかったら同じ事をされそう、戻ろう…私が振り返ろうとしたところで

 

「龍也さん?あそこにシェンさんがいますわ?どうでしょう?、シェンさんも一緒に教えて差し上げては?」

 

驚き振り返るとセシリアさんがお前も道ずれにしてやると言いたげな表情で私を見ていた

 

「ん?それもそうだな、よし、シェン来い」

 

龍也君が笑顔で私を呼ぶが、あそこに待ってるのは地獄だ…しかし見つかった以上逃げる事は出来ない

 

「…はい」

 

私はそう返事をし、肩を落としながら龍也君の元へ向かった…

 

 

 

シェンとは対戦経験がないので、まずは様子見という事で模擬戦をする事になった

 

「ふむ、初めて見るが、シェンのISは完全近接特化型だな」

 

鈴の甲龍に近いデザインだが、両腕の装甲が他の装甲より厚く、近接系だと推測しそう呟くと

 

「ふっふー、神武(シェン・ウー)を見た目で判断すると痛い目見るよ!!」

 

ガシャッ!!

 

腰の装甲から不可視の弾が放たれるが

 

「ふむ、遅い」

 

ジャカッ!!

 

肩から引き抜いた獅子王刀で切り払う

 

「…一応、私のも衝撃砲で見えない筈なんだけど?」

 

驚愕という表情のシェンに

 

「空気の歪みとかで射軸は予測できる、当たる道理はないな」

 

そういうと観客席の一夏達が

 

「反応速度まで化け物か!?」

 

「出来るとは思ってたが…こうしてみると龍也の技能の異常さが判る」

 

「あはは…龍也さん、目隠しして真剣白羽取りとかしてたから…」

 

「死ぬぞ普通」

 

「龍也は基本化け物だから」

 

私の評価がどんどん酷くなってる気がする…

 

「じゃあ…衝撃砲は駄目かーじゃあこれだね!!」

 

コールされた幅広の刀を両手で構えるシェン

 

「斬馬刀か…」

 

「へー武器にも詳しいだね!」

 

ガキーン!!

 

振り下ろされた斬馬刀を受け止めながら

 

「まあ、それなりにはな!!」

 

獅子王刀の峯でその刃を受け流し、拳を振るおうとして

 

「!!」

 

直感的に後ろに飛ぶ、私のいた場所を通る、円形の光刃…あれはチャクラムか!

 

「ちぇー、当たったと思ったのに…」

 

左手の装甲に収納されていくチャクラム…

 

「なるほど…隠し武器か」

 

「まぁね!本当は衝撃砲で牽制するつもりだったんだけど、見切られてるなら他の武器ってね!」

 

ヒュン!!ヒュン!!

 

コールしていた斬馬刀を待機状態にし、シェンは舞うように両手を振るう、それと同時に鋭い風切音を放ちながら、シェン・ウーの装甲から放たれたチャクラムが荒れ狂う

 

「ふっふー、私の間合いに入れるならどうぞ」

 

「むっ…」

 

確かにこれは厄介だ、荒れ狂うチャクラムはビームでコーティングされており、かすっただけでもダメージは大きいだろう。それが有線で繋がれている為、軌道が読みにくく、回避も難しい…

 

(それに誘ってるようにも見える)

 

シェンはチャクラムを囮に私を懐に呼び寄せようとしてるように見える

 

(乗ってやるか)

 

その誘いに乗るのも悪くない

 

「では…行かせて貰おうか!」

 

ドンッ!!

 

瞬時加速ではなく、地面を踏みしめるイメージ…鋭い踏み込みでシェンの間合いに飛び込む

 

「よっほ!!」

 

「あまい!」

 

キン!!キン!!

 

鋭い音を立ててシェンのチャクラムを弾く、後2歩で完全にシェンの間合いだ…

 

(さあ!どうでる!私をここまで誘い込んで何を狙っている!)

