IS~現れたる神なる刃【凍結中】   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はそうですね、ラウラの話が多いと思います。原作で言うと既に6巻辺りの性格に変化しているので突然バトルにはならないと思うので、それでは今回もどうか宜しくお願いします


第22話

 

 

第22話

 

土曜日の午後の訓練の時間。今日は更に2人の参加者がいた

 

「一夏君が私や、デュノア君に勝てないのは武器の特徴を把握してないからだよ」

 

「うん、僕もそう思うよ」

 

なのはとシャルルの言葉を聞きながら俺は

 

「ちょっと待っててくれるか?……死にそうなんだ」

 

ISでの戦闘訓練の後、龍也との組み手でポンポン投げられて体力が限界だった

 

「龍也、一夏をあれだけぽいぽい投げた技は何だ?」

 

「合気道と八極拳のミックスだ。体重移動とかで身長さと体格の差はカバー出来るしな。ラウラも判るだろ?」

 

「システマと似たような物か?」

 

「そんな感じだ」

 

龍也の技に興味を持ったラウラが繰り返し龍也に質問している。取り分け徒手空拳での技能に興味を持ったようだ

 

「こう……やって、こうだ」

 

「むっ?こうか?」

 

足捌きと体重移動をラウラに教えている龍也、普段なら俺の体力が回復した時点でまた無限組み手『龍也に一撃入れるか、5分間耐えると言うもの。5分経たずに倒れた場合カウントがリセットされる。しかも龍也は投げ技中心……苛めっ子か?と思わずにはいられない』

 

「こうやって、こうだ」

 

「こうだな」

 

鋭い踏み込みの音と凄まじい風切音が絶え間なく龍也とラウラの居るほうから聞こえてくる

 

(なんか弟子と師匠って感じだな)

 

そんな事を考えながら身体を起こす。組み手終了から10分、漸く動けるほどに体力が回復した……視界の隅ではセシリア・箒・鈴がフェイトに絞られ行動不能になっている。しかし俺よりかは体力の減少は少ない筈だ。何せ龍也と無限組み手をするのは「俺・なのは・フェイト」位なものだ。だが最近訓練に顔を見せている弥生さんとシェンさんもその内参加しそうな感じだ

 

「おおッやるな!」

 

「そっちもな!」

 

鋭い打撃音と回避の音がする。何事だろうかと龍也とラウラの方を見ると

 

「シッ!」

 

「甘いッ!」

 

ラウラが突き出した手刀を掴み上に投げる龍也

 

「甘いのはどっちだ!」

 

「くっ!」

 

空中で上手く体勢を立て直し踵落としを叩き込むラウラ。

 

「くう、ちょこまかと」

 

「それが取り柄なんでな」

 

龍也とラウラはかなり身長差がある。龍也は思うように動けず苦戦している様に見えたが

 

「だがね。私は身長差のある相手とも戦うのは慣れてるのだよ?」

 

「水面蹴り!?」

 

しゃがみ込んだ龍也の水面蹴りで体勢を崩されたラウラの襟を掴み

 

「これでゲームセットだ!」

 

「うわッ!!」

 

まるで猫の様に掴み上げられ。投げられたラウラはそのまま倒れた

 

「惜しいな、後2分だったぞ」

 

「むうう……もう1回だ!!」

 

ラウラが跳ね起きもう1回組み手だと言うと

 

「続けてはやらん、少し休め。私は一夏も見ないといかんしな」

 

「そうか、ではその後にもう1度だ」

 

さてと名指しされたし、もう1回あの地獄に足を踏み入れるか

 

「そうそう、シャルルも来い」

 

「へっ?ぼ、僕も!?」

 

あの無限組み手(苛めっ子仕様)を見ていたシャルルがビクンと身を竦めると

 

「ああ。違う違う、一夏に銃貸してやって欲しいんだ」

 

「銃?……これで良い?」

 

コールしたアサルトライフルを龍也に渡すシャルル

 

「うん、これで良い。私と一夏に使用許諾は出してくれたか?」

 

「ちゃんとしてあるよ」

 

龍也とシャルルが何の話をしているか判らないので首を傾げていると

 

「なに、近接だけと言うのも何だからな。少しは射撃の練習をさせてみようと思っただけだ」

 

手渡されたアサルトライフルを持ち構えてみる

 

「それじゃあ。駄目だよ一夏。脇を締めて。それと左腕はこっち」

 

シャルルが構え方を教えてくれる。言われたとおり構えてみる

 

「センサーリンクはどうだ?」

 

「探してるんだが無い」

 

白式のメニューにセンサーリンクが無い。俺がそう言うと龍也は

 

「よし、では目測で行こう」

 

「大丈夫なのか?」

 

「何とでもなるだろ?では撃て」

 

龍也って結構大雑把だよな。俺はそんな事を考えながら渡されたアサルトライフルのトリガーを引いた……1マガジン撃ち切った所で龍也が

 

「ふむ。命中率2割。まぁこんなものか?」

 

「じゃあ。お前もやってみろよ」

 

マガジンを付け替えライフルを渡す。すると龍也は

 

「射撃は苦手なんだがなあ」

 

そう言いながらライフルを構えた。これは初めて龍也を馬鹿にする機会があるかもと俺はそんな事を考えながら。龍也から距離を取った

 

「ではまぁ撃つか」

 

軽い呟きと共にライフルが火を噴いた、

 

「す、凄い!!全弾命中だよ!!しかも全部ど真ん中!」

 

「お前これで苦手ってなんだよ!?嫌味かこんちきしょうっ!!!」

 

結論……龍也に弱点が無いと言うことが判っただけだった……

 

 

 

「さてと。今日の訓練はこれ位にしておくか」

 

「「「………お、終った」」」

 

「流石の私もしんどいぞ……」

 

息も絶え絶えと言う感じの一夏達と少しばかり疲労の色が見えるラウラを見ながら

 

「今日は軽めだったよな?」

 

今日は少し調べたい事があったので早めに切り上げた。だから軽かった筈と思い尋ねると

 

「龍也の視点ではね?龍也にとっての軽いって事は普通の人にとっては拷問だよ?」

 

そんなことないだろ?エリオ達だって出来る

 

「それは慣れたからですよ?龍也さんの訓練は地獄への直行便ですからね」

 

「さてとではまた後でな」

 

「「スルーしたッ!?」」

 

一夏達の突っ込みは無視して私はなのはとフェイトと共にアリーナを後にした

 

「で?実際のとこどうだったんだ?」

 

シャワーで汗を流したところで部屋に防音結界を張ってから本題を切り出した

 

「イギリスで魔力反応があったのでサーチャーで調べた結果。ネクロらしき物を発見しました」

 

「らしきもの?デクスか?」

 

ネクロには派生体のデクスと言う、自己再生能力に特化した個体が居る。そのデクスか?と尋ねるとフェイトは

 

「うーん……私も最初はそうだと思ったんだけど。なんか違うみたいなんだ。とりあえずこれ見てよ」

 

 

ノイズの混じった画像が映し出される

 

「感じはLV2に近いな……」

 

ネクロはLV1~LV4の段階で区分される。黒い亡霊のようなLV1に、ボロボロの鎧を身に纏ったLV2、LV2以降は個体差が激しいのでなんともいえないが、人に近いか人から遠くはなれた姿かのどちらかだ。画像のネクロはどちらかというとLV2だが

 

「首が無いな」

 

見た目の特徴としては首が無い。その代わり胸部とクリスタルの様な物がある。恐らくあれが目の代わりなのだろう

 

「首が無いって言うのは初めてのタイプですね。LV2は基本同じ姿ですよね?」

 

「ああ、LV3までは意思が無い筈だ。こういう個体は居ない筈だな」

 

LV3から姿が変わるのは意思を持つからだ。その意思に応じて人型になったり、獣型になったりする。LV2でこうまで特徴が出ると言うのは今までに無いパターンだ

 

「あと特徴としては身体の即時組み替えですね」

 

なのはの言葉と同時に画像のネクロは肩の組織を組み替え、キャノン砲に変化した。更には腕が刃になる者や、ミサイルを作り出した個体もいた

 

「生体兵器としての特徴をより強化したと言う感じだな」

 

「ええ、私もそう思います。しかし……なんと言うか不気味ですね」

 

なのはの言いたい事は判る、LV1・2は上位の個体に統率され行動する。デクスは本能に従い破壊を繰り返す、画像のネクロはある程度は統率されているようだが、全部が全部好きかってに暴れ回っている。それは今までのネクロに無いパターンで何処と無く不気味な感じだ

 

「うん?待てなのは画像を止めろ」

 

「えっ?はい」

 

画像が停止する、4体のネクロの奥に立つ1人の女性がいた

 

「LV4かな?かなり人に近いし」

 

「いや、判らんぞ。これはデバイスではないか?」

 

その女性の身体を覆っているのは騎士甲冑に近い物だった。確信は無いがデバイスだと思う

 

「デバイスを使うネクロなんかいませんよね?」

 

「基本使う必要ないはずだ」

 

ネクロは身体自体がデバイスと言っても良い、態々デバイスなどに魔力を使わずとも、そのまま戦ったほうが魔力効率が良いはずだ

 