 

次のシェンの1手を考え、微かに笑みを零しながら、間合いに入り込む

 

「私の距離!取った!!」

 

シェンが即座にチャクラムを収納し。膝を曲げる

 

「はあああッ!!打ち抜くッ!!一撃必倒!!」

 

どこかで聞いたフレーズだな。そんな事を考えているとシェンウーの両拳の装甲の甲の部分が光る…一目で判る強大なエネルギーが収束されているのが、当たればガード越しでもKO出来るほどの威力があると…

 

「行けええッ!!」

 

踏み込み鋭い正拳突きを打ち込んでくる。それは中国の武術。八極拳に似た足運び。鋭くガードする隙も与えないそんな足運びだが

 

「甘い!」

 

「うえ!!嘘ッ!!」

 

獅子王刀を投げ捨て、シェンの突きに逆らわず、流れるように受け流す

 

「悪いが、私は武術には詳しいんだよ!」

 

軽く触れるようにシェンの腹に手を当てる

 

ドンッ!!

 

「こふっ…寸勁って…嘘でしょ…」

 

ドシャッ…

 

膝から崩れ落ちるシェン…

 

「ふーむ。少しばかり強く打ちすぎたか…」

 

そこまでする気はなかったのだが…完全に意識を失っている

 

「どうしたものか…」

 

選択肢として、背負う・抱っこがあるが。果たして付き合いの短い人間が抱き上げたりして良いものか?と考え込んでいると

 

「うっわー手加減無しで打ち込んだのね」

 

「つい癖で」

 

鈴がやってきて。シェンの頬を突きながらいう…どうやら私が何をしたか理解した、鈴は慌ててシェンの様子を見に来たようだ

 

「まぁ。シェンはシェンで鍛えてるから大丈夫だと思うけど…やりすぎよ馬鹿!!」

 

「面目ない…」

 

鈴にそう怒鳴られ。今日の訓練は終わりとなった…ちなみにその後、訓練の仕返しと言いたげな表情で箒達に吊るし上げられる事となった

 

 

「…」

 

質素な作りの墓の前で祈りを捧げる銀髪の男…その後ろから

 

「ユウリ、仕事よ」

 

スーツ姿にサングラスの女性がそう言う

 

「……了解した、任務内容は?」

 

閉じていた目を開き立ち上がりながら尋ねると

 

「IS学園に入学している八神龍也の情報が欲しいの」

 

八神龍也…織斑一夏に続く男の操縦者。戦闘力が異常に高いと言うことくらいしか今のところ情報がない。情報を欲っするのは当然だな

 

「IS学園に潜入しろと言うことか?スコール」

 

そう尋ねるとスコールは

 

「今はまだ良いわ、その代わり非合法の研究所が情報を集めてるらしいの。それを奪取してくれるかしら?」

 

「…了解した、すぐに任務に入る」

 

「お願いね、ユウリ…いえ…黒武士?」

 

「…どちらでも良い…ではな」

 

ワタシはもう一度墓を見てから俺はその場を歩き去った…

 

数時間後…

 

「ここか…」

 

渡されたデータに記された研究所を見下ろし呟く…地図にはない研究施設

 

「…忌々しいな…全く」

 

こういう研究所は非合法な研究ばかりだ…ワタシはそう言う研究施設が虫唾が走るほど嫌いだ。

 

「…こんな施設があったから、ワタシやあいつは…」

 

ギリッ…

 

思わず拳を強く握り締め

 

「…完膚なきまで叩き潰す」

 

ワタシは崖の上から飛び降りた

 

「アマノミカゲ」

 

パアン…

 

光が弾けISが展開される、漆黒の独立式の装甲に可動式のウィングブースター、そして特徴的なフルフェイスを持つ。違法改造のワタシ専用IS…日本における鍛冶の神、天之御影神から名をとった近接特化型ISだ

 

「行くか…」

 

腰部右装甲に装着された日本刀型ブレードを抜き放ち。ワタシは研究所に向かった

 

ウーウーッ!!!

 

「侵入者あり!侵入者あり!!至急救援を…「失せろッ!!!」ぐあっ!!」

 

警護兵を切り伏せ、スコールに渡された地図に従い、研究施設の奥へ奥へと向かう

 

「これと…これか…」

 

研究施設のPCにハッキングし、「八神龍也」と「零式」のデータを根こそぎ回収する

 

「…?これは本当に第3世代か」

 

装甲や武装データこそ第3世代の物だが、機体の反応速度やエネルギー総量…と言った機体面のスペックが高すぎる…第4世代と言っても通るレベルだ

 

「!!」

 

ダダダッ!!!