「どうやらこいつが指揮を出しているようだが……何者だ?」

 

「デバイスを使ってるからネクロじゃないですよね?操られてるミッドの人ですかね?」

 

その可能性もあるか、しかし私達だけではなんとも言えないな

 

「とりあえず情報を纏めてジェイルに送っておくか」

 

戦闘特化型の私達ではよく判らない。ここは専門家のジェイルに任せておこう、奴がわからなくてもジェイルの中に居るヴェノムなら判るかも

 

「あれ?最初からヴェノムに頼んだほうが早くないか?」

 

ジェイルのクローンからネクロ化したヴェノムは幹部集団の1人だ。ネクロに1番詳しいのはヴェノムでは?と思いフェイトに尋ねると

 

「対価として色々されると思うよ?あれマッドだから」

 

「それもそうだな、藪を突付いてなんとやら。危険を冒すのはやめておくか」

 

何をされるか判らないので止めておこう。それが良い……私はそう判断してサーチャーの画像をジェイルのPCに送り

 

「漸くネクロが動き出したな」

 

「そうですね、やっとですね」

 

学生生活と言うのも悪くはないが私達は仕事でIS学園に来ている。これで漸く本来の目的が果たされるだろう

 

「とりあえず、会議は終わりだ。後は好きにしてくれ」

 

「はーい、フェイトちゃんカフェでお菓子でも食べに行こうよ」

 

「良いね!」

 

今までの雰囲気は何処へやら、女子高生のノリで出て行くなのはとフェイトを見送り。私はイスに腰掛け

 

(あの女性……何処かで見たことあるような気がする)

 

ネクロの奥にいた女性のことがどうしても引っ掛かっていた……

 

(気のせいかな?)

 

考えても判らないし、ここは向こうから仕掛けてくるのを待つべきだ。私はそう判断しコートから読みかけの小説を取り出し読み始めた……

 

 

 

龍也が辛気臭い顔で小説を読んでいる頃、一夏は首に手を置きこきこきと鳴らしながら自室に戻っていた

 

「はー疲れた」

 

龍也の地獄の訓練の後、山田先生に呼ばれ職員室で書類にサインをしていたのだが。いかんせん枚数が多く非常に疲れた

 

「ただいまー。あれ?シャルルがいない?」

 

男同士という事で現在俺はシャルルと同室なのだが、そのシャルルの姿が無い一瞬首を傾げたが。すぐにシャワールームからの水音に気付く

 

「ああ、シャワーか……そういやボディーソープが無かったな。持っててやるか)

 

予備のボディーソープを取り出し、俺は洗面所に向かった。それと同時にシャワールームの扉が開いた

 

「ああ、丁度良かった。これ替えの……」

 

「い……い……いち……か?」

 

「へ……?」

 

シャワールームから出てきたのは見たこともない女子だった。突然の事に俺は視線を逸らさないといけないと判っているのに。その女子の裸体に目を奪われていた……

 

「きゃあッ!?」

 

先に再起動したのは女子のほうだった。慌ててシャワールームに引っ込み。扉を閉めるその音で俺も再起動し

 

「えーと……ボディーソープ、ここに置いておくから」

 

「う、うん」

 

ボディーソープをシャワールームの前に置き、俺は洗面所から出た

 

「えーと……俺はシャルルと同室で、今シャワールームに居るのは女子……あれ?なんで?」

 

何故ここに女子が?っていうかあれは誰だ?ブロンド?……さっきのはシャルル?普段縛ってる髪を解けばあんな感じだろうか?……じゃあ今のシャルル?俺がぐるぐると考え事をしていると

 

「あ、上がったよ」

 

「お、おう」

 

背中越しに掛けられた声に頷き、俺はゆっくりと振り返った。そこには女子がいた……

 

「えと……なんで男の振りを?」

 

何も話さないわけにはいかないので俺がそう尋ねるとシャルルは気まずそうに

 

「それはその……実家のほうからそうしろって言われて」

 

「実家ってデュノア社の……?」

 

「そう僕の父がそこの社長。その人のからの命令なんだ」

 

シャルルは凄く辛そうな顔をしながら

 

「僕は……愛人の子なんだよ。お母さんが死んでから引き取られてそこでIS適正が高いのが判って。そのままテストパイロットをやる事になったんだ……」

 

言いたくない事であろう話をしてくれるシャルル。

 

「デュノア社でも第3世代型のISを開発してるんだけど、データも時間も不足してた。中々形にならなかったんだ。それで政府からの通告で予算の大幅のカット。そして次のトライアルで選ばれなかったらISの開発許可を剥奪するって流れになったんだ」

 

「それと男装に何の関係が?」

 

デュノア社の今の状態は判った。だがそれと男装に何の関係が?と尋ねるとシャルルは

 

「簡単だよ。注目を浴びるための広告塔……それと織斑一夏と八神龍也のISデータの取得。僕はあの人にデータを盗んで来いって言われてIS学園に来たんだ」

 

凄く辛そうに言うシャルル……俺はやるせない怒りを感じていた。そして気が付いたら俺はシャルルの目を見て続けざまに言葉を投げかけていた

 

「親がいなければ子供は生まれない、だけどな!その子供の生き方を好きにして良いわけがないだろッ!!!シャルルお前はお前の好きに生きれば良いんだッ!!!」

 

「どうしたの一夏?変だよ?」

 

困惑しながらそう言うシャルルに俺は

 

「俺は……俺と千冬姉は親に捨てられたんだ。だから親だからって子供の生き方に関わる奴が嫌いだ。シャルルはシャルルだ。お前の生き方はお前が決めれば良い!誰にもお前の生き方を邪魔する権利は無い!!!」

 

「一夏……」

 

シャルルみたいな善人がそんな目にあうのは間違っている。誰にだって幸せになる権利はある!!生まれがどうだとかそんなのは関係ない!!

 

「でも僕には選ぶ権利が無いんだ……でもそう言ってくれてありがとう。凄く嬉しいよ」

 

力なく微笑むシャルル……その笑みは痛々しくそして悲しい笑みだった。その笑みを見た瞬間俺は考える事も無く口を開いていた

 

「特記事項第21、本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる。国家・組織・団体に帰属しない。本人の同意の無い限りそれらの外的介入は原則として許可されないものとする」

 

これだ!これが使える。暗記していた文章がすらすらと言えた。

 

「この学園にいれば3年は安全だ。それだけ時間があれば、何とかなる方法だって見つけられる。俺だけで無理なら龍也に力を借りる。きっと龍也も協力してくれるはずだ……だからそんな顔しないでくれよ」

 

俺には力もないし、何の後ろ盾も無い……本当に力の無い唯の子供だ、だけど友人の1人を救うくらいの力はある筈だ。3年と言う時間の中でシャルルを救う方法を見つけてみせる。

 

「ふふ……ありがと一夏」

 

シャルルが楽しそうに笑う。それは屈託の無い15歳の女子そのものだった

 

「まぁ……そのあーだこーだ言ったけど、決めるのはシャルルだ。俺の言った事も選択の1つとして覚えててくれよ」

 

「うん、ありがとう。そうするよ」

 

何か気まずくて切り上げてしまったが、もっと何か言ってやればよかったかもと後悔していると

 

『一夏さん?いらっしゃいます?夕食をまだ取られてないようですから。宜しければご一緒にどうですか?』

 

廊下からセシリアの声がする

 

「不味い……今部屋に入られると不味い……シャルルちょっと行ってくる。帰りに何か貰ってくるから!」

 

「あ……うん。判った」

 

少し寂しそうに言うシャルルの声を聞きながら。俺は部屋を後にした……

 

 

 

 

 

「幸せになる権利か……」

 

一夏の居なくなった部屋で僕は一夏に言われた言葉を思い返していた。

 

「あんなこと言われたこと無かったなぁ……」

 

僕は一夏に嫌われると思っていた、でも一夏は僕の手を掴んでくれた。助けてほしかった、ずっと1人で寂しかった僕に手を差し伸べてくれた。そして幸せになる権利があると言ってくれた……

 

「欲しくなっちゃたなぁ……」

 

生来シャルル……いやシャルロット・デュノアは独占欲が強い。だが母が死んで、デュノア社に引き取られてからの辛い生活で己の心に蓋をして暮らしていたせいで、それは自分でも知らぬうちに心の奥底に封じ込めていた。

 

「……くすくす。欲しいなぁ……一夏が」

 

初めて感じるこの感覚がどうしようもなく心地良い……唯純粋に一夏が欲しい、その心を手にしたい……それだけが僕の心を埋め尽くす。凄まじいまでの幸福感と渇望……唯1人の人間がどうしても欲しい……初めて感じた狂おしいまでの感情の高ぶり、それはとても心地良く僕の身体を支配する……

 

「うん、僕は幸せになるよ。君を手に入れてね」

 

くすくす……狂おしげにしかし楽しげな笑い声は一夏が戻るまで止まる事は無かった……

 

第23話に続く

 

 

 




えーと我慢していて、それが爆発した事でのヤンデレ化です。イメージは黒桜に近いかもしれませんね。なにか違う気もしますがまぁそんな感じです。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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