 

殺気を感じ急速反転で放たれた弾丸を回避する

 

「…何者だ」

 

「更識の当主と言えば判るかしら?」

 

その言葉に舌打ちする、何度もスコールから聞かされている。日本での活動を何度も妨害されたと

 

(シールドエネルギーとエネルギーは全開時の半分…それに比べて相手は全開に近いと見える)

 

恐らく相手も八神龍也の情報を求めてきたのだろう。でなければこんな奥まで来る必要が無い

 

(撤退するにも退路はあちら側…攻め込みきれるか?)

 

俺が今居るフロアは研究所の一番奥、戻るには更識を突破する必要がある

 

(ユウリ?更識の当主と遭遇したらしいわね?良い機会だわ面倒だから潰しておいてくれるかしら?)

 

気楽に言ってくれる、だがクライアントの依頼だ出来るだけやってみるか。万全なら軽く倒せるが、今の状態では正直五分五分…いや正直こっちが分が悪い。相手のISの事が判らないが…

 

(その程度で引くワタシではない)

 

雷切を構え、更識の当主の方へ向かって行った

 

 

 

 

(くう…重い!)

 

黒武士と呼ばれる正体不明のIS、何度か戦闘は目撃した事があるがこうして戦ってみると、黒武士の強さが良く判る

 

「このっ!!」

 

蒼流旋に内蔵されたガトリングのトリガーを引く

 

「遅いッ!!」

 

ジャキン

 

鋭い音と共に腰の装甲の後ろから2本の刀が抜刀され。放ったガトリングの弾が全て斬りおとされる

 

(なっ!?なんて反射神経なの!?)

 

思わず硬直すると同時に

 

「ふんっ!」

 

「げほっ!?」

 

瞬時加速で接近され腹を蹴り上げられる

 

「くらえっ!!」

 

シュッ!!

 

右手の小太刀を捨て、右側装甲に装着された刀が抜刀される

 

「くうっ!!」

 

反射的に蒼流旋で受け止めようとするが、反応が送れ袈裟切りに水のヴェールが裂かれる。だがこれで良い

 

「このおっ!」

 

蒼流旋を手放し、一気に後退し待機状態にしていたラスティーネイルを呼び出す

 

「ちぃっ!!」

 

ラスティーネイルで黒武士の特徴的なフルフェイスを切り裂く。そして切り裂いたフルフェイスから見えた操縦者の顔を見て

 

「男!?…それにその顔は!?」

 

一瞬しか見えなかったが、あの顔は確かにエリスに瓜二つだった。私が思わず困惑し硬直してしまった…だがその隙を見逃す黒武士では無かった…ほんの一瞬。その一瞬が勝敗を決した…

 

「貴様アアッ!!!」

 

激昂した黒武士が瞬時加速で踏み込んでくる

 

「はああああッ!!!」

 

今まで一度も抜かれなかった左腰にマウントされた日本刀が抜刀される

 

「ッきゃあああッ!!!」

 

余りに速いその一撃を回避する事すら出来ず、アクアクリスタルごとヴェールが切り裂かれ、ミステリアス・レイディのシールドエネルギーが0になり、ISが強制解除され私は地面に倒れた

 

 

 

 

「…ちい…顔を見られるとは油断した」

 

まさか武器を捨て駒にして来るとは…思わず激昂して「禍ツ月」を放ってしまった…壊れたフェイスの代わりをコールし、それを再度装着しながらエネルギーの消費量等を考えると

 

(帰還するまでエネルギーが持つか?)

 

帰還するまで持つかどうかギリギリと言うところだ…禍ツ月、超高速抜刀術…アマノミカゲの最強の技。シールドエネルギーが減っていれば減っているほど威力を増す、一撃必殺の抜刀術…しかし、

 

(浅かった…)

 

命中と同時に少しばかり後退された…決まりきらなかった…ISごと両断するつもりが、ISの機能を停止させる事しか出来なかった

 

(まぁ良い、ISは解除させた…後が面倒だ始末しておくか)

 

ここで殺しておいたほうが良い…ワタシはそう判断し倒れている女の元へ向かった

 

「依頼だから見逃す事は出来ん…だが、遺言くらいなら聞いてやろう。それくらいの慈悲は持っている」

 

「慈悲って言うなら見逃して欲しいわね」

 

息も絶え絶えながら軽口を叩く女に

 

「…悪いが顔を見られた以上貴様を生かしておくつもりはない」

 

「まぁこんな仕事をしてるから死ぬ覚悟は出来てるわ」

 

暗がりで顔が見えないが、ワタシを睨んでいるのは判る

 

「…命乞いをしないのか?」

 

今まで何人もの人間を切ってきた。その全てが皆みっともなく命乞いをしてきた。それをしない女にそう尋ねると

 

「命乞いをしても殺すんでしょ?無駄だって判ってる事はしないの」

 

「…死ぬのが恐ろしくないのか?」

 

「怖いに決まってるでしょ?なんでそんな事を聞くのよ?」

 

そうだ…死ぬのは怖い物だ。なのに何故笑っていられる

 

「…判らない、ワタシにはお前が判らない」

 

判らない…判らない…

 

「判らないんじゃないの、貴方は依頼だなんだって理由をつけて、考える事を放棄してるだけ」

 

考える事を放棄…

 

「だって貴方の目は死んでるもの…考える事を捨てて、生きる目的を持たず貴方は何処に行くの?」

 

何処へ…?ワタシは何処へ行きたかった?

 

(ユウリ、もしこの研究所を生きて出れたら何をしたい?)

 

(そうだね…太陽の下を歩きたいかな…セリナと一緒に)

 

脳裏に蘇るはただ1人のワタシの理解者の姿

 

(…ごめんね…ユウリ…私…ここまで見たい)

 

(セリナ!駄目だ…死んだら…駄目だ…)

 

ワタシはただ…生きたかった…セリナと共に…

 

「もう一度聞くわ、貴方は何処へ行きた「黙れ!!!これ以上ワタシの…心に入ってくるな!!」

 

駄目だ、この女と話していてはいけない…何も判らないがそれだけは判る。ワタシは感情の赴くまま雷切を頭上に構え振り下ろした…

 

「…見逃さないんじゃなかったの?」

 

判らない、ワタシは振り切るつもりだった…なのにワタシの手は止まっていた…

 

「お嬢様!」

 

通路から青い髪の女が飛び出してくる

 

「ちいっ!この場は預ける!」

 

帰還するエネルギーが無くなるが致し方ない

 

ズガンッ!!

 

研究所の壁を切り裂きそのまま離脱する…だがワタシの脳裏にはあの女の言葉が繰り返えされていた…

 

 

 

「…お嬢様大丈夫ですか?」

 

「ああ、ありがとうアイアス、助かったわ」

 

本来ならエリスの護衛権部下として活動している、アイアスを念のため連れて来たのは正解だった

 

「はぁ…疲れた」

 

何とか生き延びる方法を考え黒武士と話し続けたが、ギリギリだった

 

「…とりあえず帰還しましょう。骨に異常は無さそうですが打撲がひどいですから」

 

「ありがとう」

 

アイオスの手を借り立ち上がる…ズキンと脇腹が痛んだがまぁ生きてる証拠だ我慢しよう

 

「ん?」

 

つま先に何か当たる、何だろう?拾い上げるとそれは黒武士の仮面だった…

 

(仮面で心を隠して…何処へ行けるの?)

 

何となくだが黒武士は泣いているのだと思った。涙を拭ってくれる人もおらず仮面で顔を隠す事を選んだ…悲しい人

 

(敵なのにね…)

 

ここまで痛めつけられたのに黒武士の事を考えている事に苦笑しつつ、私はIS学園にへと戻った

 

第17話に続く

 

 

 




またもやオリキャラが出ました、と言ってもまだここでは紹介しませんよ?第2巻におけるキーパーソンですからね?
それでは次回は、ラウラとシャルさんが登場するところからです、それでは次回もどうかよろしくお願いします
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